ショッカーライダーに転生して好き勝手に生きる(事など出来ない)お話   作:さざみー

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すいません、東映特撮ファンクラブで確認しながらなので更新が遅れています。
東映が面白いから遅れているわけじゃないんだからね!(ダイマ)



第24話 episode・FOURZE 閑話・京・都・激・突

 ネオショッカーの一群へ真っ先に殴りこんできたのは、アインロールドであった。

 

 

「如月さん、運転変わって!」

「お、おいっ! いきなり何を言っているんだ!? うわっ!?」

 

 マシンマッシグラーのウインドシールドに手を乗せたかと思うとスルリと抜け出し弦太朗にハンドルを握らせ、バク転のような動きで弦太朗と自分の乗車位置を入れ替えてしまう。

 横で並走していたスーパー1ですら一瞬では何をしたのか理解できない、何とも器用な動作だ。そして、そんな突然の事態に対応できる弦太朗の運動神経や反射神経も常人離れしている。

 

「バイクありがとうございました。んじゃ……」

「ありがとうございますじゃねえ!」

 

 弦太朗の抗議を無視し、アインロールドはバイクから長距離を一気に跳躍すると、自分たちの前方にいたサイ型怪人の前に降り立つ。

 魔神提督へのリベンジなど後回しにしてこの包囲網を崩さなければ、弦太朗や賢吾の安全は確保できないと考えたのだ。

 

「き、貴様は!? 仮面ライダー!?」

「黙ってろ、節穴! ライダーパアアアアアアンチ!」

 

 赤く輝く拳が怪人の胴体に突き刺さる。重量級の甲冑に身を守られていたはずの怪人がアリコマンドたちを巻き込みながらはるか後方に吹き飛ばされる。

 だが、彼の飛び込んだ場所はネオショッカーの包囲網でもひと際分厚いところ。

 すぐさまアリコマンドたちが武器を手にアインロールドに襲い掛かる。

 

「ヒャイーッ!」

 

 アインロールドは臆するどころか前に出ると、振り下ろされた腕をそのまま掴むと、相手の勢いを利用しアリコマンドたちを投げ飛ばす。

 投げ飛ばす角度を調整されたアリコマンドは複数の仲間を巻き込み態勢を崩す。

 

「ライダァァァァチョォォォォォォップ!」

 

 さらに追撃とばかりに体勢を崩した複数のアリコマンドを巻き込んだ手刀を叩き込み沈黙させると、今度は動きを止める事なく先ほど殴り飛ばした怪人に向かう。

 アインロールドの猛攻に、ネオショッカーの包囲網は見る見るうちに崩されていった。

 

 

 

 アインロールドが開けたネオショッカーの包囲網。そこを抜けて弦太朗は賢吾たちと合流する。

 

「悪い、遅れたな賢吾、流星!」

「いや、挟み撃ちに出来る丁度いいタイミングだ。連中に捕まっていた人は、風田が安全な所に避難させている」

「そうか」

 

 今は東京の大学に通っている自分の元を巣立っていった生徒の活躍を聞き、こんな状況ではあったが弦太朗は顔を綻ばせる。

 かつては持って生まれた力ゆえに孤独感と悲しみで暴走していた彼が、そのトラウマを乗り越え誰かのためにその力を使えるようになったと聞くのは何度聞いても嬉しいものだ。

 

「彼がお前が言っていた仮面ライダーアインか?」

「ああ、俺の新しいダチだ」

「そうか、大したものだ……。朔田、行けるか?」

「大丈夫だ、十分休ませてもらった」

 

 そう言うとメテオは自らのベルトのスロットに、円盤状のパーツが目立つ大型のアストロスイッチ……メテオストームスイッチを挿入する。

 

【Meteor Storm! Meteor On Ready?】

 

 スイッチの円盤が高速で回転し、激しいコズミックエナジーの渦が生まれる。

 その渦の中で、メテオは進化を遂げる。

 

 ヘルメットは青から金色に、袈裟懸けの肩当は両肩に、そして金色に、そして暗かった星空を思わせるスーツの下地は夜明けを思わせる青く輝く色に……。

 

 その名も仮面ライダーメテオストーム。メテオが紡いだ絆の結晶。進化したメテオである。

 

「いくぞ!」

 

 専用武器である青い棍、メテオストームシャフトを引き抜くとネオショッカーの一団に殴りこむ。

 

「ホォアタアアアアアアアアア!」

 

 怪鳥音と共に矢継ぎ早に振るわれるメテオストームシャフトは、一振りごとにアリコマンドを複数を殴り飛ばし沈黙させていく。

 その姿はさながら暴風のようだ。

 

