ショッカーライダーに転生して好き勝手に生きる(事など出来ない)お話   作:さざみー

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第91話 episode・RYUKI 龍騎系ライダーが多すぎる問題

「起きたか」

 

 ネオショッカーの雑兵を蹴散らした俺は、意識を失った秋山蓮を連れ少し離れた場所にある別荘に勝手にお邪魔をすることにした。

 不法侵入というか無断借用だが、かまわないだろう。どうせショッカーの所有する物件だ。

 

 いや、元は樹海基地出入り口の一つだったのだが、スーパー1がハッスルしたおかげで基地に続く通路は崩壊した。

 放棄する話もあったのだが、出入り口跡を隠蔽するのも手間だし上物の別荘は無傷だったので維持させていたのだ。

 

 追放中の身なのでここを利用する気は無かったのだが、非常事態なので勘弁してもらおう。

 

 とりあえず途中で買った食材で軽食を作っていると、サイクロンヘルが旅館に置いておいた荷物をもってやってくる。

 ……スカイライダーがいたはずなのにすごいな、こいつ。

 

 それはともかく、自分で作ったサンドイッチを齧りながら端末で情報を確認する。

 県警だけではなく警視庁も動き出したか。

 これは蟹が要請を出したのか。不良刑事のくせに生意気な。

 

 そんな事をしていると、ほどなくしてソファに寝かせていた秋山さんが目を覚ました。

 

「ここは……。それに君は?」

「ああ、目を覚ましたか」

 

 頭を左右に振りながら起き上がってくる秋山さんがこちらをまじまじと見る。

 まぁ、最後の記憶は空からアインロールドが降ってきた場面あたりだろう。目を覚ましたら見知らぬ別荘にいて、目の前に目つきの悪いガキがいれば多少は混乱する。

 とはいえ、ちょっと事態がやばそうなので手札を早々に晒しておくか……。

 

 俺は端末を操作すると、ボイスチェンジャーを起動させた。

 手に持った端末が俺の声を渋い男性のものに変換する。

 

「これならわかるか? 秋山蓮」

「その声はショッカーの!?」

「まぁ、そういう事だ」

 

 ボイスチェンジャーを止め、端末をテーブルの上に置く。

 流石にショッカーの男が10代とは考えていなかったのだろう。秋山さんは何とも言えない呆然とした顔で俺をまじまじと見ている。

 さてと、どこから聞くべきかな……。

 

「さて、依頼は断られたが、俺は君の命の恩人になるはずだな」

「恩を売る気か?」

「ああ、精々高く売る気だ。昨日も話したが、俺の任務はこの町の破滅の阻止なのでな」

 

 任務なんて無いんですが、ややこしくなるので任務という事にしておこう。

 いや、ちゃんと意味はあるのよ。基地跡地の探索をするのに、近くでミラーモンスターが大量に沸いて出たなんて事態になったら悠長に探索もやってられない。

 まったく、早々に終わらせるつもりだったのにミラーモンスターに浅倉、さらにはネオショッカーまで出てくるなんて聞いていないぞ。

 

「ショッカーは何を考えている?」

「知らんよ。所詮はしがない使い走りだ」

 

 秋山さんの質問は適当にいなしておく。

 それに追放されて勝手に動いているので、何を考えているのか本当に知らないけどね。

 名前を騙っているけど、悪の組織なんで問題はないだろう、多分。

 

「支配的立場じゃないのか?」

「所詮はしがない中間管理職、上の意向に振り回されて右往左往するだけだ。それよりも、城戸真司と会っていたはずだが?」

「貴様! そこまで掴んで!?」

 

 断定口調の俺に、秋山さんがいきり立ち、傷が痛んだのか肩を抑えてソファに沈む。

 まぁ、かなりやられてたもんな。

 とはいえ、ナイトをあそこまで痛めつける実力者って誰だ?

 

 一番ありそうなのが浅倉だが多分違う。

 浅倉は節操無くネオショッカーと組むぐらいは平然とやるだろうが、それはあくまで自分が暴れたいという欲求を満たすための道具としてだ。

 俺がアリコマンドを蹴散らしているのを見れば、嬉々として襲い掛かってくる。そういう奴だ。

 

 秋山さんを救出する際に姿を見せなかった以上、あいつがネオショッカーと組んでいる可能性は低い。

 

「正直、俺も余裕がある訳では無い。腹の探り合いは止めておこう。ニューヨークの事件は知っているな」

「当然だ」

「あの時出現したシアゴーストが出現した。あれが進化を開始したら手が付けられない」

 

