ショッカーライダーに転生して好き勝手に生きる(事など出来ない)お話 作:さざみー
城戸真司の、龍騎の帰還により決着はついた。
リュウガとネオショッカー大首領は深紅の炎に焼き尽くされ、粉々に砕け消えて行った。
空を見上げれば、ドラグレッダーがドラグブラッカーだったもののなれの果てを吸い込み、勝利の雄たけびを上げている。
最強の敵を撃破した。
とはいえ、まだ事件は解決したとは言えないんだよな……。
実際町の各所からは相変わらずレイドラグーンが飛び上がり続けている。
リュウガ撃破の余波でこの辺りにいた連中は一時的に吹き飛んだが、再び群がってくるのも時間の問題だろう。
それに、まだこいつも残っている。
「ひ、ひいいいいい! だ、大首領!? リュウガ様!?」
うん、カガミトカゲだ。
奴の悲鳴にこの場にいた全員の視線が集中する。
7人のライダーに2人の疑似ライダー、さらにはショッカーライダーの視線が集まったのだ。さぞ生きた心地はしなかったであろう。
まぁ、生かして帰す気も無いが。
俺たちの視線を集めたカガミトカゲはじりじりと後ろに下がりながら、大振りに手を広げ何かを叫ぶ。
鬱陶しい。仕留めるか……。
「ま、まて、俺を殺せば……」
奴の命乞いの言葉はこれで終わった。
カガミトカゲのオーバーリアクションを攻撃の前振りと勘違いした現地ライダーの一人が銃で撃ったのだ。
周囲の視線が集中する中、先生と呼ばれたライダーが少しだけ申し訳なさそうにこう言った。
「あ、ごめん。攻撃かと……」
「かまわんさ。どうせ大した情報など持っていなかっただろうよ。それに……、まだ死んでいない」
ネオショッカーの改造人間は死ぬと冷却装置が止まり熱暴走を起こし大爆発を起こす。爆発をしていない以上、カガミトカゲはまだ死んではいない。
俺は超加速を発動させ奴の傍に近づくとそのまま天高く蹴り上げる。
その際に何かが転がり落ちて来た。これは爆弾か?
自爆して果てるような殊勝な心構えがある訳もない。どうせ不意打ちで投げるつもりだったのだろう。
「ひ、ひやあああああ!?」
狸寝入りをしていたカガミトカゲが目を見開き大慌てで手足をじたばたさせている。
空中にいる奴に狙いを定めた、その時だった。
不意に、横合いから高速で何かが割り込み、自由の効かないカガミトカゲに牙を突き立てる。
「ぐえっ!?」
何が起きたのか分からなかったのだろう。
腹を食いちぎられ、上半身と下半身が泣き別れとなったカガミトカゲは、間の抜けた断末魔の悲鳴を上げて空中で爆散する。
一方、カガミトカゲを食い殺した怪物は期待していた肉ではなく、粗末な機械の塊の味に怒りの咆哮を上げ口内のガラクタを吐き出した。
「ま、まさか……」
それは、濃い青の体色をもつ怪物であった。人によく似た鈎爪の生えた腕を持ち、背中には虫のような巨大な羽根を持つ。
頭部に当たる部位には鉄を容易に切断する鋭い牙が生え並び、脚に当たる器官は無い。
その代わりと言っては何だが、胴体からは長大な尻尾が生えていた。
あのミラーモンスターを俺は知っている。
最低最悪の、世界の終末を告げる怪物。その名も……。
「ハイドラグーンだと?」
いや、ディケイドたちとの戦いで勝てない相手だと悟り進化の道に至ったか!?
