それでは、どうぞご覧ください。
「仮面、ライダー……」
ヴラムが仮面ライダーと名乗ったのを聞き、アイドルは思わずそう呟いた。
「仮面ライダー、ですと?初めて聞きますが………マックランダーに敵うと思ったら大間違いですぞ!」
「マックランダー!」
一方でカッティーは、マックランダーに指示を出し、ヴラムに攻撃を仕掛けさせたが……
「ヴラムブレイカー」
ヴラムはビーム攻撃を軽々と避けながら、ヴラムブレイカーを出し……
「っ!」
「マックランダー!?」
弓モードで攻撃を放ち、それをマックランダーへと命中させたのだ。マックランダーは体制を立て直し、再びビームを撃とうとしていたが……
「フッ!」
「!?」
その攻撃が放たれる前にヴラムは、マックランダーの持つサイリウムを狙って落としたのだ。
「くっ……遠距離がダメなら……!」
「マックランダー!」
遠距離攻撃では分が悪いと判断したのか、カッティーはマックランダーをヴラムへと突撃させた………が、
「ま、マックランダー……!」
「くっ……速すぎて攻撃が……!」
ヴラムはマックランダーの連続攻撃をそのスピードを活かして避け続けていた……それと同時に……
「フッ!ハァッ!」
「!?」
鎌モードへと変形させたブレイカーで、すれ違いざまにマックランダーの脚や腕などを正確に攻撃し、とどめを刺してしまわないようなダメージを正確に与えていた。
「プリキュア以外にも、こんな存在が……!」
ヴラムがマックランダーに対して有料に戦っている光景を目の当たりにしたカッティーは、プリキュア以外にもマックランダーに対抗する存在がいたことに驚きを隠せずにいるのだった……。
◇
「ハルマ君……」
アイドルはその場に立ちながら、ヴラムが戦っている様子を見ていた……。
「っ……」
(ハルマ君はきっと、とっくに戦う覚悟を持っている………それに比べて、私は……)
そして、アイドルは……
「っ!」
「プリ……!」
両手で自身の頬を叩いたのだ。その風圧によって、今にも零れ落ちそうになっていたプリルンの涙が吹き飛ばされた。
「……ごめんね、プリルン」
「プリ……?」
「もう、大丈夫だよ。真っ暗闇になんて……絶対にさせないから!」
アイドルはプリルンを抱きしめながらそう言い、マックランダーを見据えると……
「私、キラッキランランにしたい!プリルンのことも、君のことも……それに―――」
プリルンをその場に残し、ヴラムとマックランダーが戦っているところに向かって走り出していく。そして……
「はぁ!」
「マックランダー!?」
アイドルはマックランダーに蹴りを入れて吹き飛ばしたのだ。
「何っ!?」
「!」
「ごめん、お待たせ!」
着地したアイドルは、今までマックランダーと戦っていたヴラムにそう言い………
「ここからは私が!」
すぐさまマックランダーへと向かっていった。
「くっ……浮かれていたくせに、今更何ができるというのですかな!」
そんなアイドルに対し、カッティーは狙いを変えてマックランダーを向かわせた。
「プリ!マックランダーの中にみことが閉じ込められてるプリ!」
「みことが!?………絶対に助ける!私の歌で!」
友達であるみことが閉じ込められていることを知ったアイドルは、そう言って飛び上がると……
「アイドル……グータッチ!」
「!?」
胸のアイドルハートブローチをタップして、マックランダーに技をお見舞いしたのだ。
「グータッチ………グーパンチじゃ―――」
「それは言わないお約束プリ」
「……」
技と名前が合っていないことに疑問を覚えたヴラムだったが、いつの間にか隣に来たプリルンにそう言われたため、一先ずスルーすることにした……。
「それはそれとして………あれならもう大丈夫かな」
ヴラムはそう言い、アイドルの方に目を向ける。
「キラキラしてきたプリ!アイドルー!頑張れプリー!」
そして……
「クライマックスは私!」
アイドルがそう言うのと同時に、辺りは満員のライブ会場の空間へと変わり、マックランダーは強制的にその中の席のうちの1つに強制的に着席させられた。アイドル自身は、アイドルハートインカムを装着し、ステージの上に立っている。
「盛り上がって行くよー!」
その空間の中には……
「!これは……」
ヴラムもおり、観客席の間のところに立ってアイドルのいるステージの方を見ていた。
「キミのハートにとびっきり♪元気をあげるね♪ゼッタイ!(ゼッタイ!)アイドル!(アイドル!)ドキドキが止まらない!急接近♪笑顔のユニゾン、応えてほしいな~サンキュー♪最高のステージで~キミと花を咲かそう♪」
