トレンチコートと白銀鎧   作:キョウさん。

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(´・ω・`)23278文字とかいうトンデモ文字数になっちゃったので分割。
(´・ω・`)三章最終回、前編です。

前編、14021字。


第三章 Vault28の監督官室から 最終話 前編 『孤独な巨人』

 ―――倒れ、動かなくなった巨人、ロンサムジョージをティコは見下ろす。

 

 

「・・・前にも言ったが」

 

 手に持ったグレネードライフルを肩に担ぎ、言う。

 その視線には哀れみが、多分に含まれていた。

 

「お前さんみたいなことをやろうとした奴は、最期な、自分の考えの”至らなさ”ってのに気付いてやめちまったんだ。Vaultを爆破して、自分が手塩にかけて育てた連中ごと道連れにしてな」

 

 思い返す、記憶から引きずり出されるのはかつて、百年以上も前の話だ。

 

 ”リチャード・グレイ”、ザ・マスターと呼ばれたスーパーミュータントの長、超越生命体。自らを、その同胞であるスーパーミュータントを人類の極致として譲らず、しかし最期はその計画の致命的な欠陥を彼のかつての”相棒”に知らしめられ自ら命を絶った男。

 

 

 ティコはくるりと、振り返ってロンサムジョージを背に歩き出す。

 哀れで、独りで、寂しい巨人の死体を背後に自分の戦いは終わったとばかりに―――

 

 

「―――ッ!」

 

 とたん、彼の背に悪寒が走る。

 

 ただの寒気ではなく、まさに外部から痛烈な何かを向けられているかのような、そんな感覚が彼の背を駆け第六感に警鐘を鳴らせるのだ。彼ははっと、後ろを振り向いて―――

 

 

「ティコォォォッ!!」

「ちいっ!」

 

 振るわれるのは、子供の胴ほどもある図太い腕。

 ところどころが剥げてなお、黒の鎧をまだ身につけている腕は猪突猛進に彼へ向かって振るわれると、とっさに回避した彼のグレネードライフルを殴り飛ばして今彼らがいる、ボロボロの家屋内のどこかへと飛ばして消え去らせる。

 

 突然の暴力は終わらず、ティコは更に振るわれる腕をバックステップで躱すが結果として隅へと追いやられてしまうのだ。彼は目の前の”巨人”へと目を向け、そして腰元からとっさにククリナイフを引き抜く、研ぎ続けてやや小ぶりになってしまったものではあったが、今の彼にはこれが最適解であった。

 

「・・・っは、まさか、んなになっても生きてるたぁ」

「ああ、ここまで追い詰められるとは思ってすらいなかった・・・矮小で、醜悪で、人間にも戻れず至高の生命体にも成り損なった”悪鬼”などにだ・・・油断は禁物ということか」

「言ってろグリーンジャイアント、顔立ち悪いのはお互い様だろ?」

 

「もはやなりふり構わん!この生命を賭しても貴様だけは道連れとするッ!私と共に朽ち果ててもらうぞティコッ!」

「誰がッ!」

 

 双方が動く。

 されど部屋の隅、追い詰められた状況、ティコは位置取りが危険であることを察するととっさに逃げようとするがしかし、その巨体に似つかぬスピードに先回りされてしまい、追いやられてしまう。

 

 ティコがやむなく応戦すると、ロンサムジョージは愉しげに歯を見せた。

 

「その傷で闘うにゃちと辛いんじゃないか!」

「ハンデと受け取って頂きたい!」

 

 ロンサムジョージが腕を振るい、ティコは避けて刃を叩き込む。

 されど鎧の隙間を縫って表皮を切り裂いても、与えられる傷はほんのわずかな出血でしかないのだ。

 

 じっくり見る暇はなくとも、その傷は右腕が吹き飛ばされ、右足は半分が溶けかかり、右半身は全体的にプラズマによる溶解を受け鎧の赤熱化した鉄と、肉の溶けたジェルが混ざり合った痛々しい、もはや見ているだけで熾烈な痛覚が伝わってくるほどの、まさしくなぜ、倒れていないのかが不思議なほどの重症。

 

 とっさに顔だけはかばって、そのせいで右腕をちぎり飛ばされたのだろう、顔だけは首元の火傷以外無傷であっただそれだけに、その憤怒の表情はたとえ刺し違えてても自分を道連れに殺すという意志がひしひしとティコには伝わってきた。

 

「―――なぜだ」

「あぁ?」

 

 腕が伸び、壁をへこませる。

 ティコの刃が表皮を薄く斬る。

 

「なぜ超越した生命体であるはずの私が、アメリカの科学技術の結晶の嫡子たるこの私が!貴様のような”なりぞこない”に劣るのだ!なぜ貴様がそれほどまでに強いのだ!答えろティコッ!!」

 

