それでは、どうぞご覧ください。
「……は?」
絆斗は酸賀とダークショウマたちが一緒にいる光景を見て、動揺を隠せずにいた。
「ねぇ見てお父さ―――」
「おいおい……俺はお前たちの父親じゃあない」
「っ……ごめんなさい……ご主人様」
酸賀にそう言われ、ダークショウマは少ししゅんとしながらも謝った。
「お前……どういうことだよ……!」
「絆斗君来てたんだ……だから出てくるなって言ったんだ」
酸賀はダークショウマたちにそう言った後、絆斗の方を向き……
「あれ?随分しんどそうだね?だから黒チョコは預かっとくって言ったのに―――あっ、丁度よかった。今度はこれ、使ってみてよ?」
チョコチップクッキーのゴチゾウを手にしながら、そう言ったのだ。
「……あんたがこいつらを作ったのか……?」
「……」
絆斗はそう聞いたが、酸賀は黙ったまま何も言わない。
「何で人間を襲わせた!あんたの目的はグラニュート退治じゃねぇのかよ―――っ!?」
「待って待って、そんなにいっぺんに喋らないでよ?」
床に倒れてしまう絆斗に向け……
「でも俺たちさ……利害は一致してるでしょ?」
「は……?」
「グラニュートを退治する力が欲しい絆斗君と、グラニュートを倒せるだけの強い人間を作りたい俺……ね?」
酸賀は何てことないようにそう言い放ったのだ。
「大丈夫俺がもっと強くしてあげるから。しんどいんでしょ?早く横にな―――」
「っ!!」
絆斗は酸賀の手を振りほどき、この場から去っていった。そして、残された酸賀はというと……
「っ……あぁ!今更怖気づいちゃって……」
頭を搔きながら、そう呟くのだった……。
◇
絆斗が酸賀の本当の目的を聞かされている頃……
「大変プリ!大変プリ~!!」
『プリルン!?』
研究室の中に入っていたプリルンが、慌てた様子でうたたちのところに戻ってきたのだ。どうやらプリルンは、酸賀や絆斗、ビターガヴにバレることなく、研究室の中から逃げることができたようだ……。
「どうしたの!?」
「な、中にビターガヴを作っている人がいたプリ!」
「えぇ!?」
「「!?」」
そのことを聞き、うたは衝撃的な内容に大声を出して驚き、ななとこころも声には出さないものの、驚いた表情をしていた。
「ということはここが……」
「ハルマ先輩の言っていた、酸賀とかいう人の……」
プリルンの言葉から、目の前の建物の中にハルマから聞いていた酸賀がいるということを察した。
「ど、どうしよう……」
「ハルマ先輩にこのことを伝えた方がいいんじゃ―――」
4人がこの状況をどうするか考えていると……
「っ!!」
「あっ……!」
研究室から出て来た絆斗が、胸を抑えながら何処かに去って行ったのだ。
「ま、待って!」
4人はすぐに絆斗のことを追い掛けるが、少しして見失ってしまうのだった……。
◇
絆斗が酸賀の真実を知った翌日、ハルマは朝早くからある人物を探していた。
『ハルマ君大変なの!!』
『落ち着いて……で、何があったの?』
『そ、それが―――』
実は昨日、ハルマはうたから連絡を貰っており、絆斗のことやプリルンが酸賀の研究室で見たことを伝えられていたのだ。
『やっぱりか……ハントのことは僕が探しておく。あと、酸賀のところには近づかないようにね』
『わ、分かった……』
『……で、怪我は?』
『えっ?ううん、私もみんなもしてないけど……?』
『……それならいいよ。じゃ』
『う、うん!ハルマ君も気を付けてね!』
その話を聞いたハルマは、昨日の夜と今日の朝早くから1人で絆斗を探していたのだ。すると……
「にしても何処に―――ん?」
近くにあるベンチに、誰かが倒れているのを見つけた。
「いた……!ねぇ、大丈夫?」
「うぅ……」
そこに倒れていたのは、酸賀のところから逃げてきた絆斗で、胸がまだ痛いのか苦しそうにしていた。
「ハント、大丈夫?」
ハルマが絆斗を揺すりながらそう訊くが……
「酸賀が……あいつが―――」
絆斗は小さい声でそう答える。
「分かった。話は後ね」
それを聞いたハルマは、絆斗を背負うと……