慌てて遠方を確認すると、町中から飛びあがり続けるレイドラグーンの中に、少なく無い数のハイドラグーンが混じっていた。
恐らくは、この比率はさらに上がる。
すべてのレイドラグーンがハイドラグーンへと進化するのも時間の問題だろう。
「蓮」
「分かっている、城戸」
龍騎とナイトが視線を合わせ互いに頷く。
あれが何なのか、城戸さんと秋山さんは知ってはいなくとも魂が記憶しているのだろう。この二人が実際に立ち会っているかどうかはわからないが、二人がともに行方不明となる物語の最後に出て来たミラーモンスターが、あのハイドラグーンなのだ。
スカイライダーを上回る速さで飛び回り、鉄をも引き裂く爪と牙を持つ。さらには腕をロケットのように飛ばす事も出来るというかなりの高性能なミラーモンスターである。
だが、あれの本当の怖さはそこではない。繁殖能力が高く、無尽蔵とも言える数が出てくるのだ。
「皆は現実世界に戻ってくれ、後は俺たちが引き受ける」
因縁の相手、世界の滅亡を齎す相手に龍騎は悲壮な覚悟をにじませ言葉を紡ぐ。
恐らくはある物語の結末のように、二人で特攻まがいの突撃をして、少しでも数を削る気なのだろう。俺たちを現実に戻し、進行してくるミラーモンスターに備えさせる気なのだ。
「城戸さん、何を考えている!」
「あいつらはとにかく数が多い上に、現実世界にも適応できる厄介なモンスターなんだ……。ここで俺たちが足止めをしている間に、みんなは現実世界を守る準備をしてくれ」
「町の住民を急いで避難させないと大変な事になる」
「そんな、城戸さん!」
通常ならそれが最適解だろう。
最悪なのはここで俺たちが全滅して、現実世界がハイドラグーンへの備えをできない事だろう。
少数の殿を残し現実世界への侵攻を少しでも遅らせ、その上で周囲へ非常事態を伝え、さらには街の住民を避難させる。
連中の殲滅が難しい以上、数がいる町の住民の護衛に少しでも数を回すべきなのも合理的判断だ。
皆が悲壮感を漂わせる中落ち着いているのは俺と、ディケイドだけか。
こいつの事だから、俺が準備をさせていた事に気が付いているんだろうな。そういう所は抜け目が無いし。
俺は悲壮感を漂わせる龍騎に向かい、はっきりとこう言った。
「悪いが却下だ。まだ慌てるような状況ではない」
「星太郎、あいつらの力は!」
「アインロールドだ。ふん、俺がこの状況を想定していなかったと思っているのか?」
ハイドラグーンまで進化するかどうかは半々であったが、ミラーモンスターの現実への侵攻は十分予測できた範囲である。
「出来るのか?」
「出来ない事は口にしない。貴様ら仮面ライダーと格の違いを見せてやるよ」
自信をもって断言する俺にナイトがこちらを見て尋ねてくる。
その為に、態々サイクロンヘルを現実世界に置き、情報の吸い上げをさせていたのだ。準備や連絡はもう済んでいる。
「どうやってさ!?」
「こうするのさ。やれ、サイクロンヘル」
俺は現実世界に待機させておいたサイクロンヘルに対し命令を下す。
そして次の瞬間、街に変化が訪れる。一斉に家々から明かりが消え、街灯の明かりが消滅する。
もしこの地を宇宙から見下ろしている者がいるのなら、辺り一帯の明かりが全て消え、ぽっかりと黒いエリアが出現している事に気が付くであろう。
そう、この街の電力網は、完全にサイクロンヘルの支配下にあるのだ。
「何のために襲撃時間を夜に設定したと思う? 鏡が映らなければ、ミラーモンスターは現実世界には出現できない」
ミラーモンスターはほんの僅かな鏡面、それこそスプーンや水面の反射すら利用し現実世界へとやってくる。文明社会でミラーモンスターから逃げきることは不可能と言って良いだろう。
だが、それはあくまで長期的に見た話だ。
短期間であるのなら凌ぐことはさほど難しくない。それこそ鏡に新聞紙を張り付けただけで、連中はその鏡面を利用できなくなる。
街の明かりという明かりを奪い鏡を利用不可能にすれば、連中は現実世界には来れなくなるのだ。
