ショッカーライダーに転生して好き勝手に生きる(事など出来ない)お話   作:さざみー

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第22話 episode・FOURZE 借りるだけで盗むつもりは無いので無罪(返すとは言っていない)

 たとえ改造人間といえども、引き千切られた腕を元のように動かすのは難しい。

 たとえ改造人間といえども、もぎ取られた足を再度歩けるようにするのは時間がかかる。

 

 役に立たない俺に、彼女はずっとついていてくれた。

 

 そんな彼女の姿は、もうどこにも無い。俺が眠っている間に出て行ってしまったと山荘の主は言う。

 まるで親鳥を失った雛のようだ。不安と恐怖に苛まれる自分の心をそう分析する。

 

 機械式改造と違い、部品を取り換えるだけとはいかないのがナノマシン式強化だ。切り刻まれた体は、本来ならばもう戦える状態ではなかった。

 だが、地獄の悪鬼と対峙するには相応の力が必要だった。

 

 体を作り替えるのには、相応の努力が必要だった。

 以前より強靭な腕が、以前より強靭な足が、以前より強靭な肉体が必要だった。

 自分の身体を痛めつけ、新たな力を身に着ける必要があった。

 

 俺は彼女を追う事を決めた。

 俺は山荘の主にその旨を告げる。

 彼は大して驚いた様子もなく、それでもどこか疲れた様子で俺の言葉を聞き、そしてこう尋ねる。

 

『どうしても、彼女の下に戻るのか』

 

 助けてもらった事は感謝している。

 短い期間とはいえ鍛えなおしてもらった恩は生涯忘れない。

 だが、彼女が戻った以上は俺も戻らなければならない。

 

『取り戻す……では駄目なのか?』

 

 無理だ。それに、あの子はきっと拒否する。

 

『その感情が彼女によって作られた幻だとしてもか? 今なら君は元の生活に帰る事が出来る』

 

 確かに、帰りたい。あれと二度と会いたくはない。あの地獄になんか行きたくはない。赤く染まる自分の手を見るのはもうたくさんだ。

 でも、俺が彼女を見捨てれば今度こそ彼女は地獄で一人ぼっちになってしまう。

 それはもっと怖い。

 

『難儀だな、君も彼女も』

 

 そんな奇麗な感情ではない。

 単なる先送りだ。俺は怖いものだらけの世界で、彼女を言い訳にして一番楽な選択肢を選んだだけだ。

 俺は貴方たちとは違う。

 俺に蛮勇はあっても勇気は無い。

 

『やはり難儀だよ、君は』

 

 貴方たちの好意に甘えてすまない。

 貴方たちの努力を無碍にしてすまない。

 恩知らずと罵られる事は甘んじて受けよう。

 

 だが、俺は戻ると決めた。

 

 次に会った時は、きっと俺は貴方たちの敵だ。滅ぼされるべき悪魔だ。

 

『そんなに気を張る必要は無い。君が地獄から彼女を助け出し、また共に語れる日が来る事を信じているよ』

 

 違う。俺は彼女を救いに行くのではない。

 一緒に堕ちに行くだけだ。貴方たちの様にはなれない。

 

『君は、誰かを助けられる。そういう人間だ』

 

 買い被りだ。俺に勇気は無い。

 否定の言葉を吐く俺に、その男はどこまでも優しく微笑み旅立ちを見送った。

 そして、俺は自分の意思で再び地獄の悪鬼となった。

 

 

 

 

 最悪と言って良い目覚めだ。

 恥ずべき過去が記憶の彼方よりにじみ出る。

 

 まったくもって、情けない。

 最新最高の肉体を与えられておきながら、大幹部とはいえ旧式に後れを取りこの体たらくだ。

 栄光あるショッカーの戦士として、唾棄すべき惰弱な精神としか言いようがない。

 

「まぁ、良い。好きにさせてもらおう」

 

 幸い意識を失っていた間にナノマシンによる修復は機能していたようで、行動に支障はない。 

 瓦礫をどかしながら、センサーの感知範囲を最大限に広げる。

 爆薬の量が足りなかったのか、それとも岩盤が強固だったのか、地下基地は完全に崩壊したわけではないようだ。とはいえ、脱出可能なルートが一つも無い。

 

