ショッカーライダーに転生して好き勝手に生きる(事など出来ない)お話   作:さざみー

50 / 103
第49話 episode・ZI-O この状況を何とか出来るのは、ジオウだ!(他力本願

 男同士で一歩踏み込んだ遊園地の中身は、何とも非現実的な光景だった。

 

 遠目にはわからなかったが、遊具のディティールが実に荒い。なんというか、小さな子供がクレヨンで描き殴ったイラストのように適当だ。

 メリーゴーランドの馬は雑な筒に棒の手足とL字型の頭が付いているだけで、コーヒーカップは縁がぐにゃぐにゃしていて見ていて気持ち悪くなる。

 ジェットコースターに至ってはトロッコもどきの車体にサイズが不揃いの車輪がくっついており、なんで脱線もせずに動いているのか理解に苦しむ有様だ。

 遊園地を行く人々も影法師だ。人型をしているけれども、人としてのディティールは無い。あくまで人の姿をした何かだった。それが遊具に近寄るのでもなく通路をユラユラと蠢いているだけであった。

 

 そのくせ聞こえてくる音楽だけはちゃんと遊園地っぽい、にぎやかな調べだから違和感をすごく感じる。

 

「なんか、夢の中に出てくる遊園地みたいだ」

 

 常磐さんの言葉が、目の前の光景を端的に表していた。

 少なくとも、まっとうな精神状態で認識している遊園地ではない。

 

「夢は夢でも悪夢だがな……。しかも何とも趣味が悪い」

「確かに……。趣味が悪いというか、自己顕示欲が丸出しと言うか」

 

 返した俺の言葉に、常磐さんも俺の視線の先を追った後に同意する。

 俺が見つけた視線の先。そこに建っていたのは加古川飛流変身の像だ。ふんぞり返って妙な装束を身に纏った加古川飛流を中心とし、アナザーライダーの像が周囲を囲むように配置されている。

 しかし、なんで自分以外を地べたに置くかね。自分を一段高くするのは分かるが、まるで自分を守らせるよう同じサイズのアナザーライダーを周囲に配置した加古川飛流と、平成ライダーを巨大に作り同列の円陣に自身を配置したオーマジオウの精神性の違いがよくわかる。

 まぁ、俺は精神科医でも何でもないし、今更奴の精神性の分析などしても仕方が無いが。

 

「加古川飛流が考える加古川飛流の偉業をたたえるための加古川飛流ランドと言ったところか?」

 

 奥を見れば催し物のポスターらしきものが貼られており、ぼろ雑巾のようになったジオウが加古川が変身したと思しきアナザージオウに倒され地に伏している姿が描かれている。

 よくよく見れば、お土産屋らしき場所で売られているのはアナザージオウグッズと加古川飛流グッズの二種類だけだ。

 何と言うか、ほんと何と言うかだ……

 

「多分、それ正解」

「勘弁してくれ……」

 

 自分で言っておいてなんだが、常磐さんの肯定に天を仰ぐ。

 自己顕示欲が強いにしても限度がある。

 

「とりあえず進むか。俺の予想が正しければたぶんこの奥だろう」

 

 落書きにしか見えない案内板を眺めつつ、進む先を勝手に決めた。

 俺の予想通りなら、この先に進めば何かしらのアクションが起こる。

 

「なんでそんな事がわかるの?」

「強いて言うなら、勘だ。ハンドレッドの連中の企みは、アナザーオーマジオウの力を得る事だろう」

 

 俺が考える目的地。そこに到着するまで黙って歩くのも何なので、俺の推理を説明する事にした。

 この人頭が切れるからね。俺の考えにおかしなところがあれば指摘してくれるはずだ。

 

「ショッカーは違うの?」

「言ったろう。あいつが再びやらかす前に身柄を押さえておきたかっただけだ」

 

 この世界に根を張るショッカーなら予防目的だったが、異世界を拠点とするハンドレッドがこの世界に侵入してまで何をしたかったのか?