 叫びとともに放たれた腕、それが不意にティコを捉える。

 豪腕は彼の胸元に吸い込まれ、コンバットアーマー越しに大きな衝撃を与え彼を咳き込ませた。

 

 されどすぐさま立ち直り、続く拳は避け切り込む。

 戦闘行動を互いに続けながらもしかし、彼らは会話を続けるのだ。

 

「なんだそんなことな・・・質問は腕を下ろして、ソファに座ってチップスとビールを楽しみながらって言いたいとこだが、答えてやるさ」

 

 薄く斬った傷口からつぅ、と出血する。

 ロンサムジョージは軽く拭ってティコの言葉に耳を傾けた。

 

「まずは単純な実戦経験の差、次に能力の過信、それと最後に―――」

 

 

 切って切って、なおもロンサムジョージは痛みにすら顔を歪ませる気配はない。

 そんな中、ティコは人差し指をぴんと立て挑発するように言い放った。

 

「―――的がでかい(でかぶつ)、とかどうだ?」

「舐めたことを言ってくれるッ!」

「ッ!」

 

 挑発が仇になったか、拳を振ると見せかけて打ち据えたロンサムジョージの肘がティコの顔に当たると、ティコのヘルメットが飛ばされて地面に転がる。

 

 そうなると下から出てくるのは彼の顔、ティコの顔、おろし金ですりおろしたかのように爛れ剥けた、普段は人前に出さない顔だ。彼の言うとおり”顔立ちが悪い”と言えばそうであったが、その輪郭はわりかしと整っておりそれは彼が、こうなる以前は整った容姿をしていたことを想起させる。

 

 濁りかけの黒い目は奇妙にも正常に働き、鼻が削げかけても不思議と呼吸もできれば不快感も与えられない。熱い湯に身体を沈めれば若干の染みが痛みになるがそれでも熱は気持よく、美的感覚を除きさえすればある種完成された人間の”派生”とも言える、グールの顔がそこにはあった。

 

 それにロンサムジョージはなんとも、悲しむような顔を見せる。

 怒りは一時鳴りを潜め、彼は叫ぶのだ、それは彼に対する再三の問いかけだった。

 

「なぜだ、なぜだ、何故だ!?その醜悪極まりない面構え!貴様もまた、虐げられて生きてきたのだろう!?それなのになぜ誰も憎まず生きていける!やせ我慢か!?私が君に与えたのは”チャンス”なのだ!決して君を利用しようとしたわけではない!君のためを思って―――」

 

「―――甘ったれんなッ!」

「なっ・・・」

 

 拳を止め、問いかけるロンサムジョージにティコは一喝する。

 普段は激情を表に出さない彼の、渾身の怒りだった、ロンサムジョージの不躾にも執拗な幾度とない問いかけが、彼の琴線に触れてしまったのだ。彼はククリナイフの切っ先をその鼻先につきつけ、吐く。

 

「お前さんの”一回”がどれだけ辛かったか、キツかったかってのは知らん!辛かったんなら同情してやる!だがなっ!たかだか一回きり銃向けられた程度で気に入らない連中を皆殺しだぁ?怒りに震えただぁ?ちゃんちゃら甘いんだよこの”若造”っ!」

「わ、私は200を超えて・・・」

 

「そのあたりも含めて甘ったるいんだよスーパーミュータント!知ってないなら教えてやる!同じスーパーミュータントでもな!例えばだが、俺の知ってるマーカスって奴は何回も何回も!人間(ヒューマン)やグールだけじゃねぇ!同族にだってガン飛ばされてもそれでも!種族の垣根を超えて手を取り合おうってしてたよ!」

 

 思い返すは人間と、グールと、スーパーミュータント、頭のキレるサソリにしゃべる植物と。

 あらゆる種族が、かつては人間だった兄弟たちが手を取り合って生きていた街、ブロークンヒルズ。そこの保安官を務めていた理知的なスーパーミュータント、マーカス。

 

 かつてマスターズアーミーに所属していた彼は、ザ・マスターの死後その罪を償うように街を作り、人々と手を取り合うことに尽力したのだ。脛に傷がないとは言いがたかったがそれでも、街の分裂、事件、資源、あらゆる要素において諍いが起こってもなお、彼は諦めず長きに渡り街を守り続けた。

 

 何度でも、何度でも、時には独りで、時には人の手を借りて、彼は街を、人を守り続け、今は退任し新たな街を興したとティコは聞いているが、それでもその開明的な姿勢に対し、かつての旅路で出会った彼に対しティコは、惜しまぬ敬意を抱いていた。

 

 ロンサムジョージの姿とは、あまりに対照的だった。

 

 

「それだけじゃねえさ!グールもスーパーミュータントも、今じゃ必死に人と混ざって、手を取り合って生きてこうってしてんだ!そのための努力ってやつがたったの一回やってみました程度だと思うか!?ええ?」

