歌姫たちと復讐の騎士   作:アキ1113

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 今回は、ハルマたちライダー側が中心の話となります。

 それでは、どうぞご覧ください。



第33話 ビターなヴァレン

 

 「こっちだよ!」

 

 「ここが、ショウマ兄の……」

 

 気を失ったショウマを背負ったハルマは、幸果の案内で何でも屋はぴぱれのある場所へ来ていた。

 

 「ここにウマショー寝かせといて」

 

 幸果の言葉通り、ハルマはショウマを布団へと寝かせる。

 

 「ありがとね。ここまでウマショー運んでくれて」

 

 「……偶々見つけただけですけど……」

 

 幸果が礼を言うと、ハルマはそう返した。

 

 「そこは素直に受け取って欲しいんけど……まぁでも、本当に感謝してるよ。ありがとね」

 

 「……そう、ですか」

 

 真っ直ぐにそう言われたハルマは、戸惑い気味に。

 

 「あ、そう言えばさ……ハルマ君って、ウマショーとどういう関係なの?」

 

 「えっ?」

 

 「良かったらでいいんだけどさ、ウマショー起きるまででいいから聞かせてもらえないかな?折角だし、お菓子とかお茶でも飲みなよ」

 

 ハルマに向かって幸果はそう言いながら、菓子と茶を用意し始めていた。

 

 「……」

 

 (どうする……取り敢えずグラニュートや仮面ライダーのことを隠すのは当然として、他は―――)

 

 「……いい、ですよ」

 

 「ホントに?ありがとう!」

 

 ハルマは幸果に自身とショウマの関係をバレないようにしながらも、ショウマが起きるまで幸果と話をすることに決めた。

 

 「はい、どうぞ」

 

 「あ、ありがとうございます」

 

 「そんなに堅苦しくなくてもいいよ?あっ、そう言えば私の自己紹介もまだか……私は甘根幸果。何でも屋はぴぱれの社長をやってるんだ」

 

 幸果はハルマに対し、そう自己紹介をする。

 

 「何でも屋……?」

 

 「うん、ウマショーもここでバイトしてるんだよ」

 

 「!ショウマ―――さんが……?」

 

 ハルマはショウマとの本当の関係がばれないよう、ショウマのことをさん付けで呼びながらそう返した。

 

 「……幸果さんは、どこでショウマさんと会ったの?」

 

 「えっとね、ウマショーがお腹空かせて倒れてるところを拾ったの」 

 

 「拾った?」

 

 「そうそう。その後一度ウマショー出て行っちゃったんだけど……色々あって、今はここに住んでるんだ」

 

 「へぇ……」

 

 (ショウマ兄にそんなことが―――)

 

 「あ、美味しい……」

 

 「!口にあったみたいで良かった……!」

 

 ハルマはその話を、お茶や菓子を飲み食いしながら聞いていた。すると……

 

 「っ……あ、あれ……?」

 

 「!ウマショー起きた?」

 

 「ここって、はぴぱれ……?」

 

 「良かった……!」

 

 幸果はショウマが目を覚ましたことに対し、安心した様子でいた。

 

 「まさか、幸果さんが見つけて……」

 

 「私というよりは、先に見つけたのはハルマ君だよ」

 

 「!ハルマが……?」

 

 ショウマはそう言い、ちょうどお茶を飲んでいるハルマの方を向く。

 

 「それに、ここまで運ぶのも手伝ってくれたんだ。ね?」

 

 「そっか……ありがとう、ハルマ」

 

 「別に礼はいいって……ごちそうさまでした」

 

 ハルマはそう言ってから、扉の方に向かっていく。

 

 「あれ?もう行っちゃうの?」

 

 「体調悪いショウマさんがいるのに、長居するわけにはいかないし……」

 

 「そう気を遣わなくても……あっ、じゃあせめてこれ持ってって」

 

 「これって……お菓子?」

 

 「そう!せっかくだから友達とかと食べてよ」

 

 幸果はそう言い、ハルマにいくつかの菓子を渡した。

 

 「友達……あ―――」

 

 ハルマはそう呟き、何かを考えると……

 

 「じゃあ……ありがたく貰っておきます」

 

 「うん!また来てねー!」

 

 幸果に礼を言い、はぴぱれから去っていった。その後……

 

 「……ていうかウマショー、ハルマ君とどこで知り合ったの?」

 

 幸果はショウマに、ハルマとどこで知り合ったのかを訊いた。 

 

 「!えっと……」

 