 秋山さんが失われた世界の事をどれだけ覚えているかは知らないが、今の世界で発生したニューヨーク襲撃事件は当然知っているだろう。

 実際、俺の発言に秋山さんの顔色が真っ青になる。

 あ、こりゃ少なくとも最後の周回……城戸さんが死んだ時の事は覚えているな。

 

「まて、あれが出現しただと?」

「ああ、こちらに出てきた個体はすべて倒したが、ミラーワールド内にどれだけいるかは不明だ。そちらは何が起きた?」

「くそっ……。分かった、話そう」

 

 

※※※※※

 

 

「変身!」

 

 

 次の瞬間、鏡像世界の城戸真司の姿が変わる。

 影法師が彼の姿を覆い隠し、黒いボディースーツを、甲冑を生み出す。

 それは龍騎とよく似た姿。だが、竜の頭部を模した小手が真逆の位置に配置された、漆黒のライダー。

 

「おお! 我が新たな主! リュウガ様をようやく解放する事が叶いましたぞ!」

 

 その男のもう一つの名は仮面ライダーリュウガ。

 ナイトとは浅からぬ因縁を持つダークライダーだ。

 

「まさか……」

 

 鏡像の城戸真司は過去に3回出現している。

 いや、これは間違っている。奴が出現した3つの世界は全て消えてしまった。

 泡沫の夢の存在、それが鏡像の城戸真司であり仮面ライダーリュウガだ。

 

 一度目は消えてしまった世界、そのさらに遥か彼方に存在する忘却された可能性の一つでの出来事。

 蓮とてあまりにも遠くなってしまった世界ゆえに事細かに記憶している訳では無い。だが、最悪の結末を迎えた世界で戦った事だけは辛うじて覚えている。

 

 二度目は時の王者により破壊された歴史の上に出現した存在。

 アナザーライダーとなり時の王者を苦しめ、あるいは鏡の世界に閉じ込められた城戸真司の肉体を乗っ取りライダーたちを次々に惨殺していった。

 

 三度目はコラスという男が開催したデザイアロワイヤルの参加者として、本物の城戸真司を鏡の世界に封印する事により出現した。

 現実世界の破滅を望む危険な存在は若いライダーたちを苦しめるものの、最後は復活した城戸真司に倒された。

 

 そう、泡沫の存在ではあっても儚い存在ではない。

 極めて危険であり、好戦的なダークライダーであった。

 

「久しぶりだな。デザイアロワイヤル以来か。あの時は一杯食わされたな」

「何の目的で、ネオショッカーと組んでまで出て来た!」

 

 敵意と警戒心を隠さない蓮に、リュウガの後ろに控えていたカガミトカゲが激高する。

 トカゲの表情はよく分からないが、鼻息の粗さから怒り狂っている事だけはよく分かった。

 

「貴様! リュウガ様に無礼な!」

「いいさ。旧知の仲だ、教えてやるよ。現実世界との境界を破壊し、この世の全てを鏡の世界に飲み込む為だ」

 

 これまでの鏡像の城戸真司と違い妙な気さくさを見せながら、芝居がかった仕草で腕を広げ現実世界の破滅を高らかに謡う。

 

 鏡像の城戸真司は出現する毎に微妙に性格や目的が異なっている。

 この鏡像の城戸真司はデザイアロワイヤル時に出現した時の目的に近いようだ。

 

「そんな事をさせると思っているのか」

 

 自らのデッキを取り出し蓮はリュウガと相対する。

 やる事はシンプルだ。あのカガミトカゲとかいうネオショッカー怪人を倒し本物の城戸真司を救出し、リュウガを倒し奴の野望を阻止する。

 蓮の闘志に呼応し腰にVバックルが出現した。

 

「変身!」

 

 力拳を振り上げる独特のポーズから、カードフォルダーをバックルに装填する。

 無数の鏡像が宙を舞い、蓮の身体に吸い込まれていく。

 濃紺のボディースーツと白銀の甲冑。騎士を思わせるバイザーの仮面ライダー、ナイトに蓮は変身する。

 

「そう来なくては。やれっ!」

「ヒィ!」

「ヒィィィ!」

「ヒィッ!」

 

 ナイトの出現に、リュウガは配下のアリコマンドに命令を出す。

 その叫びにアリコマンドたちは手に持った大ぶりのナイフを振り上げ、次々にナイトに襲い掛かる。

 だが、有象無象の雑兵に後れを取るナイトではない。アリコマンドの攻撃を素手でいなしながら、バックルから引き抜いたカードを召喚機に読み込ませる。

 

『TRICK VENT』

 