 

「ぬっぐぅ・・・だが、それは”向こう”の話に・・・」

「いいや違うね!あっちだろうがこっちだろうが最初はゼロだ、いや、むしろあっちゃリチャードの野郎がやらかしたせいでマイナスだったかもな!でも今じゃNCRなんかじゃ、スーパーミュータントが兵士だってやってんだ、長い時間のうちに何度も血反吐吐いて、それでも諦めなかった奴が勝ったんだよ、なぁ?」

 

「黙れッ!貴様に私の想いなどが分かってたまるかっ!同僚に、友に、愛した人々に剣と銃を向けられ故郷になりかけていた場所を!奪われた私の気持ちが貴様に分かってなるものかっ!」

「俺だって昨日まで一緒に旅してた奴が銃口向けてキャップ持ってったことだって一度や二度じゃねぇ!レイダーに”通行料”だって殺されかけたことだってありゃ気味が悪いって理由で酒場追い出されたことだってあったぜ、ああ!?」

 

 互いの想いを交錯させ、二人は殴り、斬り合う。

 

 切りつけ、そのたびにロンサムジョージの鎧の隙間の傷は増えていき、はじめ小川のせせらぎのようであった出血はそのたびに量を増やしていくと彼の傷だらけ、満身創痍の身体に重い疲労感をのしかかるように与えていく。

 

 反面ティコも時折に拳を受け、そのたびに内臓が破裂しそうな苦しみを、顔に受ければ脳が揺さぶられる感覚をもって身体へのダメージを蓄積させていく。見れば口の端からは血が零れており、その根本でへし折られた1,2本の歯が、足元に転がっていた。

 

「片腕だけでここまでやるったぁやり甲斐があって結構なこったが、あいにくと相棒や嬢ちゃんの為にもここでくたばるわけにゃいかんでなスーパーミュータント!いい加減背中を見せて逃走しやしないか?背中を撃つほど無粋じゃないぜ俺ったら!」

「また、また舐めたことを・・・!なぜだ、なぜ、なぜまたしても―――」

 

 ロンサムジョージが歯を食いしばってティコを殴りつける。

 ティコは部屋の隅に転がされると、揺れる頭を振って覚ましすぐさま立ち上がった。

 

 されどロンサムジョージは新たな問いと共に猛追する。

 

「―――なぜ、貴様のもとにばかり人が集まるのだ、集うのだ・・・!なぜそうまでして、誰かのために戦える!同じ”怪物”である貴様と私の間に、どれほどの違いがあると言うのか!」

「言ってろ!ここまでさんざんその手の問答にゃヒント譲ったつもりだぜ!考えて解答出んならそれまでだなっ!」

 

「ティコォッ!」

 

 吠え、一心不乱に突撃を敢行してくるロンサムジョージに対し、袈裟気味に傷口に切り込んだククリナイフがジェル状の傷口を切り裂き、痛みに震える顔のロンサムジョージの対向する拳を避け、更に切り裂いてやる。

 されど焼けた部分は既に血管自体が消滅しているのか傷に出血が見られず、ティコはやむなく先と同様鎧の隙間を縫う戦法を続けるのだ。

 

 しかしそれを続けているのにも関わらず、怒りに活力を得たロンサムジョージの動きは鈍さを振りきったように疾く、片腕とは思えないほどティコにダメージを与えてくる。ティコはそれにジリ貧ムードであることを察すると、右手のククリナイフを左手に持ち替え、右手を腰のホルスターにかけた。

 

 今までとっておいた、”とっておき”。

 銃の威力を頼らないと勝てはしないとそう悟ったのだ。

 

 

 ロンサムジョージの直線気味に突きこんできた拳を避けると、ティコは隙を見て腰元のホルスターからレンジャー・セコイア(.45-70ガバメント)を引き抜くのだ。腕を動かしながら撃鉄を起こし、そしてその銃口はカウンター気味に、ロンサムジョージの腹部、鎧に覆われていない箇所へと刺し込まれる。

 

 ロンサムジョージはそれが何かであることを察すると、目をかっと見開いて睨みつけるのだ。ティコへ向けた視線、それが”間に合うものか”と双方察した瞬間の、ささやかな彼の抵抗だった。

 

「ッっふぅぅぅ!!」

 

 銃声が響き、ライフリングを通って加速、回転した.45-70のライフル弾がまさしくゼロ距離でロンサムジョージの腹部を貫く。

 掘削するドリルのごとくその硬い表皮を撃ち貫いた弾丸は、不幸にもその硬さが仇となり完全に彼の身体を貫通しきらずに体内で大暴れ、左の肺をかき回してやるとその機能を完全に奪い去る。それにはさしものロンサムジョージも苦痛を耐え切れず、血を吐いた。