 まぁ、加古川の中に眠っているだろうアナザーオーマジオウの残滓を得る事に間違いないだろう。

 だが、果たしてそれだけか? 答えは今回揃っていた面子にあった気がする。

 

「今回揃っていたハンドレッドの面子は、あんた以降に活躍をした連中の敵だった」

 

 流石に前世とかは説明できないが、他のライダーの噂ぐらいは聞いているだろうからこの程度の言い回しでも大丈夫なはず。

 

 今回のハンドレッドの面子は、前世の知識的に言えば令和ライダーと言われる連中に出てきたダークライダーたちだ。それも全員別作品。

 偶然と言うにはさすがに出来すぎだろう。

 そして、もう一つ気になるのは今回の面子が、幾多の世界を滅ぼしてきた連中とは思えない弱さだった事だ。

 

「ハンドレッドはアナザーオーマジオウに、あいつらを喰わせる気だったのだろう」

 

 俺は前世知識で主役ライダーが誰かが分かる。とはいえ知識にあるのはガッチャードまでで、それ以降は分からなかった。最近よく噂を聞くのはガヴ、ヴァレン、ヴラムの三人だが、この内の誰かが次世代の主役なのかもしれない。

 俺ですらこうなのだ。ハンドレッドの連中はどれが歴史を担う主役なのかはわかるまい。

 場当たり的に作れたライダーを喰わせる気だったのか、あるいはあれは時代を引き込む呼び水だったのか。

 

「つまり、アナザーオーマジオウをパワーアップさせた上で捕まえる気だったのかな? でもパワーアップさせて捕まえるってのは難しくない?」

「エルドの黄金錬成能力で捕まえる気だったんじゃないか? そもそもあいつら、本隊では無さそうだったからな」

 

 あいつらハンドレッドでも少数派の傍流だろう。アナザーオーマジオウを捕まえるという大仕事に対して、頭数こそ多かったが弱すぎる。

 

「使い捨て前提なのか、功を焦ったのかはわからんが、その焦りを加古川に利用されたのだろうよ。ただ……」

「ただ?」

 

 ここまでは悪の組織の人間として、自分ならどういう作戦を立てるかと考えた末の推測である。

 当たらずともそう的外れな推測では無いはずだ。

 

「加古川飛流が何を考えているのか分からない。そして、加古川の背後に真の黒幕がいると思う」

「根拠は?」

「この国の闇に根を張っているショッカーから逃げ回りながら、あんたに嫌がらせをする準備を整えるなど奴一人で出来るものか」

 

 いくら弱体化しているとはいえ、ショッカーの持つ力は絶大だ。

 加古川のような男が完全に姿を消し準備をする? そんな事をすればうちらの情報網に早く引っかかる。

 協力者、あるいは黒幕がいるのは確実だろう。

 

 俺の話を、時に疑問をはさみながら聞いていた常磐さんは、話が一段落をついたのを見計らいこう話しかけてきた。

 

「そこまで推理できるんだ……。俺が王様になったら参謀にならない?」

 

 唐突に何を言いだすんだ、この人?

 

「ショッカーだぞ?」

「俺が王様になったらショッカーも臣下になるでしょ」

 

 いや、世界征服を企む悪の秘密結社ですよ、うちら。

 剛毅と言うかなんと言うか。清濁併せ呑む王様の資質って奴なのかもしれない。 

 俺は苦笑いをしながら、こう答えた。

 

「あんたが本当に世界の王様になれた時には考えるさ……、見えてきたな」

 

 最後の最後で馬鹿話をしながら、ついに目的地に到着する。

 そこはいわゆるイベントスペースだ。正面に小さなステージがあり、これがまともな遊園地なら芸人なりイベントの参加者なりが芸を見せているのだろう。

 だが、そこにたたずむのは緑色の両腕に鎌のような武装を持つ怪人。確か、ベローサマギアだったっけ?

 ただ、輪郭がぼやけているのは、やはり奴もここの悪夢の住民と言う事なのだろう。

 

「やはりいたか……」

「あれは?」

「ゼロワンが最初に戦ったマギアだったはずだ」

 

 俺の言葉が合図という訳では無いだろうが、唐突にベローサマギアが動き出す。

 周囲にいたトリロバイトマギアもどきと共に一斉に動き出し、影法師や俺たちに向かい襲い掛かってくる。

 

「やっぱり襲ってくるのか! 変身!」

 

 その動きに真っ先に動き出したのは常磐さんであった。

 ジクウドライバーを取り出すとジオウウォッチを装着し、瞬時にジオウに変身しトリロバイトマギアを迎え撃つ。

 