 (どうしよう……ハルマが仮面ライダーってことは、まだ言わない方がいいよね……)

 

 「ウマショー……?」

 

 「!ハルマは前に俺が助けたことがあって……それから、何回か会ったりしてるんだ」

 

 「へぇ……じゃあ、少し年下の友達―――いや、弟って感じ?」

 

 「!う、うん」

 

 ショウマはハルマの正体を隠すために、一部本当のことを交えながらそう言った。そうして少し話をした後…… 

 

 「じゃ、ゆっくり休んでね」

 

 「うん、ありがとう……」

 

 幸果はそう言って下に降り、ショウマは幸果の言葉に休むことにするのだった……。

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 「ここの奥にモンスターがいたんだよ」

 

 「お前、何でこんなところに……?」

 

 「!いや……元職場だから、制服返しに来たんだよ」

 

 ショウマがはぴぱれに戻って休んでいる頃、絆斗は友人の加太郎のいる場所に到着していた。

 

 「……情報ありがとな。後は俺が勝手に調べるから帰ってろ。危ねぇから」

 

 絆斗はそう言い、目の前の建物の中へと入っていく。 

 

 「いねぇな……」

 

 絆斗はバスターを構え、建物の中を進んでいくがグラニュートを見つけられずにいた。すると……

 

 「何だこれ……蛸壺か……?」

 

 いくつも蛸壺が置いてある部屋へと辿り着いたのだ。絆斗はそのうちの1つへと近づいていった……その時、

 

 「くっ!体が……!」

 

 周りにある蛸壺から、次々と絆斗に向けてスミが浴びせられたのだ。それによって、絆斗は床に膝をついてしまった。そこに……

 

 「あーあー、ごめんな絆斗」

 

 「加太郎!?それに……あんた、昨日の焼肉屋の!」

 

 先ほど帰ったはずの加太郎と、昨日訪れた焼肉屋の大将が現れたのだ。

 

 「大将がさ、お前に変な記事書かれたリベンジしたいって言うから……ちょっと手伝っちゃった」

 

 「!?お前……俺を売ったのか……?」

 

 「当たり~!」

 

 加太郎はそう言いながら、絆斗に報酬の札束を見せる。

 

 「っ……ダチっていうのは永遠じゃねぇな……」

 

 「なんだよ、ちょっとしたドッキリじゃん……じゃ、後は当事者同士で対決よろ~!」

 

 加太郎はこの場から去ろうとしたが……

 

 「あぁ……ご苦労さん」

 

 「っ!加太郎!!」

 

 突然、大将が服を捲ると腹から舌が出てきており、加太郎をヒトプレスへと変えてしまう……。

 

 「ハハハハハ……!」

 

 大将は笑い声を上げながらガヴからミミックキーを抜き、タコのグラニュートへと姿を変えた。

 

 「俺は、お前らハンターに狙われてるグラニュートだ!」

 

 「狙う……?お前らが人間襲ってるから倒して―――」

 

 「うるせえ!!こっちはお前と処刑人にダチたちをやられてんだ!」

 

 タコのグラニュート……スミールは怒りを露わにして、そう声を上げた。スミールは絆斗にキノコのグラニュートであるオタケを、ハルマに羊のグラニュートであるプシーや、ストマック社のバイトで知り合い友達となったグラニュートたちを倒されていたのだ。

 

 「っ……だから俺から、ダチを奪ったってわけか……!」

 

 「チョコ!」

 

 「Setチョコ!Setチョコ!」

 

 絆斗は腕を何とか動かし、バスターにチョコドンゴチゾウをセットしたが……

 

 「おっと!」

 

 「っ!?」

 

 「Set…チョ…コ!Set……チョ……」

 

 スミールはバスターを狙ってスミを浴びせたのだ。それによって、バスターのレバーは動かせなくなってしまった……。

 

 「う、動かねぇ……!」

 

 「このスミは俺の体液でな……浴びたら最後、その銃は使い物にならなくなるぜ?」

 

 「なんだと……!?」

 

 その事実に驚く絆斗に対し…… 

 

 「一晩中いたぶってから殺してやるよ!そして、その次は処刑人だ!」

 

 「!」

 

 「あいつは特に許さねぇ……絶対に苦しめてから殺してやる!!」 

 

 「ぐっ!?」

 

 スミールは自身の触手で、絆斗を痛めつけ始めるのだった……。

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 次の日、海に近い場所にある広場に、ショウマとハルマが逃がした個体のダークショウマが現れていた。

 

 「誰もいねぇな……そうだ!たくさん壊せば出て来るかな?」

 

 グミ!