「天井は……。こちらは諦めた方がよさそうだ」

 

 地表まで直接ぶち抜いた穴は完全に崩れ塞がっている。掘れない事は無いだろうが、効率が良いとは言い難い。

 地道に入り口までの岩石を破壊しながら進むしかなさそうだ。

 

 基地の内部は散々な様子だ。

 壁や天井は崩れ落ち、通路のほとんどは岩で押しつぶされ塞がっている。

 逃げ遅れたのか俺が倒したわけではないアリコマンドが岩に押し潰されていたが、雑兵の扱いなどどこも似たようなものだ。

 特に意識を割くことも無く、無言で出口に向かって進む。

 

 爆破され崩れた基地には多少難儀させられたものの、特に障害らしい障害も無く偽装された出入口にたどり着く。

 京都郊外の山奥の地下道。その壁に偽装した扉を内側から蹴り開ける。

 

「やれやれ。無駄な時間を使ったな」

 

 大首領直々に下された任務だ。必ず果たさなければならない。

 連中の行先は京都市街にある宇宙京都大学と歌星賢吾の身柄であろう。この二つ以外に大部隊を動かしてまで得る価値のある存在など京都には無い。

 ネオショッカーを追うべく地下道を進む俺の耳に、バイクらしきエンジン音が届く。

 

 これは……好都合か?

 

 サイクロンヘルは歌星賢吾を見張らせている。その為今の俺には足が無い。

 ここで俺にあったのが運の尽きだ。誰だか知らないが、その命とバイクをいただくとするか。

 

 そう思い音がする方向に進んでいく。

 

「見つけた! 探したぜ、アイン!」

 

 出会ったのは意外な顔であった。如月弦太朗……元仮面ライダーフォーゼ。俺を追ってきたのか?

 そしてもう一人青年は……沖一也!? 仮面ライダースーパー1が何故ここに?

 いや、ネオショッカーを追って来日したのか……。それなりに米国の宇宙産業において重鎮であるだろうに、なんともフットワークの軽い事だ。

 

「一人でネオショッカーの基地に行くなんて言うから心配したぜ!」

 

 一度助けたからだろう、間抜け面をさらし近づいてくる如月弦太朗。ターゲットではないが、これはチャンスだろう。

 俺は無言のまま如月弦太朗の首に向けて手刀を一閃する。

 

 だが……。

 

「何のつもりだ?」

「えっ? ええっ?」

 

 俺の手刀は腕を十字に構えた沖一也の割り込みにより受け止められる。

 ま、スーパー1がいるならばこんなものだろう。この程度の奇襲が通じたら興覚めだ。

 俺は後方に飛び距離を取る。

 

「任務では無いがな……。我がショッカーの怨敵、仮面ライダーが二人もいるのだ。見す見す見逃す俺ではない」

「アイン、お前!?」

「アインではない。俺の名はアインロールド。偉大なるショッカーの戦士だ」

 

 変身前の俺は甘い。奴は偶然出会った如月弦太朗の存在を見逃し、塵芥の壁となり魔神提督の攻撃を一身で受けるなど……ショッカーの戦士としての自覚に乏しい。あの旧式が半端者と罵るのも道理だ。

 人間の善性などといったものに未だに縋る惰弱者。あの小娘も早々に人格など消せば良いものを放置している。

 

 奴はこの身に秘めた性能を生かしきれていない。でなければ、魔神提督程度の旧式に後れを取ろうものか。

 

「変身しろ、スーパー1。変身前の貴様を殺したところで、何の錆落としにもならん」

 

 ゆえに、俺が俺を教育してやろう。

 自分が自分に、もはやこの身の運命はショッカーの道具であると理解させなければならぬ。

 その為には、ドグマ王国やジンドグマを壊滅させたスーパー1はちょうど良い生贄だ。如月弦太朗の躯を見れば、奴も自覚を持とう。

 

 俺の挑発に、沖一也が構えを取る。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ! 一也先輩!」

「下がっていてくれ、弦太朗君。彼の殺気は本物だ」

 

 振りかぶられる腕。梅花を思わせる構え。

 

「変身!」

 

 奴の姿が光と共に変わる。

 銀の胸、銀の腕。スズメバチを模した赤い複眼の銀の仮面……。

 惑星開発用改造人間にして伝説の10人の9番目の男。その名も仮面ライダースーパー1。

 

