ショッカーライダーに転生して好き勝手に生きる(事など出来ない)お話   作:さざみー

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第101話 episode・RYUKI とにかく敵の数が多すぎます。

「下らん遊びは此処までだ。貴様の薄汚い魂、ショッカーに捧げてもらう」

「命を捧げるのは貴様だ、ショッカー!」

 

 俺の宣告を合図にライダーたちが一斉に動く。

 そして動きながらも、俺は状況を分析する。

 

 絶望的な状況だった……、つい先ほどまで。

 ところが、かなりマシな状況に天秤は傾きつつある。

 

「まずはその仮面をはぎ取る! ライダーパンチ!」

 

 赤い輝きを込めた拳でオーディンに殴りかかる。

 半ば牽制で放った一撃ではあるが、素手であっさりと拳を掴んでくるのは驚きであった。とはいえ、パワーに関しては俺が上。そのまま弾き飛ばそうと力を籠める。

 

 

 浅倉が盤面から消えた事により、奴の横やりを気にしなくてよくなった。

 またライダーが二人生き残っており、こちらに協力的であるというのも大きい。これでライダーバトルが唐突に終わる可能性が大きく減った。

 

 そう、まだライダーバトルは終わっていない。ミラーワールドが崩壊を始めていない事がその証だ。

 これならコントロールされているレイドラグーンたちはともかく、そのほかのミラーモンスターが一斉に現実世界に進出する可能性は低い。

 

 無論、追い詰めれば強制的に終了をかけミラーワールドを消すとは思うが、こちらがわかるタイミングならそれでかまわない。

 世界の書き換え以外なら、対処法はもう思いついている。

 

 

 まずはオーディンから葵さんを解放する事、そして城戸さんの肉体を取り戻す事が先決だ。

 

 オーディンの手を焼きながら、強引に拳を押し込んでいく。このままなら腕を弾き飛ばし、懐に入り込める。だが、そう易々とオーディンへの攻撃は許されない。

 大切な人の救助か、そう命じられていたのか。スラッシュダガーを振りかぶったオルタナティブ・スカイが迫りくる。

 しかたない。まずはオルタナティブ・スカイに対処しよう。そう考えた矢先だった。

 

「兄さん! 止めるんだ!」

 

 唐突に割り込んできたのは集夢さんだ。

 ブレードを展開した砲身でスラッシュダガーを受け止めようとする。だが、悲しいかなパワーはオルタナティブ・スカイが上回っている。

 とはいえ、俺があっさりとへし折れた脆さは健在だ。スラッシュダガーの刃がブレードに食い込み、さらにはじりじりと刀身が集夢さんに迫る。

 

 実の弟にも容赦は無しか……。

 

 オーディンをいなし、集夢さんを助けなければ。

 そう考え行動に移そうとするが、それは集夢さんを甘く見すぎであった。

 

 彼は空いている片手でアーマーに備え付けられていた操作盤を開き操作する。

 

「キャストオフ!」

『CAST OFF』

 

 いや、ちょっとまて?

 

 ミラーワールド系ライダーのシステムがメインで、ビルド系のシステムも交じっていると思っていたら、ゼクト系の技術も使っているの、それ?

 ちょっとだけ驚く俺をよそに、集夢さんを覆っていた金属製のアーマーが一斉にはじけ飛ぶ。

 当然鍔迫り合いをしていたオルタナティブ・スカイは回避する余裕などない。アーマーの弾丸を食らい後方に吹き飛ばされる。

 

 歯車だらけのアーマーがいずこかに消え、その下からオルタナティブ・スカイによく似た疑似ライダーが出現する。

 違いは全身を覆うラインがスカイの青に対し、赤く輝いてる所か。

 

『CHANGE Alternative Flame』

 

 オルタナティブ・フレイム。それがあの疑似ライダーの名前か。今まで身に纏っていたアーマーは、未完成故の脆さを誤魔化すための追加装甲だったわけか。

 防御は期待できそうにないが、機動性は上がったと見るべきだろう。

 頭の中で戦術を組み上げる。その通りに彼が動いてくれるとは限らないが、多少なりとも確率を上げるためのそろばんを弾く。

 