 一方の俺は一瞬だが変身を躊躇してしまう。

 いや、変身すればいいのだが、ジオウがいるんだよなぁ……。暴走モードの俺、絶対無駄に喧嘩を売るぞ。

 別に友好的な関係とかは考えていないが、この状況でジオウと戦っても問題の解決が遠のくだけだ。

 

 あのモードの俺、後先考えてないんだよな。

 真面目に暴走モードどうにかしたいと思っているのだが、ミカですら現状では仕組みが分からずどうにもならないという。

 まじ、めんどくさすぎるよ、あれ……。

 

 そう、一瞬躊躇したのは、今回に限っては僥倖だった。

 変身して、戦闘に突入していたら気が付かなかったかもしれない。

 

 今まで悪夢の一部、影法師と思っていた存在だが、戦闘が始まったとたんに人の顔が見えたのだ。

 瞬間的に俺は悟る。あれは“人間”だ。

 

「危ない!」

 

 咄嗟だった。

 全力で駆けると、影法師にされていた人を庇い、同時に襲おうとしていたトリロバイトマギアをタックルで弾き飛ばす。

 この時ほど改造人間で良かったと思ったことはない。変身前でも、全力を出した時の俺の膂力は常人の数倍なのだ。

 如何に機械の体を持つマギアでも、変身前でも弾き飛ばす事は出来る。

 

「お前たち、逃げろ! って、逃げられないのか!?」

 

 庇った影法師に話しかけるが、影法師は動かない。

 いや、動けないのか?

 影法師の奥底、その中にうっすら見える人の顔は恐怖に歪んでいるが、何一つ有効な行動がとれないようだ。

 

「アインロールド!? 何があったの!?」

 

 俺の行動にジオウが驚きの声を上げるが、俺も驚きながらジオウに叫ぶ。

 

「気を付けろ、ジオウ! この影法師……。全部普通の人間だ!」

「な、なんだって!?」

 

 考えてみれば、ありそうな話だ。

 ジオウに嫌がらせをするためには手段を選ばない加古川飛流である。行方を眩ませていた数週間に、ジオウとハンドレッドを巻き込む準備が整うまでの間に何もしていないはずがない。

 一般人を影法師に偽装させ、死んだら人間に戻る……。ジオウの心を傷つける為に他人を巻き込むぐらいの事は、奴ならやるだろう。

 

「くそっ! 俺はこいつらを避難させる! 悪いがそのマギアどもを抑えてくれ!」

「わかった! そっちの人たちは頼むよ!」

 

 変身する暇も惜しい。

 俺は影法師をまとめて数人抱えると、奥に向かって駆け出す。

 幸い、影法師の人数はそう多くない。俺のパワーなら数往復で全員をこの場から引き離す事は出来るだろう。

 

「こうなったら!」

 

 俺が影法師を避難させている間に、ジオウは金色のウォッチを取り出しジクウドライバーにセットする。

 それと同時に、周囲に音声が響き始める。

 

【アドベント、コンプリート、ターンアップ……】

 

 同時に、ジオウの背後に金色の巨大な時計が大地より浮上を始める。

 周囲に舞い散るのは金色の輝き。それと同時に、時代を駆け抜けた平成ライダーたちの彫像が出現する。

 

【ライダータイム!】

 

「変身!」

 

 ジオウ……いや、常磐ソウゴの気合の入った声が響く。

 ライダーたちの彫像が金色のレリーフとなり、次々とジオウの体に装着されていく。

 そう、今のジオウの姿は……。

 

「あれが、グランドジオウ……」

 

 オーマジオウとオーマフォームを除けばジオウの最強の姿の一つだろう。

 金色の戦士となったジオウがその身を飾るライダーたちのレリーフに触れる。

 それと同時に虚空の門が開き、各時代のライダーたちが姿を現す。

 

 出てきたのはW、オーズ、フォーゼ。

 

 うん、偶然だろう。きっと偶然だ。対応力の高いライダーを3人そろえたらこの面子になっただけだ。

 Wとオーズ、そしてグランドジオウがマギアの群れと戦う。

 

 ルナメモリーで腕を伸ばしたWがマギアを叩きのめし、チーターレッグのオーズがその高速で影法師を追おうとするマギアを妨害する。

 一方のグランドジオウはベローサマギアと相対する。

 

