歌姫たちと復讐の騎士   作:アキ1113

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 今回から、ハルマと原作キャラたちが本格的に関わっていきます。

 それでは、どうぞご覧ください。


第4話 うたとの邂逅

 

 自身を始末しようとしたエージェントたちを返り討ちにしたが、戦いの傷や疲労で限界がきて倒れてしまったハルマ………だったが……

 

 『『ぷる!?』』

 

 「ぷ、プリンとゼリー……だよね……?」

 

 『『ぷるぷる!』』

 

 「!か、可愛い……!」

 

 「ぷ、プリルンの方が可愛いプリ!」

 

 「わ、分かってるから、ね?」

 

 騒ぐゴチゾウたちと誰かの声が聞こえ、それによって目を覚ました。

 

 「っ……」

 

 「あっ!」

 

 「プリ!?」

 

 うたはプリルンの存在がバレないように、咄嗟に後ろへと隠した。

 

 「だ、大丈夫?」

 

 「……!」

 

 ハルマは目の前にいるうたが、展望台ですれ違った少女であることに気付いたが……

 

 「……大丈夫」

 

 そう言って立ち上がり、少女の前から去ろうとする。

 

 「ちょ、ちょっと待って!」

 

 「?」

 

 「怪我してるよ?」

 

 うたは心配そうに、ハルマの頬や手にある傷を見ながらそう言ってきた。

 

 「……このくらいすぐに治るよ」

 

 そんなうたの心配を余所に、ハルマはそう返した………実際、グラニュートとのハーフであるハルマの傷の治りは早いのだが。

 

 「でも……あ、そうだ!」

 

 「……?」

 

 うたは何か思いついたのか……

 

 「行くよ!」

 

 「え、ちょ―――」

 

 ハルマの手を引き、何処かに連れていくのだった……。

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 うたに手を引かれ、ハルマはある場所に連れて来られていた。

 

 「ここは……?」

 

 「私の家、喫茶店もやってるんだ!あ、ちょっと待ってて」

 

 そこはうたの両親が営んでいる喫茶店で、うたはハルマにそう言うと店の中へと入っていった。

 

 「うた?どうかし「お母さん!救急箱ない?」あるけど……誰か怪我したの?」

 

 「うん、外にいるんだけど……入れてもいい?」

 

 うたは中に入ると、店のカウンターにいる母親の咲良音にそう訊いた。音は店の入り口にいるハルマを見ると……

 

 「すぐに取ってくるわ。うたはあの子を中に入れてあげて」 

 

 「うん、分かった」

 

 店の奥のところへと救急箱を取りにいった。

 

 「お待たせ!中に入って」

 

 「あぁ、うん………お邪魔します」

 

 ハルマはうたに店の中に入るように言われ……

 

 「ここに座ってて」 

 

 席の内の1つに座らされた………それと同時に……

 

 「うたー?持ってきたわよー」

 

 「!ありがとう、お母さん」

 

 うたは救急箱を音から受け取り、ハルマのところへとやって来た。

 

 「はい、じっとしててねー」

 

 そうして、ハルマの傷の手当てをし始めたのだが……

 

 「あっ、そう言えば………君、名前は?」

 

 うたはハルマに名前を訊いてきたのだ。それに対して、ハルマは……

 

 「……ハルマ」

 

 「ハルマ君、か………うん!いい名前だね!」

 

 「……ありがとう」 

 

 自身の名前だけを答え、うたはそれをいい名前だと褒めた。

 

 「あっ、私は咲良うた。よろしくね、ハルマ君!」

 

 「よ、よろしく……」

 

 「そう言えば………ハルマ君は、何であんなところに倒れてたの?それに、こんな怪我もして……」

 

 「!それは……色々あって……」

 

 「……?」

 

 うたに倒れていた理由を訊かれたハルマだったが、さすがに自分の事情を正直に話すわけにはいかなかったため、そう言葉を濁した。

 

 「じゃあ、あのプリンとゼリーは?」

 

 「えっと、あれは―――」

 

 ハルマは次に、ゴチゾウたちのことについて訊かれたが……

 

 「お姉ちゃん、その人は誰?」

 

 その質問に答える前に、うたに似た容姿をした少女がやってきたのだ。

 

 「この子は?」

 

 「私の妹のはもりだよ!はもり、この人はハルマ君」

 

 「初めまして!咲良はもりです!」

 

 その少女はうたの妹のはもりで、ハルマに対して元気よく挨拶をした。

 

