ワールドトリガー・Returner from another world 作:もりいぬ
今回、いよいよオリ主が(少しだけ)戦闘します。
なお、「そんなのアリか?」と思われるかもしれない戦闘描写が存在します。
一応後書きで説明していますが、納得いかなければ「ご都合主義」と思っていただいて結構です。
追記:出水のトリオンを「12」でなく誤って「11」と表記しておりました。
訂正しお詫びいたします。
たった1秒足らずの攻撃で菊地原が
「……誰か飛んだな。誰だ?」
「迅さん──じゃないですよね?」
「それはないな。
「──誰か落ちたってことは、プランBに切り替わった。ここからは全開戦闘だ。準備はいいな? 嵐山」
「ああ、もちろんだ」
その頃、
「お疲れ様」
「……やられた」
菊地原は、なぜ自分がやられたのかを全く理解していなかった。それほどまでに一瞬だった。
自分がどうやって、何をされてやられたのかもわからないまま、気付けば自分の首は落ち、ここに転送されていた。何もわからぬまま、ボーダートップチーム最初の離脱者になってしまった。
「すごかったね、迅さんの『風刃』」
「気付いたらやられてたよ。そうだ、今どうなってる?」
「放棄地帯3か所で戦闘が続いてるわ。米屋くんは、木虎さんにかかりっきり。廃墟のマンションにこもったまま、動きはないわね。三輪くん、出水くんは嵐山隊と──」
そこまで言って急に口ごもった三上を、菊地原が不審がった。
「どうしたの? 急に口ごもって」
「ううん、なんでもない。三輪くんと出水くんは、嵐山隊と──月城さんとで膠着状態ね」
「
「……っ」
その「月城」という名前を出した途端、三上が明らかに不審な反応をした。
反応からして何かあるのは明白だったが、今は戦いの最中である以上、余計なノイズは必要ない。そう考えた菊地原は、この時点では口出しするのを避けたのだった。
──────────────────
──首を切り落とされた菊地原が
その目は今までのような軽い雰囲気の目ではなく、「本気で相手を倒す」という意思を感じられる目だった。
「……申し訳ないが──太刀川さん達には、きっちり負けて帰ってもらう」
その言葉を聞いた太刀川が不敵に笑い、そのまま迅に迫る。風間と歌川は近距離戦を太刀川に任せ、自分たちは隠密戦闘を始めるべく退こうとした。
だが、そうは問屋が卸さない。逃がさないとばかりに「風刃」から放たれた2発の斬撃のうち1発が、歌川を捉える。だが浅い。
「──
「
風間と歌川の姿が、迅の視界から消える。隠密用トリガー、カメレオンを発動したのだ。
──迅の未来視は、迅の視界に入ったものにしか効果を発揮できない。カメレオンで姿を消されていると、その人間の行動の未来が見えなくなるのだ。
ただし、カメレオンというトリガーには「カメレオンを使っている間は他のトリガーを一切使えない」というデメリットがある。カメレオンを使った人間の未来を予知することはできないが、向こうがカメレオンを発動している限り、向こう側から攻撃を仕掛けられることはない。
そしてカメレオンを使われたことにより、迅は一瞬意識を風間たちの方へ逸らした。その隙を逃すことなく、太刀川の剣が迅に猛然と襲い掛かる。2人は再び至近距離でせめぎ合った。
「誰が負けて帰るって?」
「出来れば全員がいいなぁ」
太刀川と迅の攻防は続く。夜の放棄地帯に、2人の剣がぶつかり合う音が幾度となく響き渡る。
風間と歌川はカメレオンで透明化しながら、戦況を静観しつつ迅の持つ「風刃」を注視していた。
「風間さん、今のが話に聞いてた迅さんの──!?」
「そうだ。あれが迅の
「どこにでも……?」
「ああ。だが、隙はある。迅のブレードから出ている光の帯が見えるか? あれが『風刃』の残弾だ。迅の『風刃』の弾数は最大で11発。ここまで菊地原に1発、俺たちに2発。つまり残り8発だ。あれを全て使い切った後、再装填する時間が生まれる。その隙を逃さず殺し切る。──行くぞ」
