ショッカーライダーに転生して好き勝手に生きる(事など出来ない)お話 作:さざみー
時の列車デンライナー、その先にあるのは過去か、未来か……。
♪♪♪♪♪
降り注ぐ怪光線に、無尽蔵とも言えるロボット兵士。
特に奇を衒う作戦ではない。火力と数を揃える事は戦いの基本と言って良い。
正直、一体当たりの力ならば先ほどの女騎士が勝っている。だが、大将軍の攻撃に巻き込まれる事を恐れず……いや、巻き込まれ破壊される事すら戦略に組み込んでいる、ロボット兵士は俺たちにとっても脅威と言って良い。
「まったく、キリが無いな……」
襲ってきたロボット兵の一団に怪光線がぶつかりはじけ飛ぶ。
下半身を砕かれたロボとが、上半身を失ったロボットが弾丸となり襲い掛かってくる。
何もダメージを与えようとしているわけではな。群れてまとわりつき、俺たちの動きを止める事が出来れば良いのだ。それだけで、怪光線が俺たちに当たる可能性が高くなる。
「きもちわりぃ! 寄ってくるんじゃねぇ!」
この戦術に対して、一番相性の悪いのは電王だろう。
モモタロスの戦術は剣によるごり押しが基本だ。決して戦いが下手な訳では無いが、自爆前提で組み付いて来るロボット兵士相手だとその戦い方が仇となる。
組み付いて来るロボット兵士を強引に引きはがしながら戦っているが、ダメージと疲労は蓄積するばかりだ。
「中々しんどい……なっ!」
相性という意味では悪くは無いのだが、体力的に消耗が激しいのがギーツだ。
射撃主体であり弾幕を張れるマグナムフォームは数が多い敵相手に有利に戦える。とはいえ、限度がある。
2000年の時を戦い続けた未来の浮世英寿ならともかく、今のエースには若干荷が重い。
さらに、質の悪い攻撃がもう一つあった。
「撃てぇ! ゴルゴムに逆らう愚か者どもに裁きを与えろ!」
あー、ほんとウザイ。
後方に下がっていた女騎士だが、いつの間にか怪人どもを再編し俺たちに対する包囲網を敷いていた。
大将軍の放つ怪光線の範囲外に陣取った怪人やトカゲ兵士どもが横合いから飛び道具で攻撃してくるのだ。
怪光線に比べ威力や精度が高くないので当たりはしないが、それでも逃げ道がどんどん塞がれている。
くそ、サイクロンヘルがいれば、まだやりようはあるんだが。
「ライダーチョップ!」
寄って来たロボット兵士を纏めて薙ぎ払いつつ、俺は電王とギーツの傍に後退する。
そして、二人の体調を確認する。
「お前ら、大丈夫そうか?」
「はっ! この程度で俺がどうにかなると思っているのか?」
「ああ、まだ何とか行けるな」
よし、まだ体力はありそうだな。
んじゃ、作戦を伝えるか。
「なら聞け。俺が隙を作る、あのジジイに一撃をかます。確実に混乱を起こさせるから、お前らは一旦包囲網を突破して引け」
「てめぇ! 俺に逃げろって言うのか?」
「モモタロス!」
俺の言葉に激高し駆けるモモタロスを、中にいる野上さんがたしなめる。
もっとも、モモタロスが怒る気持ちもわかるので、その点は気にしない。そして、彼が怒ったところで状況は悪化するばかりなのだ。
なので、無情に俺はこう伝える、
「現状空にいる奴に到達する手段がない。だが、確実に手段は向こうからやってくる」
「デンライナーの事を言っているのか?」
「そうだ。その為にも電王、そしてギーツのお前ら二人は生き延びなければならない。今殿を引き受けられる駒は俺だけだ」
もともと俺一人でやる気だったのだ。元を正せば俺の敵戦力の見積りが甘かった事が原因であり、俺が責任を取るべき事態だ。
この時代を守る為、二人を逃がすために殿を務めるのは当然の義務であった。
「相談は終わったか! 小童ども!」
聞こえていたのか、空の大将軍が嘲る声を上げる。
まったく、三流め。
「随分と余裕だな、ゴルゴム」
「この戦力差で良く吠える! だが、逃がす気など無い。死ねぇ!」
再び降り注ぐ怪光線と、迫りくるロボット兵士。
