それでは、どうぞご覧ください。
はぴぱれを飛び出したショウマは、地面に寝転んで暇そうにしていたビターガヴを見つけた。
「!見つけた……!」
「あれ?また来たんだ!」
そんなビターガヴに対し……
「お前も最強目指してるんだろ?……どうする?その辺壊して満足するか……それとも、俺と戦うか!」
ショウマはそう言い、狙いを自身だけに向けようとしていた。
「よーし!お前でもいいや、遊ぼっか!」
その言葉を聞き、寝転んでいたビターガヴはショウマの方を向いて立ち上がる。
「グミ!」
「Eatグミ!Eatグミ!」
「っ……変身!」
「ポッピングミ!ジューシー!」
ショウマは倒れながらも変身し、ガヴガヴレイドを出して立ち向かって行く……が、
「ハァッ!」
「おっと!」
体調が悪いことが影響し、いつものように力が出せずにいた……。
「どうしたの?この間よりもっと弱いじゃん!」
「ぐっ……!」
「あっ、取れた!」
ビターガヴはブレイドで攻撃を加え、ガヴの装甲を剝がしていく。
「はぁ……はぁ……くっ……」
ガヴは何とか立ち上がり、ブレイドを構えた……すると……
「ウマショー!」
そこへ後を追ってきた幸果が現れたのだ。
「よし……行くぞー!」
幸果は武器として持って来たノコギリで、ガヴに加勢しようとしたが……
「アハハハ!」
「うおっ!?」
「ハァッ!」
「くっ……!?」
「やばっ!?てか熱っ!?」
2人の攻撃の間には隙がなく、翻弄されてしまっていた。
「それっ!」
「ぐあっ!?」
ガヴはそのまま攻撃を受けて吹き飛ばされ、変身も解除されてしまう……。
「ウマショー!!」
「っ!幸果さん……!」
「大丈夫?」
「ここに来ちゃダメだ!」
幸果はすぐにショウマへと駆け寄るが、ショウマは幸果をこの場からすぐにでも逃がそうとしていた。
「さっきから何なの?お友達?じゃあ……一緒にサヨナラしよっか?」
「っ……幸果さん早く!」
「ウマショー置いて逃げらんないよ!」
ビターガヴはそう言い、ショウマと幸果に迫っていた……その時、
「ぐあっ!?」
「「えっ?」」
突然、ビターガヴが誰かに蹴り飛ばされたのだ。そして、2人の前には……
「サヨナラするのはお前だよ」
「ハルマ……!」
「え!?ハルマ君!?」
何故かここにいるはずのないハルマが立っていた。
「な、何でここに……?」
「この子が知らせてくれたんだよ」
ハルマはそう言い、手に持ったショウマのゴチゾウを2人に見せた。
ハルマは今朝、昨日幸果にもらった菓子をうたたちにも分けようと思い、今の拠点からグリッターに向かおうとしていた……が、
『ん?君は……』
出口にショウマのゴチゾウがいるのを見つける。そのゴチゾウは、何か慌てた様子でおり……
『!ショウマ兄が?』
そのゴチゾウは、ショウマが体調不良であるにも関わらず、無理をしてビターガヴを倒しに行ったことと、ハルマにショウマのことを助けてほしいことを伝えに来たようだ。
『……これは今度にするか……すぐに行く。案内して』
そうしてハルマはゴチゾウに案内を頼み、ショウマのところにまで駆け付けたというわけなのだ。
「ショウマ兄……気持ちは分かるけど、次からこういう時は僕を頼って」
「ヴラスタムギア」
ハルマはそう言い、ヴラスタムギアを腰に巻いた。そして……
「カップオン!」
「……変身」
「プディングヴラムシステム!」
「っ!」
ヴラムへと変身し、すぐさまビターガヴに弓モードのブレイカーから矢を放った。
「アハハハ!倒し甲斐がありそう!」
ビターガヴも攻撃を受けながらも、ヴラムへと駆け出していった。一方で、その様子を見ていた幸果は……
「ハルマ君が……仮面ライダー!?」
「うん……それにハルマも俺と同じ人間とグラニュートのハーフで、オース叔父さんの子供なんだ」
「てことは……ウマショーの従兄弟!?マジで!?」
ハルマが仮面ライダーであること、人間とグラニュートのハーフであること……そしてショウマの従兄弟であることを同時に知り、思わず大声で驚いていた。そんな幸果を余所に……
「フッ!」
「ぐっ!?このっ!」
「ハァッ!」