そう語る風間の目には、8本の緑色の光の帯が見えていた。
そして2人は、激しく剣をぶつけ合う太刀川と迅を追いかける。同時に、
「
「奈良坂、了解」
「古寺、了解」
太刀川と迅の剣は止まらない。迅の剣戟を、太刀川が防ぐ。迅が軽やかな挙動で太刀川の攻撃を防ぐと、太刀川がすかさず2段目の攻撃を放つ。そこに奈良坂と古寺の狙撃も加わり、迅はあっという間に劣勢に陥った。
弧月二刀流となった太刀川の猛攻に迅は少しずつ追い込まれ、二刀流の旋空弧月を躱したところで三度鍔迫り合いになる。
「『風刃』の怖さは遠隔斬撃。距離を詰めればただのブレードと同じだ」
「……なかなか研究してるじゃないか。太刀川さん!」
迅が巴投げの要領で太刀川を投げ飛ばす。すぐさま体勢を立て直した太刀川が迅に旋空弧月を放つが、迅はこれを飛び退くことで避ける。
しかし太刀川にとってはそれが狙いであり、気付けば迅はガレージの中に追い込まれていた。三輪隊の
「追い込んだ!」
「単純な剣の腕前なら、太刀川さんの方が上だな……!」
薄暗いガレージの中で、迅を追い込んだ太刀川と、逃げ場を失った迅が対峙する。
「もう逃げ場はないぞ、
「きっちり追い込まれたってわけ?」
太刀川が二振りの弧月を構え、迅に迫る。迅の後ろは壁だ。逃げ場のない空間故に、必然的に至近距離での戦闘となる。だが、太刀川は気付いていなかった。
──「この状況を作ること」。これこそが、迅の最大の狙いだったのだと。迅の背後から壁を伝い、天井から這い出た斬撃が、太刀川の肩を切り裂く。
「壁を伝って、天井から……!?」
「残念。──逃げられないのは、そっちだよ?」
静かに笑いながら、迅は風刃を構える。それと同時にガレージの壁に、5本の緑の線が浮き出た。
「珍しく熱くなりすぎたな、太刀川さん!」
5方向から同時に放たれた風刃の遠隔斬撃は、防御する隙を一切与えぬまま太刀川に全弾直撃。太刀川は大ダメージを受け、大量のトリオンが身体から漏出した。
そのタイミングで、今まで隠密状態だった風間と歌川が2方向から迅に斬りかかる。迅は風間をさばきつつ、風刃の残り1発の斬撃で歌川の身体を両断した。残弾が0になったことを確認した歌川が、風間に叫ぶ。
「風間さん、0本です!」
歌川のそれを聞き逃さなかった風間が迅を捉える。迅は風間の攻撃を受け止めたが、その瞬間、迅は足を何かで貫かれた。
迅が足元を見ると、風間の身体から伸びてきたスコーピオンのブレードが、迅と風間を縫い付けている。形状を自在に変化させられるというスコーピオンの性質を最大限活用した風間の得意技、「
(地面からブレードを!? ……読み逃したか)
「太刀川!!」
太刀川は風間ごと迅を斬るべく、剣を構える。風間もまた、ここで迅もろとも斬られるつもりでいた。たとえ自分がやられようと、迅さえ落とせば後が楽になる。
だが斬られる寸前で、風間はある違和感に気づいた。
──迅の「風刃」の弾は11発。菊地原が1発、自分たちに2発、先の攻防で太刀川が計6発受けた。そして今歌川が斬られた1発で残弾0。
……そう、合計しても「10発」しかない。
「待て、太刀川──ッ!!」
だが、一手遅かった。
風間が叫んだのと同時に、風間の左足と太刀川の右腕が消し飛び、甚大な量のトリオンが身体から漏れる。即死ではなかったが、どちらも戦闘に大きく支障が出るダメージだ。おまけにただでさえダメージの大きい太刀川は右手を吹き飛ばされたため、戦力低下どころか放っておいてもそう時間を置かず
その一部始終を見ていた古寺と奈良坂だが、あまりにも一瞬過ぎて古寺には何が起きたのか理解できなかった。
「いったい、何が起こったんですか……!?」
「──