俺は電王とギーツを突き飛ばすと、ベルトをフル回転させエネルギーをかき集め右腕に集中させる。
猿真似だが、これも世紀王由来の力だ。
「この程度で俺を殺せると思っているのか! 旧式の老害め!」
青白く輝きだした拳を、迫りくる怪光線に向かい突き刺す。
戦艦から放たれたエネルギーと、俺の拳に宿った光のエネルギーがぶつかり合い拮抗する。
そして、その拮抗を突き破ったのは俺の拳だった。
大将軍の邂逅戦は吹き散らされ、周囲のロボット兵士を薙ぎ払い砕いていく。
それどころか、弾き飛ばされた怪光線は包囲を行っていた怪人部隊にまで飛び火し、あちこちで高みの見物を決め込んでいた怪人の悲鳴が木霊する。
これで確実に隙は出来た。後は電王とギーツが引いてくれれば……。
「口だけでは無かったようだな! だが、二度目はあるまい!」
リボルクラッシュを放ちエネルギーダウンをした俺に対し、老将軍は再度の怪光線を解き放つ。
流石にこれを防ぐ手段は無い。回避も難しい。もう、自身の防御力を信じ、耐えるしかない。
そう考え構える俺の前に立ちふさがる影が二つ。
それは電王と、ギーツであった。
「お前たち! なぜ逃げない!」
目を見開き叫ぶ俺に、電王を構成する二人が怒声を上げる。
「ケツまくって逃げれるわきゃぁ無いだろうが! 超かっこいい俺がよぉ!」
「誠太郎! 君を見捨てる事なんで出来ない!」
デンガッシャーがスパークし、怪光線を全力で抑え込もうと電王が仁王立ちになる。
その電王を助けるために、マグナムシューター40Xから放たれたエネルギーの奔流が怪光線と拮抗する。
「自己犠牲が過ぎる!」
ギーツが俺に対する的外れな評価を下しつつ、歯を食いしばりながら銃器にエネルギーを流し続ける。
二人のライダーの力はすさまじい。だが、それでも、巨大な大将軍の放つエネルギーの奔流はすさまじかった。
二人はじりじりと、大地に後を残しつつ押し込まれていく。
彼らが耐えきれず、エネルギーの中に飲み込まれる。そう思ったその時であった。
俺たちの耳に届いたのは、馬が書ける蹄の奏でる音であった。
鎧を纏った黒い馬が俺の右横を、鎧のような甲殻を持つ虫が俺の左横を通り過ぎる。
何が起きた。そう考えるよりも早く、騎馬から飛び降りた二人がその力を解き放つ。
「はあああああっ!」
赤い鎧と赤い目の戦士が、右足に込めた封印エネルギーを怪光線に突き立てる。
3人目のライダーの力を受け、怪光線が急速に力を失っていく。
そして、最後に飛び込んできたのはごく平凡な鎧姿の男だった。
彼は赤い剣を振り上げ、怪光線の奔流に切り込んでいく。
「唸れサタンサーベル! 邪悪な雷を切り払え!」
気合と共に振り下ろされたその剣は、ついに怪光線を切り裂き霧散させていく。
その光景を呆然と見ているよりなかった俺は、彼らの名前を呆然と呟いた。
「ジョアイさん……。それにクウガ? なんで……」
なぜ市で指揮をする立場のジョアイさんが来る?
いや、それ以前になんでクウガが? 五代さんと小野寺さんは2000年後の未来にいる筈だぞ?
どうしょうも無く呆然とする俺に、ジョアイさんは俺をがしっと俺を抱きしめ怒りの声を上げる。
「誠太郎! 一人で何をやっているんだ! エースと野上さんもこの馬鹿をなぜ止めない」
馬鹿扱いされた。
ではなく、そうではなく、なんでここに来るんだ?
「あんたこそ何故ここに来た! 市は! ナスカさんやマイちゃんはどうした!?」
「助けに来ない訳ないだろう! リクが近くに居たからよかったものの……」
リク?
え、五代さんじゃないの? 小野寺さんでもない?
え、あ、えっ!? もしかして2000年前の先代クウガ!?
いや、まだ存命ならこの時代のクウガ?
「……なるほどな。エースも久しぶりだな」
「リク!? なんで!?」
「偶然だ。買い出しに降りてきたらジョアイが血相を変えていてな」
えっ? エースも知り合いだったの?