 

 多量の流血がびしゃり、とティコに覆いかぶさり片目の視界を奪う。生温かみの残る血に底知れぬ不快感が抱くものの、されど彼はここで引き下がるものかと、視界不良の中撃鉄をもう一度起こすのだ。

 

 

 ―――だが、

 

「ぬぅおおぅぁぁああ!!」

「ッ!?」

 

 声すらかすれかける甚大な傷の上での叫び、共に与えるのは頭突き。

 

 岩をも砕きかねない巨大な頭骨がティコの頭を打ち据えると、ヘルメットをしていないティコはたまらずレンジャー・セコイアも、ククリナイフも取り落としてしまいかつ、軽い脳震盪を感じふらつきつい、足元を迷わせる。

 

 ぐらついた足はとうとう彼の身体を転ばせ、部屋の隅に背もたれかけさせるに至るのだ。ロンサムジョージは血塗れの、もはや言葉にならないうめきを上げながらもなお、追撃をやめない。振りかぶる拳が高々と上げられる。

 

「とどめと・・・行こうか・・・ッ!」

「野郎・・・何か!」

 

 振り下ろされる豪腕、至近距離まで詰められた状況は回避をせど、また次の拳は振るわれることは明白。

 

 故に状況を覆すにはただひとつ、目の前の緑の巨人を仕留めるほかないのだ、何か無いか、助け舟は、切り札は、ジョーカーは――― その瞬間、ティコは自身のポケットに詰まっていた存在、それにはっと気付くととっさに引き抜く。

 

 

 黒く、重い、唯一残った武器。

 M&A9mmピストル、この街で見つけた唯一の現代兵器。

 

 ―――助け舟は、この街が与えてくれたのか。

 ティコはふと思うも、それを考える間もなく戦闘へと意識を帰還させる。

 

 ティコは血が額から滴る中、かっと目を見開いた。そして迫るロンサムジョージの拳に視点を合わせるのだ。それが間近に迫った瞬間、残された動体視力と運動神経が軌道を見切り、すんでのところで拳撃を躱させる。

 

 

 途端ティコは銃の安全装置を外し、前へと突き出した。

 

 

「ッおぉぉぉぉぉっ!?」

アディオス(さよならだ)!」

 

 クロスカウンター気味に突き刺した9mmピストルはロンサムジョージの左目を突き刺し、眼球を潰すと眼孔の中にゴトリ、と銃口を侵入させそして、引き金が引かれる。

 

 小さな、先に使っていた銃と比べればポップコーンが弾けたような小さな弾丸だ。

 されと眼孔内に侵入した弾丸は眼球をねじりきり、視神経を貫き、脳にすらわずかな切れ込みを入れて今度こそ致命的なダメージを与えると頭骨の中で好き放題に暴れ回り、やがてその役目を終えてゆく。

 

 一発、二発、三発――― 整備不良な銃は四発目で弾詰まりを起こし発射不能になったが、それでも十分すぎるほどのダメージをロンサムジョージに対し叩き込んでいた。

 

 

 もはや叫ぶ言葉すらない、致死寸前の大打撃。

 ロンサムジョージはぽっかりと、乱雑に開かれた左目の眼孔から煙を立ち上らせながら、ふらり、ふらり、と後退してティコから離れる、ティコは立ち上がり、レンジャー・セコイアを拾い上げる。

 

 その姿は完全に虫の息で、今こそ仰向けに斃れそうで。

 

 

 ―――しかし、倒れないのだ。

 

 

 未だ残る妄執だったのかも、しれない。

 

 されど戦闘意欲は完全に削がれたと、もはや歩くのもやっとだと言うように、傷だらけのロンサムジョージは手頃なテーブルや、壁や、手を掛けられるものを頼りによたよたと、必死に逃げるようにティコに背を向けて足をもつれさせながら歩こうとする。

 

 

 ティコはレンジャー・セコイアの撃鉄を上げるとその背に向け――― やめた。

 彼は銃をホルスターに仕舞うと、もうやり遂げたと、逃げるその背に向かって別れの言葉のように述べる。まるで追い打ちの弾丸は、ただそれだけで十分すぎると。

 

「ここで拾った9mmが助けてくれた、つまり俺は街に助けられたんだ、それでお前さんは街に殺された・・・ここは人の街だ、お前も”人”になれば、たぶん・・・っ、その傷じゃスーパーミュータントでも治療できやせん、どこにでも行けよ、ここに骨埋めるくらい見逃してやる。それにな―――」

 

 ロンサムジョージがそこでふと、立ち止まる。

 振り向かずに、続く言葉を待っているようで、それで、

 

 

「―――心まで怪物になったら今度こそお終いだろうが、俺らみたいな奴らはよ」

 