「いくぞ! お前の相手は俺だ!」

 

 分かってはいたがグランドジオウの強さは別次元だ。

 ベローサマギアの放つ飛ぶ斬撃を掌で弾き飛ばすと、どこからともなく取り出した剣……、あれはクウガのタイタンフォームの剣で叩き斬る。

 マギアが弱いわけではない。だが、それでも攻撃を容易に弾かれ、なおかつ重い一撃をその身に受けて火花を飛び散らせながらマギアは弾き飛ばされ転がる。

 

 一方で、唯一戦っていないフォーゼだが、こちらに向かってきたかと思うと影法師とされていた人をひょいと抱え込む。

 おそらくは、救助を進めるようにとジオウが気を回してくれたのだろう。

 

「助かります……えっと、如月さん?」

 

 いや、きっと彼の意識は無いと思うんだが、すごくやりずらい。

 あ、なんか得意とする胸に拳を当てたかと思うとこちらに腕を突き出すいつものポーズをした。

 意識無いよな、これ?

 

 困惑しながらも、避難活動は続く。

 幸いなのは影法師は危険から逃げる事は出来ないが、同時に俺たちの救助活動からも逃げない。

 まして多数の非戦闘向けの宇宙開発モジュールを誇るフォーゼの力なら彼らを安全な場所まで運ぶ事はさほど手間がかからなかった。

 いや、マジックハンドでがばっと複数人を抱えて、ロケットで飛んで運ぶんだからそりゃ早い。

 

 あっという間にイベントスペースにいた影法師は別の場所に運ぶ事が出来た。

 

 そして、救助活動が終わる頃には戦闘も一段落がつく。

 Wとオーズはトリロバイトマギアの群れを片付け終わり、グランドジオウもベローサマギアをあっという間に打撃で圧倒していた。

 頃合いと見たか、グランドジオウが腰のジクウドライバーを一回転させる。

 

【フィニッシュタイム! グランドジオウ!】

 

 ベルトからの音声と同時に、グランドジオウに莫大なエネルギーが収束していく。

 

「はっ!」

 

 グランドジオウが跳躍するとともに、彼の脚が金色に輝き始める。

 これぞ、グランドジオウの必殺キック。

 

【オールトゥエンティータイムブレイク!】

 

 金色の矢となったジオウのキックがベローサマギアの胴体に突き刺さる。

 その一撃にベローサマギアは部品をまき散らしながらはるか後方に弾き飛ばされ、そして爆散する。

 

「これで終わりか?」

「いや、本命が……きたぞ、ジオウ!」

「えっ!?」

 

 だが、俺の予想通りベローサマギアは所詮は前座であった。

 ぼんやりと輪郭はぼやけている。それでもわかる、黒いボディに黄色い硬質のスタイリッシュなアーマー。その双眸に輝くのは赤い複眼。

 その姿は、あるライダーそのままだった。

 

「えっ? ゼロワン? 或人?」

 

 面識があるのか、グランドジオウが呆然とそのライダーの名前を口にする。

 そう、その名は仮面ライダーゼロワン。飛電インテリジェンスの仮面ライダー。

 もっとも、あれも本物ではあるまい。この悪夢の世界が作り出した幻だろう。

 

 そして、それは本来戦うはずだったベローサマギアの代わりに、グランドジオウに向かい無言で襲い掛かる。

 真っ直ぐに突っ込むと、その神速の拳をグランドジオウに向かい振るう。

 

「なっ!? いや、本物じゃないんだな!」

 

 そう返しながら、グランドジオウは偽ゼロワンの拳を片腕でいなし受け流す。

 このあたりは流石歴戦の魔王と言ったところだ。

 あれが偽物だとわかると瞬時に意識を入れ替え反撃に移る。

 

「だったら、これで!」

 

 肉薄した偽ゼロワンの腹に蹴りを入れて距離を稼ぐと、グランドジオウは再び体のレリーフに触れる。

 新たに出現したライダーは赤い自動車モチーフの仮面ライダー、ドライブ。シフトカーを駆使して戦う高速の戦士。

 彼はゼロワンの速度にも負けぬスピードで駆け出すと、偽ゼロワンと高速の拳で撃ち合い始める。

 

 速さだけならもっと早いライダーもいるかもしれないが、ゼロワンの分析力を考えての選択なのだろう。

 確かにドライブのベルトさんなら、偽ゼロワンの分析力にもある程度対応ができるかもしれない。

 まして、偽物ならどうだろうか?