「まってくれ、それじゃ夜の間しか防げないだろう!」
「それに病院の非常灯や車の照明、懐中電灯の明かりも!」
まぁ、彼らの言葉は間違いない。
その明かりが鏡に当たり現実への通路となりかねないのは事実だ。
だが、その程度の事想定済みだ。
「大丈夫だと言ったであろう。次だ、やれ」
俺の命令に従い、サイクロンヘルが次の仕掛けを発動させる。
それはネオショッカーがミラーモンスターどもを現実世界で兵器として運用するために作っていた施設だった。
大型レジャー施設に偽造された建物の各所が展開し、巨大な鏡面ゲートを形成していく。
「あ、あれは……」
「ネオショッカーの連中が作っていた施設さ。アレを使い一気にミラーモンスターを現実世界に運ぶつもりだったのだろうよ。こちらで乗っ取らせてもらったがな」
ミラーモンスターの知性は基本的に動物並だ。
目に見える巨大なゲートがあればそちらに向かってくる。
後は、連中を一斉に処分する仕掛けがあればいい。幸い、連中はそれも用意していた。
不意に、周囲の世界が震える。
揺れがあった訳でも、大きな音が発生したわけでもない。ただ、今この瞬間にミラーワールドの全域が震え始めたのだ。
「たった今、ネオショッカーが用意していた装置を使い、このミラーワールドを破壊した」
「おい、ちょっと待て!? それって?」
「消滅までの時間は15分。連中は崩壊するこの世界から逃げるためにこのゲートに一斉にやってくるぞ」
俺の言葉にディケイド以外が絶句をする。
まぁ、俺も自分で思いついていなきゃ呆れていただろう。
何とか立ち直り声を上げたのは、龍騎であった。呆れ交じりの声で、こう確認をしてきた。
「お前、ミラーワールドの消滅にミラーモンスターを全て巻き込む気だったのか?」
「効率的だろう。あの数を全て相手になんてしていられないからな」
ネオショッカーの連中だって馬鹿ではない。獣同然のミラーモンスターの制御が難しいことぐらい分かっていただろう。そして、いざという時の処分手段を用意している事も容易に想像できた。
そして、それが現実世界側にある事は簡単に推測できた。その為にサイクロンヘルを現実世界側に残し、データを集めさせていたのだ。
「まぁ、それでも非常灯や自動車の明かりなどで扉が出来てしまうが。そちらも対策済みだ」
「何をやったんだ、お前?」
「須藤を通して警察に本件をリークをしておいた。県警のみならず、他県からの応援分も含めG3部隊が展開中だよ」
あの野郎ミラーワールドでの戦いに顔を出さなかったので、こき使ってやることにした。
ショッカーを使うルートが無かったわけじゃないが、今回は直接須藤に応援を呼ぶように連絡を入れておいたのだ。
流石警察の仮面ライダー蟹。あんなのでも直接要請があれば動きは速かったようで、車両通行止めや病院等の警備、照明を使わないようアナウンスなども実施されている。
もっとも、須藤をよく知る城戸さんと秋山さんの反応は芳しくなかった。
「げ、あいついるのか?」
「須藤だと……平気なのか?」
「連絡が警察に行けばいいだけだ」
二人の気持ちは痛いほどよく分かるが、自身の責任問題になりかねないサボタージュをするほど馬鹿ではないと思う。
というか、この鉄火場でこれ以上さぼるなら、性根を正すためにしばき倒しに行く。
まぁ、蟹はともかく警察は優秀だし、連絡はしたようなので大丈夫だろう。
「須藤さんか、なら安心だな」
「そうですね、筑波さん」
俺たち3人が蟹に対して若干の不安を感じている横で、筑波さんと集夢さんが『須藤さんなら安心だ』みたいな空気を醸し出していた。
思わずそちらを振り向きまじまじと見る俺たちに、集夢さんが若干引き気味に尋ねてくる。
「って、どうしたんですか?」
「いや、須藤の奴だよな?」
「須藤さんですけど……」
いや、だって蟹よ? 悪徳じゃなくなったけど不良警官よ? 周囲が優秀過ぎるんで収賄とか情報漏洩とかすぐばれる悪事はしなくなったけど、フツーにヤベー連中との付き合いは継続中よ、あいつ?
