デュエル・マスターズ Aoharu Revolution 作:カレーパンパフェ
前回のぉ…………あらすじっ!
ホシノのもとに現れた謎の男、ジェンドル!
彼はホシノを自らの実験材料にするため、人質としてアビドスの生徒たちや勝太をいたぶろうとしていた!
勝太たちに対しドルファディロムをけしかけてきたジェンドルだったが、生徒用クロスギアを使ったヒナがこれを撃退!
勝太に自分の決意を話すヒナは、意気込んだままジェンドルとのデュエルに臨むのだった!
空崎ヒナ VS ジェンドル
真のデュエル、スタート
キヴォトスでもついに起こってしまった真のデュエル! あろうことか最初にその場に立ったのは、最凶最悪の男、ジェンドル!
対するは、キヴォトスでも屈指の実力を持つゲヘナ学園風紀委員長空崎ヒナ!
先攻をとったジェンドルは、『地龍神の魔陣』を使いマナを加速する。
「私のターン。『ルピア&ガ:ナテハ』を召喚」
2匹のクリーチャーが手を繋いで歩いてくる。
1匹は勝太も見慣れたコッコ・ルピアだ。
もう一方はというと。
「……なんだこれ? なんというか……不思議な見た目だな」
ぱっと見は人間の心臓に一つ目がついたような、そんな不思議なクリーチャーだった。
「ターン終了時、ルピア&ガナテハの効果を発動。シールドを1枚墓地に置きドロー」
「わざわざ自分からシールドを減らしてくれるとは……これはありがたい」
「それで煽っているつもりかしら」
「いえ、こちらが少しでもアドバンテージを取れていると思っただけです。私は『天災 デドダム』を召喚します」
デドダムを召喚し、ジェンドルは手札マナ墓地を肥やす。
着実にマナを溜め、切札を降臨させる準備をしていた!
「ターンエンドです」
「じゃあ、私のターンね。ドロー……きた」
引き込んだカードを見るとヒナは笑みをみせる。
「ハッター・ルピアを召喚!」
天からくるくると帽子が舞い降りる。やがて地面に落ちたそれから、1匹のファイアー・バードが顔をのぞかせた。
「ルピア&ガナテハをタップ! ハッターのハイパーモードを解放!」
「ハイパーモードだと…………!」
「なにそれかっけー!!」
自分の知らない能力に戸惑うジェンドルと、自分の知らない能力に興奮する勝太。
ルピアとガナテハが、ハッターに力を分け与える!
するとどうしたことか、ハッターの身体が大きくなり、最初は中に入っていた帽子を、自分で被れるほどになったではないか!
「うお、でかくなったぞ!?」
「大きくなっただけじゃないわよ。ハイパーモードによりスピードアタッカーになったハッターで攻撃!」
ハッターが帽子を頭から取り、ブーメランの要領でぶん投げた!
しかしてその帽子が当たったのはヒナの山札だ。
上から3枚が帽子によって舞い上がる。
「ファイアー・バード・メクレイド5を発動! ハンプティをバトルゾーンに!」
卵のように真ん丸でかわいらしい鳥がまた1匹。
しかしその能力はかわいらしいものではない!
「あなたの手札、見せなさい」
「くっ……」
ジェンドルの手札が宙に舞う。ヒナはその中から『獅子王の遺跡』を選ぶと、ジェンドルの墓地へと落とした。
「っしゃあ! これで次のターンの大量マナ加速は防げたな!」
「このままハッターでシールドをブレイク!」
ヒナの山札をめくった帽子が、ブーメランの要領でハッターのもとへ帰ってくる。
それを掴みなおすと、今度こそハッターはシールドに向かって帽子を投げた!
「シールドチェック…………ははは! 来ましたよ! S・トリガー『霊宝 ヒャクメ-4』!」
ジェンドルのシールドからヒャクメ-4が姿を現す。
その能力によりジェンドルはさらにマナを増やし、ヒナの方は手札が減ってしまった。
ヒナはルピア&ガナテハの効果でドローしターンエンドだ。
「やはり私は運がいい! さて、そろそろフィナーレといきましょう」
見えます、私の来るべき未来が…
見えます、全てに勝利する輝かしい未来が!!!
見えますよ、未来を切り拓く、究極の切り札!!!
