それでは、どうぞご覧ください。
ハルマが外へと出た頃……
「カッティー!お前それ何回見てるんだよ!?」
「キュアアイドルの研究をしているのですぞ」
「はぁ!?」
人間界の何処かにあるバーにとある人物たちがいた。その人物たちは、この世界を暗闇にするために暗躍しているチョッキリ団の一員……カッティーとザックリーであり、キュアアイドルの研究(?)をしているカッティーに対し、ザックリーは文句を言っていた。
「まったく………この前は簡単にやられてくれちゃって、ダークイーネ様に報告できたもんじゃないよ」
そう言うのは、チョッキリ団のボスのチョッキリーヌであり、その言葉からチョッキリ団はダークイーネという人物の下についているようだ。
「ボス!だったら、今度は俺がザックリ「そうはさせませんぞ?」なっ!?」
ザックリーが出撃しようとしたが、それを遮ってカッティーがまた出て行こうとする。
「何でだよ!?今度は俺の出番だろーが……ったく、自分カッティーな奴だな」
「自分、カッティーですので」
そうしてカッティーは、街へと出撃していくのだった……。
◇
ハルマは街中を歩きながら、ストマック社のバイトの手掛かりを探していた………すると……
「?何だ……?」
急に空が暗くなり、ハルマもそれに気付いて上を向いた。
「これって、あの時と同じ……」
すると……
「に、逃げろー!」
「!」
空が暗くなった方向から、多くの人々が逃げてきているのが見えた。
「……行ってみるか」
ハルマは正体のバレたストマック社のバイトが暴れているかもしれないと思い、人の流れに逆らってその場所に行ってみることにした。それからすぐに到着したのだが……
「あれは……」
「マックランダー!」
そこにいたのはサイリウムのマックランダーであり、ビームを放ちながら街を破壊していた。その上にはカッティーがおり、その様子を見守っていたのだ。
「ストマック社……なわけないか………」
それを物陰から観察していたハルマだったが……
「いた!」
マックランダーの前に、うたが現れたのだ。
「よーし!行っくよー!」
「?」
(何するつもりだ……?)
『『ぷる……?』』
ハルマと上着のポケットから出てきたゴチゾウたちが疑問に思いながら、その様子を見ていると……
「プリキュア!ライトアップ!」
うたはアイドルハートブローチとリボンをプリキュアリボンを取り出すと、リボンをブローチへとセットし、ブローチを3回タップした。
「キラキラ!ドレスチェンジ!YEAH♪」
そう言ってブローチの両側を押すと、うたの髪は光に包まれながら金髪桃色のメッシュが入ったものになり、髪型もリボンヘアとポニーテールへと変化していた。また、瞳の色も水色がかった青緑色になっていたのだ。
「キミと~!YEAH♪」
ブローチの両側を再び押すと、今度は桃色を基調とした衣装へと変化しており、チェック柄があしらわれたセパレートタイプで、袖の部分は分離しているため両肩が見えるようになっていた。
「一緒に~!YEAH♪」
さらに両側を押すと、両脚には白と桃色のロングブーツ、両腕には左右で長さが違うフィンガーレスグローブが、頭にはカチューシャやハートの髪飾り、両耳にはピアス………それらがつけられた後、うたは左胸のところにアイドルハートブローチを置いたのだ。そして……
「キミと歌う、ハートのキラキラ!笑顔ニッコリ、キュアアイドル!」
キュアアイドルへと姿を変え、そう名乗ったのだ。
『『ぷる!?』』
「……!」
そんな光景を見て、ゴチゾウたちは驚いており、ハルマも声には出さないものの驚いていた様子でいたが、すぐさま冷静になりマックランダーとキュアアイドルを観察し始めたのだ。
「可愛いプリ~!」
「みんなのキュアアイドル、頑張っちゃうよー!」
「みんなで応援するプリ!」
「ありがとね!イェイ!」
ハルマたちが見ていることも知らず、現在進行形で浮かれているアイドルは、プリルンや周りに向かってポーズを取ったりしていた。
「マックランダー!」
そんなアイドルに、マックランダーが攻撃を仕掛けたが……
「ほっ!よっと!」
その攻撃をアイドルは軽々と避け……
「はぁ!」
「!?」
マックランダーへと蹴りを入れて吹き飛ばしたのだ。
「カッコイイプリ!」
「プリルン!撮って撮って!」
自撮り棒のついた小型カメラを持っているプリルンを見たアイドルは、そちらの方を見てポーズを決めていた。
「……大丈夫かな、あれ」
その様子を見て、ハルマは少し嫌な予感を覚えていた………そんな予感が的中したのか……
「マックランダー!」
「えっ?」
マックランダーは跳び上がり、油断しているアイドルに向かってビームを放ってきたのだ。
「うわっ!?」
アイドルはそれを何とか避けたが、死角からも2発目のビームが飛んできていたのだ。
「アイドル!危ないプリ!」
「え―――きゃあ!?」