『ハルマ、どうかしたの?』
「今すぐ叔父さんのところに行って。ハントの治療をしてもらうから」
『!?ハントの治療ってどういう―――』
「話してる暇はない。とりあえず急いで」
そうショウマに伝えると、デンテの隠れ家へ駆け出すのだった……。
◇
「叔父さん」
「!おぉ、早かったのぉ!」
「準備は?」
「出来る限りのことはしてある。さっきと比べて調子はどうじゃ?」
「いや、そんなに変わってない」
デンテの隠れ家へ到着したハルマは、絆斗の状況をデンテに伝えた。ショウマへと連絡したハルマは、その後デンテにも連絡をし、治療の用意をしてもらっていたのだ。
「ここに寝かせてくれ!」
ハルマは絆斗をベッドに寝かせ、近くにある椅子へと座る。それから少しして……
「ハルマ、絆斗は!」
「ハルマ君、ハンティーは!」
ハルマの連絡を受け、ショウマと幸果がやってきたのだ。
「見ての通りだよ……あと、やっぱり酸賀がビターガヴを作ってた」
「酸賀さんのところに行ったの!?」
ショウマにそう訊かれたハルマだったが、プリルンのことを正直に話すわけにはいかないので……
「いや、ゴチゾウが教えてくれたんだ」
「そ、そうなんだ」
そう言って、ゴチゾウの手柄にしたのだ。すると……
「あれが、2人の大叔父さん……」
幸果がデンテを見て、そう呟く……その目にはほんの少しだが、恐れの色が見えていた。
「デンテ・ストマック……元々はストマック社にいたけど、今は僕たちの味方」
「やっぱり、怖い……?」
ショウマがそう訊くと……
「全然ってわけじゃないけど……うん、大丈夫」
「!……ありがとう」
幸果の言葉を聞いたショウマは……
「とにかく、ゴチゾウに何があったか聞かないと……」
絆斗の着ていたコートの中を探り、チョコドンゴチゾウを探したが……
「あれ?絆斗に渡してあったゴチゾウたちがいない……?」
コートのポケットの中からは見つからなかったのだ。一方で、ハルマがズボンのポケットの中を探そうとすると……
『ルド?』
「あ、いた」
その中から丁度、チョコルドゴチゾウが出てきたのだ。ショウマはゴチゾウを掴もうとしたが……
『!』
チョコルドゴチゾウはデンテの隠れ家の中を逃げ回り始めてしまった。
「ちょっと待って!」
「な、なんじゃなんじゃ!」
「こいつ……!」
「そっち行ったよ!」
ハルマたちはゴチゾウを捕まえようとするも、思いの外すばしっこいのか中々捕まえることができずにいた。
「もう何処だよ……あっ!」
すると、幸果は急に目を瞑り始めた。そして、チョコルドゴチゾウの気配を探り……
「っしゃ!オラぁぁぁぁ!!」
見事、捕まえることに成功したのだ。
「捕まえた……!」
『ルド!?』
捕まえられたチョコルドゴチゾウは、幸果の手の中で驚いたような反応をしていた。
「黒いチョコ……?」
「ハントが使うやつって……白、だよね?」
「うん、俺も初めて見る……ねぇ、君は何処から来たのかな?絆斗に何があったのか、教えてくれない?」
ショウマは直接訊いてみたが……
『……』
「も、黙秘……!?」
チョコルドゴチゾウは黙り込んでしまったのだ。
「……そいつ貸して」
「何するの?」
『ルド!?ルドルド!!』
「こうする」
ハルマはガヴフォンにゴチゾウをセットし、絆斗に何があったかを見ようとした……が、
「……ん?」
「何も映らない……?」
何故か何も映し出されなかったのだ。
「お前怪しいなー!」
幸果はそう言ってハルマからゴチゾウを受け取ると、近くに置いてあったビンの中にチョコルドゴチゾウを閉じ込める。
「叔父さん、このゴチゾウのこと調べられる?」
「おぉ、やっとくぞい」
「幸果さん、ハルマ。絆斗のことお願い」
ショウマは2人にそう頼むと……
「ちょ、ウマショー何処行くの!?」
「……やっぱり、本人に直接訊くしかないかなって」
酸賀のところへと向かって行った。それを見て……
「あっ……!」
「僕がついて行く」
「ハルマ君も!?」
ハルマもショウマの後を追い、酸賀のところへ向かうのだった……。
◇
