ショッカーライダーに転生して好き勝手に生きる(事など出来ない)お話 作:さざみー
赤いマスクと緑の複眼が、燃え盛る炎の明かりを反射して静かに輝く。
デストロンに家族を無残に殺され自身も瀕死の重傷を負わされたのにも拘らず、復讐では無く人類の自由と平和の為に戦い抜いた真の仮面ライダー。
誕生から長い年月を戦い抜いた歴戦の勇者。
それが俺たちの目の前に突如現れた風見志郎、仮面ライダーV3だ。
なぜ、ここにV3が?
いや、どこでこの船の事を嗅ぎつけた?
情報漏洩には相当気を使った。
奴隷の使用を禁じたのは何も効率面だけではない。一般社会から人を攫うと、消えた人間への調査から仮面ライダーたちがこの船の存在に気が付く恐れがある。
それを避けるために文明社会とは距離を取って建造させたのだ。
もっとも、この不審船の件も含め、いずこかの組織の上層部から情報が洩れている。故意に仮面ライダーに流したのか、偶然漏れたのか……。
いや、追跡調査の必要もあるが、問題はもはやそれどころの話ではない。
仮に、運よくV3を撃退出来たとしても他の仮面ライダーにも情報が出回るよな。
水中に逃げたとしても、Xとか火野さんのオーズとかキバとかゼロワンとか水中適応しているライダーも昨今は多い。いや、V3も体内に酸素ボンベがあって水中行動可能だったか。
しかも、俺の知っている仮面ライダーたち以外にも、この世界にはパチモンであるのにも拘らず腕が立つ奴や“本物”と言っても差しさわりの無い奴も少なからずいる。
しつこく追いかけてくるだろう仮面ライダーを何とかしながらこの船を建造するのか……。難易度が爆上がりだ。
情報流したのが何処の誰かは知らないが、これは流石に粛清案件だぞ……。
まぁ、それもこれもまず目の前のV3を何とかしてからなんだが。
というか、俺に何とかできるのか?
「イーッ!」
俺が突然のV3にショックを受けている一方で、戦闘員たちはV3を包囲したまま手が出せずにいた。
彼らもまた仮面ライダーの強さは知っている。さらに言えば、さすがにこの状況でV3が出てくるのは予想外過ぎた。
V3も包囲された状況、我先に逃げる兵士たちを前にすぐには動けない。
「かかれ、かかるんだ! V3にこの船を破壊させるわけにはいかない!」
そんな膠着状況を打破し、戦闘員たちを鼓舞したのはアマゾネアだ。
彼は兵士や船には目もくれずV3への包囲に割り込むと、その指先をV3に向けた。
「これでも食らえ!」
アマゾネアの指に搭載されていた全環境対応ミサイルが火を噴く。
火花を散らし放たれる小型ミサイルを前に、V3は大きく横に飛びミサイルを回避する。
さらに、アマゾネアとの位置で戦闘員が挟まるように位置取りまでしている。
あれでは戦闘員が邪魔でミサイルを撃つ事は出来ない。
だが、V3が動いた事を契機に戦闘員たちも一斉に動き出す。
「イッー!」
ククリ刀を振り上げ次々とV3に躍りかかる。
だが、V3にとっては戦闘員との1対多数の戦いは幾度となく潜り抜けて来たもの。
体をひねり、傾け、舞うような動きでククリ刀の刃を回避しつつ、近づいて来た戦闘員にきつい一撃を繰り出す。
あるものはその強力なパンチで殴り飛ばされ吹き飛び、またある者は蹴り飛ばされくの字に身を折りそのまま倒れ伏し、またある者は投げ飛ばされ仲間を巻き込み大地に倒れる。
V3の目指す先はただ一点。戦闘員を指揮するアマゾネアだ。
「くっ、死ねぇV3!」
一直線に向かってくるV3にアマゾネアは再度ミサイルを斉射する。
ミサイルの雨あられだが、今度のV3はミサイルを横に飛んで避ける事など無い。
体勢を低くすると、ミサイルの雨の隙間を縫うように駆け抜け、アマゾネアに肉薄する。
低い姿勢から、居合のように切り上げるチョップがアマゾネアを襲う!
