星の鼓動に闇は閃く   作:レオ2

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変わり始める時間

 眼が視えない人の中間考査がどういうものなのかを考えたことはあるだろうか?

 弱視であれば問題用紙を拡大してもらうなど配慮される事が多いのだが,完璧に眼が視えない人であればもっと違う対応を求められる事もある。

 まあその視えない人というのは俺なんだが,俺はテストの時になると他の面子にはない物を持ってくる必要がある。

 

「試験終了,各自手を止めて」

 

 試験監督の先生が言うと,周囲でシャーペンが置く音や,張り詰めた緊張を解くように息を吐く生徒達の中で俺もキーボードから手を離し,ヘッドホンを外して次の指示を貰うまで待機する。

 俺の特性上,一番後ろの席から解答用紙が回収されるのを聴きながら頭の中で問題を思い浮かべ答え間違いがないかを確認すると俺の前にいたであろう北村学級委員長が

 

「じゃあ少し借りるね」

「うん,ありがとう」

 

 そう言って,北村学級委員長は俺の机に置いていた俺のパソコンを持って試験監督の先生の元へ行く。

 各生徒達も机に戻っているのを聴きながら,教卓で先生が作業しているのを聴いていると終わったのか

 

「はい」

 

 北村さんが再びパソコンを俺の前に置いてくれた。

 盲目の俺が一般生徒と混ざって試験を受ける際,いくつか普通とは違う方法を取る必要がある。

 それがこのパソコンとヘッドホン,当たり前だが俺は問題用紙を見る事が出来ず,おまけに解答欄にもズレた答えを書くことが日常茶飯事だ。

 なんなら,文字というものを見たのが小学3年生が最後でそれ以降俺の文字のイメージはアップデートされていない為どうやっても書くのは難しいものがあった。

 

 そこで出るのが人間の文明の利器,パソコンとヘッドホン。

 パソコンから音声で問題を読み上げ,それを俺がタイピングして答える形にする事である程度問題を解決した。

 

 「テスト終わったー!!導志どうだった?」

 

 テストが終わった事を心底喜ぶように園田が俺へダッシュしてきた。

 …なんか飼い主に構って貰いたくて仕方がない子犬を思い浮かべたのは内緒。

 園田が駆け寄って来たのを皮切りに,何人かが俺の席の周りに集まった。

 雰囲気やシャンプーの香り的に多分園田,釜木,神田さんに枳殻さん,北村さんか?

 

「いつも通りだな,あーでも数学の大門4番は強敵だった」

「分かる!!あれ私最後まで解けなかったよ」

「というより,前から思ってたんだけど導志君本当に凄いよね…あのややこしい問題を頭だけで浮かべて答えるなんて…それもずっと順位は上位だし。私には絶対できないよ」

 

 いつの間にか,あのカラオケの後からクラスの面子が俺を呼ぶ際下の名前でいう人が増えた。

 なんだかくすぐったいと思いながら答えた。

 

「眼が視えなくなってからずっとそうしてたからなー。あと,聞いてイメージする事が得意なのはヴァンガードのおかげかもな」

「たしかに!この前園田君とした時も,導志君言われた情報だけで盤面を把握してたもんね。」

「将棋と似たようなもんだな」

「それは違う気がする」

「え?」

 

 と思ったのも束の間,俺は思い出したように枳殻さんへ向いた。

 

「そう言えば,枳殻さん,俺は弁当持って来たけど枳殻さんは外で食べてくる?」

 

 今日はテスト最終日,週明けからはどのクラスも本格的に文化祭の準備が始まる。

 その前に少しでも練習したいと彼女に言った所,快くOKを貰え津島先生の許可も貰い放課後の教室を使わせてもらう事になっていた。

 一応,午後からと約束はしているがコミュニケーションの一環として問いかけた。

 

「ううん,私もお弁当持って来たから一緒に食べよ?」

「ん,了解」

「…最近2人とも仲良いよね?」

「え,そう言う関係?」

 

 なぜかその方向に話しを引っ張ろうとする園田達に,俺は呆れたように否定しようとした所枳殻さんの方が早かった。

 

「もうそんなんじゃないよ。それに導志君を支えたいって言ったのは園田君だよ?」

「おっと,一本取られた」

 