まぁ、やべー奴の筆頭は俺だけどさ。
なんで筑波さんと集夢さんの信頼を得ているの、あの蟹?
「まぁ、蟹のことはいい。警察も本気だ、G3機動隊だけではなく、虎の子のガタックやG6、G7も投入してい……えっ? ちょっと待て?」
「おい、どうした?」
サイクロンヘルからの報告を受けていた俺は、人目も気にせず驚きの声を上げる。
城戸さんが何事かと尋ねてくるが、ちょっと情報を飲み込むまで時間がかかったのは、俺が悪いわけじゃない。
※※※※※
深夜のハイウェイを二台のバイクが飛ばす。
いや、正確にはバイクではない。
一台は緑と黒に塗り分けられた異形のバイク。そしてもう一台ではなく一人。赤いメタリックカラーのバイクに変形した人間。
そう、仮面ライダーWと仮面ライダーアクセルの二人が山梨方面に向かい全力で走っていた。
「すまないな、左、フィリップ。付き合わせてしまって」
通常なら会話など出来ないだろう超高速で走りながら、アクセルの声はノイズを挟むことなくWの耳に届く。
「気にすんなって」
「ミラーモンスターのスタンピード。そんなものが本当に起こるなら、座して見ているわけにはいかないからね」
Wの左右の複眼が別々に赤く輝き、まったく別の声がWから響く。
二人で一人の仮面ライダー、Wの変身者である左翔太朗とフィリップのそれぞれの声だ。
風都署に出向中の照井の元に山梨でミラーモンスターのスタンピードの発生の恐れがある事が伝えられたのは夕方の話だ。
公式には仮面ライダーではない、実際のところは公然の秘密である仮面ライダーアクセルである照井は、被害阻止のため山梨に救援に向かう事にした。その際、同じ風都を守る仮面ライダーWにも協力を要請したのだ。
決して出かける前に妻の顔を見たいなどと考え、鳴海探偵事務所に出向いたわけでは無い。
超高速で走り続ける二人のライダーの耳に、第三の爆音が聞こえてくる。
どこからだ? 音の発生源を探ると、それはどうやら高架下からのようだ。
流石に運転中ゆえにアクションは取れない。だが、何が起きても良いように心だけは構えるWとアクセルであったが、その構えは杞憂だった。一際大きな爆音が響いたかと思うと、何かが高速のフェンスを飛び越え飛び込んでくる。
道路に音を立てて着陸したそれは、二人の速度に合わせ並走を開始する。
「あ、あんたは!?」
その男は、赤い仮面を被り、白いマフラーを風にたなびかせていた。
悪を見逃さない緑の複眼を、若いライダーたちに向ける。
「1年ぶりだな、左、フィリップ、照井」
「あんたは、風見さん!」
その男の名は仮面ライダーV3。栄光の7人が一人、デストロンを壊滅に追いやった正義の戦士だった。
※※※※※
いや、Wとアクセルは分かるよ。
警察のアクセルと付き合いのあるWが連絡を受ければ、そりゃ急行するよ。そこに不自然な点は何もない。
でもなんでよりにもよってクソジジイまで来ているのよ? いい加減年寄りの冷や水なんだから、出しゃばって湧いて出てきているんじゃねえよ。
「誠太郎君、一体何があったんだ?」
「いや、何でもない。町は大丈夫だ。Wにアクセル……くそじ……V3も何故か来ている」
「翔太朗君や風見さんまでいるのか! 確かに、それなら……」
来なくていいのに。
来たからにはキリキリ働け、クソジジイ。でもムカつくから活躍はしなくていいぞ、クソジジイ。
いや、ほんと何処から湧いて出てきたんだ、あのクソジジイ。
「うそ、火野さんや桐矢さんまで来てんの?」
「オーズに響鬼!?」
町中の情報網をハッキングしたサイクロンヘルから、続々と集まってくる仮面ライダーの情報が流れてくる。
いや、事件の規模として考えりゃ、妥当と言えば妥当か。
「まぁ、いい。表の戦力は大丈夫だ。もっとも、それはミラーワールド内を抑えられればの話だ。悪いが人手が足りないので、お前らに拒否権は無い」
「拒否権もへったくれも、勝手にそうするしかない状況を作っておいて……」
「知らんのか? 俺はショッカーライダーだ。周りを巻き込んで好き勝手をするだけだ」
善のライダーなら先に話を通すかもしれないが、俺は悪のショッカーライダーだ。