「V3チョップ!」
「ぐおおおおおっ!」
鉄骨すらへし折るV3のチョップがアマゾネアの胴体を強かに打ち付ける。火花すら散らし、胴が一直線に抉られる。
パンチやキックの威力を考えればできて当然だが、とんでもない威力だ。
俺もチョップは鍛えたが、深海の水圧にすら耐えるアマゾネアの強靭な肉体を一撃であそこまで抉れるかと問われれば、難しいと言わざるを得ない。
大ダメージに後退を余儀なくされたアマゾネアに追撃をするべく、V3が拳を振りかぶる。
いかん!
「V3パンチ!」
「ライダーパンチ!」
加速能力を駆使し、V3とアマゾネアの間に割り込んだ俺は握りしめた右の拳でV3の右の拳を迎撃する。
拳同士がぶつかったとは信じられない爆発音が周囲に響き渡る。
気を抜けば腕が吹き飛ばされそうな威力だ。
拳に込められた力と技がせめぎあう。
V3の緑の複眼と俺の赤い複眼の視線が交差する。無機質なはずの機械の複眼の奥から、V3の突き刺すかのような闘志が俺を射抜く。
ここで引けば、そのまま俺は死ぬ。根拠のない直観に追い立てられ、俺は拳にさらなる力を籠める。
それに呼応するかのように、V3の拳にも力がこもる。
長いようで一瞬の拮抗。ほぼ同時に大きく後ろに飛んで後退した。
「V3の相手は俺がする! お前らは全員下がれ!」
たった一発のパンチの打ち合いで、体力と気力をごっそりと持っていかれた。ベルトの風車が唸りを上げ高速で回り、失われたエネルギーを補充しようとフル稼働する。
そんな中、口から出たのはこんな命令であった。
「し、しかし、アインロールド様!?」
庇われる形となったアマゾネアが抗議の声を上げる。
それはそうだ、上官である俺がこれから戦うというのに、自分は逃げろと言われて素直に従う戦士はいない。
だが、すでに上陸した兵士たちは逃げ出し我先に船に乗ろうと、あるいは船を出航させようとする者と仲間を回収しようとする者の諍いで大混乱だ。
もはやこちらが撤収しても再度の上陸をする気は起きないだろうし、SISに取り残されるかもしれない少数の掃討はさほど手間ではないだろう。
すべては目の前のV3を退けてからの話だが。
「V3を抑えられるのは、この場では俺だけだ! アマゾネア、俺がお前に与えた任務はこの船の建造だ、間違えるな!」
アマゾネアが改造人間として弱いわけではないが、この場で弱い強いはさほど関係が無い。
海を知り尽くしたスペシャリストにして、この船の意義を正確に理解して建造を任せられる貴重な人材だ。
こいつをこの場で失うわけにはいかなかった。
俺の怒声に一瞬の戸惑いこそ見せる物のそこは元海軍士官。躊躇が致命的な結末を引き起こす事を知っていた男は、すぐさま判断を下し戦闘員に撤収を命じた。
「アインロールド様、ご武運を!」
下がっていくアマゾネアと戦闘員は良いとして、もう一人撤収させなければならない人物がいる。
俺を守る様に、傍にやってきたテオドラに、俺は振り向きもせずに話しかける。
「テオドラ……」
「怨敵V3を前に背を向ける事などできません。背中はお任せを」
撤退を促そうとしたが、先回りされてしまった。
こうなると彼女は言う事を聞かないだろう。割と頑固なところがあるのだ。
俺は小さくため息をつくと、意識を切り替える。
「分かった、援護を頼む」
テオドラと組む時は俺が前、彼女が遊撃なのが何時ものパターンだ。
まぁ、俺がステゴロ専門なのがいけないんだが。
一方、俺とアマゾネア、そしてテオドラとのやり取りの間にもV3側にも動きがあった。
V3の傍に駆け寄ってくる人影が一人。大柄な軍服姿の覆面男。俺が指揮官ではないかと予測したあの男だ。
どうやら逃げる兵士たちに置いて行かれたようだ。ほんの数百メートルも逃げる事が出来ず、V3の戦いを呆然と見ていたようだ。
「兵士の中にお前のような豪の者がいたとは!」
いや、違うだろ。
V3が、風見志郎がどっかの軍隊なんぞに入るわけがない。まして、非正規作戦を行う後ろ暗い部隊に所属するなんて解釈違いも甚だしい。