 

 ダークショウマは、そう言いながらゴチゾウを自身のガヴにセットし……

 

 BITEグミ!BITEグミ!

 

 「変身!」

 

 スパーキングミ!ヤミー!

 

 ダークショウマはビターガヴに変身すると……

 

 「ハァッ!」

 

 近くにある建物を壊して暴れて始めたのだ。

 

 「アハハハハハ!」

 

 『―――!?』

 

 それを偶然見たパトロール中のショウマのゴチゾウは、すぐさまその場からはぴぱれへと戻っていく……。

 

 「きゃああああああ!?」

 

 建物が破壊される光景とビターガヴを見て、近くでクレープやアイスを売るキッチンカーの開店準備をしていた女性は、悲鳴を上げて逃げ出した。

 

 「?なんだ……いたのかぁ……」

 

 ビターガヴは、近くに人間がいたのに逃がしてしまったことをがっかりしながら、近くの石を蹴るのだった……。

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 「……ん?どうしたの?」

 

 『――!――!』

 

 「えっ!?」

 

 目を覚ましたショウマは、パトロールから戻ったゴチゾウから、暴れているビターガヴが現れたことを聞き、すぐさまその場に向かおうとする。そうして、扉を開けて外に出ようとしたが……

 

 「!ウマショーどこ行くの?」

 

 それと同時に、ショウマの様子を見に来た幸果と会ってしまう。

 

 「……ビターガヴがまた出たって、ごめん」

 

 「ちょ!?ダメだよ行っちゃ―――」

 

 体調が悪いのに戦いに行こうとしているショウマを、幸果は慌てて止めるが……

 

 「ここは!……無くしたくない。大事な世界だから」

 

 「……!」

 

 その言葉を聞いて、幸果はショウマを止めていた手を放し、そのまま行かせてしまった……が、

 

 「確かここに……!あった!」

 

 武器になりそうなものを持って、ショウマの後を追うのだった……。

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 「ハハハハハ……!」

 

 「ぐっ……」

 

 ショウマがビターガヴのところへ向かった頃、絆斗は未だにスミールに痛めつけられていた……。

 

 「もう朝か……誰も助けに来ないまま、お前はここでくたばり、お前のダチは闇菓子になる」

 

 「っ……諦めて、たまるか……!」

 

 スミールはそう言うが、絆斗はまだ諦めずにバスターへと手を伸ばす。

 

 「諦めの悪いやつだな……」

 

 そんな絆斗に向かい、スミールは触手を振るおうとした……その時、

 

 「チョコ」

 

 「!こいつは―――」

 

 

 

 

 『はいこれ』

 

 『これは……?』

 

 『俺が作った新しいゴチゾウ。ショウマ君から貰い続けるのもキツイでしょ?』 

 

 『……そうだな』

 

 『ちょっとビターなチョコだけど、気に入ってもらえると思うよ』

 

  

 

 

 バスターへと飛び込んできたのは、以前酸賀の研究室に行った時に渡された黒いチョコドンのようなゴチゾウだったのだ。

 

 「Setチョコ、Setチョコ」

 

 「っ!」

 

 それをチャンスと見た絆斗は、何とかバスターのレバーを閉じ…

 

 『ビタァァァ……』

 

 「変身!」

 

 地面に向けてトリガーを引いた。すると、地面に黒いチョコレートのような液体が広がり、黒い竜巻状になっていく。さらには、液体の中から赤い電撃を纏った4枚の銀紙に包まれた板チョコが出現し、絆斗を囲んでアーマーとして装着されたのだ。そして……

 

 「チョコルド、パキパキ」

 

 絆斗は銀紙を赤い炎が出るのと同時に引き剝がすと、そこからはチョコドンフォームでホワイトチョコだった部分に黒いノイズのような模様が付いた姿……チョコルドフォームへと変身したのだ。

 

 「っ!」

 

 「ぐっ!?」

 

 その直後、ヴァレンはスミールに銃撃を放ち、左の触手を破壊した。

 

 「な、なんで俺のスミが……!?」

 

 「酸賀に助けられたな……行くぜ!」

 

 驚くスミールを余所に、ヴァレンは攻撃を仕掛けていくのだった……。

 

 

 

 

 

 

  




 読んでくださり、ありがとうございます。

 今回から本格的に、ハルマが幸果と絡み始めました。これからどんどん、2人の会話が増えていくと思います……。

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。
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