「ぐあっ!?」
ヴラムはビターガヴに次々と攻撃を加えていくのだった……。
◇
ヴラムがビターガヴと交戦し始めた頃……
「フッ!ハァッ!オラァ!」
「ぐあっ!?」
チョコルドへと変身したヴァレンもスミールと交戦していたが、先程まで痛めつけられていたとは思えないほど、スミールに対して有利に戦いを進めていた。
「ハァッ!」
「ぐっ!?」
ヴァレンはスミールに接近すると、机に乗って零距離でバスターから銃撃を放つ。
「ハァッ!」
「うおっ!?」
スミールはすぐさま反撃してきたが、ヴァレンは足払いをすることで体制を崩させた。
「くっ……このやろ!」
スミールはヴァレンに触手を振るうも、避けられて机の下に入られ……
「オラッ!」
「なっ!?痛っ!!」
机ごと蹴り飛ばされ、天井に思い切り頭をぶつけてしまい、そのまま床に落下していった。さらに……
「これでも食らえ!」
ヴァレンは前宙をしながら、スミールの腹にキックを食らわせた。
「き、効くぅぅぅーー!」
その攻撃が効いたのか、スミールは涙を流しながら思わずそう口にする。ヴァレンはすぐにスミールの上から飛び退くと、バスターのレバーをスミールに背を向けながら開いた。
「な、なんだこの強さは!?」
スミールは、自身に背を向けているヴァレンに向かって攻撃を仕掛けるが……
「ぐおっ!?」
逆に触手を掴まれ、そのまま壁に叩きつけられてめり込み、穴を作ってしまう。
「ま、待ってくれ!お、俺が悪かったから!ゆ、許し―――」
「遅ぇよ」
ヴァレンはスミールがめり込んだ穴に、バスターのレバーを引っ掛けることで閉じ……
「フッ!」
「チョコ!」
「ぐああああああ!?」
目の前のスミールに向け、弾丸を発射した。するとそれは、液体のチョコレートの奔流へ変わるとスミールを飲み込み、そのまま撃破したのだ。
「はぁ……はぁ……」
その後、ヴァレンは変身を解除すると、落ちていた加太郎のヒトプレスを拾い……
「てめぇ……慰謝料覚悟しろよ?」
そう口にするのだった……。
◇
「フッ!」
「ぐあっ!?」
一方でヴラムは、ビターガヴに苦戦することなく徐々に追い詰めていた。
「とどめだ」
そう言ってヴラムは、弓モードのブレイカーにゴチゾウをセットしようとした……その時、
「っ!」
何故か急に弓モードのブレイカーだけを後ろに向け、ノールックで矢を放った。
「ぐあっ!?」
「うわっ!?まじか!?」
「!もう一体……!?」
ヴラムが矢を放った先には、ショウマと幸果を奇襲しようとしていたもう一体のビターガヴがおり、矢が命中していたのかその場に倒れ込んでいたのだ。
「痛てて……バレてたか……!」
奇襲しようとしたビターガヴは立ち上がると……
「仕方ない……まとめて相手してやる」
「ホントに!やったぁ!」
ヴラムのその言葉を聞き、近くにいたショウマと幸果には目もくれず、嬉々として駆け出していった。
「ならどっちが先に倒すか競争だ!」
ヴラムと先に戦っていたビターガヴも、そう言ってヴラムに攻撃を再開した。
「っ……俺も……!」
「ちょ、ダメだよ!」
ヴラムが2体のビターガヴと戦っている様子を見て、ショウマは立ち上がろうとしたが、身体が思うように動かずにいた……。
「俺にもう少し体力があれば……!」
ショウマがそう呟くと……
「……そうだ!ウマショーちょっと待ってて!」
「えっ?」
「動かないでよ!」
幸果はそう言うと、近くにあったキッチンカーの前へと行き……
「緊急事態なのでごめんなさい!おつりはいらないから!」
そう言って千円札をカウンターに置いた。そして、キッチンカーの中へと入るとアイスをコーンに盛り付け……
「アイスだよウマショー!体調悪い時でも、アイスなら食べられることあるから」
それをショウマへと渡した。
「アイス……?」
『大丈夫?』
『うぅん……』
『ごめんね……ここにアイスがあれば良かったんだけど……』
(そっか……あれ、そういうことだったんだ)
ショウマは昔、母であるみちるが言っていたことを思い出しながら、アイスを一口食べる。
「……!」
(冷たくて……甘くて美味しい……!)
