ショッカーライダーに転生して好き勝手に生きる(事など出来ない)お話   作:さざみー

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第37話 episode・Destron 俺、すごくムカついています。

 かつてのデストロン大幹部の力を取り込むとか、相変わらず節操がない。

 良く言えば力に対して貪欲なのだろうが、ヨロイ元帥の場合はそこから出力される行動がせこいのだ。

 自称デストロン大元帥の姿に恐れるより呆れが先に出てしまったのも仕方が無いだろう。

 

 まぁ、あれはどうでも良いとして、問題は横にいるクソジジイだ。

 ゴミ掃除は俺がやるので引っ込んでいろと言ったのに、聞く気は無いらしい。

 この頑固さ。出しゃばりっぷり。実にクソジジイである。

 

「別につっ立っている分には構わないが、俺の邪魔するなよ!」

 

 敵とはいえ栄光の7人であるV3にこの不遜な言い方もなんだが、こいつ相手ならこの程度で良いだろう。

 歳食っているからって敬意をもって接してもらえるとは思うなよ。

 本郷さんなら、ちゃんと敬意をもって接するよ。

 

「先ほどまで腑抜けていた奴の言葉とは思えないな」

 

 ほんとむかつく。

 一言多いというか、言葉が一々人の神経を逆なでする。

 こういう気障ったらしい奴は好きになれない。

 

「誰が腑抜けだ、クソジジイ!」

「まったく、お前は子供か?」

「悪いか、まだ16だ! あんたと違って若いんだよ!」

 

 前世? 知らんなぁ。

 今の俺は16歳なのだから嘘は言っていない。

 

「子供を主張するなら引っ込んでいろ。あれは俺が倒してやる」

「あんたこそ年寄りの冷や水だ。いい加減に引退して縁側で茶でもすすっていろ!」

 

 マジでむかつく。

 もうね、魂レベルで理解した。こいつとは絶対に仲良くなれない。

 後で絶対決着をつける。

 もう、絶対ボコる。泣いても許さない。ボコった姿を撮影して本郷さんたちに『クソジジイを倒しました』ってキャプション付きで送ってやる。

 無様な姿を晒すがいいわ、V3。

 

「あいつら何をやっているんだ?」

「私に言われましても。でも、ああいう子供っぽいアインロールド様も……」

 

 なんか背後からギャラリーと化してしまったミカが飛び出さないよう抑えていたライダーマンとテオドラの声が聞こえてくるが、聞こえないふりをしておく。

 よく考えたらデストロン幹部とライダーマンが並んで呆然としているのはかなり貴重な図なのかもしれないが、そんな事より今はゴミ掃除だ。

 

 V3に勝ち誇られたらたまらない。

 あれは俺が片付ける。

 

「イツマデフザケテイル! 死ネェェェェェェ!」

 

 俺たちのやり取りに元から存在しない堪忍袋の緒が切れたのか、額のレーザー発射口がきらりと輝く。

 と言っても、殺気や視線で狙いはバレバレだ。

 

 射線上の大地が大きくえぐれる中、俺とV3は余裕を持って回避するとそのままデストロン大元帥に向かい大地を駆ける。

 

「ナラバコレデ!」

 

 レーザーがあっさり回避されたのを見たデストロン大元帥は左腕の鉄球を飛ばしてくる。

 飛んでくる鉄球に対して、俺は真正面で構えを取る。

 そしてそのままキャッチ。重いっちゃ重いが、止められないほどの重さじゃない。

 

「ナニッ!?」

「この程度のちゃちな鉄球が通用するか!」

 

 そのまま鉄球を投げ捨て、繋がっていた鎖を思いっきり引っ張る。

 まさか綱引き勝負を仕掛けられると思っていなかったのか、デストロン大元帥の巨体がぐらりとよろめき体勢を崩す。

 

「ちょうどいい位置だ、肩を借りるぞ!」

 

 デストロン大元帥の体勢が崩れた事を見たV3が俺の肩を踏み台にひときわ高く跳躍。

 俺の抗議も何のその、デストロン大元帥の顔面にキックを叩き込む。

 

「コノ程度!」

 

 だが、他の大幹部の力を取り込んだことで防御力も上がっているのか、V3の強力なキックでもびくともしない。

 それどころかその自由に動く首の力だけでV3を弾き飛ばしてしまう。

 

「なにっ!?」

 

 デストロン大元帥により弾き飛ばされ宙に舞うV3。その足を俺はキャッチした。

 