絆斗がデンテのところで治療されている頃、酸賀はレコードを聞きながら、パソコンの画面に映し出されたとあるものを見ていた。それは3つのデータであり、右には絆斗、左にはビターガヴ……そして真ん中には『code:K』と名付けられた謎のデータがあったのだ。そこに……
「酸賀さん……」
「……」
「あれ?ショウマ君とハルマ君じゃん!いらっしゃい!コーヒー飲む?」
酸賀は2人にそう尋ねたが……
「絆斗に何したの?何でビターガヴを作って、人間を襲わせたの?」
ショウマはそう問いかけたのだ。
「あー、そっかそっか、君たちのところ行ったかー……それに、ビターガヴのことも知ってるんだ?」
「何で絆斗はあんなに苦しそうなの!?あの黒いゴチゾウは何!?……関係あるんだよね?」
「ん?絆斗君をもっと強くしてあげようとしただけだよ?それは、絆斗君の望みでもあるし……俺の望みでもあるから」
「望み……?」
酸賀の言葉を聞いたハルマがそう呟くと……
「そう。ただねぇ、絆斗君ちょっとビビちゃったみたいで―――あ、そうだ。2人にも、手伝ってほしいことがあるんだ」
酸賀が思い付いたようにそう言うと……
「え……何言って―――」
「ショウマ兄!!」
「!?」
急にハルマはショウマのことを入り口の方に向かって、突き飛ばしたのだ。
「っ!?」
「ハルマ!」
その直後、ハルマは何者かに攻撃されてしまったのだ。そこには……
「ちっ……!」
「ビターガヴ!?」
(てことは、ハルマの言う通り酸賀さんが……!)
ブレイドを振り下ろそうとしてハルマに止められているビターガヴで、ハルマは刃の部分を直接掴んで止めていた。
「ついてきて正解だった―――よっ!」
「ぐっ!?」
ハルマはビターガヴを蹴って距離を取ると……
「逃げるよ!」
ショウマにそう言い、酸賀の研究室から逃走を図る……が、
「っ!?」
突如として銃声が聞こえ、ハルマの脚に衝撃が走る。それと同時に、ハルマは動きを止めてしまった。
「なるほどねー、威力はこんな感じか」
「ハルマ!?」
「ごめんねー、ホントはこんなことしたくないんだけど」
酸賀の手には新たに開発した銃があり、それでハルマの脚を撃ったようだ……その直後に奥からビターガヴがもう1体現れたのだ。ショウマは変身しようとガヴを出そうとするが……
「こいつらは僕がやる」
「!?」
ハルマはそう言い、ショウマのことを止めた。
「ショウマ兄は逃げて」
「!で、でも―――」
「早く!」
「っ!すぐにこのこと伝えてくるから!」
今の自分が戦ってもハルマの足手まといになることを察し、ハルマの言葉に従い階段を上って行く。そんなショウマをビターガヴは追いかけようとしたが……
「へぇ……やっぱ丈夫だね?そういうところはグラニュートよりなのかな?」
「……」
ハルマが階段の前に立つと……
「ヴラスタムギア」
腰にヴラスタムギアをセットしたのだ。それに対して酸賀は……
「やっぱそうするよねー……ほら、例の場所まで連れていってあげて」
ビターガヴたちにハルマを襲わせる。ハルマは左脚を銃弾で撃たれ、血が流れているものの……
「カップオン!」
「変身」
「プディングヴラムシステム!」
ビターガヴたちの攻撃を避けつつ、ヴラムへと変身した。
「ハァッ!」
「「オラッ!」」
ヴラムはビターガヴたちの攻撃を躱しつつ攻撃を加えていたが、ビターガヴが強くなっていることや先ほどの銃撃で左脚を負傷していることから、いつも通りに戦うことが出来ずにいた。すると……
「フッ!」
「ハァッ!」
「っ!?」
ヴラムはビターガヴの攻撃を受け、階段の方へと徐々に押し出されていく。それに対し、ヴラムは外で戦うために階段を上っていった。ビターガヴがヴラムを追っていくのを見た酸賀は……
「さて……絆斗君は元気かなーっと」
何処かに電話をかけるのだった……。
◇
ヴラムがビターガヴと対峙している頃、治療を受けて眠っていた絆斗が目を覚ました。
「ここは……?」
「おぉ!目が覚めたか!」
「っ!?グラニュート!?」
