カメラと棒付きアメと   作:クロウズ

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なに!?2013年の9月6日は休日ではないのか!?


Bの計画/火野霞黒編

「誕生日?って、霞黒くんの?」

 

 

 夏休みもそろそろ終る頃、特にすることもないから霞黒くんの家にお邪魔しようと思ったら春瑚ちゃんから電話が掛かり、言われるまま五十鈴ちゃんの家に来て今に至る。

 

 

「ああ。来月の6日が、黒兄の誕生日でな」

「そういえばそうだっけ」

 

 

 確か去年は、写真部のみんなでお祝いしたような。

 

「それで、当日は準備が出来るまでおにーさんを足止めしてほしいんですよー」

「……春瑚、足止めはおかしくないか?いや、言いたいことは解るんだが」

「おやぁ?」

「あはは………。まぁ、霞黒くんを引き留めてたらいいのよね」

「そういうことだ。宜しく頼む」

「お願いしますね~」

「任せてねぇ」

 

 

 う~ん、せっかくだし誕生日デートしながら時間を潰せばいいかしらね。最近は自重してたからねぇ。誰かしらね、砂糖テロって言った人。

 

 

「黒兄に気付かれたくないから、なるべく内緒でな?」

「俺がなんだって?」

「うひゃあ!?」

「あ、おにーさん」

 

 

 襖が開いて、霞黒くんがひょっこりと現れる。急に出てこられるとびっくりするわね。

 

 

「どうしたの霞黒くん?」

「いや、お前が来るって言ってきたのに来なかったから。鈴ちゃんとこにいたのか」

「あ、うん。ちょっとね」

 

 

 そういえば、遊びに行くってメールしてたんだった。ちょっと話が長引いたりですっかり忘れてた。あ、霞黒くんに内緒ってことは、この話は一先ず終りってことかしらね。私の時の霞黒くんも、こんな風に思ってたのかしらね。あの時はただ避けられてると思ってたわ。

 

 

「で、何の話してたんだ?」

「秘密ですよ~」

「絶対に?」

「盗み聞きはしてないみたいだけど、女の子の秘密の会話は詮索しちゃ駄目よ?」

「そういうものなのか?」

「そういうもの。だから霞黒くんあまりモテなかったのよ」

「まったくだ。黒兄はデリカシーがない」

「そこまで言うか……」

 

 

がっくりと肩を落とす霞黒くんには悪いけど、サプライズだからね。春瑚ちゃんがうっかり口滑らしそうな気もするけど。

 

 

「おにーさん、そんなに落ち込まないでください。チョコレートありますよー」

「ありがと……やっぱり春ちゃんナンバーワン………」

 

 

 ……いらない心配かしらね。それにしても、落ち込んでる霞黒くんかわいい。学校とかじゃこういうの見れないのよねぇ。あ、でも、この前部室で真っ白になってる時あったわね。あれ、なんでだっけ?

 そのことを思い出そうとしてたら、五十鈴ちゃんに耳打ちされる。今の霞黒くんなら聞いてなさそうだけど、念の為かしら。

 

 

「では、当日は頼むぞ望月先輩。プレゼントも、忘れないようにな?」

「もちろん。最近出来なかったデートも出来るし」

「夏休みの間、頻繁に家に来たり黒兄と出かけてただろうに…………」

「あれでも抑えてた方よぉ?」

「あ、あれでなのか………」

 

 

 五十鈴ちゃんはちょっと引き気味になってるけど、付き合って1週間はあれ以上にべったりだったわね。主に私が甘える形で。

 その後は霞黒くんが復活してから4人でお喋りをしてお開きに。そして私は、夜も遅いからと五十鈴ちゃんの家に泊まらせてもらうことに。本当は霞黒くんの家に泊まりたかったんだけど、その事を口にしたら霞黒くんには苦笑されて五十鈴ちゃんには睨まれた。霞黒くんも大概だけど、この子も相当なブラコンよねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 あれから数日、霞黒くんに気付かれないように準備を進め、ついに霞黒くんの誕生日当日。の、放課後。

 

 

「霞黒くーん、そろそろ起きなさーい」

「ん……ふぁ」

「もう、また寝てばっかで。ああほら、涎出てる」

「んむぅ………」

 

 