大方、どこかで兵士をのして装備を奪い紛れ込んだのだろう。
案の定、縋りつこうとした指揮官に対する回答は、V3の手刀だった。
音もなく振るわれた手刀は、指揮官がかぶっていた覆面のみをあっさり切り裂きその素顔をさらけ出す。
中年の厳つい男だが、その顔色は真っ青であり目には怯えの色が浮かんでいる。
「……国のブスカ大佐だな……。虐殺は止めたが、あんたには聞くことがある」
V3の冷たい声とここまで伝わるような怒気に、ブスカ大佐とやらはへなへなとへたり込む。
まぁ、V3の手刀を間近で見た上に、覆面を切り裂かれれば怖いだろう。
しかし、俺とテオドラは別の事に気が付く。
V3が口にした国名は、俺とテオドラには聞き覚えのある国の一つだったからだ。
「アインロールド様、今のを聞きましたか?」
「ああ、聞いた。たしかヨロイ元帥が兵器の実験場にしていた国だったな……」
例によっていつの間にか復活していたヨロイ一族のヨロイ元帥は、再生ショッカーでもヨロイ一族を率いる幹部として辣腕を振るっていた。
そんなザリガニ野郎が実験場として利用していたのがその国であった。独裁政権の圧政が敷かれるその国で、軍部と組んで兵器や改造人間の実験と称して反逆者や少数民族の虐殺を行っていたと聞き及んでいる。
つまり、今回の情報漏洩は、ヨロイ一族って事なのだろう。
「デストロンの不始末ですね……」
「テオドラのせいではないだろう。それに、あの一族とは前から揉めている」
今は壁のオブジェにした奴の弟が頭首だっけ? ピカソの壁画になった奴は笑い者になった事が耐えられなくなって引き籠ってしまったらしい。
それはともかく、3部族がそれぞれ独自に動いている以上、俺はテオドラの責任を問う気は無い。
他の組織がどうかまでは知らないが、それはその時になってから考えればいい。
「借りばかり増えますね」
「そのうち気持ちだけでも返してくれればいいさ」
「もう……」
V3を前に軽口を叩きつつも、奴から注意をそらさない。
大佐とやらが完全に放心したのを確認したV3は今度こそ俺たちに向き直った。
「ショッカーにデストロン、お前たちにこれ以上移動要塞などを建造はさせん!」
移動要塞じゃないんですけどね、これ。
とはいえ、確かに移動要塞としても使えるよな、これ……。
「そうはいかん。この船はショッカーの、大首領の悲願の一つだ。V3、あんたに邪魔はさせない!」
仕切り直しは終わりだ。
俺とV3が互いに構えを取る。半身を反らし、互いにじりじりと間合いを詰める。
吐き気がするほどの緊張感が漂う中、先に動いたのはV3だった。
一直線に間合いを詰めると、再びその拳を俺の胴体に叩き込もうと振るう。
腕でそのパンチを叩き受け流す。完全にその軌道を反らしたはずなのに、掠っただけの腕が削れるような痛みを受ける。
だが、拳を振り切った今なら。
俺は受け流した側と逆の腕で、肘打ちをV3に見舞おうと潜り込む。
だが、V3もその動きは読んでいた。
逆の手を肘打ちの上に据えると、一気に跳躍。バク宙の要領で俺の背面に入り込む。
そのまま着地と同時に、V3は大地を蹴る。
逆に俺はV3の体重がひじの上に乗った影響で体勢を崩している。
「V3……」
「させません! 氷の壁よ!」
俺が見せた隙に拳を叩きこもうとするV3に対し、テオドラが割り込み氷の壁を展開する。
突如出現した強固な氷壁を前に、さすがのV3も突進をやめバックステップで回避行動を行う。
逆に、その隙に体勢を整えた俺はそのまま氷の壁に突撃をする。
同時に、弾丸すら受け止める氷の壁が砕け散り、無数の氷片となりV3に襲い掛かる。
「ちぃっ! V3サンダアアアアアアアッ!」
唐突に、V3の額の触覚が輝いたかと思うと、周囲にまばゆいばかりの雷撃が降り注ぐ。
その威力はすさまじく、V3を狙った氷片はことごとく雷撃の前に砕け散る。
って、26の秘密かよ! いや、そりゃ何十年も戦い続けた以上、全て完璧に使いこなせるよなぁ!