「来ました!『聖魔連結王ドルファディロム』!!!」
「ヒャクメ-4を破壊し、4マナで召喚っ!!!」
破壊と創造の力を併せ持つ、混沌の存在。
「天聖王」と「悪魔王」の魂を用いた醜悪なる存在、ドルファディロムが降臨する。
『EXライフ』により、ドルファディロムの身代わりとなるシールドが生成された。
「ドルファディロムの能力を発動! あなたの多色ではないクリーチャーは、聖魔連結王の制裁を受けるのです!!!」
ドルファディロムの3対の手のうち、1対からレーザービームが放たれる!
これによりルピアとガナテハ、ハッターが破壊されてしまった!
ハッターの帽子が風に舞い――――――突如方向転換を行い、ドルファディロムのEXライフシールドへ突撃した!
「ハッターの能力。あなたのマナより大きいコストのクリーチャーは、破壊される」
「罠を仕掛けていたのですか…………だが依然として、勝利は私の手の中にある! ドルファディロムで攻撃するとき、呪文を発動っ!!!」
『聖魔王秘伝 ロスト・パラダイス・ワルツ』。
失楽園を謳うその旋律は、対戦相手を破滅へともたらすのだ!
「あなたと私のシールドを1枚ずつブレイク! 来ました、来ましたよ!『龍風混成 ザーディクリカ』っ!!!登場時効果でヘブンズ・ゲートを唱えます! 『砕慄接続 グレイトフル・ベン』を2体っ!!」
「ディスペクターが4体…………」
大型が4体並び、さすがのヒナも顔をしかめた。
3体のディスペクターのEXライフにより、ジェンドルのシールドは7枚になってしまう!
「行きなさいドルファディロム! シールドをブレイクです!」
ロストパラダイスワルツの効果とドルファディロムの攻撃により、ヒナのシールドは全て吹き飛んでしまう。
「先生、私の後ろに」
「いや、俺は大丈夫だ!」
シールドの破片が二人に向かって飛んでくる。
腕をクロスさせ頭を守る勝太。その腕を破片が切り裂き、浅く傷ができる。
一方のヒナは、器用に体を動かして破片を避けていく。全て避けきることはできなかったが、傷は最小限で済んだ。
(キヴォトス人でも、シールドの破片で傷はついちまうのか……)
そんな思考が頭に浮かんだ勝太だったが、そんなことを言っている場合ではない。
シールドに何もなければ、デドダムのダイレクトアタックでヒナが敗北してしまう。
勝太はいつでもヒナの前に飛び出せるように身構えておく。
「ハンプティのG・ストライクを発動! デドダムの動きを止める」
「しぶとく生き残りましたか。だが、ザーディクリカの能力により、ハンプティルピアを破壊します!」
サーディクリカが放った火球により、ハンプティは種族名通り焼き鳥となってしまった!
ヒナのバトルゾーンは全滅、一方ジェンドルはディスペクターを4体展開し、シールドも7枚の盤石の布陣だ。
「さあ、ここからどう巻き返すというのです?」
「いえ、何も問題ないわ。次で終わらせる」
「…………なんだと?」
「おいおいまじかよぉ!!!」
ジェンドルの煽りに対し、即座にヒナは自分の価値を宣言。
その啖呵に勝太はしびれていた。
私は風紀。地獄の風紀、そのものなり
燃え盛る地獄の業火の中、ヒナは一人佇んでいる。
やがて炎は悪魔の形をとり、ヒナめがけて飛び掛かる。
しかし、ヒナは慌てない。愛銃を片手に構え、言い放つ。
風紀を乱すものに、制裁を!!!
ヒナの銃から幾多の弾丸が放たれる。
悪魔は撃ち抜かれ、弾丸が一筋のビームのように空を焼く。
やがて炎はヒナの手元に収まり、1枚のカードとして具現化した。
これで、フィナーレ
「今引いたカードで、私の勝利はより盤石になったわ。『アリスの突撃インタビュー』発動」
ヒナが手札から『アリス・ルピア』を捨てる。
『さあ始まりました!「アリスの突撃インタビュー」のお時間です! 今回のゲストは~? 「砕慄接続 グレイトフル・ベン」さんですっ!!!』
元気よく飛び出したファイアー・バードの少女、アリス・ルピア。
今回はグレイトフル・ベンにインタビューを行ったようだが…………。
『○!※□◇#△!』
何を言っているか全くわからない。自由意志のないディスペクターであるから当然か。
これにはアリスルピアも怒りを露わにする!