「変身したか、スーパー1。その薄汚い命、ショッカーに捧げてもらおう」

 

 俺の言葉が合図だった。

 俺とスーパー1。二人が同時に地を駆ける。

 

 先手を取ったのは俺だ態勢を低くした俺は一気に距離を詰めると下から打ち上げる右の拳を振るう。

 とはいえ相手は歴戦の戦士にして拳法の達人。容易に俺の動きを読むと、カウンター気味に膝蹴りを繰り出す。

 もっとも、その動きも俺にとっては見てからでも十分に対処できる動きだ。奴の膝を左の手の平で抑え、それを起点にジャンプ。宙返りをしながら奴の後頭部に膝を叩き込む。

 

 もっとも、不安定な姿勢での攻撃は当然対処された。奴は身体を前に傾けると打撃を受け流し、更には振り向く事すらせずに裏拳をこちらに当ててくる。

 不完全な打撃と言えども空中では完全に回避することなど出来ない。

 拳は頬に当たり、俺は着地に若干の修正を余儀なくされる。

 

「はああっ!」

 

 追撃とばかりに、スーパー1が飛び込み、蹴りを放つ。

 もっとも、体勢を崩したわけではない。

 

「この程度で!」

 

 その蹴りを腕で受け流すと、お返しとばかりにパンチを放つ。

 だが、俺の攻撃も奴の掌に受け流される。

 

 さすがは忌わしき10人の男、戦い慣れている。

 

 俺のパワーもプラスした跳躍でスーパー1は後方に下がった。

 

「チェンジ・エレキハンド! 弦太朗の恩人と言えども暴れるというのなら!」

 

 そのわずかな距離を利用し、スーパー1はお得意の腕の換装を行う。

 新たに出現したブルーの腕から、強烈な電撃が放たれる。電撃は網の目のように空間を囲み、逃げ道を塞ぐように俺を雷が包囲する。

 だが!

 

「ショッカーと仮面ライダー。出会えばやる事など決まっているだろう!」

 

 地面に転がっていた瓦礫を蹴りつける。

 瓦礫は雷撃に飲まれ砕けながらまっすぐにスーパー1に向かい飛ぶ。

 瓦礫程度が当たっても、精々体勢を崩すのが出来の山であろう。だが、砕けた瓦礫の粉塵が雷撃に対するスクリーンとなり、スーパー1に向かう一本の道を作り出す。

 

「死ねぇ、スーパー1! ライダーチョップ!」

 

 スーパー1に肉薄。必殺の手刀を振るう。

 奴の首に向けて振るわれたそれは、いつの間にか換装した銀の腕により阻まれる。

 まるで包み込まれるかのように、奴の腕に俺の手刀が飲み込まれ

 これは!

 

 2つの打撃音が周囲に響き、空気を振るわせる。

 

 スーパー1の両手の掌底が俺の胴をえぐり、俺の蹴りも奴の胴を打ったのだ。

 

「それが噂に名高い、赤心少林拳梅花の型か」

「梅花の型を、更に返したか」

 

 まともに掌底を食らうならばと、奴自身を足場にして後方に飛んだに過ぎない。

 ダメージなど無いに等しいだろう。こちらのダメージも十分許容範囲内に収まったが。

 

 仕切り直しとばかりの取られた距離。互いに位置を横にずらしながら相手の出方を窺う。

 

「やめろおおおおおお、アイン!」

 

 緊張が高まる中、乱入してきたのは如月弦太朗だ。

 黄色い巨大な腕が後方から俺の身体を拘束する。

 

「これは……パワーダイザーか?」

 

 宇宙開拓用に開発された、可変型パワードワーカーか。確かにそのパワーは並のライダーや怪人程度なら抑え込めるであろう。

 だが……。

 

「この程度のパワーで俺を抑え込めると思うな!」

 

 力を籠め、強引にパワーダイザーの腕を引きはがす。

 そのまま両腕を軸に回転、パワーダイザーの正面装甲をけり破る。

 

 蹴りにより引き裂かれた装甲の下より、必死の形相で鋼の巨人を操縦する如月弦太朗の姿を現す。

 丁度いい。

 

