歌姫たちと復讐の騎士   作:アキ1113

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 今回は、前回からの続きで、ヴラム&プリキュア対ビターガヴの戦闘から入っていきます。

 それでは、どうぞご覧ください。



第30話 共闘と過去の記憶

 

 「ハァッ!」

 

 ヴラムの矢を受けたビターガヴは、ヴラムに接近して攻撃を仕掛けるが……

 

 「フッ!」

 

 「ぐっ!?」

 

 ヴラムはそれをブレイカーで防御すると同時に、蹴りを食らわせていく。さらにヴラムは、蹴り飛ばしたビターガヴへと急接近し……

 

 「フッ!ハァッ!」

 

 「っ!」

 

 鎌モードに変形させたブレイカーや格闘術で、連続攻撃を加えていったのだ。

 

 「ぐあっ!?」

 

 その攻撃を防ぎ切れずに、吹き飛ばされたビターガヴだったが……

 

 「……やっぱり強いな、お前……なら―――」

 

 キャンディ!

 

 「!」

 

 BITEキャンディ!BITEキャンディ!

 

 ブルキャンスパイシー!ヤミー!

 

 先ほど手に入れたブルキャンスパイシーゴチゾウをセットし、ブルキャンバギーを出現させる。

 

 「これでどうだ!!」

 

 さらにはそれをガトリングモードへと変形させ、ヴラムやプリキュアたちに向けて発射してきたのだ。

 

 「避けろ!」

 

 「「「!」」」

 

 ヴラムの言葉に反応し、アイドルたちも飛んできた弾丸を回避していく。

 

 「っ!?」

 

 「うわっ!?」

 

 「これじゃキリがないですよ!」

 

 「どうしたら―――」

 

 全員回避はできていたが、弾丸の雨のせいでビターガヴに接近することができずにいた。すると……

 

 『すぃー!すぃー!』

 

 アイドルの肩に乗ってきたすぃ~ヨウカンゴチゾウが、何かを訴えていたのだ。

 

 「えっ?もしかして……一緒に戦いたいの?」

 

 『すぃー!』

 

 「!分かった……ヴラム、これを!」

 

 アイドルはそう言い、すぃ~ヨウカンゴチゾウをヴラムに投げ渡した。

 

 「!やっぱりそっちに―――いや、それはいい……いくよ」

 

 『すぃー!』

 

 「カップオン!」

 

 「ヨウカンヴラムシステム!」

 

 ゴチゾウを受け取ったヴラムはそれをギアへとセットし、ヨウカンカスタムへと姿を変える。

 

 「!……まだまだ!」

 

 ビターガヴはその姿を見て、今度はヴラムだけを狙い、再びガトリングを発射する。

 

 「!」

 

 その攻撃は全てヴラムのいる場所に誘導され、地面などに着弾し爆発を起こした。

 

 「「「ヴラム!?」」」

 

 それを見て、3人は心配そうに声を上げた……が、

 

 「あ、あれ!?」

 

 「い、いない……?」

 

 爆発が起きた場所には、そこにいるはずのヴラムの姿がなかったのだ。

 

 「!どこに行った―――」

 

 ビターガヴが辺りを見渡していると……

 

 「フッ!」

 

 「ぐっ!?」

 

 その背後からヴラムが突然現れ、ブレイカーで攻撃を加えられたのだ。 

 

 「い、いつの間……!?」

 

 「知る必要はないよ」

 

 ビターガヴは困惑していたが、ヴラムはなんと近くの影へと入っていったのだ。

 

 「っ!?ハァッ!」

 

 ビターガヴはその光景の驚きながらも、影に入ろうとするヴラムにガトリングを向け、攻撃を仕掛けた。その攻撃はすぐさま影に入られてしまったため、命中することなく終わってしまう。それからガトリングを構え直し、周りを警戒していたビターガヴだが……

  

 「っ!」

 

 「ぐっ!?」

 

 「ハァッ!」

 

 「ちっ……!?」

 

 ヴラムは背後にあった影から現れると、ブレイカーで連続攻撃を加えていった。それによって、ビターガヴからガトリングを引き離すことに成功したのだ……このヨウカンカスタムの能力は、ギアのレバーを下げたときに発動する身体能力の強化だけでなく、通常時でも発動する影に潜り込む能力もあったいたのだ。

 

 「影の中から……!」

 

 「ヴラムすごい!」

 

 その能力を見て、プリキュアたちは驚いていたが……

 

 「!みんな、ちょっといい?」

 

 「「?」」

 

 「思いついたんだけど―――」

 

 ウインクがとあることをアイドルとキュンキュンに話していた。それを聞いた2人は……

 

 「うん!それいいかも!」

 

 「やりましょう!」

 

 そう言ってウインクの話に賛成し、プリキュアたちはすぐさまビターガヴを囲むようにして立った。

 

 「……?」

 

