それでは、どうぞご覧ください。
ハルマと浩二は、カブトダンシに会う予定の場所へと向かっていた。
「……ハルマって、今何歳なの?」
「多分14」
「多分……?ていうか同い年だったんだ」
互いに軽く自己紹介をしていると……
「あっ!」
「?」
「濃厚純プリンここにあったんだ!」
浩二は『濃厚純プリン』と書かれた旗を見つけ、その旗が立てられている店の中を見た。
「食べたいな~!……でも、今の小遣いじゃ……」
「……プリン、好きなの?」
ハルマはそう訊いてみたが……
「!そ、それよりも今はカブトダンシだ。早く行くよ」
浩二はハルマの言葉に何かを返すことなく、再び歩き始めた。すると……
「ショウマ兄……?」
ショウマから電話がかかってきており、ハルマはすぐさまそれに出た。
「どうしたの?」
『カブトダンシがグラニュートかもしれないんだ!浩二君が会いに行くの止められないかな?俺もそっち向かってる』
「!向かってるって、また無理して………いや分かった。情報送っておいて」
ハルマはショウマとの電話を切ると……
「どうしたんだよ。時間に遅れ―――」
「悪いけど会いに行くのは中止」
「……は?何で?」
「危険な可能性が出てきた」
「危険って―――」
「詳しいことは戻ってから話す」
浩二にそう告げ、すぐさまはぴぱれに戻ろうとした。だが……
「……分かった。なら僕1人で行く」
「は?分かったって―――」
浩二はハルマの言葉を無視し、1人で行ってしまったのだ。
「はぁ……」
ハルマは溜息をつきながらも、浩二の後をついて行くのだった……。
◇
ハルマに連絡したショウマは、2人のところへ向かっていたが……
「はぁ……はぁ……早く行かないと……」
体調は万全とはほど遠く、橋の手すりに掴まりながら歩いていた。すると……
『――!―――!!』
「!またビターガヴ……!?」
街中をパトロールしていたゴチゾウが現れると、ショウマにビターガヴが出現したことを告げる。
「行くしかない……!」
ショウマはそう言い、ゴチゾウの案内でビターガヴがいる場所へと向かった。そうして辿り着いた場所では……
「イェーイ!俺の勝ち!」
警備員を倒し、勝ち誇っているビターガヴがいたのだ。
「やめろ!」
「!今度はお前が遊んでくれるのか?」
ビターガヴを見据えながら、ショウマはゴチゾウを構えようとした。すると……
『―――!』
万全でないショウマの様子を見て、ゴチゾウが代わりにガヴの口を開いたのだ。
「!……ありがとう」
『行くべェ』
ゴチゾウに礼を言った後、ショウマはブリザードソルベゴチゾウをセットし……
「アイス!」
「EATアイス!EATアイス!」
「っ……変身!」
「ブリザードソルベ!ヒエヒエ!」
ブリザードソルベへと変身する。
「カッチーン!」
「ハァッ!」
ガヴはブレードを回すと氷の坂を形成した。そしてそれを滑りながらビターガヴへと接近し、攻撃を仕掛けていく。
「くっ!?」
その攻撃はビターガヴへと当たり……
「カッチーン!」
「やべっ!」
ガヴはすぐさま至近距離で冷気を吐き出すが、ビターガヴはぎりぎりで反応されてしまっていた。その吐き出した冷気によって、氷のフィールドが形成された。
「ハァッ!」
「っ!」
ビターガヴは反撃するも、ガヴは氷のフィールドの上へと飛び上がる。
「っ!待てー!」
ビターガヴも氷の上へと飛び上がり、ガヴに攻撃を仕掛けるも……
「ハァッ!」
「っ!フッ!」
「ぐあっ!?」
反撃を食らって、地面へと落とされる。ガヴもそれを追って攻撃を仕掛けようとするも……
「っ!?」
着地した直後に膝をついてしまったのだ。
「おっとっと……ハァッ!」
ビターガヴは膝をついているガヴに蹴りを入れようとするが……
「っ!」
「!?」
