「
生徒会室の机に、書類の山を置く。これだけの量はさすがに肩が凝るな。
「あ、すみません先輩。本当なら役員である私たちでやるべきなんですが」
「今更だろそれ。それに、丁度いい時間潰しになったし、俺はこれで」
「あらぁ、火野君お疲れ様〜。今、お茶入ったわよ〜」
生徒会室を後にしようとしたところで会長の
天都は紅茶の入ったティーカップを持ってきてくれたけど、俺にはゆっくりお茶を飲む時間なんてもうないんだ。
「悪いけど、これから華道部に行かないといけないんだ。淹れてもらって悪いけど」
「あら〜、残念ね。それじゃあ、一杯だけ〜」
「ああ、それなら」
紅茶に角砂糖を5個入れてかき混ぜ、飲み干す。なんでこいつの淹れる紅茶は美味いんだろうか。今度聞いてみよう。
空になったティーカップを返すと、すぐに華道部の部室へ。さて、2人ともいるかなっと。
「鈴ちゃん、春ちゃん。お待たせー」
「あ、兄様」
部室の戸を開けて中に入ると、マイリトルエンジェルズの1人、不知火五十鈴こと鈴ちゃんが笑顔で出迎えてくれる。鈴ちゃんは俺の一つ下の2年生で学年では指折りの成績優秀者で、この華道部に所属してるしっかり者の妹だ。別に実の妹でも義理の妹でもないけど幼い頃からずっと一緒にいたから俺にとっては妹みたいなものだし、向こうも兄様と呼んでくれてる。しっかり者で少し厳しくなった所はあるけど俺や春ちゃんには何だかんだ言って甘えてきたりするから癒される。鈴ちゃんマジ天使。
「兄様、今日は生徒会の手伝いだったが疲れてないか?」
「うん全然平気だよ。鈴ちゃんこそ部活お疲れ様」
「や、私の場合は自分で決めたことだから、そんな……」
ぽんぽんと頭を撫でてやると、鈴ちゃんは恥ずかしそうにしながらも嬉しそうに喉を鳴らす。ほんと癒される。ちなみに鈴ちゃんがこんな口調なのは俺の趣味だったりする。年が経つにつれて鈴ちゃんは凛とした雰囲気になってきたから、口調も変えてみようと提案して、落ち着いたのがこれだ。
「あれ、そういえば春ちゃんは?」
「春瑚なら、あっちで……」
鈴ちゃんの指差した先には、もう1人のマイリトルエンジェル、夢前春瑚こと春ちゃんが壁にもたれて可愛らしく寝息を立ててた。
春ちゃんは一番下の1年生で、華道部にいるけど実際は園芸部だったりする。春ちゃんは植物が大好きで並々ならない愛情を持って接してる。でもその反面、人と接するのは少し苦手なようで、初対面の人と話したりするときは俺の後ろに隠れてしまう。その時の仕草から何までがまたとても可愛くて抱き締めたくなる。しっかり者の鈴ちゃんと違い、春ちゃんはよくぼーっとしたり今みたいに寝ちゃったりと、森ガールがしっくりきすぎるくらいにゆるふわな子だ。すっごく癒される。
「春ちゃん、そろそろ起きる時間だよ」
「んぅ……おにーさーん……」
「おっとっと」
耳元で声をかけてやると、まだ起ききってないみたいで寝ぼけたまま俺の方に倒れ込む。揺すった方がいいかもしれないけど、そんなことしたら春ちゃんが可哀想だ。春ちゃんはそのまま擦り寄ってきて、また寝始める。鈴ちゃんが猫っぽいところがあるのに対して、春ちゃんのこういったところは犬っぽいな。
起こすのは可哀想、だからと言ってこのままも駄目だとなると、やっぱりおんぶかな。起こさないようにゆっくり背負って、鞄を持つ。うーん、相変わらず軽いな。春ちゃんって野菜の比率多いんだよなぁ。
「むぅ、ずるいな春瑚は」
「そんな拗ねなくても、鈴ちゃんも後でしてあげるから」
「ほ、本当か兄様?」
「ロンオブモチ。可愛い妹の頼みは断らないからなっ」
「や、やった……!」
小さくガッツポーズ取る鈴ちゃんマジ癒し。そんな鈴ちゃんも春ちゃんもいつかは嫁に行くんだろうな……嫁に…………嫁……。
「絶対に駄目だぁ!!」
「に、兄様?急に大声出してどうしたんだ?」
「ふぁ……?」
「鈴ちゃんも春ちゃんも嫁には行かせない!むしろ俺がもらう!2人とも俺の嫁!!」
「に、兄様……!そんな大声で叫ばなくても………!」
「おにーさん大胆ですね~」
「法律なんか関係ない!2人とも俺が嫁にもらう!!」
この後我を忘れて叫び続けた所為で、何事かと駆け付けた風紀委員に説教食らった。人間誰しも暴走することはあるんだから大目に見てほしいものだ。今回は完全に俺に非があるんだけどな。
ドーモ、クロウズです。黒狗に引き続き何故か書いてしまったシリーズです。シリーズ化の予定なんてありません。
これは人間を止めてるであろう例のアネを見てたらパッと頭に思い浮かんだ結果ですね。本編の霞黒のシスコンレベルを2とすれば、この霞黒のシスコンレベルは5ですね(5段階評価)。本編でシスコンっぷりを発揮できないなら番外編で発揮すればいいよね!?(謎理論)
こんなん書いてしまいましたが、後悔なんてしてません。後悔なんてしてる暇はない。俺は先に進む、そう裕也に誓ったんだ!
ではこの辺で。はらたま~きよたま~。