歌姫たちと復讐の騎士   作:アキ1113

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 今回は、ハルマとショウマがメインの話となります。

 それでは、どうぞご覧ください。



第32話 ビターガヴ再び

 

 「えっと、確かこの辺りに……」

 

 幸果に自身の正体や事情を話した数日後、ショウマはハルマに呼ばれて指定された場所に向かっていた……ハルマはショウマの体調を気遣い、無理はしないでもいいとは言っていたが、ショウマは直接会いに行くことにしたようだ。すると……

 

 「ショウマ兄、こっち」

 

 「!ハルマ君!」

 

 先に待っていたハルマに声を掛けられ、ショウマはそちらに駆け寄っていく。

 

 「……別に呼び捨てでいいんだけど」

 

 「!じゃあ……ハルマって呼ぶよ」

 

 そんなやり取りをしてから、2人はビターガヴについて話し始める。

 

 「俺と同じ姿……何でなんだろう」

 

 「心当たりはないの?」 

 

 「……もしかしたら、俺の知らないきょうだいがいるのかも」

 

 ショウマはそう予想したが……

 

 「……その可能性は低いと思うよ」

 

 「えっ?」

 

 「これは僕の予想だけど……ビターガヴを作っているのは、酸賀だと思う」

 

 「!あの人が……!?」

 

 ハルマは酸賀こそが、ビターガヴを生み出しているとショウマに自身の予想を伝える。 

 

 「前にビターガヴのことを訊いてみたけど、何かを隠してるような反応だった……ハントに戦う力を与えたのにも、何か裏があるのかもしれない」

 

 「……」

 

 「とにかく、酸賀がビターガヴのことに関わっていなかったとしても、ショウマ兄も注意しておいて」

 

 「わ、分かった……」

 

 その言葉に、酸賀を疑っていなかったショウマは驚くが、言葉通りに警戒することにしたようだ………その時、

 

 「っ……」

 

 「!大丈夫?」

 

 「う、うん……大丈夫」

 

 ショウマが突然ふらつき、倒れそうになってしまったのだ……そんなショウマを見て……

 

 「……家まで送る。どこにあるの?」

 

 「えっ?」

 

 「このまま放っておくわけにはいかないでしょ?それに、途中で倒れられたら困るし」

 

 ハルマはそう言い、ショウマをはぴぱれまで送ることにするのだった………その道中…… 

 

 「ハルマ……俺、思い出したんだ。オース叔父さんのこと……」

 

 「えっ……?」

 

 ショウマはハルマにそう告げたのだ……。

 

 「……ストマック社じゃ、父さんはどんな風だったの?」

 

 ハルマはショウマに対し、少し間を空けながらそう訊いた。

 

 「優しかったよ……叔父さんは、あの家の中で唯一、母さんと俺のことを気に掛けてくれていた。闇菓子のことだって、何とかしようとしていた……それに……」

 

 「……それに?」

 

 「ハルマによく似ていたよ……特に優しいところとか。それも、ハルマとオース叔父さんは親子なんだなって思えるくらい」

 

 「!……そう」

 

 ショウマの言葉に対し、ハルマは少しショウマの方から顔を逸らしてそう言った………その直後、

 

 「ん……?」

 

 「あれって……」

 

 2人の正面から、次々と人々が逃げてきていたのだ。それを見て……

 

 「!まさか―――」

 

 「っ!」

 

 ハルマは人々が逃げている理由を察したのか、人の流れに逆らって駆け出して行き、ショウマもそれに続いていくのだった……。

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 

 ハルマとショウマがはぴぱれに向かっている頃、絆斗はとある場所で仕事をしていた……が、

 

 「……はい?」

 

 『やばい、俺モンスター見つけたかも!』

 

 友人である加太郎から突然、電話が掛かってきたのだ。それに出たところ、なんと加太郎がグラニュートを見つけたと伝えてきたのだ。

 

 「っ!どこで!?」

 

 『明石湾の近くだ!』

 

 「分かったすぐに行く!喧嘩売ったり余計な真似すんじゃねえぞ?」

 

 絆斗は電話を切ると、すぐさま加太郎のいる場所へと向かおうとしたが……

 

 「おいお前!何してくれてんだ!」

 

 「アハハハ!アハハハハハ!」

 

 「!あいつ……ビターガヴ!?」

 

 そこにダークショウマが現れ、発進しようとした車を止めていたのだ。

 

 「確かに倒したはずだ……何で……?」

 

 「ねぇねぇ、遊ぼうよ!」

 

 「はぁ?」

 

 そう言うとダークショウマは……

 

 「アハハハハハ!」

 

 「う、うわあああああ!?」

 

 車の底の方を持つと、そのままひっくり返してしまった。

 

 「どう?びっくりした?」

 

 ダークショウマは、車の中にいる人にそう尋ねる。

 

 「っ……」

 