「ブーストスピード!」
このまま俺が引けばテオドラまで巻き込まれかねない。
俺はベルトのエネルギーを解放すると超高速機動を発動する。
本来不可能な雷撃の回避を可能とするこのスピードでV3に肉薄すると、そのままV3にタックルを仕掛け掴み一気に押していく。
「なにっ!?」
「地獄めぐりに付き合ってもらうぞ、V3!」
流石にこの行動は予想外だったのか、V3が驚きの声を上げる。
このままきりもみシュートに持っていきたいが、万全のV3相手に俺の付け焼刃のきりもみシュートが通用するとは思えない。
だから、原始的な行動をとらせてもらう。
「うおおおおおおおおおおおっ!」
V3を抱えたまま直進する。目指すのは転がっているその辺の大岩だ。
自らが受けるダメージを顧みず、自身の身体ごと岩に突っ込む。
「ぐわあああっ!」
「くううう!」
俺とV3の追突を受けて、大岩が砕け散る。
それほどの衝撃だ。俺はもちろんだがV3とて無事ではすまず、苦悶の叫びを上げる。
「まだまだだっ!」
さらに別の岩に向かい突撃をする。
再び粉みじんに砕ける岩と、等しくダメージを受ける俺とV3。
まだだ、この程度で。
「これ以上させるか! V3脱出パンチ!」
さらなる突進でV3にダメージを与えようとする俺だったが、V3も三度も同じ攻撃を食らうほど間抜けではない。
ほぼ密着状態だったのにも拘らず、全身のバネを駆使したゼロ距離パンチを繰り出してきた。
元々のみこまれた状況ですら使える特殊パンチだ。
その威力にV3の拘束が解けてしまい、二人そろって大地に転び転がる。
「アインロールド様! これを受けなさい、ウルトラブリザード!」
俺たちが立ち上がるよりも早く、追いついてきたテオドラがその長剣に纏わせた冷気を解き放つ。
かつて強豪怪人のユキオオカミも使っていた絶対零度の冷気がV3を襲う。
膝立ちの状態ではV3といえども回避できない。そんな攻撃だ。
だが、V3は膝立ちの姿勢から腕を軸に身体を横に回転させ、冷気の塊をキックで迎撃する。
普通なら、そんな事をしたところで無駄なはずだ。
だが、そのキックの前に冷気の塊が無残にも霧散する。
「なっ!? 何が起こって!? えっ? V3の脚が燃えて!?」
しまった、V3にはこれがあった。
V3は勢いをそのままに立ち上がると、テオドラを指さす。
「ファング・カウンテス! 今日こそお前を倒す!」
燃える脚をそのままにV3が大きく跳躍する。
天空高くに陣取ったV3の全身がそのエネルギーにより光り輝く!
あれこそ26の秘密の26番目。脚部に装着された小型原子炉の放つ熱エネルギーをキックに込めるV3の必殺技!
「V3火柱キック!」
超高熱の矢となったV3が空高くよりテオドラに迫りくる。
必殺の意志を込めた足がデストロンの女幹部を焼き払わんと迫りくる。
くそっ、間に合え!