 そう言ってあははと笑い合うクラスメイト達,けど…俺は何となく,枳殻さんの言葉に陰りを感じた。

 けど,それをうまく言葉に出来ない内に園田は言葉を続けた。

 

「でもまあ,今日は俺も部活まで時間あるから練習見てもいいか?どうやったら導志がやりやすくなるか考えないと」

「今の所1回の練習で15回くらいはこけたりするのが当たり前だからな」

「それは…急務だな」

「普段白杖使ってるから忘れてたけど,視えないって平衡感覚も狂わすからな」

 

 俺達は普段地面に足を付けているから上下左右を何となく掴めるし,それは俺も変わらないのだが,俺の場合は皆が眼で周囲の状況を見ているのに対して白杖で状況を把握している。

 だけど,舞台では白杖を使う理由付けが上手く出来ず白杖無しで演技する事になっている。

 だから普段頼っている白杖による状況判断も使えないとなるとまあまあしんどい。

 

「視えなくなった頃は,視えていた時の乖離で白杖があっても転びまくっていたし今はまだマシの方だよ」

「…そう言えば,導志は後天的に視えなくなったんだっけ,どうして視えなくなったんだ?ああいや,言いたくないなら良いんだけど」

「いや別に良いんだけど…自分語りするみたいで恥ずかしいんだが」

「私知りたい!導志君が嫌じゃないならだけど…」

 

 枳殻さんにもそう言われ,まあ別に隠しているような事でもなかったので話す事にした。

 

「俺が小3の時の話,割と有名な話だけどな」

 

 ミュージックスクールの成績が良かったことで,両親から最新鋭の設備がある宇宙科学研究所のツアー見学をプレゼントされ行ったこと。

 そこで知り合った同い年くらいの女の子と姉ちゃんと3人で色々回った事。

 普段は眼に出来ない事でワクワクが止まらなかった事。

 そして起きたツアー終盤のメインイベント,今聞いてもビックリするけど,当時も今も最先端の実験…次元エネルギーの観測という一気にSF感が出てくるデモンストレーションを行うというものだった。

 当時は全く何が凄いのか分からなかった訳だが,次元エネルギーっていう男子なら全員興奮しそうなワードに俺のテンションは最高潮だった。

 

 そして…,デモンストレーションの最中に様子が変になった。

 強化ガラスの向こうで,白衣を着た研究員たちは次元エネルギーを観測するという丸型の機械が赤い眩い光を放出した途端に狼狽えたように様子が可笑しくなってしまった。

 

『あれは…皆さん,今すぐ退避してください!早く!』

 

 ツアー見学の案内役をしてくれた白衣のお姉さんも,その様子を信じられないように見た後にツアー見学者たちに今直ぐに離れるように言われた時

 

『あれ…なんだろう?』

『あれって何だよ,なにも視えねえぞ?』

『え?でも…あそこに』

 

 地球がある…丸型の機械,赤い光のその更に先…俺には青く輝く惑星が見えた。

 そう言おうと思った時,目を覆うのが間に合わない程の凄まじい閃光と衝撃が強化ガラスを割りながら迸った。

 実験を見たくて強化ガラスに張り付いていた俺は,顔面にその破片が飛び散り,背後にいた姉ちゃんやツアーで出会った女の子を巻き込みながら数メートル吹き飛んだ。

 その時にどっかで頭も打ったし,きっと視えなくなったのはそれが原因だろうと医者からは言われてる。

 凄まじい激痛と,研究所に響き渡る緊急アラートが焦燥を掻き立て,割れた強化ガラスの向こうで眩い光が…まるで誰かから何かを奪うような光が再び迸ったのを見て俺は咄嗟に俺が巻き込んで一緒に吹き飛んでしまった姉ちゃんと,女の子に覆いかぶさった。

 

『--っ?!』

 

 口ではなんて言えばいいのかは正直分からない。

 破壊的な衝撃が俺達に襲う事は無かった。

 無かったのだけど,その時の事は今でもよく分からない。

 何でかって言われると…やっぱうまく説明できないな。

 自分の何かが,その光に持っていかれてしまった感じ?