「終わりだ、仮面ライダーフォーゼ……。いや、如月弦太朗。ライダーパンチ!」

 

 赤いエネルギーを纏った右の拳をパワーダイザーの中に突き入れる。

 ライダーならまだしも、生身の人間に俺の拳がめり込めば奴の五体は豆腐を砕くより容易に砕け散るだろう。

 仮面ライダーフォーゼはこの世から完全に消える。 

 

 

 それは……許してはいけない。

 

 

「うおおおおおおお!」

 

 右の拳がパワーダイザーの装甲に突き立てられる直前、俺の左の拳が右の拳を打ち抜く。

 

「がああっ!」

 

 激しい痛みに悲鳴が漏れる。行き場を失ったエネルギーが神経を焼き筋組織を砕く。

 

「アインロールド!?」

「アイン!?」

 

 ナノマシンによる修復機能があるとて、苦痛まで消せるわけではない。

 だが、ギリギリ間に合った。

 

「何故ここに来たんだ……如月さん」

「正気に戻ったのか、アイン!」

「何故ここに来たって言っているんだ! 命が危なかったんだぞ!」

 

 地下通路に俺の怒声が響く。

 危なかった。今までも何度か暴走はしていたが、今回は今まで以上に危険な状態であった。

 元々暴走時の俺は好戦的であり、血を好む危険な存在だ。だが、まるで普段の自分を別人のように考え、見せつけるように殺戮を行おうとするなど初めてだ。

 

 一通り叫び、少しだけ落ち着く。

 

「俺はショッカーライダーだ。仮面ライダーではない」

 

 地獄の悪鬼。世を乱すもの。世界征服の先兵。

 それが俺だ。

 ショッカーを知っている元仮面ライダーの彼なら、俺がどんな存在かは言わずともわかるだろう。

 

「あの時助けたのは気まぐれにすぎない。拾った命を大切にするがいい。スーパー1……、興が醒めた」

 

 無言で様子を見守るスーパー1にすら背を向ける。

 そんな俺に壊れたパワーダイザーから抜け出した如月さんはあっけらかんとこう言い放つ。

 

「だったら、俺はショッカーライダーとも友達になる男だ。そしてお前は、俺のショッカーライダーの友達一号だ、アイン!」

 

 ドンと自らの胸を拳で叩き、俺に向かって真っすぐ突き出す。

 そのしぐさに躊躇いも後悔も無い。ただ真っ直ぐに、俺に視線を向ける。その姿は闇の住民である俺には、あまりにも眩しい。

 

「貴様、俺をなめているのか」

 

 だから、俺はその眩しさを否定する。冗談でも言って良い台詞ではない。

 片腕で彼の首を絞めあげ、吊り上げる。嫌な感触が掌から伝わる。

 

「ショッカーライダーと友達だと……」

 

 殺気を込める。

 如月弦太朗がこういう人物だと、知識としては知っていた。確かに、彼らしい行動だろう。

 だから……、俺はあえて悪鬼の顔を見せる。幾多の怪人やライダーもどきを縊り殺してきた拳を彼に向ける。

 彼は変身能力など無くとも、正しく仮面ライダーだ。人類の希望の守護者なのだ。

 

「に、似合わないぜ……アイン」

 

 息苦しさに顔を歪めながらも、如月さんは言葉を続ける。

 

「さっきの……、喋り方が、お前の……地だろう。似合わないぜ……、そんな喋り方」

「貴様!」

 

 感情に任せ、如月さんの身体を投げ捨てる。

 ライダーのパワーで強かに地面に打ち付けられた如月さんだが、それでも彼は立ち上がる。

 

「貴様に何がわかる!」

「分かるわけがないだろう。お前とは昨晩出会ったばかりだ」

「なら!」

 

 激昂の演技が、次第に本物の激昂へと変わっていく。

 知ってはいた。だが、実際に知ってしまった如月弦太朗という人間は、あまりにも眩しすぎる。

 

「たった一人と言って戦いに行く奴を、俺は放っておく事なんて出来ねえ」

 

 えっ?