「だから年寄りの冷や水だって言ったんだ!」

 

 そう叫びながら、思いっきりデストロン大元帥に向かってぶん投げると同時に、俺も一気に間合いを詰める。

 俺の言葉が通じたのか通じないのか、V3は空中で姿勢を立て直すと空中を蹴ってデストロン大元帥に向かう。

 

「V3ィィィィィィィィ!」

 

 再び飛んできたV3を串刺しにするべくデストロン大元帥は吸血マンモスの牙を突き立てる。

 オリジナルのそれより巨大で鋭い牙だが、雑に突き出された程度でV3を止められるはずがない。

 

 火花を飛び散らせながら腕で牙の攻撃をガードすると、勢いを緩めることなくデストロン大元帥の懐に入り込む。

 

「いい加減貴様の顔も見飽きた! そろそろ地獄に帰れ!」

 

 そのままアッパー気味にデストロン大元帥の頭を殴り飛ばす。

 今度こそ大きく上に跳ね飛ばされたデストロン大元帥の頭に、V3の肩を支点に跳躍した俺は奴の横っ面に蹴りを叩き込んだ。

 

「アインロールドォォォォォォォ!」

「貴様には色々と借りがあるな! まとめて返させてもらうぞデストロン大元帥!」

 

 下と横からの連続攻撃に、その巨大な胴体が流され懐ががら空きになる。

 その機を逃すV3ではない。更に踏み込むと、可動部であり比較的柔らかいだろう腹の関節部に向かいつま先キックをねじり込む。

 

 鋼の板すら貫くだろう蹴りを受け、何かが砕ける音が奴の腹部から響き渡る。

 

「ちょうどいい! ライダーパンチ!」

 

 着地をした俺は更に奥へと踏み込むと、拳にエネルギーを籠める。

 赤い光を放つ必殺のパンチをV3が蹴りを入れた場所と寸分変わらぬ場所に叩きつける。

 

 俺とV3のパワーの前にデストロン大元帥の腹部に大きな亀裂が入る。

 

「グギャアアアアアアッ!」

 

 苦悶の悲鳴を上げるデストロン大元帥に、V3は奴の悲鳴など意に止める事も無く懐に入り込み両手を奴の胴体に添える。

 緑の複眼をこちらに向けると命令口調で話しかける。

 

「俺に合わせろ、小僧!」

 

 ああ、くそっ!

 V3が何をしようとしているのか分かってしまった。有用だし、俺も同じ事を考えていたので逆らう事も出来やしない。

 俺はV3の隣に立つと、同じようにデストロン大元帥の胴を掴み持ち上げる。

 

 俺とV3。二人の超パワーの前に超重量級であるはずのデストロン大元帥は軽々と持ち上がった。

 

「ナ、ナニィィィィィ!」

 

 流石の事態に驚きの声を上げるが、そんな事にかまっていられない。

 V3の視線を分析しどこに叩きつけるつもりなのか、効率的な威力の出し方を瞬時に計算する。

 

「ライダァァァァ!」

「スローイング!」

 

 巨大な岩の塊に向かいデストロン大元帥を投げつける。

 腹部へのダメージで動きを鈍らせていたデストロン大元帥はこの技に抗う事も出来ず強かに叩きつけられ、上向けに倒れ無様にその腹部をさらけ出す。

 

「小僧、遅れるなよ!」

「誰に物を言っている!」

 

 悪態をつきながら俺とV3は天高く跳躍する。

 狙うのは一点。先ほど破壊をした奴の腹部。

 

 月明かりが照らす中、俺とV3は足から暴力的なまでのエネルギーを放出しながら大地に向かう。

 

「V3」

「ライダー」

 

 俺とV3の動きを見てデストロン大元帥が慌てて起き上がろうと藻掻く。

 牙の先端から迎撃用のミサイルを発射する。

 だが、もう遅い!