ショウマはアイスをどんどん口へと運んでいく。
『アイスってね、辛い身体も心も助けてくれるの』
(ホントだ……力がどんどん湧いてくる……!)
すると……
「!」
「うわぁ!アイス出た!」
体調が悪くなってからゴチゾウが出ていなかったショウマのガヴから、アイスのゴチゾウが生み出されたのだ。
「もしかして……君もゴチゾウ?」
『エッヘン!』
ショウマがそう訊くと、アイスのゴチゾウ………ブリザードソルベゴチゾウは自慢げに返事をした。
「よし、じゃあ早速使わせてもらおう!幸果さんこれ!」
「えっ?ちょ、アイス―――」
「後でちゃんと食べるよ」
「と、溶けちゃうよ!?」
幸果にアイスを渡したショウマは、前に出ると……
「アイス!」
「EATアイス!EATアイス!」
ブリザードソルベゴチゾウをガヴにセットし、ハンドルを回した。それと同時に、ガヴから冷気が溢れ出し……
「変身!」
その状態でガヴのボタンを押した。それと同時に氷塊がショウマを包み、それを囲うように装飾が施されたガラスのカップが形成された。さらにその周りに、複数のコーン付きのアイスクリームが出現し……
「ブリザードソルベ!ヒエヒエ!」
氷塊とガラスが砕け散り、アイスクリームが装甲となって装着され、ブリザードソルベへと変身を遂げたのだ。
「うおおおスッゲ~……アイスだ……!」
「うわぁ!何それ?」
「!新しいゴチゾウか……」
幸果とヴラムがそう言っていると……
「ヴラム!1体は任せて!」
「!ホントに大丈夫なの?」
「今度は大丈夫だから!」
「……分かった!ハァッ!」
「ぐっ!?」
ガヴの言葉を聞いて、ヴラムは最初からいた方のビターガヴをガヴの方へと蹴り飛ばしたのだ。
「ビターガヴ……もう一度俺が相手だ!」
「お?アハハハ!まだまだ楽しめそうだねー!」
それと同時にガヴも、目の前に蹴り飛ばされてきたビターガヴへと向き直り……
「カッチーン!」
「ハァッ!」
口から冷気を吐き出すと、そのまま氷のフィールドを作り出したのだ。
「フッ!」
「ぐっ!?」
ビターガヴは急接近してきたガヴの蹴りによって、その氷の上へと吹き飛ばされる。さらに……
「っ!?」
ビターガヴの足元の氷から、氷の剣のようなものが生えてきており、氷の上に飛び乗ってきたガヴが攻撃を避けながらそれを手に取ると……
「ハァッ!」
刃の部分が氷で覆われたガヴガヴレイドが出てきており、それでビターガヴに連続攻撃を加えたのだ。
「シャリーン!」
さらにガヴは、再び冷気を吐き出すと氷の坂を追加で作り出し……
「っ!ハァッ!」
「ぐあっ!?」
ビターガヴにブレイカーで攻撃しながら、坂の上へと跳び上がった。
「!久し振りに身体が軽い……!」
「さっきまでと動きが違ぇじゃねえか……!」
ビターガヴはそう口にしながら、氷の坂を駆け上がってガヴへと迫っていく。そんなビターガヴに対し、ガヴはブレイドを振るい攻撃を仕掛けていく。
「!溶けた……なら―――」
「カッチーン!」
その攻撃でブレイドを覆っていた氷が溶けてしまうが、ガヴは口から吐き出した冷気でブレイドを氷で覆い……
「フッ!」
「っ!」
「ハァッ!」
再びビターガヴに斬撃を加えた。それからもガヴは、氷の上を滑るようにして立ち回りながら、ビターガヴにダメージを与え続けた。それからガヴは、再びゴチゾウのブレードを回転させる。すると……
「アタリ!」
「えっ?アタリ?」
それと同時に、下から複数台のゴチスピーダーに乗ったゴチゾウたちが出現した。
「アタリってそういうことか!」
ガヴは足元にいるゴチスピーダーを1つ掴むと、ブレイドにある射出部にセットし……
「グミ!」
「PUSH ME!PUSH ME!」
「GO!」
「っ!?」
それをブレイドの柄の近くにあるボタンを押すことで射出した。その攻撃によって氷のフィールドが崩れ、ビターガヴは下へと落とされる。
「これで終わりだ……!」
「カッチーン!」
地面に着地したガヴは、ビターガヴの方を向きつつゴチゾウのブレードを4回回転された。それからガヴのボタンを押すと、コーンに乗せたアイスをいくつもビターガヴの周りに生成し……
「アイスイリュージョン!」
「ハァッ!!」
咆哮を合図にアイス部分を鋭いソフトクリーム状に変化させると、それをドリルのように突進させ……