 「そっか……ハルマです。よろしくね」 

 

 「はい!」

 

 それから少しして……

 

 「……よし、終わったよ」

 

 うたはハルマの傷の手当てを終わらせた。

 

 「……わざわざごめん」

 

 「大丈夫だよ!むしろ手当てできて良かった」

 

 「……」

 

 (いい人たちだな……でも、このままだと―――)

 

 そして、ハルマは椅子から立ち上がり……

 

 「ありがとう……じゃあ、僕はこれで―――」

 

 「えっ?もう行っちゃ―――って、あれ?」

 

 そうお礼を言ってから、何処かへ去ってしまうのだった……。

 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 「……」

 

 「うた?」

 

 「!どうしたの?」

 

 「さっきから様子が変プリよ?」

 

 うたがハルマと初めて会った翌日、ハルマの行方が気になったうたは、街中を探していた。その肩からは、当たり前のようにプリルンが顔をのぞかせていた。

 

 「ハルマ君、大丈夫かなって……」

 

 うたはどうやら、あのまま去っていったハルマのことを心配しているようだ。それはうただけではなく、彼女の家族も同じだが………すると……

 

 「?うた、何か飛んでるプリよ!」

 

 「えっ?」

 

 何処からか赤いスカーフが飛んできており、うたはそれが地面についてしまう前に取った。

 

 「これって……」

 

 「ごめんなさい!それ、私のです!」

 

 すると、そのスカーフの持ち主である女性がやってきて、うたにそう声を掛けてきたのだ。うたはその声を聞いてすぐに、プリルンを自身の背後へと隠す。

 

 「ありがとうございます!」

 

 「いえいえ、拾えて良かったです!」

 

 うたはスカーフを渡した後、その女性から離れて行こうとした………が、

 

 「ふふっ……」

 

 その女性は腹部を出し、そこにある口から舌を伸ばしてきたのだ………この女性はグラニュートが擬態した姿であり、スカーフを拾ってくれる親切な人間を中心に狙っていたのだ。そのことに気付いていないうたは、プリルンと一緒に攫われそうになってしまう………その時、

 

 「っ!」

 

 「えっ?」

 

 「プリ!?」

 

 「なっ!?」

 

 突然現れたハルマが一瞬でうたへと近づき、攫われそうになっていたところを助け出したのだ。

 

 「っ……大丈夫?」

 

 「えっ!?ハルマ君、何でここに……?」

 

 何故かここにいるハルマに、うたは戸惑っていたが……

 

 「偶然だよ………で、お前……ストマック社のバイト?」

 

 「す、ストマック……?」

 

 ハルマはうたと話している時よりも低い声で、目の前のグラニュート………チョールにそう訊いた。

 

 「!何で人間がストマック社のことを……?」

 

 チョールはストマック社のことがハルマの口から出てきたことに驚いていたが……

 

 「ちっ、仕方ない……!」

 

 ミミックキーを外し、本来の姿である鳥の怪物へと変貌したのだ。

 

 「な、何あれ!?」

 

 「マックランダーと全然違うプリ!」

 

 グラニュートを初めて見たうたとプリルンは、自分たちが戦っているマックランダーとはまた違う姿の存在に困惑していると……

 

 「まとめて闇菓子にしてやるよ!」

 

 チョールは全員まとめて闇菓子にしようと襲い掛かってきた……だが、ハルマが近づいてきたチョールの身体に得意の蹴りを入れ、そのまま吹き飛ばしたのだ。

 

 「うそ……!」

 

 「ハルマ……すごいプリ……!」

 

 うたとプリルンが、ハルマの力に驚いていると……

 

 「ぐっ……さっきの動きといい、お前本当に人間―――いや、その速さに白い髪………ま、まさか!?」

 

 「「……?」」

 

 「い、いやありえない……だとしたら何故、お前がここにいる!?」

 

 チョールは自分を蹴り飛ばしたハルマを見て何かに気が付いたのか、明らかに動揺し始めたのだ。そんなチョールを見据え…… 

 

 「……下がってて」

 

 「えっ?ハルマ君は……?」

 

 ハルマはうたを庇うように、前へと進み出て……

 

 「……」

 

 「ヴラスタムギア」

 

 腰にヴラスタムギアを装着する。

 

 『どっぷるん』

 

 「!あれって……」

 

 それと同時に、どっぷりんゴチゾウがハルマのところまでやってきて、その手元に収まる。そして……

 