『ちゃんと! 回答! してくださぁい!!!!!!』
アリスルピアの怒りの一撃がグレイトフルベンの胸を貫く。
あまりにも理不尽な攻撃によって、EXライフが1枚失われた。
『仕方ありません! 代わりのゲストに登場していただきましょう! ファイアー・バード界の、高貴なる女王! このお方ですっ!!!」
アリスルピアが音頭を取った、その瞬間。
戦場が炎に包まれる。
すべてを焼き尽くさんとする、野心と残虐性にまみれた業火。
やがてその炎は玉座の形を取り、ある1体のクリーチャーが羽を下ろした。
「降臨。『龍后凰翔 クイーン・ルピア』」
龍のためならすべてを犠牲にする、恐怖の女王。
どうか忘れることなかれ。その炎は本来龍のためのもの。決して、目の前のねじくれヅノのガキのためではないのだと。
『おいツノガキ』
「……………なに」
『なぜわらわの登場がこんなにも遅くなった?』
「は?」
登場早々意味不明なことを抜かし始める女王サマに対し、ヒナは素っ頓狂な声を上げてしまう。
『なぜハッターの能力でわらわを出さなかったのかと聞いておる』
要するに、クイーンは先3ハッターメクレイドクイーンルピアしろ、といったのである。
このデッキの最大値に数えられる動きの一つではあるが、あくまで最大値。いつでもできるというわけではない。
「…………そうしたいのはやまやまだけど、メクレイドで出てこなかったじゃない、あなた」
『ふざけるなよ。わらわが出てこなかった? ふん、お前が引けなかったの間違いだろう』
「……………………」
心の中でヒナは深呼吸した。そして数字を数え始める。
アンガーマネジメントという概念によれば、6秒数えれば怒りが収まると――――――。
『おい! しかも相手のバトルゾーン、ドラゴンだらけではないか!?』
「……あれが?」
ザーディクリカやグレイトフルベンのことだろうか。
嘘だろう?
あんなごちゃ混ぜの合体獣をドラゴンとみなすのか。
『親愛なる龍の方々とは戦わんぞ。わらわを墓地へ戻せ』
「クイーンルピアで攻撃時自壊してメクレイド」
『貴様っ!?』
ヒナの怒りのダムが一瞬決壊した。
本人の要望通りさっさと墓地に戻してやることにした。
自壊だが。
『このクソガキィ!!』
再び炎と化した玉座に呑み込まれながら、クイーンルピアが破壊される。
「…………えーと、大丈夫か?」
「平気よ」
「でも」
「平気よ」
苛立ちを隠しきれていないヒナであったが、勝太から心配されるといつもの調子に戻ろうと努めた。
風紀委員長にも面子というものがある。
すると今度はジェンドルの方がイラつき始めたのが分かった。
口には出さないがさっさとしろという感情が読み取れる。
「待たせたわね。ファイアー・バード・メクレイド8を行う」
山札の上から3枚。
この中に、ヒナの勝利となる切札が眠っている。
『ヒナちゃん、お待たせ!』
「来てくれてありがと――――――『アリス・ルピア』をバトルゾーンへ!!!」
さきほどのインタビューから再び登場、アリス・ルピアっ!!!
彼女は仲間のファイアー・バードを呼び出す力を持っている!!!
アリスの呼びかけに応え、マーチ・ルピア、ハッター・ルピアが姿を現す。そして――――――。
『最後は、ファイアー・バード界の超大型新人! お願いしますっ!』
再び戦場を炎が支配する。
しかしクイーンの時からうって変わって、その炎は温かい。
激しく苛烈で、しかし温かい、愛の炎。
愛の炎はやがて一つに集まり、神々しい、不死鳥の形をとる。
「愛の炎は自我に目覚めた。これより愛を引き裂くものを、その炎で焼き滅ぼさん!」
「愛銀河 マーズ・シンギュラリティをバトルゾーンへ!!!!!!」
デッキ進化GVにより、山札の上から3枚を進化元として愛のフェニックスが戦場に舞い降りた!