いちいち確認なんて取らないし、目的のためには一番効率のいい手段を選択する。
勝手に状況を決められた面々が呆れと怒りの混じった視線を向けてくる。まぁ、こいつらの感情はどうでも良い。どのみち、戦力が足りないのだから逃がすわけにはいかない。
とはいえ、残った戦力も半分は二線級だ。
オーディンやオルタナティブ・フレイムの戦力は外せないが、素人である葵さんは元より防御に難があるフレイムは前には出せない。生き返ったばかりのスカイも同様であり後方からの支援を担当してもらうしかない。
現地ライダーの二人は能力はともかく、多数との戦いの経験は少ないだろう。そう考えると先生は射撃支援、二本角は彼らの護衛をやってもらう事になる。
前線で頼りになるのは俺とスカイライダー、龍騎とナイト、そしてディケイドだ。
通常なら過剰戦力に間違いない面子だが、15分の耐久とはいえハイドラグーン相手には心許ない。
正直、同等の戦力が数倍欲しかった。
「なんだ、小僧? 数が足りないのか?」
俺の悩みを見抜いたのか、ディケイドがそんな事を尋ねてくる。
「足りるように見えるか?」
「見えないな。仕方ない、少々疲れるが俺が何とかしてやるよ」
「は?」
俺がディケイドの言葉を理解するよりも早く、ディケイドはディケイドライバーにカードを挿入していく。
白いディケイドライバーの前にライダーを象徴する紋章が浮かび上がり、電子音声が周囲に鳴り響く。
『KAMEN RIDE 000!』
ディケイドが選んだのは、火野さんが変身する古代錬金術師が生み出した欲望のライダー、仮面ライダーオーズであった。
赤い翼のマスク、黄色い虎の爪、緑のバッタの脚を持つタトバ形態となったディケイドオーズは、更に流れるような動作でカードをドライバーにセットした。
『FORM RIDE OOO GATAGIRIBA』
タトバ形態を一瞬で終わらせたディケイドは、続いてフォームライドカードをドライバーにセットする。
ディケイドが変身したのはオーズの中でも最強形態との呼び名が高いガタキリバコンボ!
そうか、ガタキリバコンボの特性は電撃と分身!
オーズのガタキリバコンボは全ライダーの中でも破格の分身能力を持つ。その分身数は最大50人。
確かにその数に増えれば数の上での不利はだいぶ覆せる。
なんて、考えていた時が俺にも有りました。
いや、その考えは基本的に間違ってはいなかった。
ただ、仮面ライダーディケイドの力を、門矢士という人間のでたらめさをこの瞬間まで俺は知っている気になって理解していなかった。
そう、ガタギリバコンボになったディケイドはそこで終わりでは無かった。
再びカードを取り出すと、ドライバーにセットしていく。
『KAMEN RIDE KUUGA!』
『KAMEN RIDE AGITO!』
『KAMEN RIDE RYUKI!』
そう、ガタキリバディケイドは次々にカードをドライバーに入れると、別のライダーにカメンライドしていく。
その姿がクウガに、アギトに、龍騎にファイズに、ブレイドの姿になる。いや、ガタキリバコンボは別のメダルを使う事により分身しながら別形態になる事も出来たはずだ。その特性が残っているのなら、ディケイドなら別のライダーにカメンライド出来ても不思議ではない。
そんな俺の希望的な推測をあざ笑うかのように、ディケイドのカメンライドはまだまだ続く。
『KAMEN RIDE W!』
『KAMEN RIDE 000!』
『KAMEN RIDE FOURZE!』
通常の白ディケイドでは対象外の平成後期のライダー、あるいは……。
『KAMEN RIDE ZERO-ONE!』
『KAMEN RIDE SABER!』
『KAMEN RIDE REVICE!』
「イェーイ! 俺っち、一輝を差し置いて先行登場だぜ! みんな見てるー!? って、もう退場!?」
俺の知識で令和ライダーと呼ばれる存在にまで変身していく。
見渡せばショウマさんのガヴや、見た事の無い胸にベルトを巻いているライダーまでいる!? いや、1号やV3、ブラックやRXの姿までないか!?