 そんなメテオの攻撃を掻い潜りアリコマンドが賢吾と弦太朗に迫りくる。

 だが、それは賢吾の背後に控えていた自動車の窓から唐突に突き出された銃口の餌食となっただけであった。

 轟音と共に放たれた散弾が、アリコマンドたちを吹き飛ばす。

 

「まったく、背後がお留守なんだから……」

「よっ、久しぶり」

 

 かつての事件で知り合い、いまは流星の相棒として活躍するインガ・ブリンクに、弦太朗が気軽に挨拶をする。

 

「久しぶり。相変わらず無茶をしていたみたいね」

「ダチが困ってたからな」

 

 そう軽く会話をしながらも、メテオの守りを抜けてくるアリコマンドに銃で牽制を続ける。

 稀にそれすらも突破してくるものもいたが、弦太朗や賢吾も伊達に仮面ライダー部をやっていたわけではない。

 アリコマンド一体ぐらいなら、戦えるだけの体術は心得ていた。

 

 

「えーい、そいつは俺がやる!」

 

 一方、メテオの暴れっぷりにネオショッカーも手をこまねいているばかりではない。アリコマンドの群れをかき分け、片腕がハサミとなったをカニ型の怪人が姿を現す。

 蟹怪人は大きく息を吸い込むと、その口から泡を吹きかける。

 

「これはっ!?」

 

 メテオは咄嗟に戦っていたアリコマンドを盾に泡を避け、その場から離れる。

 泡まみれになったアリコマンドはその身をドロドロに溶かしながら爆散する。

 

「ええい! そいつを抑え込め!」

 

 カニ怪人の号令で、アリコマンドがメテオを包囲する。

 武器を手に持ち遠巻きに包囲をするアリコマンドの群れを突破するのは容易ではない……そう思われた。

 

「その程度で俺を止められると思うな! くらえ!」

 

 だが、包囲が完成する前にメテオの行動は完成していた。

 いつの間にかスイッチのセットされていたメテオストームシャフトを地に接すると、必殺のギミックを発動させる。

 

【OK!】

「メテオストームパニッシャー!」

 

 射出されるコマ状のユニット、ストームトッパーが高速で回転をしながら周囲を旋回する。

 小さなコマにも見えるそれは速度を上げ地面から飛び立つと、鋭利な刃物となって周囲のアリコマンドに襲い掛かる!

 

「ぎゃあっ!」

「わぎゃあっ!」

 

 メテオを包囲しようと固まっていたのだからたまらない。次々と切り裂かれ、アリコマンドたちが倒れ伏す。

 

「な、なにっ!?」

「ホワッタアアアアッ!」

 

 その惨劇に思わず驚きの叫びを上げ狼狽える蟹怪人に、飛び込んできたメテオのキックが突き刺さる。

 蟹怪人の悲劇はそれだけでは終わらない。

 蹴り飛ばされた先には、先ほど放たれたストームトッパーが待ち構えていた。

 

「ギャアアアアアアア!」

 

 蹴り飛ばされた蟹怪人はそれを避ける事も出来ず甲高い音とともに、強固なはずの甲羅が引き裂かれていく。

 そしてついに蟹怪人は悲鳴を上げながら真っ二つになり爆散した。

 

 

 

「頼もしい後輩たちだ」

 

 メテオとアインロールドの暴れっぷりを見ながら、拳法の達人であるスーパー1はふと疑問に思う。

 

 アイン……、彼は一体どこであの戦い方を学んだ?

 

 暴走状態の彼の戦い方はスペック頼りで敗北を考えない、まさしくショッカー怪人の戦い方であった。

 だが正気の戦い方は、まさしく仮面ライダーの戦い方。それも最近の若いライダーではない、単騎で多数と戦う事が多かった自分たちに近い戦い方だ。

 しかも彼の動きは洗練されており、人が一人で編み出せるものではない。誰か仮面ライダーの元で戦い方を学んだのだろう。

 

 だが、仮面ライダーの元にいただろう彼が、なぜショッカーライダーを名乗っている?