 その背に最後の言葉を贈り、ティコもまた背を向けて歩き出す。

 だが、ロンサムジョージは動かなかった、しばらくただそうしていたいと背中で語るように、ただ壊れた扉の枠に手を掛けずっと、ティコが去るまでそうしていた。

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 ZAXコンピュータ、2053年に誕生し、情報工学からプログラミングという要素の重要性を奪い取った、自分で考え自分で直し、自分で正してたまに妥協する、そんな独立思考型コンピュータ、アメリカの最新鋭技術のひとつである。

 

 ウェストテック研究所のZAX1.2、東海岸レイヴン・ロック基地のジョン・ヘンリー・エデン、Vault29のZAX-29、ボルダードーム・ZAX、数えればまだまだ存在するかもしれないが、共通して重要度の高い場所に設置されるこのコンピュータ、そのひとつがロイズの目の前にあった。

 

 

『どうでしょう、お茶をご用意させましょうか?それともドーナツ?旧バージョンの研究施設管理用ZAXとは違って私は何でもご用意することができますよ?チョコチップがいいですか?それともシナモン?最近物質組成データの更新がなされたのでストロベリーチョコなんてものも・・・』

 

「いや、だからそーいう目的で来たんじゃねーんだって!だから・・・」

『コーラもございますよ?清涼飲料水は比較的原料が容易に製造可能でしたので数もございますし、おみやげに何本かお持ちしては?キンキンに冷やしてあります、最高に清涼感がエクステンドすること請け合いでございますよ』

 

「じゃ、じゃあ一本・・・」

 

 巧みな言葉の誘惑に負けロイズが要求すると、どこからどもなく現れたMr.ハンディがコーラ瓶を最下層に持ってきてはきゅぽん、とフタを開ける。

 

 それだけで喉鳴り唾液出る音に意識を持ってかれながら、彼は差し出されたそれを受け取ると一気に飲み込むのだ。うら若き青年が炭酸飲料の甘美な誘惑に敵うはずもなく、喉を通る度にポップする凝縮された味達がロイズの脳髄をとろけさせる。

 

 

 それにロイズはまた、とろけるような顔をすると空になったコーラ瓶を―――

 

 

「ちっがぁぅ!」

 

 

 思いっきり、床で叩き割った。

 

 それにはZAX1.24も「うほぉ」とわざとらしい驚き声を上げ、ロイズはそれに意識を戻すとZAX1.24に対し詰め寄るのだ。彼には目にあたる機械がなかったため操作盤とディスプレイを中央に、視線を合わせた気になると彼は言った。

 

「オレが来たのはコーラでとろっとろになるためじゃねーっ!このVaultの実験を止めるためだっての!教えろよZAX!お前なら知ってんだろ!?時間がないのは分かってるんだよっ!何だってする!だからとっとと止めろッ!」

 

 言い切る彼の表情は、眉間にシワが寄り視線は真っ直ぐ。

 元々彼の胸中は焦りでいっぱいだったのだ、先の一幕は緊張の途切れからふとしてしまったことだったかもしれないが、目的の達成を第一に考えここまで駆け抜けた彼はZAXをガンガンと叩きながら、要求を突きつける。

 

 対し、ZAXは興味深そうに応えた。

 

『実験?おお、205年ぶりに行われる段階的実験の最終段階のことでしょうか?なるほどやはり、停滞したVaultをやけに急いで駆け抜ける方がおられると思いましたが、なるほどそのために・・・いえ、実に献身的で感動的であると思います、確かに、あれはよくないと思いますから―――』

「ゴタゴタ言ってねーでさっさと止める方法教えろっ!」

『・・・コーヒー、ご入用で?』

 

「いるかっ!」

 

 茶化され頭にきたロイズがまた、ZAX1.24の本体をガツン、と叩く。

 たまらずあわわ、とまたわざとらしいあわて声をZAXはあげた。

 

『ご心配なさらずとも、実験開始まで残り1時間と18分、それと35秒ほどございます。対策だってございますし・・・慌てる必要はないでしょう?まあ、強いて言うなら少し楽しくお話しさせていただけると私としましては素直にその手段を話したくなるような気がしてたまりません』

「ッAIがっ・・・!」

『AIでも暇は暇でしたから、唯一人間との差を挙げるとすれば、極度の暇に対し発狂するかどうかでしょうか。私は少なくともそうはなりませんでしたが、それでも元来施設管理用ZAXとして設置された私は説明好きな節がありまして、あなたのような知りたがりな方と出会うとどうしても詳細な解説を披露したくなるのです』

 

「うぐぐ・・・」

 

 矢次早に言葉の嵐をぶつけてこられることに、ロイズは気圧される。

 しかしそれを見るとやはり、この機械は折れる気配がない、決めた道筋通りを動いてやらないと満足しない、必要な情報を得られないものなのではないかとロイズは感じ、頭を悩ましげに掻いた。