 頬に制服の跡をくっきり付けてる霞黒くんを起こし、その口元に垂れてる涎をティッシュで拭く。こうしてると、弟みたいな感じだわ。こういうとこも可愛いけど。

 

 

「んー……おはよ………」

「おはよ。もう放課後だけどね。さ、帰りましょ」

「おう……」

 

 

 子供みたいに目を擦ってる、可愛い。写真撮っておこ。寝起きの霞黒くんは、結構隙だらけだからね。

 

 

「おやおやー、新学期早々いちゃついてますなー」

「あら、千鶴ちゃん」

「やっほ」

「ん……小野寺、いたのか…」

「いくらなんでもそれは酷くないかなぁ。また執事服着る?」

「どうせ櫻花祭で着せる癖に………」

「もちのろん」

 

 

 あー、そういえば櫻花祭もうすぐねぇ。今年はどんな格好しようかしら。あ、霞黒くんとのペアルックもアリかも。

 

 

「……どうした?」

「あ、ううん。なんでも。さ、それより帰りましょ。それじゃあ千鶴ちゃん、また明日ね~」

「明日は土曜だけどねー」

 

 

 千鶴ちゃんに手を振り、霞黒くんと一緒に教室を出る。前もって言っておいたから、今日は部活はなし。この後は放課後デートしながら五十鈴ちゃんからの連絡を待つだけね。その為の計画を練ってると、

 

 

「なあ、この後暇か?」

「え?うん、大丈夫よ」

「じゃ、じゃあ……せっかくだしどっか行かないか?」

 

 

 先にデートに誘われた。ちょっと照れくさそうに言うのが可愛くて、思わず抱き付いて頭を撫でちゃう。あー、やっぱり霞黒くんと密着してる時っていいわぁ~。ぽかぽかする~。

 

 

「……おい、エレナ」

「そこのバカップルー、邪魔だからいちゃつくなら家でやれー」

「あ、はーい。ごめんなさーい」

 

 

 畑山先生に注意されて、私と霞黒くんは急いで 出ていく。よく考えたら、さっきのは周り見てなかったわ……。うぅ、思い出したら恥ずかしい………。

 

 

「恥ずかしがってるとこ悪いけど、巻き添えくらわされてんだからな?」

「私と密着出来て嬉しかったくせに……」

「時間と場所を弁えろっての」

 

 

 そう言いつつも、校門をくぐってからは霞黒くんの方から抱き寄せてくる辺り、霞黒くんもあまり弁えれてないような、時間はともかく、場所が。ふにゃ………なでなで気持ちいい……。

 

 

「ふにゅう……それで、どこ行くのぉ………?」

「うん、ちょっと気になるゲーセンがあってな」

「へぇ。……あれ、霞黒くんってゲームセンター行くの?」

「たまにな」

 

 

 私もたまには行くけど、霞黒くんは結構意外だったなぁ。霞黒くん、ああいう騒がしいとこ苦手そうなイメージなんだけどなぁ。どっちかというと、公園のベンチで五十鈴ちゃん、春瑚ちゃんの2人と寝てる方がイメージしやすい。…………生で見たいわね、その場面。こう、霞黒くんの両サイドに座って、霞黒くんの服をつまんで気持ち良さそうに眠って、霞黒くんは2人の頭を撫でながら欠伸して…………でゅふふふ、いい、いいわぁ~。かなりありだわ~。

 

 

 

 

 

 

 ゲームセンターで霞黒くんがシロちゃん似のぬいぐるみを取ろうと悪戦苦闘している間に、五十鈴ちゃんから電話が掛かってきた。その為一度霞黒くんから離れて出ると、準備が出来たからいつ帰って来ても大丈夫らしい。私は早い内に戻ると伝えて、霞黒くんの様子を見に行く前にプレゼントを買いに行く。霞黒くんってあまりアクセサリーの類しないから、日用品とかの方がいいかしら。となると、財布とか、ハンカチとか?……うーん………あ、あれとかいいかな。

 

 

   ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲

 

 

「ふう……やっと取れた」

 

 

 よく考えたら、あいつの誕生日の時プレゼントとか渡してなかったからな。犬好きって言ってたし、かわいいし、喜んでくれるかな。さて、エレナは外で待ってるだろうし、早いとこ出るか。

 

 