そうしてアイドルは、自分の歌を披露した後……
「プリキュアアイドルスマイリング!」
巨大なハート型のビームでマックランダーを浄化し、閉じ込められていた友達のみことを助け出した。
「キミと花を咲かそ―――いやいやいやいや!キュアアイドル、今度は負けませんぞ!それに仮面ライダー……これもチョッキリーヌ様に報告ですな……」
「!待て!」
ヴラムはカッティーを逃がすまいと、ブレイカーを弓モードにして構えたが……
「っ!?」
攻撃をする前に、カッティーはその場から消えてしまうのだった……。
◇
「あれ………私、何してたんだろ……?キュアアイドルのステージを見ていたような………もしかして、夢?」
「夢じゃないよ!」
目が覚めたみことに、アイドルはそう声を掛けた。
「キュアアイドル!?」
案の定みことは、目の前に突然現れたキュアアイドルに驚きの声を上げる。
「みことちゃん!」
「えっ!?は、はい!」
「応援してくれてありがとう!これからもよろしくね!」
「……!」
名前を呼ばれ、そう言われたみことは思わず持っていたうちわで顔を隠してしまう……だが、やはり自分の推しの姿は見たいのか、横から顔を覗かせている。
「!」
アイドルはそのうちわに書かれた『わらって!』という文字を見て……
「ふふっ!」
「……!?」
右手の指でハートを作りながら、みことにとびきりの笑顔を向ける。
「……」
ハルマは既に変身を解除しており、その様子を物陰から静かに見守っているのだった……。
◇
「ここは……」
「うん、私のお気に入りの場所なんだ」
マックランダーを倒した後、ハルマはアイドルに声を掛けられ、彼女のお気に入りの場所に連れて来られていた。そこは偶然にも、ハルマがこの世界で最初に訪れた場所だったのだ。
「私、分かったと思う」
「?」
「すっかりアイドル気分になっちゃってたけど、私はただのアイドルじゃない。光で闇を照らす救世主………歌って踊ってファンサして、真っ暗闇をキラッキランランにする………アイドルプリキュアなんだって!」
そこにはもう浮かれていた少女の姿はなく、世界を暗闇から救う戦士………アイドルプリキュアの姿があった。
「私、あの時から助けてもらってばかりで、まだ何も返せてないけど………
ハルマ君のことも、絶対にキラッキランランにするからね!」
「……」
アイドルはハルマの方を向き、決意に満ちた目でそう言ったのだ。それに加え……
「あと、何かあったら言ってね?私も、何か協力できるかもしれないから」
ハルマの戦いにも協力したいと言ってきたのだ……が、
「……気持ちだけもらっておくよ」
「えっ?」
「それに……これは僕がやらなきゃいけないことだから」
ハルマはそう言って断り、アイドルとプリルンのところから去ろうとする……。
「!待って!」
「……何?」
「ハルマ君は………何で、あの化け物と戦ってるの?」
アイドルがハルマを呼び止め、そう訊いてきたのだ。
「……」
「ハルマ君……?」
だがハルマは、背を向けて立ち止まったまま黙り込んでしまう……
「!ごめんね、言いたくないなら無理には「復讐」えっ……?」
「それが……僕が奴らと戦う理由だよ」
背を向けたままそう言った後、今度こそアイドルとプリルンのところから去って行くのだった……。
◇
アイドルとプリルンと別れたハルマは、拠点へと戻るために歩いていた。そんなハルマは……
『ハルマ君のことも、絶対にキラッキランランにするからね!』
『あと、何かあったら言ってね?私も、何か協力できるかもしれないから』
「……」
先ほどアイドルに言われた言葉を思い出していた。だが……
「誰も、巻き込むつもりはない……僕だけで、果たしてみせる……」
(……何があろうとも、ストマック社は必ず叩き潰す………
それが、僕の覚悟だ……!)
うたがアイドルプリキュアとして、真っ暗闇を照らす救世主となる覚悟をしたように、ハルマも何があってもストマック社に復讐する覚悟を改めて決めるのだった……。
読んでくださりありがとうございます。
戦士としての覚悟を決めたアイドルによってマックランダーは浄化され、勝利を収めることができました。アイドルプリキュアとして、世界を真っ暗闇から救いキラッキランランにする……そんなキュアアイドルの覚悟に対し、ハルマの覚悟は………。
それでは、次回の話もよろしくお願いいたします。