 その行動に、ビターガヴは疑問を覚えていたが……

 

 「!そういうことか……なら―――」

 

 ヴラムはその意図に気付いたのか、一番近くにいたアイドルの影へと潜る。

 

 「行っくよー!」

 

 それを見た3人は、ビターガヴの周りを縦横無尽に駆け回り始めた。

 

 「こいつらちょこまかと……!」

 

 ビターガヴはブレイドを振るい、1番近くにいたウインクに攻撃を仕掛けようとするが……

 

 「ハァッ!」

 

 「ぐっ!?」

 

 その前にヴラムがウインクの影から飛び出して攻撃を加え、それを防いだのだ。さらにヴラムは、今度はキュンキュンの影に潜ると……

 

 「こっちか!」

 

 「フッ!」

 

 「ぐあっ!?」

 

 丁度ビターガヴの背後の位置にいたアイドルの影から現れ、攻撃を食らわせて吹き飛ばしたのだ……ウインクが考えた作戦は、プリキュアたち3人がビターガヴの周りを駆け回ることで、誰の影からヴラムが出てくるかを分からなくし、ヴラムがビターガヴの死角か近くにいる誰かの影から現れ、攻撃を加えていくというものだったのだ。

 

 「やった!」

 

 「上手くいったね!」 

 

 「はい!」

 

 「みんなすごいプリー!」

 

 作戦が上手くいき、ビターガヴに大ダメージを与えられたことに、3人はそう口にしていた。応援していたプリルンも、その活躍に対して手に持ったライトを振っていた。そして……

 

 「……これで決める」

 

 「セット!」

 

 ヴラムは鎌モードのブレイカーにゴチゾウをセットし、レバーを3回引き……

 

 「カップREADY!」

 

 すぐさまギアのレバーを上下させる。さらに、ゴチゾウをセットしたブレイカーを右肩に乗せると、腰を低くした体制で構えを取る。

 

 「終わりだ……!」

 

 「ヨウカンブースト!」

  

 ヴラムはそう言うと、身体強化された状態で駆け出していき……

 

 「フッ!」

 

 「っ!?」 

 

 「ハァッ!」

 

 「ぐっ!?」

 

 猛スピードでビターガヴへと攻撃を加えていく。ビターガヴは回避や反撃をしようとしたが、ヴラムが速すぎるのに加え、攻撃の間隔が短いのもあり、何もできずに攻撃を食らい続けていた。そして、ヴラムはビターガヴの正面にくると……

  

 「ヴラムスラッシュ!」

 

 「ハァッ!!」

 

 「っ!?」

 

 そのままの速さで駆け出し、すれ違いざまにとどめの一撃を当て……

 

 「ヨウカンOUT!」

 

 「ぐああああああ!?」 

 

 見事、撃破することに成功したのだ。

 

 「「「やった!!」」」

 

 「やったプリ!!」

 

 それを見て、3人と隠れて応援していたプリルンは喜びの声を上げ……

 

 「はぁ……」

 

 ヴラムは息を吐きながら、変身を解除する。

 

 「やりましたね!」

 

 「ハルマ君は怪我してない?」

 

 「僕は何ともない……元から頑丈なんだし、心配する必要はないよ」

 

 3人が駆け寄ってきて、キュンキュンとウインクに声を掛けられたハルマはそう答えた。すると……

 

 「ハルマ君!」

 

 「ん?」

 

 「はい!」  

 

 アイドルはハルマに手のひらを向け、ハイタッチをしようとしたのだ………が、

 

 「……?」

 

 ハルマにはその意図が伝わらず、首を傾げられてしまった……。

 

 「!ハイタッチだよ!ほら、私と同じ風にしてみて!」

 

 「……こう?」

 

 「そうそう!」

 

 ハルマはアイドルに言われた通りに右手を上げる。そして……

 

 「イェイ!」

 

 「!」

 

 アイドルたちの方から、ハルマの手へとタッチをした。さらに……

 

 「私たちも!」

 

 「はい!」

 

 「プリルンもするプリ!」

 

 「「「イェイ!」」」

 

 ウインク、キュンキュン、プリルンの3人も続けて、ハルマにハイタッチするのだった……。

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 「母ちゃんと会ったことあるって……いつ!?どこで!?」

 

 ショウマの自身の母親と会ったことがあるという言葉を聞いた絆斗は、驚きを隠すことなくそう尋ねた。

 

 「……小さい頃……俺がまだ何者で、ストマック家がどういう家なのか知らなかった頃―――」

 

 

 

 

 

 

 『お母さんどこ?お母さ―――』

 

 幼いショウマは、部屋を抜け出してストマック家の屋敷を探検していた。だが、そんなショウマの腕を誰かが引いたのだ。

 

 『!誰―――』

 

 『しーっ!』

 

 その人物こそ、人間界から攫われてきた絆斗の母、早恵だったのだ。

 