 

 ともかく,俺は気がついた時には救急車の中で泣きまくって俺の手を握っている姉ちゃんを見て,それに安心すると同時に視界が闇に染まったのが最後の光景だった。

 

「そう…だったんだ…じゃあ,導志君の眼の傷って」

「その時のだな。一応メイクで隠すって手もあったんだけど…そもそも視えないのにメイク出来ないし,その度に人にやってもらうのは忍びなさ過ぎてずっと放っておいてる」

 

 俺は見たことがないが,俺の左眼には縦一文字に傷があるらしく後で知ったが俺が少し恐れが混ざった眼で見られたのはこの傷のせいもあると言われた。

 言われてみればそりゃ変だわと納得したのが最近の話。

 

「それに,名誉の勲章だと思えば恥ではないからな」

「そっか,後悔はしてないんだね」

「誰がするか,結果から見るなら俺がボロボロになっただけで姉ちゃんもその女の子も傷1つなかったなら僥倖だろ」

 

 それは本音だ。

 姉ちゃんはトラウマになって過保護になる位には後悔しているみたいだが,俺に言わせればあそこで姉ちゃんが恐怖で動けなくなっている方が余計な飛び火をしなかったのだから都合が良かった。

 結果だけを見るのなら,あの時の犠牲者は研究員が何名かだけでツアー見学者の大きなけがをしたのは俺だけだった。

 研究員の方は俺にはどうしようもなかったし…姉ちゃんが無事で心の底から安心したのはよく覚えている。

 

 …眼が視えない事に苛立つことは当たり前だけどある。俺別に聖人じゃないし,寧ろ人よりも優しくはないと思う。

 自分の現状に苛立つことの方が多いのも否定はしない。

 けど,それは眼が視えない人が普通になれない世界に問題があってそれで当時の事を後悔する事なんて絶対しない。

 

 ——そんな事してしまえば,姉ちゃんが壊れてしまうのが分かっているから。

 

 そんな事を思っていた所,俺はなぜか周りがシーンとなっているのに気がついて姉ちゃんの思考を止めてキョロキョロと周囲を見渡して「どした?」と問いかける。

 その瞬間にはなぜだか苦しそうな声で園田は…

 

「…導志,これからは周りの為に自分が傷つけばいいって考えも禁止な」

「なんでっ?!」

 

 いきなり提示された禁止事項,前のネガティブ発言禁止もそうだがなんか俺の行動が縛られて来ているのは気のせいか?

 

「そりゃ禁止するだろ,だって導志お前が主役を引き受けなかった理由に自分がいなければ俺達が楽しめるって叫んでた事忘れてねえぞ」

「~ー♪」

「口笛吹いて誤魔化そうとするな,あと吹けてないぞ」

「嫌だって事実だとんぐっ!」

 

 俺が必死にそれは違うと言おうとした所,それよりも早く冷たい何かが俺の口先に接触して…この冷たい感触は普通にシャーペン,シャーペン=枳殻さんの1次元方程式で俺は視えないけど彼女がいるであろう方に目を向けると,彼女は面白がるようにシャーペンを離した。

 

「ネガティブ禁止♪」

「この縛り絶対可笑しいだろ,一体何のプレイだよ」

「ていうか,導志ファイトの時は牙むき出しにやるのになんで日常で出来ないんだよ」

 

 多分釜木の言う牙むき出しとは,ファイト中のポジティブ側発言の事だろう。

 あの後,園田というファイト仲間を手に入れた俺はテスト期間が入るまで彼をサンドば…練習相手にして教室でファイトする姿をよく見せている。

 そうじゃなくても,あの日の俺のイメージが釜木の中に浸透して普段の俺とのギャップを指摘したのだろう。

 

「なんでって言われてもな,車の運転と同じじゃね?」

「「…?」」

「偶に車に乗って性格が変わる人種がいるだろ?あれって諸説あるらしいけど,車って言う強固な物体の中にいるから自分が強くなった気がして安心して威張れるかららしいよ」

 

 って何か心理学を語っている動画サイトの動画で聴いた。

 

「って,それはヴァンガードなら威張れるって聴こえるんだが。」

「うーん,イメージは少し違うかな。…ヴァンガードは,自分が惑星クレイのユニットに憑依,いわゆるライドする設定がある。」

「…つまり,ファイト中の導志君がイメージしているのが猩々童子で,導志君のファイト中の雰囲気が変わるように感じるのはそれのせいってこと?」

「流石北村さん,正確な理解だな」

 