 

 変身前の俺の目では追うのもやっとな速度で戦いが進んでいく。

 競り勝っているのは、グランドジオウだ。

 

 偽ゼロワンのキックをいなし、跳躍し回し蹴りを叩きこむ。

 偽物と言ってもさすがのゼロワン。キックの威力を受け流すために跳躍、ジェットコースターのレールの上に飛び乗り難を逃れる。

 だが、多勢に無勢。その動きを読んでいたドライブが跳躍、ガードレールに着地をした瞬間の偽ゼロワンをキックで叩き落とした。

 

「これで決める!」

 

 その落下地点に構えるのは、当然グランドジオウだ。

 

【サイキョーフィニッシュタイム!】

 

 グランドジオウの手に握られていたのは、ジオウの武装サイキョージカンギレードだ。

 ジカンギレードとサイキョーギレードを組み合わせる事により生み出されるジオウの専用ウエポン。

 ジオウサイキョウのマゼンダの文字と、金色の光が剣より吹き上がる。

 

「くらえ! どりゃああああああ!」

 

【ギリギリスラッシュ!】

 

 グランドジオウが剣を振ると同時に、エネルギーの斬撃が落下してくる偽ゼロワンに吸い込まれていく。

 輝きと文字が完全に偽ゼロワンの中に吸収されると、偽ゼロワンの身は巨大な爆発を起こし空中に消えていく。

 

 残骸は残らない。ただ、黒い靄が……ってヤバい!

 理屈は分からないが、直感であれはやばいものだと理解する。

 そして、そう理解した俺の行動は早かった。

 

 瞬時に飛びあがると、その黒い靄が収束して生み出された黒いウォッチを空中でキャッチする。

 

「アインロールド!?」

 

 グランドジオウが俺の突然の行動に驚きの声を上げるが、俺はそれどころでは無かった。

 ウォッチを掴んだ腕から唐突に電撃にも似た衝撃波が走る。全身に耐えがたい苦痛が走る。

 だけど……。

 

「改造人間をなめるなぁ!」

 

 気合の叫び声をあげ、その苦痛と電撃を抑え込む。

 全身から冷や汗を流しながら、息を荒げその場に膝をつく。

 

「大丈夫!?」

 

 変身を解いた常磐さんが俺の傍に駆け寄ってくるが、俺はそれを片手で制する。

 息も絶え絶えに、何とか状況を整理する。

 

「だ、大丈夫だ……。それより、あんたはこれに触れないほうが良い。何が起こるかわからないからな」

 

 俺の手にあるのは黒いウォッチ。いや、この黒さは本物ではあるまい。

 アナザーウォッチでもゼロワンウォッチでもない、偽ウォッチと言ったところか。

 先ほどの衝撃といい、どう考えても加古川の作り出した罠だ。

 

「でも、立てるの!?」

「問題無いと言ったろう。改造人間のタフネスをなめるな」

 

 まだふらつくが立てないほどではない。

 俺は両足に力を込めて立ち上がる。

 

「肩を貸すよ、無理をしたら」

「不要だ。それよりも、このエリアはクリアなようだな」

 

 俺の言葉に常磐さんが俺の見ていた方向を見る。

 そこは元は小さなステージがあった場所だ。だが、今はそのステージは完全に消えており、代わりに大きな扉が開いていた。

 入ってこい。そういう事であろう。

 

「進めって事かな」

「だろうな」

 

 そう返しながらも、俺は猛烈に嫌な予感がしていた。

 俺の目の前に広がるその光景は、ごく平凡な日本の街並みと、その向こうに見える緑の山と巨大な樹木、そして空を飛ぶドラゴン。

 

 シャボンにも似た球体がふんわりと飛ぶその形式は、俺の知るある仮面ライダーの一話に出てきた光景そのままだったのだ。




すいません、グランドジオウの変身の全文字おこしは無理です……。
それだけで何行も使ってしまう。 

あと、想像以上にソウゴの会話エミュがむつかしい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。