 

「キイィィィッッッック!」

 

 無数のミサイルを蹴散らしながら、俺とV3のキックは奴の胴体を貫く。

 その強固な甲殻が音を立てて砕け散り、無数の破片が周囲に飛び散る。

 無数の機械部品がひしゃげ、奴の胴体から零れ落ちた。

 

「オノレ、オノレ、オノレェェェェェェェ!」

 

 だが、この大ダメージにもかかわらずデストロン大元帥はまだ起き上がり怨嗟の声を上げる。

 ほんとしぶとい。合体したことにより生命力も4倍にでもなったのだろうか。

 まぁ、後は何度でも殴り倒すだけだ。

 

 もっとも、デストロン大元帥も馬鹿ではない。

 俺とV3相手に格闘戦は不利だと悟ったのだろう。 

 

 死人コウモリから奪った巨大な翼を広げると、大地を跳躍し宙を駆ける。

 周囲に竜巻のような暴風が吹き荒れ、小石や枯れた木の残骸が吹き飛ぶ。

 

「悪夢に見そうな姿ね……」

「なんと醜悪な……」

 

 俺たちの戦いを見守っていたミカとテオドラの呟きが聞こえてくる。

 確かに、ザリガニの化け物が蝙蝠の翼で宙に舞う姿はどこか悪夢的でありホラーゲームにでも出てきそうな姿だ。

 あの巨体からは信じられない高速で飛び上がると、軽やかに宙を舞うデストロン大元帥。ありゃちょっとした飛行機並みの速度が出ているな。

 

 とはいえ、あの無駄に虚栄心と出世欲が強いヨロイ元帥の事だ。このまま逃げるつもりは無いだろう。

 案の定、奴は宙で反転するとその額のレーザー発射口を輝かせる。

 

「そう来たか!」

「危ない!」

 

 地上を薙ぎ払う極太のレーザーを前に、俺は咄嗟に加速を発動させるとミカとテオドラを抱えて大きく飛びのいた。

 周囲を見ればライダーマンも余裕を持って飛びのきレーザーを回避していた。

 流石は栄光の7人である。老いて盛ん、その動きや判断に一切の鈍りは無い。あとV3もやっぱ回避してた。

 

 地上を大きく抉るレーザーの一撃。

 大穴の底を見れば、溶けた大地がガラス状になっている。まともに食らえば俺でも危険な一撃だ。

 

「あ、あのアインロールド様? 私は自力でも……あ、あの、その……」

「こらー! なんか近い、近いよテオドラ! というか、私がそっちじゃないの!」

 

 テオドラが弱々しく抗議の声を上げる。咄嗟だったので考えなしに二人とも抱えてしまったが、確かに俺と同等の能力があるデストロン幹部に対しては失礼だった。

 ミカも耳元で喧しく抗議の声を上げるが、こっちは放置でも良いだろう。

 

 ちなみにミカは俵担ぎに、テオドラは前で抱きかかえる形なのは、二人の体格差と先に庇ったミカは安全に抱える時間的な余裕があっただけである。

 

 それよりも、だ……。

 

「悪かったな、テオドラ。 注文をするようで悪いが、氷の道を作ってくれ!」

 

 着地と同時、二人を下しながらテオドラに頼む。

 一瞬きょとんとしたテオドラだが、俺のやりたい事を理解したようですぐさま返事を返した。

 

「え、あ、はい! あれをやるんですね」

 

 まぁ、過去にも何度かやったことがある技だ。

 すぐさまテオドラは集中をする。

 それと同時に南国の夜空に純白の道が生み出されどんどんと伸びていく。

 

 月明かりと星空の元に伸びる純白の氷の道。それは美しく幻想的な光景だが、その正体は俺とテオドラの恐るべき戦闘フォーメーションであった。

 

「来い! サイクロンヘル!」

 

 氷の道が出来たことを確認した俺は、すぐさまサイクロンヘルを呼び出す。

 ステルス機能で隠れていたのだろうサイクロンヘルはすぐさま闇夜を切り裂きながら出現する。

 普段は何を考えているのか分からないとぼけたエンジン音も、この時ばかりは新たな戦いを前に高ぶり獣の咆哮を上げる。

 

「とぅっ!」

 

 高速でやってきたサイクロンヘルに飛び乗ると、そのまま跳躍し氷の道に着地する。

 天まで続く道のその先にいるのは、デストロン大元帥!