絆斗は目の前にいるデンテに驚き、すぐさま距離をとった。すると……
「ストップストップ!」
「社長……?」
「デンテさんは、お医者さんの代わりにハンティーを診てくれたんだよ?」
幸果はそう言い、デンテが敵ではないことを教えた。
「どうも、ショウマとハルマの大叔父です。胸の痛みはどんなもんじゃ?」
「……そういえば、大分ましだ……」
デンテにそう訊かれた絆斗は、自身の胸を抑えながら痛みが幾分か楽になっていることに驚いていた。
「悪かった……そんで、助かった」
「まぁえぇまぁえぇ!お前さんみたいな反応も、慣れっこじゃ!」
デンテは笑いながら、絆斗から離れていった。
「……ショウマが、運んでくれたのか?」
絆斗は幸果にそう訊いたが……
「運んでくれたのはハルマ君だよ。偶然倒れているところを見つけてくれたみたい」
「!……そうか……」
(ハルマにも、まだ謝れてないんだよな……)
ハルマが自身を助けてくれたことに驚きながらも、同時に申し訳ない気持ちになっていた。
「それで……俺の身体、どうなってんだ?」
「お前さん、人間にはないグラニュートの器官を体内に埋め込んどるじゃろう?」
「えぇ!?」
絆斗が改造手術を受けていたことを初めて知った幸果は、思わず声を出して驚いていた。
「そいつのおかげで、ヴァレンに変身しとるようじゃが……こいつを使うと、その器官が活性化し過ぎて心臓への負担が半端ないようなんじゃ」
「こいつの、せい……」
1人でもビターガヴを倒せるようになったきっかけとなったチョコルドゴチゾウだが、それ原因だったことを知った絆斗は、少なからず衝撃を受けていた。
「ちょ、今までは大丈夫だったの?」
「あぁ……」
「ショウマのゴチゾウを使うのが、ぎりぎりのラインじゃろうな……ただ、落ち着くまではそれも避けた方がえぇじゃろうな」
デンテにそう告げられた絆斗は……
「それじゃあ……今すぐ戦えねぇってことか!?綺麗さっぱり治せねぇのかよ!?」
思わず声を荒げてそう言った。
「しばらく安静にして、落ち着くのを待つしかないじゃろう―――!それか、体内のグラニュート器官を摘出すれば治るぞい!」
そう提案された絆斗だったが……
「それはダメだ!……俺が、グラニュートを……ストマック社のやつらを、絶対にぶっ倒さなきゃならないんだ……!それ失ったら、また無力な俺に逆戻りだ……そうなるくらいなら、苦しいくらい我慢する」
「ハンティー……」
戦えなくなるのが嫌なのか、それを拒否したのだ。
「返してくれ」
「おぉ!?やめとけ!」
絆斗はデンテからチョコルドゴチゾウを返してもらおうとするが、デンテはこれ以上絆斗に無理をさせないために抵抗していた。
「何でだよ?返せよ!」
「押すな押すな!」
その様子を見かねた幸果は……
「そこまで覚悟決まってんだったら、ウマショーのゴチゾウ使えばいいじゃん」
「……それは―――」
「何で?何がダメなの?それに今は、ハルマ君だっているのに」
「……」
単刀直入にそう言い、絆斗はその言葉に対して思わず黙り込んでしまう……。
「ウマショーはね、ハンティーのために酸賀のところ行ったんだよ?ハルマ君も、ウマショーのこと心配してついて行ちゃった……危険かもしれないのにだよ?」
「え……?」
すると……
「!」
絆斗のスマホに着信があったのだ。その相手は……
「酸賀!」
『あー良かった絆斗君出てくれた』
酸賀だったのだ。
「おい!ショウマとハルマがそっちに―――」
『うん、来て―――あ、ショウマ君はハルマ君が逃がしちゃったけど、ハルマ君には俺の研究を手伝ってもらうことにしたんだ』
「おい!ハルマに何しようとしてんだ!!」
『実験だよ実験。今はビターガヴたちと遊んでるところだねー』
「お前……!!」
絆斗は怒りを露にしたが……
『だって絆斗君逃げちゃうんだもん……つーことで、ハルマ君に会いたいなら、凪浜映画館の地下駐車場、そこまで来て。見せたいものがあるから―――あっ、ショウマ君も連れてきてくれると嬉しいな』
「おい!酸賀―――っ……」