「…………これは、フェニックス!?」
「すげぇ……」
「マーズ・シンギュラリティで攻撃時、メテオバーンを発動!!! さあ、選びなさい」
ジェンドルの周りを3つの炎が囲んだ。
あの女の言う通りであれば、この中から1つを選べということらしい。
じりじりと迫ってくる炎の中から、ジェンドルは1つを選び取った。
そしてその残虐性を孕んだ炎は、ジェンドルの腕をなんの躊躇もなく焼いた。
「ぐああああああ!?」
『貴様のようなゴミに興味はない。失せろ』
ツインテールの美少女の形をとったクイーン・ルピアは、ジェンドルのみぞおちを蹴り入れる。
たまらず腹を抱え後退するジェンドルを一瞥すると、クイーンは臣下たちのもとへと舞い降りた。
「あら、戻ってくるのが早かったわね。……これ以上出番を減らされたくなかったら、大人しく働いてほしいのだけれど」
ヒナが手札のマーチ・ルピアをちらつかせながら言った。
『後で覚えていろよ貴様ぁ……』
「マーズでT・ブレイク!」
クイーンの恨み言を意に介さず、ヒナはマーズ・シンギュラリティで攻撃を仕掛ける。しかしそれはグレイトフルベンに阻まれてしまう。
だがそれすらもヒナの想定内だ。
「マーチ・ルピアの効果を発動。 墓地からアシステスト・インコッピを蘇生」
ファイアー・バードの臣下たちは、何度でも墓地から蘇るのだ!
「続いてみんな! ハッター・ルピアとマーチ・ルピアで連続攻撃!」
「……通しましょう」
ジェンドルのシールドが削れる。しかしトリガーもG・ストライクもない。
戦局は、徐々にヒナの方へと傾いていく。
「クイーン・ルピアで攻撃時に、マーチ・ルピアを破壊! マーチ・ルピアの効果により、マーズ・シンギュラリティを蘇生!!! さらにメクレイド!!!」
「…………」
もはやジェンドルは何も言わない。
ただ焦りと苛立ちをにじませながら、ヒナをにらみつけている。
メクレイドの結果は――――――アリス・ルピア。
ハンプティ、マーチ、そして2体目のマーズ・シンギュラリティ。
ファイアー・バードの軍団が、恐ろしい勢いでその規模を増していく。
クイーン・ルピアがジェンドルのシールドを杖で叩き割る。
「呪文!『ドンドン
「無駄よ。その程度で、ファイアー・バードの軍勢は止まらない! もう1体のマーズで攻撃!」
再びメテオバーンが発動し、ジェンドルの前に三択の炎が提示される。
抵抗しても無駄だと悟ったジェンドルはすぐさま選択を行った。
「『コッコ・
コッコルピアが背負った武装から高出力レーザーを発射! グレイトフルベンのEXライフを焼き切った!
これによりジェンドルのシールドはあと1枚!
そのままルピアはシールドへ向かって特攻するも、グレイトフルベンに阻まれてしまう。だが、これでジェンドルにヒナの攻撃を防ぐ術はなくなった!
「ハンプティで最後のシールドをブレイク!」
「シールドチェック…………馬鹿な」
最後のシールドから逆転の一手が訪れることはなかった。
「アリスルピアでダイレクトアタックっ!!!」
『とりゃああああああ!!!!!!』
アリスルピアが上空から急降下し蹴りを放つ。
ジェンドルが一言呟くと、その間にドルファディロムが割込み――――――。
制圧、完了
~~~~~~
「……逃げたか」
最後のダイレクトアタック、ジェンドルはドルファディロムを盾にして時間をかせぎ、次元の狭間を出現させて逃げたのだろう。
一応アリスルピアのダイレクトアタックは通ったため、デュエルは終了した。逃げることも不可能ではないはずだ。
ヒナはバリアの天井に向けて銃撃を行うと、バリアが剝がれていく。
『委員長~~~!!!』
バリアが剥がれた瞬間、アコがものすごい勢いで走ってくる。
否、通信端末をイオリの手に持たせ走らせているだけである。
『よくぞご無事で! あのような化け物を使役するやつに勝つとは、さすがは委員長です!!!』
アコは本心から言っているのだが、ヒナからしたら話題をそらしているようにしか聞こえなかった。
「いつもの調子でほめても無駄よ。今回のアビドス自治区に対する無断での侵攻……。反省文は何枚がいいかしら?」
『うぐっ』
痛いところを突かれアコがげんなりとした表情になる。
便利屋の捕縛を言い訳にしようとしたが、彼らはいつの間にか姿を消していた。
あのツートンカラー男とヒナの勝負が終われば、次は自分たちを捕まえようとしてくると考えたのだろう。
ヒナが登場した瞬間にさっさと逃げていたのである。
謹慎を命じられたアコが通信を切ると、ヒナは対策委員会の方へ向き直る。