「全部、計算済みで……?」
奈良坂は、ここでようやく「100%おれたちが勝つ」という迅のあの言葉の意味を理解した。
……確かに、恐ろしすぎるトリガーだ。遠隔斬撃だけなら、まだ対応するだけの余裕もあるだろう。しかしながら予め未来を読んで、「置き弾」として遠隔斬撃を使われようものならひとたまりもない。現に太刀川は迅の策にかかって「風刃」の直撃を受けたし、風間の加勢があってもなお温存していた斬撃で返り討ちにされてしまっている。
仕込まれていた「風刃」で左足を切り落とされ、機動力を完全に殺された風間が迅を睨む。しかし迅はそれを意にも介さず、いつもの飄々とした口調で語った。
「さすが風間さん。気付いて一瞬止まろうとしたでしょ」
「……だが遅かった。俺たちの動きを予知して、すでに斬撃をガレージの壁に仕込んでいたのか」
風間の発言に、迅が頷きながら言葉を続ける。
「あんた達は強い。
……6人いたはずの連合部隊だったが、もはや継戦能力はないに等しかった。
真っ先に菊地原が首を刎ねられ、歌川も先の一撃で戦線離脱。風間と太刀川は辛うじて残っているが、トリオンの漏出が激しすぎる上に戦闘を続ける上で致命的となる部位を切り飛ばされているためほぼ戦闘不能に等しい。とどめに奈良坂と古寺の狙撃は予知のせいでまず当たらない。
一方、迅は風間に足を縫い付けられたことを除けば無傷。「風刃」と迅の前に、連合部隊の勝算はもはや残されていない。
北東側の攻防、6対1だったはずの戦いは、迅の
──────────────────
時を同じくして、放棄地帯の南側の戦闘もまた激化の一途をたどりつつあった。
歌川が
嵐山は飛んできた弾を銃で相殺しつつ、時枝の援護も受けながら的確に残りの弾を捌いていく。死角から飛んできた数発の弾は、すかさず遼河がシールドでカバーした。
「助かった!」
「気にするな。だが射撃戦になってる以上、
「でも、遼河さんが居なければ危なかった場面も多かったですよ」
今の戦局は弾トリガーがメインとなっており、近接攻撃特化の遼河は切り込む隙が無い。そこで遼河は、嵐山と時枝の援護に回ることにする。
「俺はしばらくお前たちのフォローに回る。射撃戦は2人に任せた」
「ああ!」
「任せてください」
ここまで遼河は、旋空弧月を1度も使っていない。使えば戦況を1発でひっくり返せるのは間違いないが、同時に建物を破壊してしまう可能性があった。嵐山がそれは避けたいと言ったので、今まで遼河は旋空弧月を使っていないのだ。
そのまましばらく撃ち合いが続いていたが、嵐山の足に三輪の放った弾がヒットしたことで戦況が動く。三輪の
「よーしよし、足が止まったな。シールドごと削り倒してやる」
その言葉通り、出水は嵐山を削り倒すべく数えきれないほどの
しかし直撃寸前で、出水の視界から突如として嵐山が消える。
「出水、後ろだ!」
「『テレポーター』かよ……!?」
出水の眼前にいた嵐山が、テレポーターで瞬間移動し後ろに回り込んでいた。嵐山は銃を構え、そのまま
出水はそれをシールドで防ぐが、その側面からすかさず時枝が
「テレポーターからの
出水はどうにか致命傷は防いだものの、離脱する際に多少のダメージを受けてしまった。だが、三輪の警告が無ければもっと被害が大きくなっていただろう。
距離を取っていた三輪が、出水に近寄る。
「出水、大丈夫か?」
「ああ。顔と心臓は避けた。でも……あーあ、トリオンがもったいねー」
そして出水が傷を負ったのとほぼ同タイミングで、米屋と木虎の戦いも佳境に入っていた。やはり接近戦では本職である米屋のほうに分があるようで、米屋の的確な槍さばきが木虎をじりじりと追い込んでいく。
木虎は少しずつ後ろに下がっていき、ついに逃げ場のない部屋に追いつめられた。狭い部屋に逃げ込んだ木虎に、米屋は槍を短くして対応する。