「お前に、二度と兄さんも葵さんも殺させはしない!」

 

 俺に向けられた怒りと憎しみは変わらない。

 だが、それでもこの場で取るべき行動を考え、俺の支援に回ったか。

 真っ直ぐなのは実に羨ましい。

 なら、伝えておくべきか。

 

「小娘を死なせたくなければ、オーディンが弱ったタイミングで奴のデッキを破壊しろ。運が良ければ解放される」

「何っ?」

「0に近い確率だが、0ではない」

 

 基本的にオーディンに憑りつかれた人間は助からない。使い潰されて死ぬだけだ。

 だが、引き剝がせる確率が0というわけではない。実際、本郷さんと一文字さんはオーディンのデッキを破壊し、被害者とオーディンの分離に成功している。その際に契約モンスターは解放されて暴れるが、それは殴り倒せば良いだけの話だ。

 俺にあの二人のような奇跡を起こせる力など無いが、可能性があるならギリギリまでは試すべきだろう。

 

「邪魔になるので前には出るな。精々チャンスを見逃さない事だな」

 

 自力でライダーシステムを構築する天才だ。俺が一人で狙うよりは可能性が高い。

 だが……果たして手が足りるのか?

 オーディンとオルタナティブ・スカイの連携攻撃をいなしながら、俺は自問自答をする。

 

 以前起きた奇跡は本郷さんと一文字さん、頂点の一角である二人の力があってこそだ。オルタナティブ・フレイムは元より、俺もあの二人には遠く及ばない。

 別に自身の能力を卑下しているのではなく、純粋な事実として経験値が違い過ぎるのだ。同じ技を使っても本郷さんの精度には遠く及ばないし、一文字さんの抜け目の無さは真似できない。

 

 この場にはあの二人に匹敵するライダーが幾人かいる。

 だが、彼らは彼らで厳しい戦いを強いられていた。

 

 

 十人近いリュウガがスカイライダーを包囲し、動けないよう足止めに徹している。更にどうやっているのかは知らないが、リュウガの背後には一人につき一体のドラグブラッカーが控え唸り声を上げながら牽制していた。

 あれではいかにスカイライダーといえども、包囲を突破することは難しい。宙に飛び上がりレイドラグーンや量産型ライダーの迎撃に当たるなどもってのほかだ。

 

「スカイライダー、今日こそ地獄に送ってやる!」

 

 そんな中、一人だけ包囲網の背後にいるリュウガが声高に叫ぶ。

 もはや隠す気は無いのか、身振り手振りどころか声もリュウガとは違う。中のカガミトカゲが隠れているのだ。

 怪人の煽りにスカイライダーは警戒を解かず、されどしっかりとカガミトカゲを見据えこう返した。

 

「お前こそ、もう一度地獄に送り返してやる!」

「ぬかせぇ!」

 

 この言葉を合図に一斉にリュウガやドラグブラッカーたちが動き出す。首をもたげた竜の顎から黒い炎が迸りアスファルトの大地を焼く。

 だがスカイライダーは降り注ぐ火炎の雨などものともせず突き進むと、目の前のリュウガに狙いを定めた

 

「死ねぇ、スカイライダー!」

 

 無論、狙われたリュウガも無抵抗ではない。

 カガミトカゲの声を張り上げ、ドラグセイバーを大きく振り上げる。だが、その攻撃は歴戦のライダーを相手にするにはあまりにも大振り過ぎた。

 スカイライダーは鈍く輝く刃を恐れる事なく踏み込むと、振り下ろす直前の腕をあっさりと掴む。

 

 無論、カガミトカゲに操られた状態とはいえ、リュウガもまた強力な仮面ライダーだ。

 別のリュウガが掴まれたリュウガのフォロー、あるいはスカイライダーは動きを止めた今を好機と見てドラグセイバーで刺突を試み、あるいは捕まったリュウガはスカイライダーを逆に捕まえるべく空いている手を動かし……。

 

 全てが遅かった。

 

 気が付いた時、スカイライダーに掴まれていたリュウガの視界は天地がひっくり返っており、スカイライダーに襲い掛かろうとしたリュウガの視界は別のリュウガの背中しか見えなくなっていた。