俺もついていけない古代事情だが、驚きの声を上げたのは俺だけでは無かった。
その声は、はるか上空から響いて来た。
「ジョアイ! それにクウガまでも!? ゴルゴムの怨敵がこうも揃うとはな!」
「やれやれ。あのデカブツが、あの時のゴルゴムの爺さんかよ」
「10年ぶりぐらいか。いい加減にしてもらいたいものだ」
ジョアイさんは嫌そうな表情を浮かべ、先代クウガは肩をすくめ首を横に振る。彼らの声には、心底嫌そうな雰囲気が籠っていた。
え? 先代クウガってグロンギだけじゃなくてゴルゴムとも戦っていたの?
いや、リントはクウガを生み出した超文明だ。自分たちの文明こそ至上と考え、他を滅ぼし理想郷を作ろうなんて考えているゴルゴムにとってみれば、リントなんて目の上のたん瘤どころじゃない。当然この国で暴れたのなら、リントも攻撃対象であっただろう。
ゴルゴムの剣聖が暴れた時に、リントの国も攻め込んていてもおかしくない。
「かつては撤退せざるを得なかったが、ゴルゴムの理想郷実現の為にまとめて始末してくれる!」
その言葉と共に、大将軍の腹から次々とロボット兵士たちが降下を再開する。
分かっている。先代クウガとジョアイさんの登場でとりあえず窮地を脱したが、それでもピンチなのに変わりはない。
俺たちは完全に包囲されており、天高くに陣取り怪光線を降らせる大将軍に有効な打撃を討つ術もない。
万事休すか?
皆が身構える中、この男だけは違った。
というか、ピンチとかチャンスと考えていなかった。
ただ、勝ち誇っている大将軍が気に食わなかった。それだけでこう言い返したのだ。
「なーに、出来もしねぇ、やる気も無い事を偉そうにほざいているんだ、あの爺さん?」
声を張り上げた訳では無いが、不思議とモモタロスの声は周囲に響く。
その言葉に、不思議と戦場は一瞬だけ静寂が支配する。
だが、その一瞬の後に激高したのは、空を舞う大将軍であった。
「小童、貴様今何と言った?」
怒声を上げた訳では無い。だが、明らかに怒りに震える声に俺たちを包囲するゴルゴムの兵士や改造人間に動揺が走る。
無理もない。あの火力を持つ大将軍が怒り狂えば、敵味方無くこのあたり一帯が吹き飛ばされかねない。
だが、そんな事お構いなしに、モモタロスは、電王はこう返す。
「そう言われてもな、てめえら出来なかったじゃねえか。それに、こんだけ力があるのに、陰でコソコソしてばっかでさぁ……。口先で大きな事を言っているだけで、実際はやる気なんて無いだろう、お前ら」
前半部分は未来の顛末を知る故の言葉ではあるが、後半部分はモモタロスらしい率直な感想だろう。
当代の創世王ですら5万年活動している。闇のテオスのように眠りについている訳でも、バダン大首領のように封印されているわけでもない。
ゴルゴムの構成員は上流階級や著名人にも多く存在し、その気になれば日本をあっさりと占領して見せる力がある。
それなのに、彼らは目的を達成する事無くBLACKの手により壊滅する事となった。
裏表なんて高度な物は無いモモタロスが、彼らを『やる気がない』と評するのももっともな話だ。
そして、その評価はどうやら大将軍の逆鱗に触れてしまった。冷静を装い、怒りに震える声でモモタロスの言葉をこう断言する。
「軍事も作戦も理解せぬ愚か者目」
「軍事? 作戦? だいたいなぁ! てめえら偉そうな事を言いながら、やっている事は村のじっちゃんばっちゃん、ガキどもを虐めて喜んでいるだけじゃねえか! なーにがゴルゴム大将軍だ! ゴルゴムいじめっ子にでも改名しやがれ!」
大将軍と話しながら、モモタロスも頭に血が上ってきたのだろう。
初期のどこかとぼけた率直な言葉から、どんどんと熱の籠った勢いのある言葉に切り替わっていく。
「何たる無知。世界の闇と恐怖を知らぬから言えるのだ! 弱者に阿る貴様に、真なる恐怖と言うものを刻みながら地獄に送ってやろう!」
チンピラ気質のモモタロスの言葉は、大将軍をイラつかせる事は有っても彼に通じる事は無い。
良くも悪くも見ている視線が違う。ただ衝動的な言動としか、大将軍は認識しないだろう。
だが、彼は違った。彼はモモタロスが何を行っているのかを理解し、彼の言葉の続きを紡ぐ。
「知っているよ。世界の闇も、恐怖も……。僕たちは、ずっとそう言うものと戦い続けてきた」
野上良太郎、電王として4人のイマジンを率いて戦い抜いた伝説の仮面ライダーだった人だ。