 (あいつに構ってると、加太郎がやべぇな……!そうだ―――)

 

 絆斗は携帯を取り出し、とある人物に電話を掛ける。

 

 『ハンティー?どうかしたの?』

 

 その人物というのが、何でも屋はぴぱれの社長である幸果だったのだ。

 

 「社長!ショウマの偽物が出た。あいつに伝えといてくれ」

 

 『え?ハンティーが直接言えば―――』

 

 「悪い、頼んだ!」

 

 『え、ちょ―――』

 

 絆斗はそう言い、電話を切って友人のもとに急いでいった……その後も、ダークショウマはひっくり返した車を回して暴れていたが……

 

 「アハハハハハ!ビビってやんの―――うわっ!?」

 

 駆け付けたハルマに、軽く蹴り飛ばされたのだ。

 

 「またか……大丈夫?ほら」

 

 「大丈夫ですか!」

 

 「!あ、あぁ……!」 

 

 その後、ハルマはショウマと共に車に乗っていた人を引っ張り出した。

 

 「あ、ありがとう……」

 

 「礼はいいから、さっさと逃げて」

 

 「は、はい!」

 

 車に乗っていた人は、ハルマの言葉に頷いてからこの場を離れていった。

 

 「何で……絆斗と俺で倒したはずなのに……」

 

 ショウマはダークショウマを見て、驚きながらそう口にしたが……

 

 「うーん……俺はお前らのこと知らないから……俺じゃなかったんじゃない?」

 

 「えっ……?」

 

 「……やっぱりそういうことか」

 

 「やっぱりって……?」

 

 納得した様子でいたハルマに対し、ショウマはそう訊いた。

 

 「こいつは1人だけじゃないってことだよ……昨日僕も、こいつと同じ姿をした奴を倒した」

 

 「!俺も絆斗と一緒に倒した……でも、その時ハルマは―――」

 

 「その反応……僕らが倒したのは、別々のビターガヴってことか」

 

 ショウマの反応から、ハルマはダークショウマが何体もいることを確信した。

 

 「大正解!俺はね、何人もいるんだ!きっとまだまだ出てくるよ!」

 

 「!……作られた存在ってこと?」 

 

 「ご主人様ってすごいよねー?」

 

 「ご主人……お前を作ったのは誰?」

 

 ハルマはダークショウマから『ご主人』が誰なのかを訊き出そうとしたが……

 

 「さぁね?知りたかったら……俺を捕まえてみなよ!」

 

 やはりというべきか、笑顔でそう返されてしまう。

 

 「……さっさと吐かせる」

 

 「ヴラスタムギア」

 

 ハルマはそう口にし、ヴラスタムギアを腰に巻いた。

 

 「遊んでくれるんだ!?やったね!」

 

 ダークショウマは喜びながら、自身のガヴを出した。

 

 「遊ぶんじゃない……お前を倒すんだ!」

 

 ショウマも自身のガヴを出し、ゴチゾウをセットしようとすると……

 

 「ショウマ兄」

 

 「?」

 

 「……無理はなしだよ」

 

 「!……ありがとう。ハルマもね」

 

 ハルマに小声でそう言われ、礼を言ってから改めてゴチゾウをセットした。

 

 「カップオン!」

 

 グミ!

 

 「グミ!」

 

 そして……

 

 BITEグミ!BITEグミ!

 

 「Eatグミ!Eatグミ!」

 

 「……変身」

 

 「変、身!」

 

 「変身!」

 

 「プディングヴラムシステム!」

 

 スパーキングミ!ヤミー!

 

 「ポッピングミ!ジューシー!」

 

 3人は同時に変身していく。

 

 「行っくよー!」

 

 「「っ!」」

 

 その後、ビターガヴとガヴはそれぞれのブレイドを、ヴラムはブレイカーを持ち、互いに駆け出していく。

 

 「アハハハハハ!」

 

 ビターガヴはブレイドで2人に連続攻撃を仕掛け……

 

 「ハァッ!」

 

 「フッ!」

 

 ガヴとヴラムはそれを同時に避け、すぐさま反撃に転じていた。すると……

 

 「おっ?」

 

 『『『!?』』』

 

 「アハハハハハ!よし!」

 

 ビターガヴは近くにいたゴチゾウ3体を纏めて掴むと、2人の攻撃を避けながらブレイドに吸収させ……

 

 「ハァッ!」

 

 「っ!」

 

 「フッ!」

 

 エネルギーを纏わせたブレイドを頭から伸ばした鞭を模したエネルギーへと繋げ、それを2人に向けて振るったのだ。

 

 「っ!?」 

 

 「ちっ、前よりも強いな……!」

 

 その攻撃を2人は次々と回避していくが、ヴラムは前の個体よりも強くなっていることに対し、思わずそう口にしていた。

 

 「ハァッ!」

 

 「ぐっ!?」

 