 

 疑問は尽きない。だが、それを確認する時ではなかった。

 彼が包囲網を崩す事に専念するなら、自分は大将首を狙いこの一団を崩壊させることが役目だろう。

 

「後輩には負けていられないな!」

 

 スーパー1はアクセルを全開に吹かすと、ネオショッカーの一群にそのまま突っ込んでいく。

 人機一体となり高速で駆け抜けるスーパー1の前に、アリコマンドたちは次々に跳ね飛ばされ動かなくなる。

 

「トゥゥゥゥゥゥッ!」

 

 駆け抜けると同時に、スーパー1はバイクから跳躍、中央に陣取る魔神提督に対峙する

 

「貴様がスカイライダーと並び立つと謳われた、スーパー1か!」

「ネオショッカー大首領復活の野望は此処で阻止する! 勝負だ、魔神提督!」

 

 自身が改造手術を受ける前の出来事ゆえに、直接相対した事は無い。

 とはいえ、ネオショッカー大首領の強大さは聞き及んでいる。復活は絶対に阻止をしなければならない。

 

「ほざけ! 半端者と若造がいたところで……。ここで貴様らを皆殺しにし、大首領復活の生贄としてくれるわ!」

 

 その言葉を切っ掛けに、スーパー1と魔神提督の双方が前にと踏み込む。

 魔神提督が剣を振るおうと振りかぶるものの、スーパー1の動きはそれよりも早い。

 振りかぶられた腕を抑え込むと、剣を手放させようと腕をひねり上げる。

 だが関節が決まる刹那の瞬間、魔神提督は強引に肉体を回転させ、スーパー1を弾き飛ばした。

 

 たまらず転がるスーパー1に、魔神提督が剣を振り下ろす。

 だが、赤心少林拳の達人は伊達ではない。剣の軌道を瞬時に見切ると、両足で剣を白羽取りにする。

 

「なにっ!」

 

 魔神提督が驚愕する間もなく、スーパー1は全身のバネで跳ね上がり、倒立の姿勢のまま体を回転させると剣ごと魔神提督の身を大きく弾き飛ばす。

 

「逃がすか!」

 

 更には起き上がった勢いを乗せ、スーパー1は前方に跳躍した。

 一方の魔神提督も瞬時に体勢を立て直すと大地を蹴る。

 

 一瞬の交錯。競り勝ったのはスーパー1だ。

 魔神提督の突きを掌で受け流すと、すれ違いざまに膝蹴りを繰り出す。

 

「ぐおっ!」

 

 流石の魔神提督も苦悶の表情をみせ体勢を崩す。

 すぐさま反転したスーパー1が振り返り攻撃に転じようとする。だが……。

 

「これでもくらえ!」

 

 魔神提督の右の指先から無数のミサイルが飛び出す。

 

「その程度! チェーンジ、エレキハンド!」

 

 だが、スーパー1も負けてはいない。青い腕のエレキハンドに腕を換装すると、ミサイルに向かい電撃を放つ。

 放たれたミサイルが電撃の網に絡めとられ、次々に空中で爆発する。

 その爆炎の中にスーパー1は飛び込む。

 

「くらえ! 旋風スーパーキイイイイック!」

「ぐおおおっ!」

 

 炎を切り裂く銀の蹴りが魔神提督の胸に突き刺さる。

 大きく後方に吹き飛ぶ魔神提督だが、彼とて伊達や酔狂でネオショッカーの大幹部を務めてはいない。

 剣に込めた力を解放する。

 

「こ、この程度の技で! この魔神提督をなめるなぁぁぁぁぁぁ!」

 

 解き放たれた雷が荒れ狂い周囲を破壊しながら、スーパー1に直撃する。

 

「うわっ!」

「くくくくくっ、弾けろ!」

 

 腕を組み防御の姿勢を取るスーパー1に、魔神提督はさらに力を籠める。

 雷は倒れていた怪人やアリコマンドを巻き込み破壊するほどの雷が周囲を眩しく照らす。

 最後に大きな爆発が起こり、スーパー1の姿が煙の向こうに消える。

 

「スーパー1、討ち取ったぞ!」

 

 勝ち誇る魔神提督だが、その顔は次の瞬間驚愕へと変わる。

 

「はああっ!」

 

 無傷のスーパー1が炎の向こうより出現すると魔神提督の腕を強かに打ち付け、さらには膝蹴りで剣を弾き飛ばすとその剣を空中でキャッチ。

 一気呵成に剣を振り下ろし魔神提督の左腕を切り飛ばす。

 

「ぐおあああああっ! 貴様、あの雷を……」

「お前の電撃攻撃は、俺のエネルギーとして吸収した!」

 

 奪った剣を隙無く構えるスーパー1の発言に、さしもの魔神提督も驚きの表情を浮かべた。

 

「ば、ばかな!?」

 

 切り落とされた肩を無事な腕で抑え後退しながら、魔神提督が驚愕と怨嗟の声を上げる。

 

「ここまで儂に屈辱を与えたのは、スカイライダー以来よ……」

 