ガヴに足を掴まれると、そのまま地面に向かって投げ飛ばされたのだ。その時、ビターガヴのつま先がゴチゾウのブレードに当たったことで回転していく。
「カッチーン!」
「ハァァァーー!!」
「ぐっ!?」
ガヴは上に冷気を吐き出すと、そこから沢山のつららを落とすことで、ビターガヴに攻撃を加えていく。それからガヴは、すかさずビターガヴを追撃する。
「ハァッ!」
「ぐあっ!」
「これでとどめだ!」
ガヴは右手に冷気を纏わせ、ビターガヴにとどめの一撃を入れようとした……が、
「っ!?」
「ハァッ!」
「ぐあっ!?」
ゴチゾウが溶け、それによって変身も解除された……そのタイミングでビターガヴの拳がショウマの腹に入り、そのまま吹き飛ばされてしまった。
「っ……時間切れか……!」
「?よく分かんないけど……俺の勝ち!まったね~!」
「はぁ……はぁ……大丈夫だよ」
心配そうにするゴチゾウに対し、ショウマはそう返した。
「ふふ~ん!」
逃げたビターガヴはご機嫌な様子で周りを荒らしながら移動していた……が、
「チョコ!」
「うわっ!?」
突然目の前を銃撃がかすめ、壁にチョコレートの液がついたのだ。
「またお前か!」
「今度こそとどめ刺してやる……!」
そう言って絆斗は、壁の液に左手を叩きつけると……
「……変身」
「チョコルド、パキパキ」
左腕から装甲に包まれ、ヴァレンへと変身していった。
「オラッ!」
「ぐっ!?」
ヴァレンはバスターを連発し、ビターガヴに攻撃を加えていく。その銃撃を受けたビターガヴは、周りにあったものを投げつけながら、近くの階段の上へと飛び上がる。そして、階段を上ろうとするヴァレンにドラム缶を投げつけたが……
「オラッ!」
「うおっ!?」
ヴァレンはそれを頭突きで返し、ビターガヴの体制を崩させた。その後ヴァレンは、踊り場でビターガヴに攻撃していたが……
「落ちろ!」
ビターガヴがブレイドをガヴから出すことで、ヴァレンを下に落とそうとしてきたのだ。それに対し……
「っ!」
「ぐっ!?」
「オラァ!」
「ぐあっ!?」
ヴァレンは柵に足を置き、向かいの建物の壁を背にしてビターガヴに銃撃を何発も浴びせていく。
攻撃を食らったビターガヴは近くの足場に飛び移り、銃撃しようとしてきたヴァレンのバスターを狙って攻撃し、それを落とすことに成功した……が、
「っ!」
「なっ!?」
ヴァレンは柵の間からバスターの持ち手をキャッチすると、すかさずビターガヴに銃撃を放つ。その銃撃でビターガヴはダメージを負うが、足場の鉄の棒を掴むと回転しながら地面へと着地する。ヴァレンもそれを追って地面に降り……
「ハァッ!」
「ぐっ!?」
キックを食らわせ、ビターガヴを蹴り飛ばした。さらに……
「フッ!」
ヴァレンはビターガヴの背後にあった鉄の棒を倒し、ビターガヴの逃げ道を無くす。
「くっ……」
そして……
「……じゃあな!」
ヴァレンはバスターのレバーを開いてからすぐさま閉じ、ビターガヴへと狙いを定め……
「チョコ!」
「ハァァァーー!!」
「ぐああああああ!?」
チョコレートの濁流を放ち、撃破した……が、
「っ!?」
変身を解除した直後、絆斗は胸の辺りを抑えながら壁へともたれかかる。
「また、痛みが増してやがる……どうなってんだ……!」
絆斗はふらつきながらも、その場から去っていくのだった……。
◇
ハルマを置いて、先にカブトダンシのいる場所に着いた浩二は……
『やぁ、君が浩二君だね?』
「カブトダンシ……」
『君も僕のファンなんだね。ありがとう』
モニターに映ったカブトダンシと対面していた。その前にはテーブルがあり、上には人気のスイーツが乗っていた。
『僕のお気に入りのスイーツを食べながら、楽しい時間を過ごそうじゃないか』