 「カップオン!」

 

 「……変身」

 

 「プディングヴラムシステム!」

 

 ハルマはうたたちの目の前で、ヴラムへと変身したのだ。

 

 「は、ハルマ君が……変身しちゃった!?」

 

 「プリ!?」

 

 そんなハルマを見て、うたたちは思わず驚きの声を上げる。

 

 「その姿……ぐ、グラニュートハンターか!?」

 

 ハルマの姿を見て、チョールはさらに動揺していたが……

 

 「っ……俺はこんなところで死ねない!俺はもっと、闇菓子を手に入れる!!」

 

 そう言って飛び上がると、空中から無数のエネルギー状の羽を飛ばして攻撃を仕掛けていく。

 

 「!」

 

 それをハルマは、自身の速さを活かして次々と飛んでくる攻撃を避けつつ……

 

 「ヴラムブレイカー」

 

 「っ!」

 

 「ぐっ!?」

 

 弓モードのヴラムブレイカーを出し、チョールを狙って矢を放ったのだ。その矢は見事に命中し、チョールを地面へと墜落させた。さらにハルマは、ブレイカーを鎌へと変形させ……

 

 「フッ!」

 

 「ぐっ!?」

 

 「ハァッ!」

 

 「ぐあっ!?」 

 

 チョールの羽を攻撃してダメージを与えていく。

 

 「っ……ならば、もう一度空に………っ!?」

 

 チョールは再び空中に飛び上がり、自分の優位な場所から攻撃しようとしたが、何故か羽をはためかせても飛べないようになっていたのだ。違和感を感じたチョールは、自身の羽を見た。そこには……

 

 「なっ!?俺の羽が……!?」

 

 先ほどのハルマの攻撃によって、穴などが開きボロボロになった羽があったのだ。

 

 「ハァッ!」 

 

 「ぐっ!?」

 

 さらにハルマは、うたたちがいるのとは逆方向にチョールを蹴り飛ばし……

 

 「……とどめだ」

 

 「セット!」

 

 ブレイカーにゴチゾウをセットし、レバーを引いて狙いを定めた。すると……

 

 「絆斗!いたよ―――って、えっ!?」

 

 「!何だあいつは……?」

 

 そこにちょうど、とある人物たちが現れた。1人はハルマと同じくグラニュートと人間のハーフで、仮面ライダーガヴへと変身するショウマ……もう1人は、人間であり仮面ライダーヴァレンへと変身する辛木田絆斗だったのだ。2人は行方不明事件の犯人であるチョールを追ってここまでやって来たのだが、自分たち以外の……それも初めて見る仮面ライダーが戦っている様子を見て困惑していた。

 

 「くそっ!!」

 

 チョールはこの場からの逃走を図ろうとしたが……

 

 「遅い」

 

 「ヴラムシューティング!」

 

 ハルマは矢を放物線を描くように上へと放ち、すぐさまチョールへと急接近し……

 

 「フッ!」

 

 「ぐあっ!?」

 

 空中に向かって蹴り飛ばしたのだ。それと同時に、ハルマが放った矢は一瞬で無数の矢へと分かれ……

 

 「ぐあああああ!?」

 

 チョールは全ての矢に射抜かれ、撃破されたのだった……。

 

 

 

 

    ◇ 

 

 

 

 

 チョールを倒したハルマは、すぐにあの場から去り、離れたところで変身を解除した。その後、何処かに行こうとしていた……が、

 

 「ハルマ君!」 

 

 「!」

 

 「や、やっと追いついた……」

 

 後を追いかけてきたうたに呼び止められる。

 

 「……どうかし「ありがとう!私たちを助けてくれて」……え?」

 

 うたはハルマに向かって、助けてもらったお礼を言ったのだ………それに対してハルマは、何故か驚いたような表情をした。

 

 「……」

 

 「あ、あれ?私、何か変なこと……言っちゃった……?」

 

 「!いや、そうじゃなくて………とにかく、化け物には気を付けて」

 

 「あっ、ハルマ君待って!………行っちゃった……」

 

 ハルマはうたに、グラニュートに気を付けるように言い残し、今度こそ何処かへ行ってしまうのだった……。

 

 

  

 

 

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございます。

 少しずつですが、プリキュアやガヴのキャラたちを登場させています。今回はうたが中心でしたが、ショウマや絆斗たちとの話も書いていきます。

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。
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