「テオドラに手を出す事は俺が許さん! ライダースクリューキック!」
飛び起きると身体に残るダメージをそのままに、高速回転をしながら上昇しV3のキックを俺のキックで迎撃する。
空中で、俺のキックとV3のキックが激突する。
「貴様!? その技は!?」
V3が何かを言うが、俺に気にしている余裕はない。
キックの威力そのものはほぼ互角。だが、V3が放つ灼熱のエネルギーは俺の身を焼き、砕きつつある。
だが……。
「テオドラ! 俺の脚に君の冷気を!」
「あっ! 分かりました! アインロールド様!」
ナノマシンの活性化開始! 温度調整、冷気を吸収、フィールドを形成、放出開始
テオドラの放つ冷気が俺の足に集中を開始する。
灼熱のエネルギーに焼き払われかけていた俺の脚が、V3の炎に拮抗を始める。
テオドラとの協力技、このキックにあえて名前を付けるなら……。
「ライダーブリザードキック!!」
V3火柱キックと、俺とテオドラのライダーブリザードキックが空中で拮抗する。
炎と氷、その二つの地からぶつかり合い膨大なエネルギーが消費される。
やがて、キックの勢いを失った俺とV3はほぼ同時に地面に着地した。
「きちいな……」
肩で息をしながら小さく呟く。
ダメージはほぼ互角程度の筈なのに、あちらは涼しい顔のままだ。
あれで旧式の年寄りとかウソだろ……。
「アインロールド様」
「大丈夫だ、まだいける」
俺達とV3が再び距離を取り対峙する。
互いの一挙手一投足を見逃すまいと、間合いを図り続ける。
その均衡は、さほど時間を待たず崩れる。
ただ、それは俺たちが動いたからではない。
新たな乱入者の出現があったからだ。
「ロープアーム!」
突如聞こえる叫び声と共に、地面に偽装していたハッチの一つが音を立てて吹き飛ぶ。
それと同時に、その内側から何かを抱えた青いボディースーツと同色のヘルメットを被った男が飛び出してくる。
「結城!?」
その男の出現にまず最初に驚きの声を上げたのはV3だ。
結城丈二。またの名をライダーマン。口がむき出しの赤い複眼の濃い青のヘルメットは、確かにライダーマンだ。彼の代名詞とも言える右腕のアタッチメントも見覚えのあるものだ。
かつてはデストロンに所属していた科学者。だが、彼の台頭を恐れたヨロイ元帥に嵌められ、酸の池に落とされるという凄惨な処刑を受けた男。
幸い部下たちの活躍で救出されたものの、右腕は溶かされ部下たちも皆殺しにされた。
その後復讐の鬼となりヨロイ元帥に復讐を企む。最後は紆余曲折の末、悪の組織デストロンを見限りプルトンロケットより東京を守り、仮面ライダー4号となった男。
そんな彼が我らの船から飛び出してきたのも驚きだが、それ以上に驚く理由がこの場にはあった。
彼が左腕に抱えていたローティーンの金髪の少女。
うん、あれは……。
「ミカ!?」
「ミカさん!?」
俺とテオドラが同時に驚きの声を上げる。
そう、ライダーマンが抱えていたのは、ショッカーの悪の科学者にして暫定指導者、俺の自称妹(赤の他人)のミカ・ウェストその人だった。
なしてミカがライダーマンと一緒に飛び出してくるのよ?
一方、ライダーマンは坑道から姿を現し俺やV3の姿を確認すると、険しい表情のまま叫び警告を出す。
あるいはミカも俺とテオドラの姿を確認すると安堵の表情を浮かべ警告の声を上げる。
「風見! それとそこの君、気を付けろ! 敵が来る!」
「お兄ちゃん! テオドラ! 気を付けて! 愚物が来るわ!」
敵? 愚物? うちの船の中からいったい何が?
あまりにも突然の展開についていけない俺やV3をしり目に、ライダーマンとミカが飛び出してきた坑道から突如何かが出現する。
それは、あまりにも巨大すぎる甲殻類の鋏であった。
何事だ。そう思っている間にも、その甲殻類の脚が、胴体が、尾が次々と姿を現す。
本来頭部があるだろう場所にあるのは、ねじくれてつけられた人間の頭部。
その頭の持ち主を、俺も、テオドラも、そしてV3も知っている。
醜悪としか表現しようがない、その頭部から怨嗟の声が漏れる。
「結城丈二……仮面ライダーV3……アインロールド……」
見間違えでいて欲しかった。
だが、聞き覚えのある男の声。
その醜悪な化け物が人だった頃の名をこう言った。
「まさか、ヨロイ元帥!?」
テオドラが驚きを込めてその男の名を口にする。
そう、その化け物の頭部はデストロンの大幹部にして、先のヨロイ一族の頭首。ヨロイ元帥の物であった。
たぶん本編に出ない設定
テオドラが兜をかぶっているのは怪人体の顔がとても可愛いため。
ドスが効かないのと、妙な人気が出てしまったので被りだした。
というわけで、次回はミカさんとライダーマンが裏で何をやっていたかです。