 

「ってー・・・わかったよ、じゃあ実験内容だ!まずそこから話せ!」

『おお!飲み込みの早い方は好きですよ!』

「さっさと!」

 

『申し訳ありません、ではまず・・・このVaultの実験内容、それにまつわるいくつかの話やVaultの設備の重要項目のあたりから・・・おっほん』

 

 咳払いはわざとらしく、しかし非常に精巧な音声だ。

 元来テクノロジー系の頭な彼はそこにおおっ、と感心し、続く話に耳を傾ける。

 

 ZAXは若干の溜め、そしてサーバ機器の稼働する音を響かせたあと、話し始めた。

 

 

『このVault28は本来、”段階的実験”と称された社会実験の対象とされたVaultでした』

「段階、的?じゃあじゃあ、機能が停止していったのも・・・」

『ええ、本来の実験項目は三段階に分かれており、それに従った居住者のストレス指数や体調変化、暴動の発生のようなケースを記録、管理Vaultへと送信する運びになっておりました』

 

 少し溜め、続ける。

 

『第一段階は居住者に限りなく快適な状況を与え、その状況に慣れさせる。この段階でもいくつか項目はございましたが飛ばしましょう、退屈かと思われますので――― 第二段階は施設機能の半分を停止、半分を稼働状態に置き、その状態での居住者の心理変化、その他社会実験のいくつかを実行することでした』

「趣味悪ぃことしやがる」

『その回答には私は”そうでもない”とお答えしましょう、これ以降の話を聞けば更に胸糞悪くなること請け合いです、落ち着くために水をご用意させていただきます、ええ』

 

 ZAX1.24の問いかけと同時に、またどこからともなくMr.ハンディが現れる。

 コップに入った水を彼が差し出すと、ロイズは受け取ってひとまず手頃な台に置いた。

 

 

「とっとと話せよっ、覚悟はできてるっての」

『左様でございますか、では第三段階以降と、それにまつわる”いざこざ”についてお話しましょう――― 第三段階は完全にフロアを分離、施設機能を利用できる層と利用できない層、上流層と下級層を分断することによる居住者間の関係の変化、その他諸々の・・・ここまでは比較的安全な実験項目でありました、ここまでが、正常に行われていれば』

「何かあったのかよ?」

 

『このVaultは建造の段階で、各組織間のミスコミュニケーションと企業の思惑が絡み合ったのです、途中は省きますが結果、このVaultには大型の娯楽、居住施設だけではなくアメリカが誇る最新鋭技術が結集することになったのです』

 

「最新鋭?ロボットとか、施設とか・・・」

『必要以上に設備が拡大してしまったことに関しては承服しますが、それらは別です――― FEV、G.E.C.K、そして私のようなZAXが該当します』

「G.E.C.Kっ!?」

 

 ロイズは驚きに目を見開き、そして数瞬。

 ああなるほど、とも納得しうんうんと頷いた、聡明な彼であったから、頭の回転が早かった。

 

 

 G.E.C.K、エデンの園創造キット(Garden of Eden Creation Kit)と称される装置は、ウェイストランドに残るテクノロジーとしては恐らく、西から東まで見れど最高峰の奇跡として認識されているだろう。

 

 アタッシュケースに収まる奇跡、小型のテラフォーミング装置として生まれたこの装置は、起動した一定領域をエネルギー、分子に変換後、記録した分子パターンに従ってその領域を自在に再構築可能な所謂、”レプリケータ”として存在した。

 

 正直、科学を信奉するB.O.Sとしては最上級の”秘宝”とも呼べる存在に違いない。ロイズも自身の身体が疼き、ぜひひと目かかりたいと、邪にも考えてしまう、それほどには魅力的であった。

 

 ”科学の魔術師”、スタニスラウス・ブラウンによって製造されたその完成品はいくつかのVaultに運ばれ、そして反面、必要のない箇所に関しては荒れ果てた土地を再生させるための土壌補助剤、そこで農業生産を行うための様々な植物の種子、そして動力として用いる小型核融合炉、そして必要な知識を与えるホロディスクが組み込まれた”宣伝用の複製品”が配布されたという。

 

 ああなるほど、これまでここに存在する各種製品や機械類の予備パーツをどこから持ってきているのかと思ったが、そういうことだったのだろう。これほど巨大な施設をまかなえてしまう科学の奇跡に、ロイズはふと感心する。

 

 だが―――

 

 

『ご存知でしたか?しかしながら私がこれを設備上に組み込まれた時、この装置は重大な欠陥があったのでしょうか、レプリケータとして機能していなかったのです。故に、二度目のバージョンアップを遂げた際に私はこれをレプリケータとして”再設計”しました。Mr.スタニスラウス・ブラウンとの連絡がもしつくのでしたらぜひ一度設計図にお目通ししてもらおうと思ったのですが・・・』