 つまり,俺にとっての車が猩々童子で,猩々童子に憑依(乗ってる)状態を同一視してイメージしているから俺の性格が少し変わっているように見えるのかもしれない。

 実際俺自身は自分をファイト中に変えている自覚は余りないが,周りが言うならそうなのかもしれない。

 元々ヴァンガードがイメージに重きを置くカードゲーム,所詮カードゲームだからとそうしない連中もいるが俺はそれをまじめにやっている側の人間だ。

 だって,俺は…カードのその先の世界で,猩々童子たちが生きているのではないかと,偶に思う事があるからだ。

 

 そのイメージが俺自身となって…変わっているように見えるのだろう。

 

 そんな事を話しあっていた所,教室の扉が開く音がして津島先生の声がした事で皆再び自分の席に戻って行った。

 さて,俺は何とか自己犠牲云々の話題から反らす事が出来たのに安堵しながら小さくため息をついた。

 別に…俺だって好きで”俺がいなければ”とか”俺がやるだけで”とか,そんな事を思っている訳じゃない。

 俺のこの体たらくで,俺は宣言した通り基本的に誰かに迷惑をかけないと生きられない。

 

 流石に眼の光を失って7年も経つと1人で出来る事もそれなりに増えたが,やっぱり出来ない事の方が多い。

 その度に姉ちゃんが手伝ってくれて…でも,手伝ってもらわないと何もできない自分に苛立って…失望して…そんな自分ならいなければ誰の迷惑もかけないって歪んだ考えを持ってしまうのはある意味必然なんじゃないかって思う。

 迷惑をかけている自覚があるからこそ,皆が楽しむべき時に俺に構う時間こそがもったいないって俺には思えるんだ。

 

「では,来週からは文化祭準備期間に入ります。各々部活や小道具づくりなど並行して作業進める事になると思いますが,決して無理はせず楽しんでまいりましょう」

 

 ではさようなら,と津島先生が挨拶したのを聴いて俺の意識は現実に戻って来た。

 周りでは席を立つ人が多く,この後から早速部活って人がもっとも多いが教室に残るメンバーもいる。

 俺もその内の1人だ。

 

「じゃあね市ヶ谷君」

「またなー導志」

 

 俺の机を通る時,何人かのクラスメイトが挨拶してくれたので俺も彼らの名前を呼びながら返す。

 俺にとっては確認の意味もあったが,どうやら全員名前は合っていたらしい。

 人が少なくなってきた所で,自分の席に戻って俺の前に来たであろう枳殻さんが机をくっ付けて来たのを感じた。

 おまけに,どこからか椅子が置かれた音も2つほどした。

 それが園田と神田さんだと気がつくのに時間はかからなかった。

 

「「いただきます」」

 

 どうやら2人も弁当だったらしく,俺も自分の弁当を取り出して合掌する。

 

「実際問題,導志今の所どの位出来るようになってるんだ?」

 

 世間話でもするかの調子で園田が聞いて来るが…俺はきっと微妙な表情をしているに違いなかった。

 俺には自分がどんな演技をしているのかを客観的に視る事が出来ない。手ごたえを感じたりはあるが,”出来ている”か”出来ていないか”の二択であれば出来ていないに入ると思う。

 

 答えに詰まった俺を見かねてくれたのか,俺の真正面にいる枳殻さんが言ってくれた。

 

「台詞自体はもう完璧に覚えてるけど…やっぱり動き方が少しぎこちないかな。全部の動作が何かを確かめる感じになっちゃってるから,何もない所でもゆっくりになっちゃうこともよくあるよ」

「ぐうの音も出ない正論パンチされた」

 

 白杖があれば,ある程度自信をもって動き回れるけど,それがないと心理的に不安になって周囲の状況を確かめながらあるこうとしてしまうのはもはや本能に近い。

 演技の練習は基本教室で,偶に講堂を使わせてもらえるが本番では小道具とかも置いてあるだろうからその事は顕著になってしまう。

 

「けど,かと言って主人公普通に眼が視えるのに白杖を持ってるのも変な話だしな…」

「戦闘場面とかだったら,刀で距離は測れるんだけど…」

「確かにな…。」

「あ,でも」

 

 枳殻さんが何かを思い出したかのように口に出したのを聴いて俺達は彼女の方に向く。

 

「導志君,私が一緒に演技している時はあまり転んだりしないよね?」

 