 

「分からないからダチになるんだ。お前を一人にしちゃいけねえ。そう思ったからここに来た」

 

 それは……。

 

「俺はお前のダチだからな!」

「俺は……あなたの友にはなれない。俺はショッカーなんだ……」

 

 所属しているから……だけではない。

 

 俺はショッカーの理念を、人類守護の大義を理解してしまっている。

 

 世界征服などと世迷い事ではあるとは思っている。だが、この極めて危険な世界で生き残る為の代案を持たない。

 一時の激情に身を任せる事はあっても、それ以上でもそれ以下でもない。

 

「良いじゃねえか、ショッカーでも。誰かとダチである事に不都合があるわけじゃねえ」

「あんたは……」

 

 彼が多くの生徒に慕われる理由がよくわかる。ショッカーを知らないわけじゃないだろうに、よくここまで気負いもなく言い切れるものだ。

 まったくもって、自分が馬鹿らしくなる。

 

「なあ、アイン。お前は本当は……何をやりたいんだ?」

 

 俺がやりたい事……。やりたかった事……。

 僅かな邂逅にもかかわらず、真剣に語り掛ける彼に俺はどう応えるべきか。

 

 俺がその答えを出すよりも早く世界が動く。時計の針は止まってくれない。

 

 壊れたパワーダイザーの内部から、けたたましい声が響く。

 積み込まれた通信機が、緊急連絡を伝える。

 

『弦太朗。聞こえるか、弦太朗?』

 

 この声は、歌星賢吾さんか?

 あっ、くそう、そういう事か!?

 

「賢吾か!? どうした!」

『つながったか。ネオショッカーが大学に……、いや、京都に侵攻を開始した!』

 

 通信機から歌星さんの緊迫した声が響く。

 さらに耳をすませば、背後から誰かが争っている、そんな音が聞こえてくる。

 

 やっぱり! ネオショッカーのやつら、もう事を起こしているじゃねえか!

 あー、くそう。暴走モードの俺、あの腐れ戦闘狂、相変わらずやる事なす事の順序を間違っている!

 いい加減にしろよな……。まったく。 

 

 俺は拳を握ると、今度は自分の頭を思いっきり殴りつける。

 地下道に大きな音が突然響く。

 

 おっし、気合が入った。

 

 如月さんだけでなくス-パー1までこちらをまじまじと見る。

 

『そっちは何が!?』

 

 通信機越しにも打撃音が聞こえたのか、歌星さんが驚きの声を上げる。

 

「おい、歌星さん。あんたが今いる場所は、宇宙京都大学か?」

『そうだが、君は誰だ? いや、弦太朗が言っていたアインくんか!?』

 

 場所だけ確認できればそれでいい。

 久々の敗北でナーバスになってた。色々と考えるのは後で良い、今はやるべきことをやらないと。

 

「如月さん、あんたのバイク貸してくれ!」

 

 通路の端に転がっているバイクを目ざとく見つけた俺は、持ち主だろう如月さんに声をかける。

 おそらくはパワーダイザーに連結してここまでやってきたのだろう。

 

 一方、突然喧嘩を売られた挙句置いてきぼりを食らったはずのスーパー1が笑い声を上げた。

 

「いやいや、弦太朗君の友人なだけはあるな、君は」

 

 先ほどまで殺し合いをしていたショッカーライダーを相手にしているとは思えないほど、気さくに声をかけてくる。

 神経が太いというかなんというか、本物の仮面ライダーを相手にしているとなんとも調子が狂う。

 

「そんな上等なもんじゃない。迷惑をかけてすまなかったな、スーパー1」

 

 状況が変われば再び殺しあわなければならない相手に素直に謝るのもしゃくなので、かなり無礼な返し方をする。

 まぁ、余裕なのだろう、まだ笑っているが……。 

 

 スーパー1はもういい。俺は有無を言わさず弦太朗のバイクを奪おうとするが、そうさせまいと如月さんが後ろに飛びついてきた。

 横を見れば、スーパー1もいつの間にか呼び寄せていた専用マシンに跨っていた。

 

「おい、まてアイン! 勝手に乗るんじゃない!」

「俺のバイクは此処に無いんだからいいじゃないですか」

 

 かくして俺はいろいろな悩みぶん投げて、ネオショッカーの企てを阻止するべく一路宇宙京都大学へ向かうのだった。




いつもの地下道は、ライダー世界のどこにでもありまーす!(強弁
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