「そうだな。そんなもん、飽きる位に見てきてるぜ!」
野上さんの言葉に、モモタロスが機嫌よく相槌を打つ。
「分かったような口ぶり……」
「だから、貴方たちゴルゴムは怖くない。本当に怖いのは、怖いという心に負けて、まっすぐ進むことを諦める事だ」
野上さんの口調は決して強くは無い。むしろ弱々しい位だ。それでも、その言葉に秘められた真は誰よりも強く、強固で、しなやかだった。
これが他の誰が言っても、鼻で笑われていただろう。
だが、彼は仮面ライダーだ。世界の闇と恐怖に立ち向かい、平和を勝ち取った伝説の戦士だ。
その言葉を笑える存在など、いやしない。
不思議だ。先ほどまで疲労困憊だった身体に、力が戻ってくるように感じる。
これが、癖の強い4人のイマジンを率いた野上さんという人なのだろう。
そんな電王の周りを、びゅんびゅんとすごいスピードで紫色の光が飛び回る。
まるで踊るように、目で見るだけで喧しくクルクル回る紫の輝きは、戦場だという事を忘れさせる底抜けに明るい声で電王をはやし立てる。
「わーい! わーい! 良太郎かっこいー、ひゅー! ひゅー!」
「えっ!? リュウタロス!?」
驚く野上さんをよそに、新たな輝きが力強く天から落ちてくる。
真っ直ぐに降りてきた黄色い輝きから、野太い男の声が聞こえてくる。
「よう言ったで、良太郎! そや! あんな奴ら、恐ろしくなんてあらへん!」
「クマ公!?」
最後に降りて来た青い輝きは、前二つのような派手な動きはしない。
だが、電王を気遣う様に横に寄り添う。
「良い啖呵だったよ、良太郎。あと、ついでに先輩も」
「カメ公? ってか、ついでって何だとぉ!」
「ウラタロス! という事は」
そう、この土壇場で現れた三つの輝きはウラタロス、キンタロス、リュウタロス。電王を構成する4人のイマジンの残りの3人だ。
そして彼らが来たという事は……。
「な、なんだ!? こいつは!?」
唐突に聞こえてくるのは鉄道がレールの上を走る際に響く走行音。キーンという俺には聞きなれた音が響くと共に、大将軍のさらに上の空間が唐突に押し広げられる。
そこから顔を出したのは、赤いフロントを持つ流線型の車体。時の運行を管理するデンライナーであった。
先端でレールを生成しながら、デンライナーは宙を縦横無尽に走り回り、大将軍の鼻先すら掠めて見せる。
「デンライナー! 皆来てくれたんだ!」
「おっと、僕らだけじゃないよ。今回は豪華ゲストも目白押しだ!」
ウラタロスの言葉は嘘では無かった。
なにせ、時空の裂け目を通って出てきたのはデンライナーだけでは無かったからだ。
次元の裂け目から続いて出てきたのは、銀と赤の二台のエアロバイク型の巨大マシン。実物を見るのは初めてだが、それが何なのか俺はよく知っていた。
俺は仮面の下の目を点にしながら、そのマシンの名前を口にする。
「え? タイムマジーン!? って、常磐さんとゲイツさん!?」
そう、それは仮面ライダージオウが操るタイムマシンであった。
なぜあの人らがここに出てくるの? なして? なんで?
そう驚いている間にも、タイムマジーンは大将軍にありったけのミサイルを叩き込みながら宙を自由に飛び回る。
いや、それだけではない。
その隙に、タイムマジーンから降り立つ4人の人影が俺達を庇うように、並ぶように降り立つ。
それは未来の世界を守り続ける伝説の戦士。その名も仮面ライダー。
「常磐さんにゲイツさん!? それに五代さんに小野寺さん!?」
「久しぶり、アイン、それとモモタロス。あ、誠太郎だっけ?」
「今はそんな事を気にしている場合じゃないだろう」
俺の呼びかけに、マスクに文字が刻まれた銀色のライダー、ジオウがちらりと振り向きながら答え、相変わらず警戒を解いていないゲイツが毒づきながら周囲を警戒する。
再会する事など無いと思っていた相手の登場に、俺は呆然とするより他ない。
「なんで、ここに……」
「なんでって、ユウスケたちに時間の果てに飛ばされたって聞いたから、助けに来たんだよ」
「まったく。ショッカーライダー相手にもの好きな事だ」
「いや、誠太郎は参謀の予定だから」
「ちょっと待て、俺より地位が高くないか?」
いや、まったくゲイツさんの言う通りだ。悪の存在を王様が助けに来るなんて、物好きも良いところだ。
あと、いつの間に参謀になる事が決定しましたか?