 奪った剣を構え油断なく構えるスーパー1に魔神提督は周囲を盗み見る。

 連れてきた部下の数はもう僅かだ。この調子では京都市街を襲撃していた連中もここにたどり着けるのはわずかであろう。

 

 もはやこうなっては……覚悟を決めるしかない。

 

「観念しろ、魔神提督!」

「観念!? 観念するのは貴様らだ、仮面ライダーども!」

 

 そう叫ぶと、魔神提督は懐より漆黒に赤い目を思わせる意匠の施されたスイッチを取り出す。

 

「そ、それは!?」

「これぞ、我らが大首領を復活させるネオショッカースイッチよ! 本来なら歌星賢吾によりコズミックエナジーを充填させ、生贄に押させるつもりだったが……」

 

 そこまで言い切ると、魔神提督は周囲を見渡す。

 そこには倒れたアリコマンドや爆散した怪人の残骸が転がっていた。

 魔神提督はネオショッカースイッチを天に掲げると高らかに宣言する。

 

「貴様ら仮面ライダーに殺されたネオショッカー怪人の怨念、そして邪悪なエネルギー、そして儂の身でこのスイッチを起動させてくれるわ!」

「そんなもの押させるかっ!」

 

 そんな物を押されネオショッカー大首領復活などを許すわけにはいかない。

 阻止するべく駆け出すスーパー1だが、それを阻止するべくアリコマンドと怪人が間に割り込んでくる。

 

「そこで見ておれ、スーパー1!」

 

 魔神提督の指がスイッチに掛かる。

 

「させん!」

 

 怪人と戦闘員の隙をついて、スーパー1が剣を投擲する。

 

「うおっ!?」

 

 投擲された剣は狙いを過たず、魔神提督の手からスイッチを弾き飛ばす。

 

「そいつを押させたらダメだ!」

「わかった!」

 

 真っ先に駆けだしたのはアインロールドだった。

 高速で駆け出すと落ちたスイッチを拾い上げようとし……。

 

「させん!」

 

 だが、魔神提督の右手のミサイルが火を噴き、アインロールドの身を焼く。

 流石のアインロールドも足を止めミサイルの爆発から身を守る。

 

「くっ!」

「スイッチは貰ったぁ!」

 

 アインロールドが足を止めたのを確認した粘液状の怪人が、その身を分裂させながらスイッチにとびかかる。

 

「フォワタアアアアアアアッ!」

 

 だが、複数に分裂して力を弱めた怪人に対して、メテオのメテオストームシャフトが炸裂する。

 円を描くように振るわれたシャフトが次々と怪人の分裂体を打ち抜き、最後に繰り出した突きが本体を貫き粉々に砕く。

 

「ね、ネオショッカーに栄光あれぇ!」

「なにっ!?」

 

 だが、粘液状の怪人の意地は通っていた。

 怪人が爆発した際の爆風に煽られ、スイッチは転がっていく。

 スイッチが転がる先にあったのは、切り落とされたはずの魔神提督の腕。

 

「あれは!? そうか、しまった!!」

 

 この場でアインロールドのみが、魔神提督の位置を察知する。

 奴の腕は本体とは別に動く。あの腕をひそかに動かし、スイッチが転がった方向に先回りをさせていたのだ。

 

「ご苦労だったな! 今こそ我らが大首領復活の時よ!」

 

 カチリ

 

 戦いの喧騒が満ち溢れる空間に、スイッチを押した音だけが妙に澄んだ音を響かせる。

 だが、それは祝福されるべき音ではない。

 

 スイッチを押した左腕から光を食いつくす闇が噴き出す。

 周囲の空間が歪み、ライダーたちですら身を守らねばならぬほどの暴風が周囲に吹き荒れる。

 噴き出した闇が天をつかんばかりに巨大に膨れ上がり、巨大な足が大地を砕きながら生み出される。

 巨大な腕が闇を切り裂き出現する。

 巨大な顎が闇を食らいながら姿を現す。

 そして、赤い瞳が開き、周囲を睨みつける。

 

 そう、そこには巨大な暗黒の竜が出現していた。

 

 

「GYAAAAAAAAAA!」

 

 

 京都市街に木霊する、巨大な獣の叫び声。

 京都の地に、最悪の魔獣が復活した瞬間であった。

 




唐突に出てくる怨念と邪悪なエネルギーは昭和味。

なお、スーパー1のプラズマエネルギー吸収は原作でもやってます。
……なにこれ(絶句
 

次回の任務……もといバカンスは

  • 海だ!
  • 山だ!
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