 ナイトのすぐ側に実体を持つ分身が姿を現す。

 それぞれがアリコマンドを圧倒する力を持つナイトだ。それが3体に増え、さらにはダークバイザーやウイングランサーなどの得物を持てばアリコマンドに勝ち目はない。

 斬撃が翻るたびに、槍の一閃が繰り出される度にアリコマンドが吹き飛び地面に倒れていく。

 

「やはりこいつらでは駄目か」

 

 配下の奮戦、あるいはやられる様を高みの見物とばかりに眺めていたリュウガだが、アリコマンドの数が半数を切ったところで動き出す。

 本体と思しきナイトに向け、呼び出した刀を振るい襲い掛かる。

 

「はぁっ!」

「その程度!」

 

 リュウガの漆黒のドラグセイバーによる斬撃を、ナイトが持つ黒きウイングランサーが迎え撃つ。

 互いの得物が空中でぶつかり合い、周囲に火花が飛び散り衝撃音が響きわたる。

 邪魔となるアリコマンドを蹴り飛ばし、あるいは公園の植え込みや備品を切り飛ばしながら二人の戦士は切り結ぶ。

 

「中々やるな! だが死ねぇ!」

 

 巨大なウイングランサーが振り切った隙を見て、リュウガが飛び込む。

 純粋なパワーを含む身体スペックならリュウガが上回る。だが、長く戦い続けてきたナイトにはパワー差をいなす技があった。

 

「させるか!」

 

 咄嗟に左手をウイングランサーから放し、腰の剣型召喚機、ダークバイザーを引き抜く。

 左手ゆえに完全な抜刀は出来ない。だが、ドラグセイバーを受け止めるには十分な動きだ。

 甲高い金属音が周囲に響き渡る。

 

「CKUEEEE!」

 

 不意に、どこからともなくナイトの契約モンスターであるダークウイングが姿を現し切り結ぶ二人に向かい突進を敢行する。

 だが、そのダークウイングから契約者であるリュウガを守らんとドラグブラッカーもその姿を現した。

 二体のミラーモンスターが衝突する。

 

 誰もがそう考えた。

 

 だが、不意にダークウイングは進行方向を変えると、契約者であるナイトに向かい突き進む。

 

 余りにも不可解な動きにリュウガが驚きの声を上げるが、当然ダークウイングはナイトを攻撃するために体当たりをしたわけではない。

 そう、彼はナイトに力を与えるためにぶつかってきたのだ。

 その証拠に、ナイトの背中にはそれまで存在していなかった黒く巨大な翼が生えているでは無いか!

 

「なにっ!?」

 

 もしこれが、通常の攻撃手段であれば、幾度となく戦ってきたリュウガは難なく対応して見せただろう。

 だが、本来なら移動用の合体。それがリュウガの行動を一瞬だけ遅らせた。

 

 リュウガがナイトの意図を読みその場を退くより、ナイトの行動は早かった。

 ナイトの背の翼が素早く動き、リュウガの頭部に殴りかかってくる。

 

 飛行用の翼だ。本来ならリュウガにダメージを与えるほどの打撃力は無い。だが、鍔迫り合いの最中での頭部への打撃だ。防御をする事が出来ず、まともに食らいバランスを崩す。

 ドラグセイバーにかかる力が抜けた瞬間、ナイトはダークバイザーから手を離すと身を翻す。

 

 瞬時にリュウガの背後についたナイトは手に構えた槍を突き立てる。

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!」

 

 幾多の敵を葬ってきた鋭い槍に胴体を貫かれ、リュウガが断末魔の悲鳴を上げる。

 引き抜かれた後には、向こう側が見える風穴があいていた。

 

 普通ならこれで終わりだろう。だが、リュウガ相手に油断や手加減などしない。

 

 ナイトは槍を引き抜くと同時に、バックルから一枚のカードを取り出す。

 無情なる必殺の一撃を、召喚機が宣告する。

 

『FINAL VENT』

 

 ナイトが天高く跳躍する。

 ダークウィングが翼からマントに変化し、ウイングランサーを軸にナイトの身を包み込む。

 漆黒の円錐は高速で回転をしながら、腹に風穴の空いたリュウガに襲い掛かる。

 

 飛翔斬

 

 仮面ライダーナイトが誇る必殺技が、リュウガの腹に突き刺さる。

 元々空いていた風穴を中心に穴は更に拡大し、ついにはダークライダーの身体を粉々に砕く。

 

「がぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 

 断末魔の悲鳴と共に、リュウガの姿が爆炎の彼方に消えて行く。

 必殺技の体勢を解き、着陸をしたナイトがゆっくりと、リュウガの最期を確認するように振り向き……。

 

