歌姫たちと復讐の騎士   作:アキ1113

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 今回はタイトル通りにヴラムが……?

 それでは、どうぞご覧ください。



第39話 ハルマの逆鱗

 

 ハルマと浩二は、カブトダンシに会う予定の場所へと向かっていた。

 

 「……ハルマって、今何歳なの?」

 

 「多分14」

 

 「多分……?ていうか同い年だったんだ」

 

 互いに軽く自己紹介をしていると……

 

 「あっ!」

 

 「?」

 

 「濃厚純プリンここにあったんだ!」

 

 浩二は『濃厚純プリン』と書かれた旗を見つけ、その旗が立てられている店の中を見た。

 

 「食べたいな~!……でも、今の小遣いじゃ……」

 

 「……プリン、好きなの?」

 

 ハルマはそう訊いてみたが……

 

 「!そ、それよりも今はカブトダンシだ。早く行くよ」

 

 浩二はハルマの言葉に何かを返すことなく、再び歩き始めた。すると……

 

 「ショウマ兄……?」 

 

 ショウマから電話がかかってきており、ハルマはすぐさまそれに出た。

 

 「どうしたの?」

 

 『カブトダンシがグラニュートかもしれないんだ!浩二君が会いに行くの止められないかな?俺もそっち向かってる』

 

 「!向かってるって、また無理して………いや分かった。情報送っておいて」

 

 ハルマはショウマとの電話を切ると……

 

 「どうしたんだよ。時間に遅れ―――」

 

 「悪いけど会いに行くのは中止」

 

 「……は?何で?」

 

 「危険な可能性が出てきた」

 

 「危険って―――」

 

 「詳しいことは戻ってから話す」

 

 浩二にそう告げ、すぐさまはぴぱれに戻ろうとした。だが……

 

 「……分かった。なら僕1人で行く」

 

 「は?分かったって―――」

 

 浩二はハルマの言葉を無視し、1人で行ってしまったのだ。

 

 「はぁ……」

 

 ハルマは溜息をつきながらも、浩二の後をついて行くのだった……。 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 ハルマに連絡したショウマは、2人のところへ向かっていたが……

 

 「はぁ……はぁ……早く行かないと……」

 

 体調は万全とはほど遠く、橋の手すりに掴まりながら歩いていた。すると…… 

 

 『――!―――!!』

 

 「!またビターガヴ……!?」

 

 街中をパトロールしていたゴチゾウが現れると、ショウマにビターガヴが出現したことを告げる。

 

 「行くしかない……!」

 

 ショウマはそう言い、ゴチゾウの案内でビターガヴがいる場所へと向かった。そうして辿り着いた場所では…… 

 

 「イェーイ!俺の勝ち!」

 

 警備員を倒し、勝ち誇っているビターガヴがいたのだ。

 

 「やめろ!」

 

 「!今度はお前が遊んでくれるのか?」

 

 ビターガヴを見据えながら、ショウマはゴチゾウを構えようとした。すると……

 

 『―――!』

 

 万全でないショウマの様子を見て、ゴチゾウが代わりにガヴの口を開いたのだ。

 

 「!……ありがとう」

 

 『行くべェ』

 

 ゴチゾウに礼を言った後、ショウマはブリザードソルベゴチゾウをセットし…… 

 

 「アイス!」

 

 「EATアイス!EATアイス!」

 

 「っ……変身!」

 

 「ブリザードソルベ!ヒエヒエ!」

 

 ブリザードソルベへと変身する。

 

 「カッチーン!」

 

 「ハァッ!」

 

 ガヴはブレードを回すと氷の坂を形成した。そしてそれを滑りながらビターガヴへと接近し、攻撃を仕掛けていく。

 

 「くっ!?」

 

 その攻撃はビターガヴへと当たり……

 

 「カッチーン!」

 

 「やべっ!」

 

 ガヴはすぐさま至近距離で冷気を吐き出すが、ビターガヴはぎりぎりで反応されてしまっていた。その吐き出した冷気によって、氷のフィールドが形成された。

 

 「ハァッ!」

 

 「っ!」

 

 ビターガヴは反撃するも、ガヴは氷のフィールドの上へと飛び上がる。

 

 「っ!待てー!」

 

 ビターガヴも氷の上へと飛び上がり、ガヴに攻撃を仕掛けるも……

 

 「ハァッ!」

 

 「っ!フッ!」

 

 「ぐあっ!?」

 

 反撃を食らって、地面へと落とされる。ガヴもそれを追って攻撃を仕掛けようとするも……

 

 「っ!?」

 

 着地した直後に膝をついてしまったのだ。

 