 

「ほう、良い道だな」

 

 疾走する俺の横から唐突に声がする。

 横目で見れば、専用マシンハリケーンを操り俺と並走をしているV3の姿があった。

 

「ちょっ!?」

「悪いか?」

「悪いに決まっているだろう!」

 

 仮面の下のV3がどんな表情をしているのかは分からないが、絶対に悪びれなどしていない。

 むしろドヤ顔で勝ち誇っているだろう。こいつはそういう男だ。

 まったくもって腹が立つが、これ以上グダグダやっている暇はない。デストロン大元帥の姿はもう目前だ。

 

「後で通行料払えよ! 遅れるなよ、V3!」

「誰に物を言っている。お前こそ仕損じるなよ、小僧!」

 

 爆音を上げて迫りくる俺とV3にデストロン大元帥も当然無策ではない。

 その巨大な牙を展開すると、無数のミサイルを発射する。

 

「ナメルナアアアア、翼モ無イ貴様ラナドォォォォォ!」

 

 お前の翼も借りものだろう。

 一々指摘するのも面倒な発言はともかく、奴が放ったミサイルは俺とV3に降り注ぐ。

 そのすべては当然のように回避するが、氷でできた道はそうは行かない。

 ミサイルが着弾し、次々に砕けていく。

 

 だが……。

 

「ナ、ナニィィィィィィィ!?」

 

 砕けたはずの氷はそのまま宙に残ると、新たな氷を生み出し毛細血管のような複雑怪奇な道を作り出しデストロン大元帥を包囲する。

 

 そもそも、この氷はただの氷ではない。

 俺と同じ、次世代型ナノマシン型改造人間であるテオドラが生み出した氷だ。彼女が生成、散布するナノマシンを含み、科学的、魔術的手段を用いる事によりテオドラの意のままに動く彼女の武器であるのだ。

 たとえ砕かれても再び氷として再生するし、武器として相手にぶつける事もできる万能兵装。それが彼女が生み出す氷である。

 

 1対1で戦えば俺でも勝てるかどうか分からない。同期ではナンバー1の実力を誇っていたデストロンの女幹部、それがテオドラなのだ。

 

 そんな彼女の作り出した道を疾走していた俺たちは、ついにデストロン大元帥に肉薄する。

 

「はぁっ! ライダーキック!」

「トゥッ! V3キック!」

 

 すれ違いざまバイクから跳躍すると、左右別の位置に必殺キックを叩き込む。

 強固な装甲を誇るデストロン大元帥と言えども、二人のライダーキックを同時に叩き込まれてはたまらない。

 俺たちの耳に奴の甲殻が砕ける音が届く。

 

 俺は奴の身体を足場に反転し跳躍すると、氷の道を走るサイクロンヘルに搭乗を……って、え?

 ハリケーンじゃね、走っているの?

 あたりを見渡すと、俺と同じようにデストロン大元帥を足場に跳躍して氷の道に戻ったV3が、サイクロンヘルに乗って疾走していた。

 

 サイクロンヘル、何考えているんだ!

 

 1ダースぐらい内心で文句を並べつつ、仕方がないのでハリケーンに飛び乗る。

 V3はむかつくが、ハリケーンは中々良いバイクだ。

 加速性能とグリップ力が俺好みだ。操作するとすぐに反応が返ってくるのが素晴らしい。

 

 氷の道を縦横無尽に疾走しながら、再びチャンスを覗う。

 もっともチャンスを待つまでも無かった。俺たちの動きについていけないデストロン大元帥が慌てて鉄球を飛ばすが、時速600キロを超える速度で走っている俺たちを捉えられるはずがない。

 奴が動作に入った瞬間、俺とV3は再びバイクから跳躍しデストロン大元帥に攻撃を叩きこむ。

 

「V3パンチ!」

「ライダーパンチ!」

 

 再び苦悶の悲鳴を上げるデストロン大元帥を尻目に、俺とV3はそれぞれのバイクに着地をする。

 よかった、今度はサイクロンヘルだ。

 

 というか、お前何考えているんだ?

 え? V3が『丁度いい。乗るぞ』と言って勝手に乗ってきたって?

 本当に使用料を取ってやろうか。

 

 そして、氷の道を疾走しつつ、俺とV3は幾度となく跳躍、打撃を繰り返す。

 息もつかせぬ連続攻撃を前に、デストロン大元帥の甲殻がどんどんと砕けていく。

 もはや奴の身体で無事な場所などありはしない。

 

「オノレ、オノレェェェ、オノレェェェェェェェェェェェ!!」

 

 何度目か数えるのも馬鹿らしい、怨嗟の声が南国の夜空に響き渡る。

 意気揚々と3幹部の力を取り込んで出てきた物の、まるで歯が立たず削られていくのは相当な屈辱だろう。

 

 もっとも、俺としてはヨロイ元帥単体の方が強いと評するだろう。

 レーザーやミサイル、飛行をもっと効果的に使っていれば苦戦は免れなかったはずだ。ツバサ大僧正はライダー殺しの技を有していたのにもかかわらず、奴は一度も使っていない。