「エレナは……っと、いたいた。おーい、エレナー」

「あ、霞黒くーん」

 

 

 外に出ると、すぐそこの自販機の前で待ってたエレナ。その手には包装された何かがあった。さっき出ていった時のついでに買ったのかな。

 

 

「狙ってたワンちゃん取れた?」

「なんとかな。そっちも、何か買ったみたいだけど」

「うん、ちょっとね」

「そっか。って、もしかして退屈させてたか?」

 

 

 すぐにこれ取りにいったからな。エレナにやる為とはいえ、退屈させるのは、な。

 

 

「ううん。取ろうとしてる時の横顔かっこよかったから写真撮らせてもらったし」

「いつの間に。ま、まぁ、帰るか」

「そうねぇ」

 

 

 さらっとかっこよかったとか言われて、めっちゃ恥ずい………。顔熱い。

 恥ずかしさから逃げるように、俺はエレナの手を掴んでさっさと帰宅する。

 

 

   ▲ ▼ ▲ ▼ ▲ ▼ ▲

 

「……ふふ、照れちゃって」

 

 

 霞黒くんに手を引かれながら、赤くなってる横顔を覗かせてもらう。霞黒くんって、不意打ちと直球に弱いわね。

 電車に乗って一緒に揺らされていつもの駅に。さて、五十鈴ちゃんと春瑚ちゃんが霞黒くん家で準備が終ってるはずだから、霞黒くんと一緒に入ればオーケーね。

 

 

「あ、そうだ。先にこれ、渡しとくよ」

「へ?」

 

 

 家の前で急に止まったかと思ったら、さっきのゲームセンターの袋を渡される。中身はあの犬のぬいぐるみ。もしかしてこれ、私の為に?

 

 

「まぁ、な。り、理由は聞くなよ?恥ずいんだから」

「ふふ、ありがと。さ、早く入って入って」

「お、おう」

 

 

 背中を押して、家の中に入れる。

 電気の切ってある廊下を進んで、リビングへ向かわせる。そして、霞黒くんがドアを開けるのに合わせて、

 

 

「黒兄、誕生日おめでとうっ」

「おめでとうですよー」

 

 

 2人が出迎えてクラッカーが鳴―――――あれ?鳴らない?

 

 

「……紐が抜けただけだった」

「えー……」

 

 

 ここでまさかの不良品。大勢が鳴らして1人2人のが鳴らなかったのならともかく、これはむなしいわ。唖然としてる霞黒くんはともかくとして、私たち3人はがっくりと肩を落とす。サプライズ失敗、かしら。

 

 

「あ、これ俺の誕生日か。今年は不発クラッカーなんだ」

「はい~。おば様が用意してくれました~」

 

 

 ポン、と手を叩いて納得した霞黒くん。ていうかあのクラッカー不良品じゃなくてそういうものだったの。

 

 

「今年のアイテムは、まぁマシなやつか」

「マシ?いつもどんなのやってたの?」

「えーっと、爆発するケーキ(模型)とか消えないロウソクとか」

「あの人年の割にお茶目でな……」

 

 

 今までの誕生日を思い返してるのか、遠い目をする2人。まぁ、あの人見た目ロリだもんね。

 

 

「ま、まぁ、今年はそれはないからな。ほら黒兄、座って座って」

「解ったから引っ張らないで」

 

 

 五十鈴ちゃんと春瑚ちゃんに引っ張られる霞黒くん。やっぱりこの3人は、見ていて微笑ましいわねぇ。でも、いくら兄妹同然でも今年は彼女の私もいるから、霞黒くんは独占させないんだからね。

 

 

「霞黒くん」

「ん、なん―――んっ」

「んっ……ふふ、誕生日おめでと♪」

 

 

 用意したプレゼントとは別のプレゼントを渡して、笑いかける。




 投稿3日前に書き終えるとか遅いわ!!どうもクロウズです。
 というか書き始めたのが30日とか遅いわ!危うく書き逃すとこだったわ!!ここんところ夜戦バカとかTラブな帰国子女とかの相手ばっかしてたせいなのか…………。というか筆が乗らない!
 ちなみに、エレナが用意したプレゼントは帽子です。書くタイミングを逃したので、本編でいずれ被らせます。



 今日はこれ以上特に言うことはない!!それではこの辺で。はらたま~きよたま~。
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