「さて、とりあえず目下の危機は去った……。あの男の動向は気になるけれど、その前にあなたたちとのトラブルを解消する必要がある」
アコのアビドス自治区への無断侵攻は許されざることだ。
しかし、アビドスが風紀委員会の活動を妨害したこともまた事実。
再びピリピリとした空気がその場を支配するなか、最初に沈黙を破ったのは勝太だった。
「えーと、ヒナって言ったか? まずは助けてくれてありがとう」
「別にいい。そもそも私の部下を守る必要があったし」
「それで、その……アビドスをどうこうしようってんなら、勘弁してほしいんだが」
「……こちらとしても、シャーレと敵対するのは分が悪いと考えているけれど……もし断るといったら?」
「あー…………戦闘じゃ俺のボロ負けだし…………デュエマで勝負、とか?」
さきほどの凍り付いた空気を思い出し、今度はやや遠慮がちでデュエマ勝負を申し込む勝太。
なお、この発言をすること自体が大概であるという自覚が本人にはない。
「先生、デュエマの必要はないよ。私たちを指揮してくれれば―――」
『シロコ先輩! ゲヘナの風紀委員長は、キヴォトスの中でも最強と称される部類の生徒ですよ!? 先生の指揮があっても勝てるかどうか…』
「そ、そうなんだ……。世界は広いね」
アヤネにたしなめられシロコが後ろに下がる。
ちょうどその時、ホシノがその場に到着する。
「…………なんだかすごいことになってるねぇ」
『ホシノ先輩!?』
「すごいことになってるねぇ、じゃないわよ! ほんっとうに、いろいろと大変だったんだから!」
「……そうみたいだね」
ジェンドルがその場にいないことを確認すると、ホシノは自分が彼に会ったという事実を隠すことに決めた。
わざわざみんなを不安がらせることはない。
「……ホシノ、ですって?」
ホシノが現れたことで、ヒナの態度が変わる。
彼女は目の前のピンク髪の少女が小鳥遊ホシノであることを確認すると、風紀委員会に撤収を命令した。
どうやらヒナは情報部に在籍していたとき各校の要注意人物のことを調べていたようで、彼女のことを知っていたのだという。
その後、ヒナはアビドスに対して正式に謝罪、そのまま帰途につこうとした、のだが。
「あ」
「どうしたの、委員長」
「あの子をこっちに呼んだのを忘れてた。私は残るから、イオリたちは先に帰ってて」
「あー……わかったよ」
イオリたちを先に帰らせ、ヒナはその場にとどまる。
「……帰らないのか?」
「助っ人を呼んだのを思い出したの。あの男は撃退したけど、今から連絡しても気付かないだろうから、いっそのことここで待ってようかなって」
「……まあ、こっちからしても好都合だ、あのジェンドルとかいうやつについて聞きたかったし」
「それに関しては、あなたの息子さんの方が詳しいと思うけど」
「え!? 俺のこと知ってるの!?」
ジョーとヒナは初対面である。
そもそも、キヴォトス外の人間のことをどうやって知るというのか。
「あー…………まずはそこから説明しないとか。えーと――――――」
「ヒナーーーっ!!! 待たせたなっと!!!」
空から声が聞こえる。
勝太たちが驚いて上を向くと、そこにはクリーチャーと、その上に乗る一人の少年がいた。
ヒナが言葉を選んでいる間に、彼女の待ち人が到着したのだ。
「……つまらん。もう終わっているではないか」
「まあまあ。戦いが続いてるよりはいいじゃん。イオリたちは先に帰った…のかな…」
その場に降り立ったのは、黒い角を頭の左右から生やした黒いクリーチャー。
そして、青い髪にオレンジのジャケットを羽織った少年。
「……もしかして、こいつがヒナの待ってた『本物だーーーーーー!!!!!!!!!!!!』どわあ!?」
急に大声で叫ばれ、勝太が驚く。
少年は興奮した様子で目の前に駆け寄ってきた。
「あ、あの、握手ってお願いできる!?」
「え、あ、ああ」
「やった!!! すげぇ……俺、切札勝太としゃべってるんだ……!!!」
超感動、といった様子で少年は勝太と握手している手をぶんぶんと振る。
「……で、お前はなにもんなんだ」
「あ、ごめんごめん。自己紹介がまだだったぞっと」
握手している手を名残惜しそうに離すと、少年は右こぶしで胸を叩き、自らの名前を高らかに言った。
「俺は斬札ウィンっ!!! 必ずWINする男だーっと!!!」
というわけでヒナちゃんのデッキは新殿堂対応ファイアーバードです
クイーンたちやマーズとの出会いはおいおい書きます
「キヴォトスデュエリスト名鑑」の方にヒナとアコを追加しました。
裏話とかも載せてるのでもしお時間あればお読みください