 復活後、新能力を取り付けて直接こちらにやってきたのだろうが、明らかにあの巨体を、他の3幹部の能力を持て余していた。

 

 まぁ、そんな事を教えてやる義理も無ければ、同情する気もない。

 V3ではないが、いい加減に奴の顔は見飽きた。地獄の指定席に帰ってもらう時が来たのだ。

 

「コノママデハ、コノママデハ死ナン、一人デ死ンデナルモノカ!」

 

 度重なる攻撃に奴の巨体を支えていた翼の動きが鈍る。

 そのまま氷の道の上に落下し、その衝撃で体の一部を潰す。その打撃に氷の道は砕け、氷の刃に代わり奴の肉体をずたずたに切り裂く。

 それでも奴の落下は止まらない。

 氷の道の包囲網を抜けたその先、海面近くで奴は唐突に翼を広げる。

 

 そのまま水面すれすれを滑空し、船に向かい高速で飛ぶ。

 すれ違った兵士を満載にした不審船の一隻がその衝撃で転覆するが、奴はそんな事を構いやしない。

 狙うのはただ一点。

 

 ショッカー・アイランド・シップで俺たちの戦いを見守るミカであった。

 

 この期に及んで、奴は一番弱い所を狙った……つもりなのだろう。

 正直、満身創痍となったデストロン大元帥に、傍でミカを守るテオドラの防御を突破できるとは思えない。

 そしてそれ以上に、彼女たちの傍にはこの男がいた。

 

「やれやれ、風見たちが随分とハッスルしていたので私の出番は無いかと思ったが、そんな事も無かったようだ」

 

 彼女たちを守るように、仁王立ちとなる男の名はライダーマン。

 栄光の7人の四番目、仮面ライダー4号の名を持つ男。

 

 青い仮面の男は、機械の右腕を高々と掲げると新たなカセットを装着する。

 それは、これまでライダーマンが使っていたカセットアームとは一線を画す姿を持った腕であった。

 流線型の、どこか植物の芽を連想させるフォルムを持つ腕であった。その銀色の腕は、力を開放するこの時を待ち望んでいたかのように、独特な動きで各所が展開していく。。

 

「貴様が再び私の前に現れた時を想定して開発した力だ!」

 

 銃口の先端、開口部に光が宿る。

 距離が離れたこの場所からでもわかる、あまりにも膨大なエネルギーがその一点に集中をする。

 

「フ、フザケルナァァァァァ! 結城丈二ィィィィィィィィィ!」

 

 その事実に気が付いたのだろう。

 デストロン大元帥も額にエネルギーを籠める。

 これまで以上に力を込めた破壊的なレーザーが発射され、海を切り裂き大地に迫る。

 

 だが……。

 

「喰らえ! ブラスターアーム! 最大火力モード!」

 

 銀の右腕。ブラスターアームからその破壊的なエネルギーが解き放たれる。通常の斉射でも再生怪人を一掃する破壊力をもつブラスターアームの、おそらくは最大火力モード。

 デストロン大元帥のレーザーが海を切り裂くなら、ブラスターアームから解き放たれた閃光は夜空すら切り裂く科学の光。

 レーザーは一瞬の拮抗すら許されずブラスターアームが解き放った閃光に飲み込まれ消えて行く。

 

 さらには、その光はデストロン大元帥すら飲み込み、その身を崩壊させていく。

 その巨大な鋏は砕け熱を前に溶けていく、鉄球も存在を許されず脱落し海面に転落する。

 借り物の牙は無残にへし折れいずこかに消えて行き、奪い取った翼は紙のようにクシャリと潰れいずこかに消えた。

 

 自慢の装甲すら虚空の彼方に消えて行き、大元帥を名乗った存在は光の中で分解されていく。

 

「ヂィィィィィグゥゥゥゥゥゥジョォォォォォォ!」

 

 そして、ついには耐えられなくなったデストロン大元帥は巨大な爆発を起こす。

 デストロン大元帥を僭称した男は光に飲まれ海の藻屑となって消えていった。




自分より完成した拗らせやせ我慢男と出会った為、主人公が妙に子供っぽくなってしまったの巻。

そろそろ次の話は……

  • ぶっちぎるぜ!
  • 最初に言っておく。俺はかーなーり、強い!
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