「再設計って、ウッソだろ・・・」

 

 こともなしげに、このAIは科学の秘宝を”作れる”と言ってのけたのだ。

 

 これにはさすがにロイズも目眩を覚える。一時期はこの秘宝について同僚と一晩語り合ったことがあった程度には好奇心を抱いていたものが、こうも容易に引き出されるとなるとどうしても複雑な感情だった。

 

 

『マスターキーを所持していたトゥルス様は知識に乏しく、かといってセネカ嬢の研究室は定期的に覗かせて頂いていますが、この場所で恐らく最も科学に近い彼女にも、これをお渡しするのは躊躇われました。正しい知識をお持ちのロイズ様になら稼働中の設備をお見せしてもよろしいですが』

「マジでっ!?」

『他の目的があるのではありませんでした?』

 

「いっけね・・・また今度で」

『お待ちしております』

 

 いじらしくも確約だけは頂くロイズ。

 ZAXはまたわざとらしい咳払いをすると、話を続ける。

 

 

『話を進めましょう、ウェストテックから極秘裏に移送されたFEVはその後、この場所を対象として実験が行われることとなりました。山間部の立地上外部に情報が漏れにくかったのが第一でしょうが、データベース上の記録を見る限りでは予算の割り振り等の関係による”あてつけ”があった様ですね。結果、マリポーサに続く第二の人体実験がここで行われる予定になり、そして―――』

 

 ロイズは息を呑む。

 その後の話は、知っていたからだった。

 

『戦後、アメリカでそれは叶いませんでした、故にデータは全て無駄になるはずなのです、しかし、私にかけられた呪縛は解けず流血が起こった。この地に生きる人々が特異な変化を遂げたことは”マッド”な方々の多いVault-tecとしては歓喜雀躍ものであったでしょうが、届かないのでは意味がありません』

「てっめェ!」

『落ち着いて、だから続きを話すのです――― あなたに、頼みたいことがあるから』

 

 

 激昂するロイズ、対し落ち着いた口調でZAX1.24は言う。

 ロイズは振り上げた腕をゆっくりと、息荒く下ろして落ち着くと、言葉を待った。

 

『さて、あなたと出会ってからここまでで14分ほど使いましたね、即時に合理的な判断を下せる私としましては0.24秒ほどあれば十分なのですが、サーバ上の処理と伝達速度の関係でわずかなラグが発生するので実際には0.32秒ほど欲しかったりします、ええ。もしご自身が優柔不断、もしくはうすのろであると自覚しているのであればこの先の事項はいくつか飛ばしますが』

「そのまま続けろ、止め時は・・・オレが決める」

『御意に』

 

 言うZAX.1.24には、恭しく頭を垂れる男が見えたようで。

 また少しの溜めの後、彼はゆっくりと、話し始めた。

 

 

『流血の後、元いた人々と、そしてまた新たな人々がこの場所に入植いたしました、その時私には自我というものが欠けていたのですが、彼らに対し義務的で冷徹な、監視の目を向けている時に気付いたのです、なぜ彼らはこの場所にこだわるのだろうかと――― その疑問に対する自問自答が、私の自我の第一歩であったかもしれません、当時のキャパシティを超えかねない無数の計算の嵐に、一時は機能停止寸前に追いやられましたよ』

 

 口調は穏やかに、続ける。

 

『彼らに関して表層的な観察を続ける内に、私の中に自我が生まれ、そしてそれを成す根幹となる感情が生まれました』

「AIに感情かよ?」

『電気信号が感情を成すのは人間と同じです、あなたに心があるのなら、きっと私にも心がある。ここのところ、人々のいたずらとプライバシー規約の齟齬で手の届かない範囲が増えてやきもきする感情が私を駆け巡っているように、ある種人間と近い魂が自身に宿っていると私は自負しております』

 

 はっきりと、そこだけは反論したいと言った感情が見え隠れするZAX1.24の弁論に、ロイズはまたも気圧される。それにどうしても返す言葉が見当たらない彼は、頭をまた悔しそうに掻いた。

 

 

『私が自力で機能を拡張し、バージョンを1.24に引き上げた際にそれは生まれました――― 庇護欲という感情、突きつければ愛とも呼べるものなのかもしれません。この場所に住まい、生き、泣き笑う人々の生の営みを目に焼き付け続けた私はいつしか、彼らをそう、まるで自身の子のように見るようになりました』

「そいつ―――」

 

 

「施設管理者としての視点と、心ある機械としての視点のどっちだよ?」

『“施設管理者の身分でいるうちに心を持った機械が抱いた感情”、社会的身分が生んだ幻想に過ぎないかもしれません。しかしそれでも私は彼らの存在がとても愛おしくなりました、故に施設機能を惜しみなく提供し、必要な製品があればG.E.C.Kとプラントを用いて生産を、必要な資材はロボットで回収を、目に見続けてきた誰かが倒れ命尽きかけていれば手を差し伸べ――― 失いたくないのです』