カブトダンシはそう言い、浩二に椅子に座るように促した……が、
『どうしたんだい?せっかく憧れの僕に会えたのに、嬉しそうじゃないね?』
「よくそんなことが言えるな……偽物のくせに!」
『偽物?』
「お前は僕が作ったカブトダンシを乗っ取った!本当のカブトダンシは僕だ!」
実は浩二こそが本当のカブトダンシであり、浩二は偽物からカブトダンシのチャンネルを取り戻すために、ここへとやってきていたのだ。
『なるほど……君がカブトダンシを作った本物ってわけか』
「メッセージを送ってきてくれたファンに何かしてるだろ?そんなこと、僕のチャンネルで許さない!」
その言葉を聞き……
「……そうか、ばれたら仕方ない」
カブトダンシ―――否、カブトムシのグラニュートのル・ビートが画面の後ろから現れたのだ。
「う、うわぁ!?」
初めて見るグラニュートに、浩二は思わず尻餅をついてしまいながらも後ろに下がろうとする。
「君のおかげで助かったよ?こっちに来てすぐ化け人形を無くして困ってたんだ……カブトダンシ。いい隠れ蓑だったよ」
「く、来るな!」
「みんな俺に会いに来て、スイーツで幸せに……そして、いい闇菓子のスパイスになる。君も美味しいお菓子にしてあげるよ」
「っ……!」
「本望だろう?ハァッ!」
浩二はル・ビートに襲われ、ヒトプレスにされそうになっていたが……
「フッ!」
「ぐあっ!?」
間一髪のところにハルマが駆けつけ、ル・ビートを壁まで蹴り飛ばしたのだ。
「は、ハルマ!?」
浩二はハルマが現れたことに驚いていたが……
「案の定、か………さっさと逃げて」
「!ハルマは―――」
「早く行って。死にたいの?」
「っ……」
ハルマにそう言われた浩二は、すぐに建物の外へと逃げていった。その直後……
「くっ……そうか、お前が裏切り者か」
立ち上がったル・ビートが、ハルマを見てそう口にした。
「……やっぱり情報は知れ渡ってるか……」
「お前が処刑人―――いや、元処刑人だということもな」
ル・ビートはハルマに向け、ストマック社から渡された端末を見せる。そこにはハルマの手配書が映っており、処刑人であることを含めた詳細な情報までもが書かれていた。
「処刑人でありながらストマック社を裏切るなんて、馬鹿な奴だ」
「ストマック社の味方になった覚えはない……それに、馬鹿はそっちでしょ?闇菓子を貰って調子に乗って……最後は奴らに使い捨てられるだけなのに」
さらに……
「そんな愚かなことにはならないさ……
お前の父親のようにな?」
「!……お前、父さんのこと知ってるの?」
ル・ビートはオースに関して何かを知っているようで……
「いや?知り合いから噂で聞いたことがある程度だ……
ストマック社にいたにも関わらず、逃げ出した臆病者だってな?」
「……は?」
「だってそうだろう?闇菓子を無くそうとしていたらしいが、やったことと言えば十数の人間どもを逃がしただけ………その後は逃げ回り、最後は惨めに死んだ……臆病者と言って何か問題でもあるのか?」
「……」
ル・ビートはそう言い、オースのことを馬鹿にし始めたのだ。それを聞き……
「それに―――」
「もういい黙れ」
「!?」
ハルマは殺気を出し、今まで聞いたことのない声色でそう口にした後……
「ヴラスタムギア」
「カップオン!」
「……変身」
「プディングヴラムシステム!」
ヴラムへと変身した。そして……
「その汚い口……二度と開けないようにしてやる……!!」
ル・ビートに向けて、矢を放つのだった……。
読んでくださりありがとうございます。
今回、ハルマが父親を馬鹿にされたことでプッツンしました………ハルマの逆鱗に触れたル・ビートの運命や如何に……。
それでは、次の話もどうぞよろしくお願いいたします。