 「おっとっと……ハァッ!」

 

 ビターガヴは膝をついているガヴに蹴りを入れようとするが……

 

 「っ!」

 

 「!?」

 

 ガヴに足を掴まれると、そのまま地面に向かって投げ飛ばされたのだ。その時、ビターガヴのつま先がゴチゾウのブレードに当たったことで回転していく。

 

 「カッチーン!」

 

 「ハァァァーー!!」

 

 「ぐっ!?」

 

 ガヴは上に冷気を吐き出すと、そこから沢山のつららを落とすことで、ビターガヴに攻撃を加えていく。それからガヴは、すかさずビターガヴを追撃する。

 

 「ハァッ!」

 

 「ぐあっ!」

 

 「これでとどめだ!」

 

 ガヴは右手に冷気を纏わせ、ビターガヴにとどめの一撃を入れようとした……が、

 

 「っ!?」

 

 「ハァッ!」

 

 「ぐあっ!?」

 

 ゴチゾウが溶け、それによって変身も解除された……そのタイミングでビターガヴの拳がショウマの腹に入り、そのまま吹き飛ばされてしまった。 

 

 「っ……時間切れか……!」

 

 「?よく分かんないけど……俺の勝ち!まったね~!」

 

 「はぁ……はぁ……大丈夫だよ」

 

 心配そうにするゴチゾウに対し、ショウマはそう返した。

 

 「ふふ~ん!」

 

 逃げたビターガヴはご機嫌な様子で周りを荒らしながら移動していた……が、

 

 「チョコ!」

 

 「うわっ!?」

 

 突然目の前を銃撃がかすめ、壁にチョコレートの液がついたのだ。

 

 「またお前か!」

 

 「今度こそとどめ刺してやる……!」

 

 そう言って絆斗は、壁の液に左手を叩きつけると……

 

 「……変身」

 

 「チョコルド、パキパキ」

 

 左腕から装甲に包まれ、ヴァレンへと変身していった。

 

 「オラッ!」

 

 「ぐっ!?」

 

 ヴァレンはバスターを連発し、ビターガヴに攻撃を加えていく。その銃撃を受けたビターガヴは、周りにあったものを投げつけながら、近くの階段の上へと飛び上がる。そして、階段を上ろうとするヴァレンにドラム缶を投げつけたが……

 

 「オラッ!」

 

 「うおっ!?」

 

 ヴァレンはそれを頭突きで返し、ビターガヴの体制を崩させた。その後ヴァレンは、踊り場でビターガヴに攻撃していたが……

 

 「落ちろ!」

 

 ビターガヴがブレイドをガヴから出すことで、ヴァレンを下に落とそうとしてきたのだ。それに対し…… 

 

 「っ!」

 

 「ぐっ!?」

 

 「オラァ!」

 

 「ぐあっ!?」

 

 ヴァレンは柵に足を置き、向かいの建物の壁を背にしてビターガヴに銃撃を何発も浴びせていく。

 

 攻撃を食らったビターガヴは近くの足場に飛び移り、銃撃しようとしてきたヴァレンのバスターを狙って攻撃し、それを落とすことに成功した……が、

 

 「っ!」

 

 「なっ!?」

 

 ヴァレンは柵の間からバスターの持ち手をキャッチすると、すかさずビターガヴに銃撃を放つ。その銃撃でビターガヴはダメージを負うが、足場の鉄の棒を掴むと回転しながら地面へと着地する。ヴァレンもそれを追って地面に降り……

 

 「ハァッ!」

 

 「ぐっ!?」

 

 キックを食らわせ、ビターガヴを蹴り飛ばした。さらに……

 

 「フッ!」

 

 ヴァレンはビターガヴの背後にあった鉄の棒を倒し、ビターガヴの逃げ道を無くす。

 

 「くっ……」

 

 そして……

 

 「……じゃあな!」

 

 ヴァレンはバスターのレバーを開いてからすぐさま閉じ、ビターガヴへと狙いを定め……

 

 「チョコ!」

 

 「ハァァァーー!!」

 

 「ぐああああああ!?」

 

 チョコレートの濁流を放ち、撃破した……が、

 

 「っ!?」

 

 変身を解除した直後、絆斗は胸の辺りを抑えながら壁へともたれかかる。

 

 「また、痛みが増してやがる……どうなってんだ……!」

 

 絆斗はふらつきながらも、その場から去っていくのだった……。

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 ハルマを置いて、先にカブトダンシのいる場所に着いた浩二は……

 

 『やぁ、君が浩二君だね?』

 

 「カブトダンシ……」

 