 枳殻さんも俺の練習の為にと,園田から既に台本を貰っていて何度か2人で読み合わせやその場面の演技をした事がある。

 確かにその時は俺が転んだりはあまりせず,ていうかあまり考えずに演技が出来ていた。それが大根なのかは置いといてだが。

 もちろんその時も白杖は使っていなくて,手ぶらだったけど1人で演技するよりもマシだったのは身体が覚えている。

 けどそれに関しては俺にとっては理由がある話だった。

 

「ああ…そりゃそうじゃね?1人で演技するのと誰かと演技するのは音が違う」

「…音?」

「もっと正確に言うなら,音の反響。枳殻さんが演技で動いた時や喋った時,空間や物体に広がる音の反響で俺の近くでしか限定できないがそこに何かがあるなとかはある程度分かるんだ。まあ,よっぽど集中しないと出来ないが。」

「いやさらっと超人の所業出来るって言ってるんだが」

「…そうか?俺には出来ないと話にならないレベルの能力だから気にした事は無かったな」

 

 そもそも,眼が視えなくなったら周囲の状況を探るには音と肌の感覚しか頼りになるものがない。あとは鼻とかだろうが,俺犬じゃないから普通に分からん。

 だから音に対して研ぎ澄まされるのは当然の帰結で,それが出来るからと言って威張った事は無い。

 なんなら俺にとっては眼が視えることの方がよっぽど羨ましい限りだな。

 

「でも…そっか,導志君それが出来るなら…。うん,じゃあ問題は1人で演技しないといけない場面かな」

 

 枳殻さんが何か考えたみたいだが,それよりも先に問題定義をしといた。

 

「まあ,主役である以上舞台上1人で演技の時もあるからな…って普通に演技力も大概問題だろ」

「それはまだ時間あるし,私も協力するからさ」

「ん,ありがとう」

 

 正直,視えないからこそどんな風に演技をすれば良いのか分からない問題は付きまとってくる。

 身体で覚えるしかないが,俺にはそれが直近で出来ない訳も少しあった。

 

「というか,話変わるけど導志こそファイトの練習はしなくても良いのか?明日だろ,二次試験」

 

 思い出したかのように聞いて来る園田,彼の言うように明日の土曜日には普及協会開催のプロ試験の2次試験がある。

 いつか言ったような気もするが,2次試験では関東地区の1次試験,或いは大会で成績を収めて1次試験を飛ばしたファイターたちが参加する。

 言うまでも無く1次試験よりも難関だ。

 だから園田が心配してくれるのも分かるつもり。

 演劇の演技じゃなく,ファイトの事を考えたいんじゃないかって言ってくれていること自体は。

 

「大丈夫じゃなきゃ放課後練習しようとは思わないよ。情報収集もしたし,デッキも作り直した。あとは本番次第だけど…大丈夫,最後に勝つのは俺達だ」

「…そう言う所だと思うよ?釜木君が言っていたギャップって」

 

 ああ,こういう所か釜木が言った性格が変わる所って。

 いやほんとに俺自身は変えているつもりないんだよ。うん。

 

「良いだろ,これも俺なんだから。」

「それもそうだな。あ,今回も配信ってあるのか?」

「あったと思う。姉ちゃんはそれで見るって言ってた。」

「おー,じゃあ私達も配信で見るね」

「それはそれでむず痒いんだが」

「いーのいーの!」

 

 そうやって,俺が1人で持ち始めたプロへの目標。

 けど,こうやって応援してくれる人が姉ちゃんや香澄さん達以外に出来た事が…俺はなによりも嬉しかったのかもしれない。

 

 

 ——翌日,俺は無事プロ昇格試験2次試験を合格した




お疲れさまでした!

導志,知らない内にクラスの中心になり始める。

そしてさらっと眼が視えなくなった時の詳細な話が出ました。導志が見た地球,なんだろうな(すっとぼけ)。
導志が有咲の前にいたことで,有咲には直接ガラスの破片や衝撃がこなくて怪我が軽いものになった。けど,その後は余りの事で動けなくて,謎の光から導志に守られてトラウマになった感じです。

ではまた次回,次回は香澄とのお話です。

香澄と導志,付き合った後のお話でどれがみたい?

  • 交際後,初デート
  • 2人がそれぞれリサに恋愛を相談する話
  • 2人の期間限定バンドのお話
  • 2人で海と夏祭りに行く話
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