その言葉を最後に、酸賀は電話を切ってしまったようだ……。
「ちょっと、どういうこと!?2人は無事なの!?」
「……ショウマはハルマに逃がしてもらったらしいけど、ハルマはビターガヴと戦ってるって……」
「そんな……」
「それに、ビターガヴを作ったのは酸賀……俺にヴァレンの力をくれたやつなんだ。噓だろ……何でショウマやハルマが……」
絆斗がそう口にしていると……
「ウマショー、ずっと体調悪いんだよ?アイス以外身体受け付けなくなっちゃって……原因は、メンタル的なやつ。ハルマ君はウマショーの代わりに駆け回ってくれていて……この前は怪我もしてたけど、すぐにグラニュートを倒しに行ったりしてて……何だか最近、無理してるような……」
幸果が今の2人の状況を話した。それを聞き……
「!……そういうことかよ」
「お、おい!まだ安静に―――」
「俺のせいなんだよ!!」
『!』
「行くしかねぇだろ……!」
絆斗はデンテの隠れ家から飛び出して行ってしまうのだった……。
◇
「はぁ……はぁ……!」
デンテの隠れ家から飛び出した絆斗は、指定された駐車場に向かっていた。すると……
「絆斗!」
「!ショウマ……!?」
途中でショウマと合流したのだ。
「お前無事で……」
「うん……でもハルマが……」
「あぁ……俺も酸賀から電話で聞いた……俺はハルマのところに行く。お前は社長たちのところに戻って―――」
絆斗は体調の悪いショウマを幸果たちのところに戻らせようとしたが……
「俺も行く!」
「!でもお前、体調悪いって……」
「ハルマには、俺が体調悪くなった時から助けられてるから……それに、ハルマはまだ子供だ。俺が何とかしないと」
ショウマはそう言い、危険を承知で酸賀のところに行くことを決めた。
「……分かった。けど、無理すんじゃねぇぞ?」
「うん!」
そうして2人は、酸賀が指定した場所に到着したのだが、そこには……
「フッ!」
「くっ……!?」
「オラッ!」
「ちっ……!」
ビターガヴ2体と戦っているヴラムと……
「あ、絆斗君ごめんね?体調悪いのに。ショウマ君もさっきぶりだねー」
それを見ている酸賀がいたのだ。
「酸賀……!てめぇ!!」
「だからさー、そうやってすぐ怒んないでって……はいそこまでねー」
「「はーい」」
「は?」
酸賀にそう言われたビターガヴは、ヴラムへの攻撃を止め、自身の主人のところへと戻っていく。
「……何のつもりだ?」
「いや言ったでしょ?見せたいものがあるって」
「ベイクマグナム!」
酸賀はそう言い、新しく開発したアイテムであるベイクマグナムとチョコチップクッキーの眷属―――ブレイクッキーゴチゾウを取り出した。
「!……それは……」
「絆斗君にあげたバスターのバージョンアップ版と、彼で作った新しい眷属。えーっと……これをこうして―――」
「セット!」
「こうか」
「チェンジング!」
酸賀はゴチゾウをマグナムにゴチゾウをセットすると、ジャッキを閉じる操作を3回行った。そして……
「で、何だっけ?えーっと……」
何かを思い出したように指を鳴らし……
「あ、そうだ―――
変身」
「ファイヤー!」
ヴラムの方に向け、ジャッキの形をしたオレンジのエネルギーが発射される。
「「「っ!?」」」
それは絆斗のところまで行くと酸賀のところへ戻っていき、駐車場の天井を破壊してから、酸賀のことを覆うように上から嚙み付いた。その後ジャッキのエネルギーが外れると、オーブンの電熱線を模したものが酸賀を囲うように出現した。
「ビヨンドバイオロジー!」
そして、下地となるスーツなどが形成されると、上からクッキーの生地のようなものがかかる。それが焼き上がった直後に砕け散り……
「ベイク!」
仮面ライダーベイクへと変身したのだった……。
読んでくださりありがとうございます。
原作とは少し、展開を変えてみました。そして遂にベイクを登場させました……果たして、どのような活躍を見せるのか……。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。