 投げ技の名手として名高いスカイライダーだ。鏡像の城戸真司本人ならまだしも、カガミトカゲが遠隔操作を行っているリュウガ相手なら掴んだ瞬間に投げ飛ばす事など造作もない。

 投げ飛ばされたリュウガと巻き込まれたリュウガ、二人のリュウガがまるでスローモーションのように体勢を崩す中、スカイライダーは腰を落とし拳を溜める。

 

「いくぞ! スカイパンチ!」

 

 スカイライダーの身体がぶれた。そう思った瞬間には終わっていた。繰り出した拳が投げ飛ばしたリュウガ達に突き刺さり、そのまま二人のリュウガは更にドラグブラッカーを巻き込み吹き飛んでいく。

 ビルの壁面に衝突すると、そのままリュウガ達やドラグブラッカーは粉々に砕け、鏡の破片に交じりレイドラグーンの破片が転がり落ちる。

 なるほど、事態が事態だったのでそこまで気が回らなかったが、ドラグブラッカーほどの契約モンスターが多数いるわけがない。あれもまた、鏡人間ならぬ鏡ミラーモンスターを被せて作ったまがい物だったわけか。

 

「まずは二人!」

 

 スカイライダーの、筑波さんの厳しい声があたりに響く。

 当たり前だ。瞬く間に二体のリュウガを倒したとはいえ、まだ複数のリュウガが控えている。さらにカガミトカゲがいる以上、更なる補充の可能性もあるのだ。

 油断できる道理など、どこにもなかった。

 

 

 同じく厳しい戦いを強いられているのがディケイドと現地ライダーの二人だ。

 彼らが生き残りナイトに協力している事は僥倖である。また、長い期間ミラーモンスターを狩っていた彼らの力はかなり強い。あれなら十分一流どころを名乗れる力量が二人にはある。

 戦力として十分、だがそれでも彼らが倒されればこちらが不利になるのだ。

 

「あー、うっとうしい!」

 

 空中から迫りくるレイドラグーンと量産型ライダーを撃ち落としながら、先生と呼ばれたライダーが悲鳴のような愚痴を叫ぶ。

 次から次にひっきりなしに迫ってくるのだから、彼女が叫びたくなる気持ちもわかるというものだ。

 

「文句を言っている暇があるなら引き金を引け!」

「分かっているわよ!」

「でも、キリが無いのは本当ですよ!」

 

 彼女の愚痴に一々付き合うディケイドや二本角のライダーも律儀というか、本人たちもうんざりしているのだろう。

 ディケイドはライドブッカーを銃形態にして迎撃に当たり、二本角のライダーは弾幕を掻い潜って接近してきたレイドラグーンを槍で叩き落してはいるが、一向に敵が減る気配はない。幸いレイドラグーンはそこまで強力なミラーモンスターではないため迎撃は間に合っているのが幸いだ。

 ディケイドなら一網打尽にする手段の一つや二つは有りそうなものだが、今いる連中を消し飛ばしたところでお替わりが来ることは間違いないので消耗を抑える為に控えているのだろう。

 

「今は耐えろ、直に状況は動く」

 

 その言葉は、間違いはなかった。

 だが、恐らくはディケイドにとっても予想外の展開であったに違いない。

 

 状況の変化はリュウガサバイブの元で発生する。

 それは俺達の耳に届く雄たけびであった。

 

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

 城戸さんという男にはあまりにも似つかわしくない、獣のような雄たけび。

 何事か、そちらに視線を向けると、愉快そうに肩を震わせるリュウガ・サバイブと槍を杖代わりに片膝を付くナイト。

 

 そして、赤く禍々しく複眼を輝かすアナザー龍騎の姿がそこにはあった。




登場人物が多すぎる!(八つ当たり)
長くなりそうなので、ここで一回次回に続く。

投票は終了。
427(45%):516(55%)

平成ファーストライダーの座は譲らない!
次の話はクウガ編となります。

NEXT Rider?

  • ゆ゛る゛さ゛ん゛!!(BlackRX)
  • サムズアップ(クウガ)
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