「狭い部屋なら槍が使えないと思ったか? ──ざーんねん、対応済みだっつーの!」
が、米屋の槍を振るう腕が止まった。──いや、「止められた」。
米屋が自分の腕を見ると、暗闇に紛れた死角に、ワイヤーが仕込まれているのが見えた。当然それは勝負を決める大きな隙となり、木虎のスコーピオンが米屋を貫く。胸を貫かれた米屋の身体から、堰を切ったかのようにトリオンが漏れる。
「トリオン供給器官は破壊したわ。終わりよ」
木虎は淡々と終わりを告げる。
しかし、その言葉に対して米屋は不敵に笑った。
「──と、思うじゃん?」
それだけ言うと、米屋は木虎に突進した。その捨て身の攻撃で窓が割れ、木虎と米屋は外に投げ出される。
落下する米屋が下に向かって叫ぶ。そして米屋の目線の先には、すでに弾を準備して待っていた出水がいた。
「弾バカ、出番だぞ!!」
「だーれが弾バカだ! お前もろとも蜂の巣にすんぞ!! ──
出水の両手から出現したキューブが、無数の弾丸となり木虎に襲い掛かる。木虎はシールドを展開したが、木虎の貧弱なトリオンでは強度的にも範囲的にもまず防ぎきれない。
木虎が
「時枝先輩……!?」
「おいおい、嘘だろ……?」
どこからともなく現れた時枝が間に割って入りシールドを展開、出水の弾幕を防いだのだ。出水は弾幕を防がれたことに驚愕する。
しかし、ここでひっそりと戦線に参加していた当真の遠距離射撃が時枝をロックオンする。予期していなかった狙撃によって時枝はなすすべもなくヘッドショットされ、致命傷を負った。続けて当真は木虎に狙いを定める。が、時枝が機転を利かせた。木虎の身体を引っ張り、僅かではあるが命中地点をずらしたのだ。
その結果木虎は左足を失うことになったが、ヘッドショットされて即戦線離脱という最悪の事態は避けられた。それを見ていた当真がぼやく。
「おいおい、とっきー。今のは頭だろ?」
地面に着地した時枝と木虎だが、時枝は頭を撃ち抜かれたことでそう時間をおかずに
しかし一度に2人を失うという最悪の事態を避けることができたのは、間違いなく時枝のファインプレーだった。
「嵐山さん、月城さん。すみません、先に落ちます」
「とっきーに木虎の片足か。まあ仕事はしたかな……。後はよろしくー」
時枝と米屋のトリオン体が破壊され、同時に戦線を離脱する。
これで戦況は当真含めて3対3。だが嵐山は脚に
「すみません、詰めが甘かったです」
「分かっているならそれでいい。やられなかっただけ幸運だ」
「遼河の言うとおりだな。反省は後だ、まだ終わってないぞ」
獲物を見つけた蛇の如く、三輪が嵐山たちに近づいてくる。
「これで3対3、しかも2人は足がない。一気に捻り潰すぞ」
──この時、嵐山隊の
すると、遼河が三輪の視線を遮るように嵐山たちの前に立つ。
「俺が時間を稼ぐ。2人はその間に退避しろ」
「……任せていいのか?」
「ああ。こいつらの戦い方は大体わかった」
それだけ言うと、遼河は嵐山たちの後ろにグラスホッパーを出現させる。嵐山と木虎は、その意図を一瞬で理解した。
「使え!」
「──ありがとう。なら、俺からもこれだけはさせてくれ!」
嵐山の放った
そうしてその場に残ったのは、遼河と三輪、出水の3人。三輪が忌み物を見るような目で遼河を見る。三輪からすれば今の遼河はボーダーの同僚などではなく、玉狛に与する敵だった。
「ここに残るとは、ずいぶんな自信だな。1人で2人に勝てるつもりか?」
三輪のその問いに、遼河は先の問答と同じように淡々と答えた。
「最初から勝つつもりはない。だがお前たちが俺を倒せると思うなら──やってみろ」
「ならお望み通り、一気にすりつぶしてやる。
出水の放った
だが遼河はなんと、出水の放った
「はぁ!?」
「なっ……!?」
目の前で起きている出来事に、出水と三輪は目を疑った。
──遼河は出水が放った