アイドルはそれに気付かず攻撃に当たってしまい、そのまま空中に吹き飛ばされてしまう。そして、そのまま地面に激突するかと思われたが……
「えっ?」
「大丈夫?」
その前にハルマがうたを受け止め、ゆっくりと地面に降ろしたのだ。
「!?は、ハルマく―――あっ………え、えっと……」
うたは思わずハルマの名前を口にしてしまったが、今の自分はキュアアイドルであることを思い出し、何とか誤魔化そうとしていた……が、
「分かってる。うたさん、でしょ?」
「え!?何で知って―――」
「ごめん、最初から見てた」
「さ、最初から!?」
最初から見られていたことに、思わず驚きの声を上げる。
「大丈夫、誰にも言うつもりないから」
「あ、ありがとう……」
すると……
「そこのお主……まさか、プリキュアでもないのに邪魔をする気ですかな?」
カッティーがハルマにそんなことを訊いてきたのだが……
「それが?どうしようと僕の勝手でしょ」
すぐさまそう返したのだ。そんなさっき逃げ回っていた人間たちとは違う反応に……
「……まぁ、いいでしょう。ただの人間に、何もできるわけがないのですから」
カッティーは少し戸惑いながらも、ハルマのことは脅威ではないと判断し……
「それよりも……プリルン、とか言いましたか」
「プリ……?」
「お主、ダメダメですな」
「プリルン、ダメダメプリ……?」
「こんな浮かれた者を選んだせいで、世界はクラクラの真っ暗闇になるのですぞ!」
プリルンに向かい、そんなことを言い始めたのだ。カッティーにそう言われて、プリルンは目に涙が浮かべ今にも泣きだしそうになっていたが……
「……」
「何のつもりですかな?」
マックランダーとカッティーの前に、ハルマが立ち塞がったのだ。そんなハルマに、カッティーはそう問い掛けるものの、黙ったまま退かない様子を見て……
「邪魔をするつもりなら………お主もマックランダーにしてやるのですぞ!」
「まさか……ハルマ君逃げて!」
「もう遅いですぞ!お主のキラキラ、オーエス!」
そう言って、ハルマをマックランダーへと変えようとしたが……
「ん……?」
「あ、あれ……?」
何故かハルマはマックランダーにはならず、その場で立ったままでいたのだ。
「な、何故だ!?何故お主は、マックランダーにならない!?」
「ど、どういうこと……?」
そんな事態に、カッティーは驚いていたが……
「!こ、これは……なるほど、納得しましたぞ」
「……?」
ハルマを見て、何かを納得した様子でいた。
「プリ!?」
「!プリルンまでどうしたの?」
「は、ハルマの心……」
「え……?心がどうかしたの?」
プリルンもハルマを見て、カッティーと同じく何かを驚いていた。
「すごく……真っ暗プリ……」
「えっ……?」
「全然、キラキラしてないプリ……」
2人が見たのはハルマの心で、その心はまったくキラキラしておらず、むしろ真っ暗になっていたのだ……。
「お主の心は、既に真っ暗だったというわけですな………それならそれとして、マックランダー!」
「マックランダー!」
カッティーはマックランダーに、ハルマを攻撃させた………が、
「!?」
「フッ!」
「マックランダー!?」
その攻撃をハルマは易々と避け、逆に蹴りを入れて一撃を食らわせたのだ。
「な、何ですと!?」
カッティーから見てただの人間に見えているハルマがマックランダーを蹴り飛ばしたという事実に、カッティーは思わず声を出して驚いていた。そんなハルマは、アイドルの方を向いて……
「あれってさ、普通に倒せばいいの?」
「!ううん、マックランダーの中には人がいて―――」
「……」
おそらく自分の力では倒せない………倒せるものの、中にいる人間がどうなるか分からない………そう判断したハルマは……
「……分かった。とどめは任せる」
「ヴラスタムギア」
アイドルにそう言い、ヴラスタムギアを装着した。ハルマのところにはどっぷりんゴチゾウが来ており、そのままハルマの手へと飛び乗った。
『ぷる』
「!ま、待って!ハルマ君が戦わなくても―――」
アイドルにそう言われたハルマだが、前へと進み出て……
「……怪我の手当て」
「えっ?」
「それのお礼………そう思ってくれればいいよ」
「カップオン!」
ヴラスタムギアへとゴチゾウをセットし……
「……変身」
「プディングヴラムシステム!」
そう口にしてギアのレバーを下ろし、ヴラムへと変身したのだ。
「お、お主……一体何者なのですぞ!?」
カッティーにそう訊かれたハルマは……
「何者?僕はハ―――いや……この世界風に言うなら………
ヴラム」
「ヴラム……?」
「仮面ライダー……ヴラム」
ガヴやヴァレンの呼び名に倣い、そう名乗るのだった……。
読んでくださりありがとうございます。
ついに、ハルマが『仮面ライダー』を名乗ることになりました。戦闘の場面は次回となります。
それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いいたします。