アリサがアリサのままでいられたらというif世界線
上条宅に居候中です
インさん空気です()
あったかもしれない恋のお話─────


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SSは始めて書きます

あったかもしれない恋のお話
そんな物語の一日



とある奇蹟の鳴護アリサ

 

世界最大の文化祭である『一端覧祭』が終わり、学園都市の夕暮れ時も冬を感じさせるようになった。

 

急激な気温の低下に本格的な防寒装備に切り替えたのか街行く人々は皆アウターやジャケットなどを着込んでそそくさと足を進めていく。

 

上条当麻もまた、紺のコートを着て街の中を歩いていた。

 

大きなあくびを一つして、自分のすぐ右隣を歩いている少女を見やる。

 

鳴護アリサ、学園都市の学生たちから絶大な人気を誇る『奇蹟の歌姫』。

 

今は禁書目録と共に上条宅に居候中の身である。

 

買い物に付き添う度に上条宅の家計を壊滅に追い込むそのシスターさんをお隣のメイド見習いに押し付けて、今日は二人で街に出ていたのだ。

 

『いっぱいお洋服買っちゃったね』

 

傍らの少女は言って微笑む。

 

「あぁ、これでこの冬は乗り越えられるといいんだけどな」

 

『荷物、重くない?ひとつ持とっか?』

 

「いや大丈夫大丈夫、姫はゆっくりお買い物なされ」

 

ニヤッと笑って上条は言う。

 

『もう、すぐそうやってからかう……』

 

そう言ってふいと顔を背けるアリサ。

 

「……」

 

『……』

 

(…あれ、怒った?…)

 

微妙な間に不安になる上条。

 

この空気をなんとかするべく口を開こうとする。

 

が。

 

『ね、当麻くん、あれ食べようよ!』

 

一瞬早く発されたアリサの言葉で出そうとした声を飲み込んで口を閉じる。

 

「『あれ』?」

 

言って上条が彼女の指差す方を

見ると────

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「しっかしクレープなんて食べるのいつぶりだろうな」

 

二人でベンチに腰掛け、上条が呟く。

 

『ここのクレープ、一度食べてみたかったんだよねー』

 

アリサは幸せそうな顔でそう言って両手で持ったブルーベリーとクリームチーズのそれを小さな口で頬張る。

 

『うんおいしい♪』

 

「でもコレ強力粉に卵と牛乳入れて薄く伸ばしてクリーム諸々乗せただけだよな…650円って…」

 

『えぇ…そういうこと言うの…』

 

「黙れ黙れこちとら毎月最後の一週間は地獄のパン耳ライフだぞ⁉︎学校からタイムセールやってるスーパーまで全力疾走する俺の気持ちが分かるか‼︎‼︎」

 

『こわいよ当麻くん…』

 

ヤケクソ気味にガツガツと食いつく上条。

 

ふふ、と小さく笑ってアリサもまたクレープを口に持っていく。

 

『ね、当麻くんの、一口ちょうだい♪』

 

「……それはつまりどういうことでせうか」

 

『あたしのもあげるからさ、交換しようよ』

 

「あ、あぁ…」

 

(それは分かってるんだけど…アリサはそういうの気にしないのか…?)

 

邪なことを考えながらも、アリサが差し出してきたクレープを受け取り、同時に右手に持っていた自分のそれを差し出す。

 

アリサは早速上条から受け取ったクレープを両手でちょこんと持ち、かぷっとかじっている。

 

『うん!これも美味しいねっ』

 

満足そうに言ったその顔には微塵の恥じらいも感じられない。意識していないのか気付いていないのか。

 

健全な男子高校生的には後者希望なんですけどねぇとか思いながら手元のクレープに目を落とす。

 

(しかしコレ…本当にいいのか…?)

 

未だに上条が躊躇っていると、

 

『どうしたの?もしかしてブルーベリー嫌いだった?』

 

アリサが心配そうな顔で横から覗き込んできた。

 

「いっいや、そういう訳じゃなくてさ、えーと…これって」

 

『?』

 

「間接キスだよなーと」

 

ボフンッと

 

アリサの顔が一瞬で真っ赤に染まる。

 

何も言わずに俯いてしまったアリサを見ていると、告げた上条までなぜか恥ずかしくなってきてしまい手元のクレープをかぶりつく訳にも行かずどうしようかと

お互い無言のまま数分が過ぎる。

 

『………いいよ?』

 

「え?」

 

小さな声だった。

 

思わず聞き返してしまう上条。

 

『あたしもう食べちゃったし…だから、食べていいよ?あたしの…』

 

「あ、あぁ、じゃあ遠慮なく…」

 

(天然でこれだから辛い‼︎上条さんの健全青少年ゲージは振り切れてしまいそうですよ‼︎)

 

そっと一口かじる。

 

口の中に甘酸っぱい味が広がった。

 

恥ずかしさがこみ上げてきて、また俯いてしまう。

 

ぷっ、と

 

どちらともなく笑い出す。

 

二人の笑い声が重なって藍の空に吸い込まれる。

 

時間だけがゆっくりと

過ぎて行った─────

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『やっぱりわたしも持つよっ』

 

断ろうとしたが、既に半ば強引に右手に持っていた分の買い物袋を奪われたあとだった。

 

仕方なく再び歩き出そうとすると、新たに右手に感触があった。

 

『幻想殺し』、異能の力なら神の奇跡さえ、奇蹟さえ打ち消すその右手は、鳴護アリサに、鳴護アリサという存在の左手に握られていた。

 

その温もりは人のそれで、確かに右手で触れることができて、それでいてすぐに消えてしまいそうで─────

 

上条はその存在を確かめるように、離さないように、アリサの手のひらをぎゅっと握りしめた。

 

二人でまた、歩き始める。

 

ふと空を見上げると雪が降り始めたところだった。明日は冷えるらしい。

 

舞い落ちる雪が夜の学園都市を真っ白く染め上げていった。

 




こんな残念な文章に時間を費やしてくれた方ありがとうございましたm(_ _)m
とても短いですがやりたいことできました(えー

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