「ぐああああああ!?」
ビターガヴを撃破したのだ。そして、ヴラムも……
「フッ!」
「ぐあっ!?」
苦戦することなく、ビターガヴにダメージを与えていた。そして……
「オラッ!」
「っ!」
「セット!」
ビターガヴの攻撃を躱しながら、ブレイカーにゴチゾウをセットし……
「ヴラムシューティング!」
「っ!」
「ぐああああああ!?」
ビターガヴの急所を狙って矢を放ち、そのままとどめを刺したのだ。
「やったぁ!」
無事にビターガヴを倒した光景を見て、幸果は喜びの声を上げながらガヴに近づいたが……
「あれ……?」
ブリザードソルベゴチゾウは溶けていき、ガヴの変身も解除されてしまった。それを見たヴラムも、他のビターガヴの気配がしないことを確かめてから、ゴチゾウをギアから外して変身を解除するのだった……。
◇
「これを、アップロードっと」
はぴぱれに戻った幸果は、早速ガヴとビターガヴが戦う様子を映したものをSNSへアップしようとしていた。ちなみにハルマも付いてきており、その様子をハルマは黙ってみていた。
「……これは?」
「実はさっき、動画を撮ってたんだ。これで少しずつ、ウマショーの誤解を解いていこうと思って」
「へぇ……」
幸果がそう言うのを聞き、ハルマは納得した様子でいた。それと同時に……
「!」
幸果のスマホに、絆斗からグラニュートを倒したことを知らせる連絡が届いたのだ。
「それにウマショー、ハンティーとの関係も、きっと大丈夫だよ」
「!……ありがとう、幸果さん。ハルマも、助けてくれてありがとう」
「それはいいけど……あまり無理はしないでよ?」
「うん、分かったよ」
そんなやり取りをしていると……
「そう言えば……ハルマ君って今どこに住んでるの?グラニュート界から来たなら、住む場所はないだろうし……」
幸果にそう訊かれたハルマは……
「……適当なところだよ」
「適当……?」
「えっと……俺が前行ったときは、廃墟みたいなところだったよね」
「休むときに身を隠せるなら、何でも良かったからね」
「えぇ!?それまずくない!?主に健康とか!」
「いや、人間よりも丈夫だから問題ないけど……」
「それは……というか、私が言いたいのはそういうことじゃなくて―――」
ハルマが現在、家無しであることを知った幸果は……
「そうだ!ハルマ君もここに住んじゃえば?」
「「えっ?」」
そんな提案をしたのだ。
「住むところが決まるまででもいいし……なんならずっと居てもいいよ?」
それに対し……
「ちょっと待った……怖くないの?僕、元とはいえ処刑人だし―――」
「そんなの気にしなくていいって!処刑人?ていうのは何なのか分からないけど、ウマショーの従兄弟なら大歓迎だよ!」
急にそんなことを言われたハルマは戸惑うが、幸果は笑顔でそう返してきたのだ。
「俺もいい思うよ!それに、あそこにいるよりはすっといいと思うな」
「……」
それを聞いたハルマは……
「……じゃあ、世話になるよ」
はぴぱれに住む場所を移すことを決めたのだ。
「よし!じゃあ、お疲れ会兼ハルマ君の歓迎会しよう!」
「!」
そう言ってハルマの肩に手を置く幸果と、急な提案に僅かに驚きの表情を浮かべるハルマを見て、ショウマは笑みを浮かべるのだった……。
◇
ショウマと幸果、そしてハルマがはぴぱれでお疲れ様会兼歓迎会をしている頃……無事にスミールを倒した絆斗は、川辺で酸賀から貰ったチョコルドゴチゾウを見つめていた。そして……
「……」
(こいつさえあれば……ショウマに頼らなくても、1人でグラニュートを倒せる……!)
1人でもグラニュートを倒せるようになったことを喜んでいたが……
『ビィィタァァァ……!』
チョコルドゴチゾウは、酸賀がニヤリと笑ったときと同じ笑みを浮かべているのだった……。
読んでくださり、ありがとうございます。
今回でブリザードソルベフォームの登場となりました。そしてその戦いの後、ハルマは幸果やショウマの勧めもあり、はぴぱれに居候することとなりました。ここから、ガヴ側のキャラとの関わりがさらに増えていきそうです……。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。