一方、この状況を作るために骨を折っただろう五代さんと小野寺さんは、何とも奇妙な出会いを成し遂げていた。
「なっ!? クウガが二人!? 未来から来たというのか!?」
「どういう事だ!?」
そう驚くジョアイさんとギーツだが、驚いているのはこの二人だけであった。
当のクウガたちは何とも呑気なの物だ。
戦場だというのに、そんな事を忘れたかのような軽い挨拶を行っていた。
「あ、初めまして。未来でクウガをやってます」
「未来から来たのか。この時代のクウガだ。そっちは……」
「あっ、異世界のクウガっす」
いや、ほんと軽いな、お前ら。
クウガが三人並ぶという驚くべき光景なのだが、彼らの醸し出す何とも間の抜けた空気は戦場だという事も忘れさせる。
それぐらい、この事態であっても彼らはゆるぎない存在であった。
「いいねぇ、いいねぇ。大集合って奴だ! お前ら、いっちょ俺達もやるぜ!」
「わーい! やろうやろう!」
「せやな、一発ぶちかましてやるとするか!」
「まったく、仕方ないね」
先ほどまでの絶望感が一気に吹き飛んだ。
その事にノリにノッた電王が、モモタロスが景気良く叫ぶ。そんな彼の手には赤い携帯電話が端末、ケータロスが握られていた。
電王がケータロスを操作すると、虹色のレールが伸び電王のベルトに接続される。レールをたどりケータロスが電王ベルトに向かい装甲し、装着される。
次の瞬間、電王のボディアーマーが簡素なものに変わった。だが、変化はそれでは終わらない。
電王の右肩に、青いマスクとオレンジの複眼の仮面が装着される。
電王の左腕のレールを通って、黄色い仮面が彼の左肩に収まった。
電王の胸に紫の仮面が飛び込み、合体する。
そして、最後に電王の赤い複眼が左右に向けて、その奥からグラデーションの入った新たな複眼が出現する。
4人のイマジンが一つの身体を共有する、電王の一番喧しいフォーム。
その名も、仮面ライダー電王クライマックスフォーム。
「まったく、ゴルゴムはこの時代でも随分好き勝手やっていたみたいだね」
情報共有なんて機能があるのか無いのか知らないが、クールを気取るウラタロスにしてはかなり不快そうに言葉を吐き捨てた。
スマートに進む電王が、次の瞬間重厚な動きを見せる。
「せやな。ガツーンと一発やってやらんとあかん」
義侠心に厚いキンタロスだ。弱者を踏みにじるゴルゴムのやり口は、彼の一番嫌悪するところだろう。
不快そうに首を鳴らす電王の動きが、軽快なステップに変わる。
「そうだね。こんな奴ら、やっつけちゃおう!」
子供っぽいリュウタロスだが、それでも野上さんと共にあり成長した。それゆえに、踏みにじる悪を許すわけはない。
軽い動作で進んでいた電王だが、大見えを切った何とも派手な動作へと変わる。
「おう! こいつらをぶちのめすぜ。なんせ俺は最初から最後までクライマックス……」
いつもの決め台詞を言おうとした電王……いや、モモタロスだが、この日ばかりは最後までそれを言う事は無かった。
それは、横で聞いていたギーツがちょっとした茶々を入れたからだ。
「クライマックスだけか?」
ギーツの、エースの言葉を着た電王の中のモモタロスが、なんとなくだがニヤリと笑った。
そんな気がした。
そう、ニヤリと笑ったモモタロスがいつもの決め台詞を少しだけ言い換える。
「そうだったな。俺たちは最初からから最後までクライマックスで!」
モモタロスの言葉をギーツが引き継ぐ。
「ここからは、ハイライトだ!」
そう、クライマックスでハイライトが始まる瞬間であった。
BGMはもちろん『Climax Jump(仮面ライダー電王主題歌)』でお願いします。
Q.2000年前の住民はどうやってゴルゴムを退けたの?
A.①当時から存在するライダーシステム(アギトやクウガ)が頑張った。
②未知のライダーシステムがあってそれが頑張った。
③2000年前の超人が頑張った。
④てつおがタイムスリップして来た。主題歌もそう言っている。
これ全部。