ちょっとまて、これはあまりにもおかしい。通常のディケイドどころか、ネオディケイドにもこんな力は無かったはずだ。
「ちょ、ちょっと待てえええええええええええ!」
「どうした、坊主?」
俺の魂からの絶叫に、ディケイドの一人が何事かと聞いてくる。
いや、ここまで無法の限りをしておいて、態度を変えないとか何なんだよ!?
「いや、その、お前は一体何なんだよ!」
「知っているだろう。俺は通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ」
名台詞頂きました。
じゃねええええええええ! そんな事知っているわ! そこじゃない、聞きたい事はそこじゃない!
ちょっぴりの感動を余所に、俺は前のめりになってディケイドを問い詰める。
「そうじゃない! そこじゃない! あんた、そこまでの力は無かったはずだぞ! そう、あんたは確か……」
大声を上げ、若干の冷静さが戻ってくる。
流石に死因となる事を言うのはあれなので、尻つぼみになる。
そんな俺のデリカシーを笑うかのように、ディケイドは何でもないとこう返す。
「なんだ、そんな事か」
「そんな事ってな!」
「俺は確か、セイバーの力が使えずオーマジオウに殺されるんだったか」
いや、この人何自分の死因を過去のように語って……?
いや、明らかに過去形。明らかに自分の死因を知っている?
そのセリフから、俺の脳裏に一つの推論が生まれる。
「ちょっとまて、それ有りなのか?」
「俺は世界の破壊者だ。自分のルールだって、破壊してみせる。だいたい、お前だってカマタロスから聞いた話で、似たような事をやっただろう」
いや、それは確かに……そうだけどさー。それにしても無法すぎやしないか?
このディケイド、未来の自分の死因を知って、その死因を潰すために鍛え直したのだ。
それ故に、ネオディケイドでは使えなかったセイバーの力どころか、栄光の7人やそれ以降のライダーの力まで操れるようになっているのだ。
でたらめも過ぎるだろう……。
だが、そのでたらめも、戦力として確かにここにあるのだ。
昭和から令和までの長き時、戦い続けた偉大なる仮面ライダーの力と姿を借り受けたディケイド。
ハイドラグーンを迎え撃つには十分な戦力が、確かにこの地にはあったのだった。
なんか、釈然としないけど。
本作ディケイドは、未来の自分の死因を知って、鍛えなおした若いディケイドです。
主人公すら知らない真相
本作ライダーバトルは財団Xがばらまいたオーディンにより引き起こされているが、既に財団Xがばらまいた数以上のライダーバトルが発生している。
何故ならバトルに乱入し最終勝利者になった浅倉が『ライダーバトルの継続』を願ったっ為。バトルが終了したりオーディンが撃破されても次のオーディンが世界の何処かでリポップしてしまう。
誰かがこの状況に気が付きライダーバトルの永遠の終了を願わない限り、この世界のライダーバトルは終わらない。
ミラーワールド系ライダーについて。
特別な素養を必要としないため、ライダーバトル後に残ったデッキは裏社会で高額で取引されている。浅倉の主な収入源がこれ。
価格は契約モンスターの能力次第。一番高いのは未契約のブランク体、一番安いのは蟹。
後1~2話で龍騎編は終わり、クウガ編が始まります。(もしかすると番外編を挟むかも?」)
すいません、正しくは『ガタキリバ』でした。
何度やっても間違える。本当にすいません。
NEXT Rider?
-
ゆ゛る゛さ゛ん゛!!(BlackRX)
-
サムズアップ(クウガ)