そしてついに、遼河は125発もの通常弾の嵐を抜けてしまった。しかも、無傷で。
「……温いな」
その一言に、出水は驚愕を通り超えて戦慄した。
──出水の記憶の中に、こんな人外じみた戦い方をする隊員は存在しなかった。自分の隊の隊長もだいぶ戦闘バカなのは分かっているが、さすがに
そもそも出水のトリオンは「12」だ。そんなトリオン量から放たれる125分割
そんな文字通りの弾幕を正面から小細工無しかつノーダメージで突破してきた遼河に、出水はたまらず悪態をついた。
「弧月で弾ぶった斬るとか、デタラメにもほどがあんだろ……!?」
出水の言う「デタラメな芸当」に、三輪もまた驚愕していた。
同時に、迅が最初に言っていた「遼河さんは強い」という言葉の本当の意味を嫌でも理解させられた。しかし、三輪は「親
「チッ……!!」
三輪が
──確かに遼河は嵐山と違い
だがそれは三輪たちも同じだ。一応出水は多少手傷を負っているとはいえ、戦闘に支障があるわけではない。つまり目の前の男は純粋な戦闘力だけで、ここにいる「No.3
とどめに三輪たちからしてみれば、遼河の攻撃用トリガー構成は「弧月」以外割れていない。どこまでも未知数の相手に、三輪たちは後手後手にならざるを得なかった。
「──どうした? 来ないのか?」
遼河が不敵に微笑む。
三輪たち2人はそれが挑発だと気づいていた。だが挑発に乗らなければ、嵐山たちの逃げる時間を稼がれてしまう。しかし挑発に乗ったところで、今目の前にいるのは出水の放った
しかし、そこで止まらないのが出水が「弾バカ」たる所以である。
「だったら、これはどうだ!!」
出水が再び弾を撃ちこむ。しかし、今回は
──運が悪かったのは、遼河がその一手先を行っていたことだろう。遼河は弾を引き付けると、直撃寸前で不敵に微笑んだ。
「また無策に突っ込む……とでも思ったか?」
「な……!?」
遼河は弾が当たる瞬間でグラスホッパーを踏んで反転。三輪たちと逆方向へ自らを射出することで、一気に距離を取ったのだ。
もし遼河が弾を剣で叩き落していれば、その瞬間爆発して撃破されていただろう。だが、遼河が取った選択肢は「シールドを張りながらグラスホッパーでの後退」だった。遼河からしてみれば、自分の目的はあくまで嵐山と木虎が逃げるまでの時間稼ぎに過ぎない。そして、それはすでに達成されている。目的が達成された以上、長居する必要はどこにもない。遼河は、ハナから勝つつもりなどなかったのだ。
出水の放った
結局2人がかりで攻撃したにもかかわらず、遼河に傷を付けることはできていない。三輪たちは遼河の作戦通り、ただ時間を浪費させられてしまった。
「悪い三輪。してやられた」
「……あの男のことは、一旦放っておくのが最善だ。先に手負いの嵐山さんたちを落とした方がいい。嵐山さんたちの足はすでに死んでる。時間稼ぎがあったとはいえ、そう遠くには行ってないはずだ」
「でも、どうやって炙り出す? おれの
『おいおい出水、過激だなー。捨てられてても人ん家だぞ?』
「じゃあ当真さんが案出してくれよ」
『それを考えるのは三輪の仕事だろ?』
当真も出水も、難しい作戦を考える頭は持っていない。作戦の立案を丸投げされたことに気づいた三輪は、少し顔を顰めた。それでも、今この場でまともに作戦を考案できそうなのは三輪しかいないのもまた事実。
まもなく、三輪がある案を出す。それに賛同した2人は、作戦通り動き出すことにした。
Q.弾トリガーって叩き斬れるんですか?
A.原作5巻(37話)で風間さんが修のアステロイドを叩き斬る描写があるので、「ブレードの強度>弾の威力」なら可能だと思われます。
ただし極めて高い技術と圧倒的な剣速を兼ね備えているのが前提で、かつ正確に弾丸にブレードを当てる斬撃の精密さが必須なので普通の隊員が真似しようものなら一瞬でお陀仏です。