 『あなたも攫われてきたの?』

 

 『?さらわれ……?』

 

 『こんな小さい子まで……お母さんも一緒?この建物にいる?』

 

 早恵はショウマにそう訊いたが、迷子になっているショウマは首を横に振った。

 

 『そっか……分かった。じゃあ、私も一緒に探してあげる』

 

 そんなショウマの手を引き、早恵はストマック社の中を歩き出した。

 

 『!これって……』

 

 しばらく歩き回った後、2人は攫われた人間たちが寝かせられている場所に到着した。

 

 『この人?』

 

 早恵は寝かせられている人を1人1人ショウマに見せ、どの人物が母親かを訊いたが、ショウマは誰に対しても首を横に振っていた……その時、

 

 『見つけたぞ、赤ガヴ』

 

 『!』

 

 『!?』

 

 そこにタイミング悪く、ランゴとそのエージェントがやって来たのだ。

 

 『親父が探していたぞ?』

 

 『ごめんなさい、ランゴ兄さん』

 

 『お、お兄さん……!?』

 

 その言葉を聞いた早恵は……

 

 『いやぁ!!』

 

 思わずショウマをランゴの方へと突き飛ばしてしまう。

 

 『また脱走か……やれ』

 

 『『はっ』』

 

 ショウマを受け止めたランゴは、自身のエージェントに命令し早恵を捕らえさせる。その後、ランゴのエージェントは特殊な液体が入っている浴槽の前に、早恵を連れていく。 

 

 『ちょうどいいから教えておいてやる。人間はな……美味しい闇菓子の材料になるんだ』

 

 『離して!絆斗!絆斗!!』

 

 早恵が抵抗する中、ランゴはショウマにそう説明する。そして……

 

 『あ……あぁ……!』

 

 エージェントたちは早恵を浴槽の中へと落とし、その中に落とされてしまった早恵は………その液体に溶かされ、消えてしまった……。

 

 『何があった?』

 

 『!あんたか……赤ガヴが勝手に部屋を抜け出したんだよ』

 

 その直後、白髪の人間の男―――の姿をしたオースが現れ、ランゴ向かってそう尋ねた。その後、ショウマと周りの様子を見たオースは……

 

 『!まさかランゴ……!』

 

 『赤ガヴに教えるには、ちょうどいい機会だろう?』

 

 ここで何が起きたのかを察した。

 

 『……ショウマは俺が連れて行こう』

 

 『……なら任せた。行くぞ』

 

 ランゴはそう言い、エージェントを連れてこの場から去っていった。その姿を見送ったオースは、ショウマとみちるが普段いる部屋へと戻っていく。 

 

 『……ねぇ―――』

 

 『すまない、ショウマ』

 

 『えっ?』

 

 『酷いものを、見せてしまったな』 

 

 オースはショウマに対し、そう謝罪をする………ショウマとオースは元々面識もあり、頻繫に―――とは言えないものの、オースがストマック家にいた間は、ショウマとみちるの様子を見に行っていたのだ。

 

 『叔父さんも……そう、なの?』

 

 『そうではない……と言えれば、いいんだろうけどな。俺も実際、どうにもできずにいる』

 

 オースはショウマに対し、自身は関わっていないというのではなく、正直にそう答える。

 

 『でも、叔父さんは優しいよ?』

 

 『!そうか……ありがとうな』

 

 そう言われたオースは、一瞬驚きながらもショウマの頭を撫でる。

 

 『これ以上、このままにしておくわけには………例え小さい抵抗だとしても、俺は―――』

 

 『叔父さん……?』

 

 『!いや、何でもない……さぁ、帰ろうか』

 

 

 

 

 

 「絆斗のお母さんは、一度抜け出したのに……俺を助けようとしたせいで……!」

 

 「……」

 

 「それに俺は、優しかった叔父さんのことまで忘れて―――」

 

 ショウマは絆斗に、早恵とオースのことを話すと……

 

 「ごめん絆斗!こんな大事なこと、忘れていたなんて……俺がグラニュートだとか、そんなことよりもっと……!本当にごめんなさい……!」

 

 震えながらも、絆斗に土下座をして謝った……それに対し……

 

 「……覚悟は、していた」

 

 「……」

 

 「お前は悪くない。分かってる……頭じゃ全部分かってる!」

 

 絆斗は立ち上がり、近くの柵に腕を置きながらそう言った。だが……

 

 「でも……悪い……今は俺、お前のこと見れねぇ……」

 

 感情の整理が出来ていなかった絆斗はそう言い残し、ショウマの前から去っていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます。

 今回、見事に連携することで、ヴラムとプリキュアたちはビターガヴを撃破することに成功しました。

 ちなみに、ショウマが今までオースのことを忘れていたのは、初めて闇菓子が人間を材料にしていることを知った衝撃もありますが、そもそも最後にオースに会ったのが十数年前であることも原因となっています。

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。
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