 縦横無尽に振るった後、ビターガヴはガヴに狙いを定めてブレイドを振り下ろし、その攻撃をガヴはブレイドで咄嗟に受け止めていた。

 

 「っ!」

 

 それを見たヴラムは、弓モードに変形させたブレイカーでビターガヴに矢を放とうとしたが……

 

 「そーれっ!」

 

 「!」

 

 それと同時にビターガヴは車を押して滑らせ、ヴラムに当てようとしていた。ヴラムはそれを難無く避けたが、車は背後にいたハルマと同い年の女子2人組に向かっていく。それに気付き……

 

 「っ!危な……」

 

 ヴラムはすぐさま駆け出し、車が2人に当たる前に片足で止めて見せたのだ。

 

 「あっ……!」

 

 「早く逃げて」

 

 「あ、脚が……!」

 

 「っ……」

 

 ヴラムは後ろの2人に逃げるように言ったが、そのうちの1人が脚を怪我して動けずにいたのだ。すると……

 

 「アハハハハハ!じゃあ次はー……追いかけっこしよっか?」

 

 キャンディ!

 

 ビターガヴは笑いながら、ブルキャンスパイシーゴチゾウをセットし……

 

 BITEキャンディ!BITEキャンディ!

 

 ブルキャンスパイシー!ヤミー!

 

 「じゃあねー!」

 

 ブルキャンバギースパイシーを召喚すると、それに乗ってそのまま走り去っていった。

 

 「っ!逃がさない!」 

 

 「キャンディ!」

 

 それを見たガヴも、ブルキャンゴチゾウをセットし……

 

 「EATキャンディ!EATキャンディ!」

 

 「ブルキャン!」

 

 「ヴラム、その人たちお願い!」

 

 ヴラムにそう言い残し、ブルキャンバギーに乗ってビターガヴを追いかけていく。

 

 「あっ、ちょ―――無理はなしって言ったんだけどな……」

 

 ヴラムはそう言いつつも…… 

 

 「……早く逃がして追いかけよう」

 

 目の前の2人を助けることを優先することにした……その時、

 

 「っ!?ハル―――じゃなかった、ヴラム!」

 

 偶然近くにいたうたが、騒ぎを聞きつけてやってきていたのだ。

 

 (ちょうどいいか……)

 

 「2人のこと頼んだ」

 

 「!わ、分かった!」

 

 うたに2人のことを頼んだヴラムは、すぐにガヴの後を追うのだった……。

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 「待て!」

 

 「アハハ!アハハハハハ!」

 

 一方でガヴは、逃走を図ったビターガヴを追いかけていた。始めは道路を使って逃げていたビターガヴだが、急にバギーでビルの壁を登って行ったのだ。ガヴもそれに続き、さらにスピードを上げて追っていく。

 

 「いけいけー!」

 

 「くっ……!」

 

 ビルの壁を走り回りながら、2人は互いにタイヤと一体になっているガトリングを撃ち続ける……が、

 

 「次はこれだ!」

 

 「っ!」

 

 ビターガヴは先に地面へ降りたかと思えば、バギーをガトリング砲に変形させ、ガヴを狙って撃ち始めた。ガヴはその攻撃を最初はバギーで走り回ることで避けていたが……

 

 「っ……体力が……!」 

 

 段々と体力が無くなっていき……

 

 「ぐあっ!?」

 

 ついには攻撃に当たってしまい、そのまま落とされて変身まで解除されてしまったのだ。

 

 「じゃあねー!」

 

 「っ……」

 

 それを見たビターガヴは何処かへ走り去っていき、ショウマも限界がきて気を失ってしまう……。

 

 「確かこっちに―――いた!」

 

 ショウマが気を失ってから少しして、女子2人組をうたに任せたハルマが追いついてきた。

 

 「って、気を失ってる……」

 

 気を失ったショウマを見たハルマは、ショウマを背負おうとした。そこに……

 

 「ウマショー!?」

 

 「!?」

 

 ショウマを探しに来たであろう幸果がやってきたのだ。

 

 「と……?だ、誰?」

 

 幸果は初対面のハルマを見て、そんな声を上げた……が、

 

 「いや、今はそれより………君、ウマショーの知り合いだったりする?」

 

 「?ウマショーってショウマに―――ショウマさんのこと?」

 

 「!知り合いみたいだね……よし!えっと―――」

 

 「ハルマ」

 

 「ハルマ君ね……ハルマ君、ごめんけどウマショー運ぶの手伝ってくれない?」

 

 「分かった。もともとそのつもりだったし」

 

 ハルマはそう言い、軽々とショウマを背負った。

 

 「じゃあ、こっちに来て!」

 

 そうしてハルマは、幸果と共にはぴぱれへと向かうのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 




 読んでくださり、ありがとうございます。

 今回は、ハルマとショウマが別個体のビターガヴと戦闘になりました……そして最後には、幸果と邂逅し……?

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。
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