「私は、貴方の事が好きです!!私と、付き合ってください!」
桐崎さんの目を見てはっきりと、そう告げました。私の顔は今にも火を出しそうなくらい熱くなって、正直逃げ出したくなってしまってます。
「………」
対して桐崎さんは、ただ黙ってました。いつもと違って目を少し見開いてるので、驚いているのは間違いないでしょうか。何か言うべきなのか、そう迷ってるようにも見えます。
「……そっか」
「はい」
口から出たのは、小さく呟くほどの大きさでの言葉でしたが、それでも嬉しくなってしまうのはどうしてでしょうか。桐崎さんはその後、嬉しそうな、困ったような表情で頭を掻いて私の方へ向き直ると、
「悪い。こういう時、なんて言えばいいか解らなくてな」
と、謝ってきました。曰く、昔から剣道一筋だったり風紀委員としていることが多かったから告白されたことは一度もなかったそうです。真面目で、剣道をしている時の桐崎さんはとてもかっこいいと思っていた私は、告白自体はあるんじゃないかと思ってました。同じ部の後輩にも人気あるみたいですし。
「返事は、待ってもらっていいか?」
「え……あ、はい」
今聞いたら、どちらにしても倒れてしまいそうですし。
「では、お先に失礼します」
「ん、送っていかなくていいのか?」
「はい、今日は大丈夫ですから。返事、お待ちしてます」
私は頭を下げて、先に帰らせもらいました。
『ははは、それで先に帰ってしまったのか』
「………笑い事じゃないですよ五代さん」
そのことを、枕を抱きしめながら五代さんに電話したら、笑い飛ばされてしまいました。あの時はとても恥ずかしかったんですからねっ!
『剣丞も帰ってから様子が変だったのも、そのせいかな』
「え、桐崎さんどうかしたんですか?」
『拙者がいくら声をかけても上の空でな。まあ、初めて告白されたからだろうな』
「やっぱり、初めてだったんですね………」
『随分嬉しそうにしていたな。まあそれは、お主もだな』
「ご、五代さん!!」
『はは、すまない。では、またな』
「あ、はい」
五代さんとの通話を終え、ベッドに寝転がって今日のことを振り返ります。珍しく朝から体の調子が良くてそのまま授業を受けて、放課後に桐崎さんが教室に来て一緒に帰って、その途中で………。
「私、告白したんですよね……」
恥ずかしさと嬉しさが合わさって口元がだらしなく緩んでしまいますがどうしようもなく、ベッドの上を転がります。えへへ、桐崎さん………はっ!あ、危ない危ない。まだ付き合えたわけじゃないんですから、気を引き締めないと。でも、
「返事、いつ来るかな……?」
やっぱり待ち遠しいです。桐崎さんは真面目な方ですから、そんなに長くはならないでしょうか?いえ、真面目だからこそ長くなるかもしれません。オーケーしてくれるでしょうか、それとも断られるでしょうか。どちらだとしても、私は後悔しません!………嘘です、やっぱりオーケーしてほしいです、はい。
そうして明日返事されるかもと思ってなかなか眠れずにいた私は、翌日寝不足+風邪で学校に行けず家で療養することになってしまいました。
to be continued...
続き物番外編《恋する病弱少女》の2話目です。タイトルが改なのは、まぁ、ほら、ね?
もうちっとだけ続くんじゃよ。