 

『FINAL VENT』

 

 

「なっ!?」

 

 振り向いたナイトの耳に飛び込んできたのは、そんな殺意の宣告。

 粉々に砕け爆炎の中に消えて行くリュウガの背後から、ドラグブラッカーの火炎に押し出されたリュウガが必殺のドラゴンライダーキックの体勢でその姿を現す。

 この時、ナイトの手に防御性能のあるウイングランサーが残っていなければ、彼の命運は此処で尽きていただろう。

 

 ドラゴンライダーキックを受けたウイングランサーが何処かに飛ばされ虚空に消える。

 武器を犠牲に何とか身を守ったものの、ファイナルベントの威力は伊達ではない。ナイトは公園の木々を巻き込みながらはるか後方に飛ばされる。

 

 二つ目の幸運は、飛ばされた先が岩などではなく、柔らかな露店であった事だろう。

 それが衝撃を吸収し、ナイトの身を守ったのだ。

 もっとも、その二つの幸運をもってしてもその身に受けたダメージは決して軽いものでは無かった。

 

「な、なぜ……」

 

 露店の残骸から身を起こしながら、ナイトは呆然と呟く。

 リュウガに決めた飛翔斬は完璧な手ごたえがあった。事実、リュウガは確かに粉々に砕け爆炎の中に消えたはずだ。

 だが、それなら、今自分の目の前にいるリュウガは何だというのだ?

 

「何故か、か?」

「なっ!?」

 

 呟きを耳にしたリュウガが、森の中から姿を現す。

 慌ててそちらを振り向いたナイトの背後から、リュウガの声が聞こえてくる。

 

「こういう事だ」

 

 慌てて振り向いた先、湖畔に続く階段をリュウガがゆっくりと降りていた。

 3人のリュウガ。いや、倒した者も含めれば4人のリュウガがいた事になる。

 

 一体でもその力はナイトを上回っている。

 それが三体。

 余りにも絶望的な状況に、流石のナイトも言葉が続かなかった。

 

 

※※※※※

 

 

「そこからは逃げの一手で、何とか……どうした?」

 

 秋山さんの話を聞いていた俺は、思わず頭を抱えてしまった。

 

 秋山さんから聞いた本ライダーバトルのルール、この町に来た城戸さん、面汚し、鏡像の城戸真司、ネオショッカーのカガミトカゲ、そして俺たちが実際遭遇した現実世界に侵攻してきたミラーモンスター。

 ああ、もう全部繋がったよ。

 

 自分が悪の組織の幹部だと、倒されるべき悪だとよくわかる。

 なんせネオショッカーの、鏡像の城戸真司の計画はおおよそ読めた。まだ分からない点はいくつかあるが、とりあえず妨害するには支障がない。

 

「いや、すまん。こちらの事情で、何でもない。だいたい分かった」

「何がだ?」

 

 なんか顔面に拳を叩きこんでやりたいライダー第二位に位置する破壊者のような言い回しになってしまったが、これ以上の表現方法が無いのだから仕方がない。

 俺は残ったサンドイッチと缶コーヒーを秋山さんの前に置きながら、説明するための考えをまとめる。

 

「腹に入れておけ。おそらくここからノンストップだ。安心しろ、毒など入っていない」

 

 一瞬ぎょっとした表情を見せる秋山さんの事を無視して、話す順番を決める。

 まずは此処から話さないといかんな。城戸さんを奪還しないと、延々と出てくるリュウガと戦う羽目になる。

 

「まず城戸さ……城戸真司は無事だ。鏡の世界にある敵の本拠地に捕らわれているだけだ」

「それは分かっている」

 

 まぁ、似たような経験はあるだろうから分かっているだろう。

 だが、ここから話さないと説明できない。

 

「連中がわざわざ城戸真司をおびき寄せ、あんたの目の前で捕らえた理由は三つある。一つは当然鏡像世界の城戸真司を作り出すためだが……」

 

 俺は此処で言葉を切る。

 あー、ほんとあのクソ女と手口が同じだな。もしかするとあいつ、ネオショッカーと接触していたのか?