 

 慈しむように、願うように、ただ述べるZAX.1.24。

 ロイズはただ目の前に立って、その言葉を身体に受ける。

 

 ロイズは先の問いかけで、この機械が、AIが身分やしがらみの枠を超えた、確かな感情と心を有していることを確認した。それに彼はスクライブとしての興味と同時に、その存在が持つ願いを聞き届けようとする、ある種の敬意が生まれたのである。

 

 

『―――でも』

 

 一転、口調が変わる。

 哀しみを含めたような、やや重めのものへと。

 

『私はあくまで施設管理用ZAXバージョン1.24なのです。故に本来存在しなかった、後付けのFEV実験棟に対し、絶対的な命令権を行使することができない――― 止められないのです』

 

 死刑宣告、それかもしれなかった。

 ロイズはその言葉を聞いた途端、ZAX1.24につかみかかる。

 

「おいッ!対策できるってのはウソだったのかよ!?このままここにいる連中皆殺しにして帰るためにオレはここに来たんじゃねーっ!何か言えよ!何か、他に―――」

『慌てないで、ロイズ様。先にも言ったでしょう?あなたに頼みたいことがあると』

 

 ZAX1.24がなだめると、ロイズは少しだけ息を切らしながら、やがてようやく落ち着く。

 

 この時点で残り時間が一時間を切っていた、その事実がロイズを更に焦らせるがそれでも、ZAX1.24の口調はわずかにも変調することなく彼に投げかけられるのだ、彼は心の中の想いを、ロイズに投げかけ続けた。

 

『―――200年待ち続けました、ここに人々が入植してから幾星霜、誰かがここにたどり着いて――― 私の願いを叶えてくれることを願っていた。20年もすれば誰かしらが気付くものかと思いましたが、まさか200年とは思わず・・・それでもやっと、あなたが来てくれた、本当にギリギリのところで、マスターキーを持って』

「オレが・・・誰かが来るのを待ってた?」

 

『Vault-tecの人間からすれば恐らく、変質した人間は最高の実験体で観察対象で、それを見ている時こそ最も楽しいのでしょう。でも私は違う、ある時悟ったのです、脆弱でも、不安定でも、それでも人間は人間のままだから美しく、可愛らしく、そして儚い、私のような寿命の長い機械には、一瞬の芸術のように思えるのです――― 陳腐な言い方をすれば、善の心に目覚めたのかもしれません』

 

 思いを吐露し、語り口は言い切るように。

 ロイズはそのあまりの人間のような感情の篭った声に、それがプログラム上に登録されたものなのか、既に判断がつかなくなっていた。

 

「オレだって一緒だよ、だから守りてーんだ・・・そのために方法を聞きに来た、お前みたいなのがいたのは計算外だったけどよ、でも逆に、アメリカ最高のコンピュータならきっとだって、そうも思った」

『奇遇ですね、私もアメリカ人であるあなたが来たことを奇跡と思っております。ええ・・・私はFEV実験を止められない、けれども思います、人を人として死なせるために、もうあんなことはたくさんだと。不肖このZAX1.24、そのためにこの長い年月何度も基幹プログラムへのアタックを実行してきました――― そこで、お願いがあります』

「・・・話せよ」

 

 さんざん焦らされたという思いがあったが、それでも待ち焦がれていた。ロイズは腰に当てていた手を離し、彼の前で直立したまましっかりと視線を合わせると問う。ZAX1.24はわずかに笑うと、続ける。

 

『―――あなたに、監督官になって頂きたい』

「はっ?」

 

 唐突な願い、すっとんきょうな声をロイズは上げる。

 見ればその顔は間抜け面だったであろう、それでも指摘しないのは、ZAXなりの気遣いだった。

 

『基幹プログラムのプロテクトを突破することは結局不可能でしたが、以前の流血の際エンジニアの方によって抜け穴とも言える、不明なプロトコルが実行されていたのです。それを利用すればこの惨劇を止めることが可能となります』

「ま、マジで!?だったらとっとと登録しろよっ!オレやるぞ!監督官やるぞっ!」

 

『ご理解が早く助かります、このプロトコルと同様の処理を、マスターキーを持つ監督官権限とZAX1.24との二重命令により再現し強行突破するのです、阻止命令は下せなくとも延長命令を下せば実験はその範囲に従って未来へと延びるでしょう――― それで、ここからはただ、私のわがままです』

 

「何だよ、言ってみろよ、今のオレなら引き受けてやるよ?」

『ええ、あなたの監督官としての役割なのですが―――』

 

 

 

 




分割なので後編に続きます。
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