 『君も僕のファンなんだね。ありがとう』

 

 モニターに映ったカブトダンシと対面していた。その前にはテーブルがあり、上には人気のスイーツが乗っていた。

 

 『僕のお気に入りのスイーツを食べながら、楽しい時間を過ごそうじゃないか』

 

 カブトダンシはそう言い、浩二に椅子に座るように促した……が、

 

 『どうしたんだい?せっかく憧れの僕に会えたのに、嬉しそうじゃないね?』

 

 「よくそんなことが言えるな……偽物のくせに!」

 

 『偽物?』

 

 「お前は僕が作ったカブトダンシを乗っ取った!本当のカブトダンシは僕だ!」

 

 実は浩二こそが本当のカブトダンシであり、浩二は偽物からカブトダンシのチャンネルを取り戻すために、ここへとやってきていたのだ。

 

 『なるほど……君がカブトダンシを作った本物ってわけか』

 

 「メッセージを送ってきてくれたファンに何かしてるだろ?そんなこと、僕のチャンネルで許さない!」

 

 その言葉を聞き……

 

 「……そうか、ばれたら仕方ない」

 

 カブトダンシ―――否、カブトムシのグラニュートのル・ビートが画面の後ろから現れたのだ。

 

 「う、うわぁ!?」

 

 初めて見るグラニュートに、浩二は思わず尻餅をついてしまいながらも後ろに下がろうとする。

 

 「君のおかげで助かったよ?こっちに来てすぐ化け人形を無くして困ってたんだ……カブトダンシ。いい隠れ蓑だったよ」

 

 「く、来るな!」

 

 「みんな俺に会いに来て、スイーツで幸せに……そして、いい闇菓子のスパイスになる。君も美味しいお菓子にしてあげるよ」

 

 「っ……!」

 

 「本望だろう?ハァッ!」

 

 浩二はル・ビートに襲われ、ヒトプレスにされそうになっていたが……

 

 「フッ!」

 

 「ぐあっ!?」

 

 間一髪のところにハルマが駆けつけ、ル・ビートを壁まで蹴り飛ばしたのだ。 

 

 「は、ハルマ!?」

 

 浩二はハルマが現れたことに驚いていたが……

 

 「案の定、か………さっさと逃げて」

 

 「!ハルマは―――」

 

 「早く行って。死にたいの?」

 

 「っ……」

 

 ハルマにそう言われた浩二は、すぐに建物の外へと逃げていった。その直後……

 

 「くっ……そうか、お前が裏切り者か」

 

 立ち上がったル・ビートが、ハルマを見てそう口にした。

 

 「……やっぱり情報は知れ渡ってるか……」

 

 「お前が処刑人―――いや、元処刑人だということもな」

 

 ル・ビートはハルマに向け、ストマック社から渡された端末を見せる。そこにはハルマの手配書が映っており、処刑人であることを含めた詳細な情報までもが書かれていた。

 

 「処刑人でありながらストマック社を裏切るなんて、馬鹿な奴だ」

 

 「ストマック社の味方になった覚えはない……それに、馬鹿はそっちでしょ?闇菓子を貰って調子に乗って……最後は奴らに使い捨てられるだけなのに」

 

 さらに……

 

 「そんな愚かなことにはならないさ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お前の父親のようにな?

 

 「!……お前、父さんのこと知ってるの?」

 

 ル・ビートはオースに関して何かを知っているようで……

 

 「いや?知り合いから噂で聞いたことがある程度だ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ストマック社にいたにも関わらず、逃げ出した臆病者だってな?

 

 「……は?」

 

 「だってそうだろう?闇菓子を無くそうとしていたらしいが、やったことと言えば十数の人間どもを逃がしただけ………その後は逃げ回り、最後は惨めに死んだ……臆病者と言って何か問題でもあるのか?」

 

 「……」

 

 ル・ビートはそう言い、オースのことを馬鹿にし始めたのだ。それを聞き……

 

 「それに―――」

 

 「もういい黙れ」

 

 「!?」

 

 ハルマは殺気を出し、今まで聞いたことのない声色でそう口にした後……

 

 「ヴラスタムギア」

 

 「カップオン!」

 

 「……変身」

 

 「プディングヴラムシステム!」

 

 ヴラムへと変身した。そして……

 

 「その汚い口……二度と開けないようにしてやる……!!」

 

 ル・ビートに向けて、矢を放つのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございます。

 今回、ハルマが父親を馬鹿にされたことでプッツンしました………ハルマの逆鱗に触れたル・ビートの運命や如何に……。

 それでは、次の話もどうぞよろしくお願いいたします。
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