 ありそうで嫌だな。

 

「ネオショッカーのカガミトカゲ。あいつは鏡の世界に捕らえた人間の分身である鏡人間を作り出す能力が有る」

「おい、それって……」

「そうだ。カガミトカゲが作った鏡人間を軸に、鏡像の城戸真司を被せたのだろうよ。お前が戦ったリュウガは本体ではなく、いわば分身の様なものだ」

 

 以前風都で仮面ライダーWが戦った相手が似たような事をやった。

 あの時は本人を捉え、その血でホムンクルスを作り戦闘データを被せて怪物を量産したのだ。

 それの鏡版と言ったところだろう。

 

「つまり、城戸真司を救出するかカガミトカゲを倒さない限り、リュウガは延々と出てくることになる」

 

 自分で言っておいてなんだが、うんざりする状況だな、これ。

 ミラーワールド系ライダーは高火力ではあるが、カード枚数という制限がある。その制限が消え無尽蔵に湧いて、さらには使い捨て出来るミラーワールド系ライダーなんて戦いたくない。

 俺が頭を抱えた理由が分かったのだろう、秋山さんもうんざりとした表情を浮かべている。

 

「そして、時間制限があり、ほとんど時間が無い」

「何故それが分かる!?」

「浅倉の奴が、ライダーをほぼ倒しきったのだろう。残っていても1人か2人だ。さして時間が無い。あいつらがあんたたちの前に出てきた二つ目の理由だ」

 

 一度目は偶然、二度目は奇跡、三度目は必然。

 よく言われる事だが、この事件は計画的に仕組まれていた事だ。

 

 ライダーバトルにミラーモンスターを積極的に倒さなければならない理由を付与し、ミラーモンスターの進化を促し現実世界に進出できる強靭な個体を作る。

 恐らくはこれが連中の計画の第一段階だ。

 

 そして現実世界に進出できる個体が増えたところで第二段階、邪魔なライダーたちを消す事にした。

 だが、ここでネックとなるのがライダーたちの力だ。半年もの間積極的にミラーモンスターを狩っていたライダーたちは皆かなりの力を得ている。生半可な刺客では返り討ちにあうのが関の山だ。

 そこで連中はライダーを始末するために浅倉を呼び寄せた。

 人の言う事を聞くような奴ではないが、ライダーバトルという餌をチラつかせ誘導する事は難しくなかっただろう。

 

「そして第三段階。ライダーの全滅が近いと判断し、リュウガを現実世界に呼び込むために城戸真司をおびき出した」

 

 一応、城戸さんは勤め人であり、ニュースサイトの記者である。

 ネオレジャーナルがネオショッカーと関わりがあるとは思えないが、付き合いのある人を通して取材を頼まれれば断る事も出来ないだろう。

 そしてこの地には城戸さんの知り合いがいる。

 取材という名目で彼をおびき寄せるのはさほど難しくなかったはずだ。

 

「城戸と浅倉はあいつらにおびき寄せられたという事か……なら」

「あんたは偶然だ。そして3つ目の理由だ。この地にはスカイライダーが滞在している」

 

 筑波さんと秋山さんがこの地に来たのは、連中にとってもイレギュラーであったのだろう。

 だから、城戸さんを本拠地におびき寄せるより前に、二人を強襲して城戸さんを捉えた。

 

 そう、スカイライダーとナイトが接触し、事件解決に当たる事を恐れたのだ。

 

「俺の想像で補っている部分も多いが、そう大きく外れてはいないはずだ」

 

 随分と長い話になってしまった。

 まだライダーバトルの願望器であるオーディンの居場所など分からない事もあるが、今手を付けてもリュウガに妨害される可能性が高い。

 

「城戸の救出と浅倉を止める……同時にやる必要があるか」

 

 長話で手持ち無沙汰だったのか、それとも俺がノンストップといった理由が分かったのだろう。秋山さんがサンドイッチをつまみながら確認をしてくる。

 同時に出来れば良いのだが、あの面汚しミラーワールドを渡り歩いているらしく居場所が捕捉できないんだよな。

 ほんとうに、無駄に頭が切れるから厄介だ、あの狂人

 

「だが、浅倉の居場所は分からない以上、先に出来る城戸真司救出からするべきだな」

「だが、城戸は何処に……」

「そんな事か? 難しくはない」

 

 秋山さんの言葉に、俺は手元の端末を操作しこの町の広報を呼び出す。

 流石観光地らしく、夏から秋にかけての行楽施設の一覧がずらりと並んでいる。

 

 それを軽くスクロールさせて、目当ての施設を呼び出すと端末を秋山さんに押し付けた。

 

「ここだ」

「かがみこネオタウン?」

「城戸真司が取材する予定だった秋に新規オープンする複合レジャー施設だ。この施設が連中の本拠地だ」

 

 秋からオープンの新施設。

 そここそが敵の城であり、俺たちがまずは攻略しなければならない場所であった。




あれ? これエピソード・龍騎であって、エピソード・スカイライダーでもエピソード・ナイトでも無いよね?

全部ピーチ姫城戸真司の責任だ!
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