無限のフロンティアWink   作:舟太郎

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壱章 ロストエレンシア
1話 炎の少年


「新しい大陸ッスか?」

 

私はロストエレンシアのトレジャーハンター、ウィンク。現在はトレイデルシュタットの代表であるジョーン・モーゼスの元で働いている。

 

「ああ、波国の海を越えた先に、我々と同じように人が住み、独自の文化を持った国があるらしい。恐らくは波国と同じく、先の世界融合の折に混ざり合った新世界だと思われる。」

 

「ふ~ん・・・。」

 

以前、この世界は5つに分れていた。

機械文明が発達した世界、ロストエレンシア。

人と鬼とが住まう和の世界、神楽天原。

妖精と獣人が暮らす幻想世界、エルフェテイル。

海底のみの世界、ヴァルナカイ

悪魔たちの居む世界、フォルミッドヘイム。

それらの世界はクロスゲートと言う穴を通して交流していたが、ある事件をきっかけにクロスゲートは消滅し、5つの世界は混ざり合った。

元々交流があった5つ世界に、修羅と言う戦闘民族が暮らす修羅界の一部が混ざり合って今のエンドレスフロンティアは形成されている。

この世界に新しい別の世界が混ざっていたとしても不思議じゃない。

 

「でだ、ちょっと調査してきてほしいんだ。」

 

「指示が大雑把!・・・つーか、なんで自分なんスか!?自分みたいなEXCEED未登場の雑魚キャラには無理ッスよ、ハーケンさんに頼めばいいじゃないッスか!」

 

「あのバカ息子が行方不明なのはキミも知ってるだろ?今どこで何をしてるのか・・・。それにキミもトレジャーハンターの端くれだろう?新しい大地に心躍らないのかい?」

 

まだ世界が分かれていたころ、ロストエレンシアだけでトレジャーハンターをやってた頃は自分の事を結構やれるヤツだと思っていた。けれどハーケン・ブロウニングがアインストを倒したことで作り替えた世界では、色んな国のすごい奴らが世界を行き来し、自分がショボい雑魚キャラだと思い知った。それが今更・・・

 

「だったら他の国の仲良しさんたちに頼めばいいッスよ!カグヤさんとかスズカさんとか・・・。」

 

「彼女たちは一応一国の姫君だぞ?気軽に仕事を頼めるわけがないだろう?」

 

そうだった、彼女たちはお姫様なのだ。・・・最初は布が買えない貧乏さんなのかと思ってたけど。

 

「だったらヘンネのアネさんやキュオンに・・・」

 

「ヘンネはアネさんでキュオンは呼び捨てなのか・・・オルケストル・アーミーは今それどころじゃないさ・・・」

 

世界が融合した後新たに現れた国、アグラットヘイムとの戦いに勝利した結果、敵の本拠地だったシュテルベン・シュロスはフォルミッドヘイムに落下した。オルケストル・アーミーはもちろん、各国の調査団もその探索に大忙しだ。

 

「そうだ!代表にベタ惚れのドロシーさんに頼めばいいんすよ!」

 

「自分に好意を寄せてくれている女性に危険な仕事は頼めない。」

 

「代表・・・好きッス!」

 

「嘘つけ。」

 

まったくのウソでもないけど。ジョーン・モーゼス代表は気さくだし頼りになる。仕事に関しても無茶ぶりはするけど失敗は咎めない。はっきり言っていい男だ。

 

「ならあの爆乳海賊団に・・・」

 

「爆乳なのは船長だけだろ。いいから行け、これは仕事だ。」

 

「うぃ~ッス・・・。」

 

散々ごねた挙句、結局折れた。

 

 

「代表にも困ったものッス、無茶ぶりにもほどがあるッスよ。」

 

あの後、菓子店『ファッティ・ヘンゼル』に立ち寄り、店内でお菓子を物色しながらぼやいている。

 

「店長さんはドゥルセウス封墓とはどう行き来してるんスか?」

 

私は店長でありドゥルセウス封墓の管理人でにあるクレオ・グレーテルに尋ねてみる。

 

「ん~?普通に歩いてきたんだから。」

 

店長は簡単そうに答える。

ロストエレンシアから波国に行くにはどちらにせよアン・シレーナ率いる爆乳海賊団、もといシレーナ海賊団のサイレント・ウォークス号が必要になってくる。

それが無ければエンドレスフロンティア全土を渡り歩くしかない。

それはドゥルセウス封墓のある混然大地も同じだ。皆自由に行き来しているように見えるけど、それが出来ているのは一部の実力者達だけなのだ。

 

「交通事業でも始めりゃ儲かりそうッスね。」

 

エンドレスフロンティアの各国を簡単に速く安全に行き来できればこんなに便利なことは無い。けれどサイレント・ウォークス号のような潜水艦か、せめて陸路を行くツァイト・クロコディールのような陸上艦が必要になってくる。個人で始めるには元手が足りない。

 

「空を飛べる種族を集めて郵便から始めたらいいんじゃない?」

 

「いいアイデアだけど、空を飛べる連中が自分に協力してくれるとは思えないッス。」

 

それで儲かるなら独自に商売を始めているだろう。

 

「とりあえずは陸路での用心棒を探さなきゃいけないんスけど・・・店長、ドゥルセウス封墓に戻る予定はないんスか?」

 

この店長は戦闘面においてもハーケン・ブロウニング達と単独で渡り合えるほどの実力者だ。もしもドゥルセウス封墓に戻る予定があれば混然大地までの用心棒に最適である。

 

「無いよ!この店繁盛してるんだから!」

 

「管理人のくせに・・・なんか騒がしいっスね。」

 

店長と話していると何やら店の外から騒ぎ声が聞こえてくる。次の瞬間、巨大な犬の形をしたモンスターが店の扉を壊し、店内に侵入してきた。

怪物は間髪入れずに襲い掛かってくる。

 

「パンくず散らし!」

 

クレオ店長が蛇の尾のような下半身で連撃を繰り出して怪物を撃退する。

 

「ななな・・・!?なんスかこいつは!!?」

 

怪物は店長の攻撃を喰らっても立ち上がり、口から火の玉を放ち攻撃してくる。

 

「爆裂氷砂糖!」

 

店長は手から冷気の塊を放ち、火の玉を相殺する。

 

「こんな所にもバリアントが!」

 

騒ぎの中、店内に赤い髪の少年が現れる。腕には特徴的なブレスレットを装着している。

 

「子供!?」

 

「坊や、お菓子が欲しいなら出直してちょうだい、今は危ないんだから!」

 

店長が少年に警告する。

 

「バリアントの相手なら俺に任せてくれ!Gコン起動!」

 

少年がブレスレットのベルト部分を回転させる。その手元が激しく燃え上がり、炎の中から巨大な赤い剣が出現する。

 

「熱いグラップを見せてやるぜ!ビートコンボ[ドラグレビート]!」

 

少年は怪物に連続で攻撃していく。その連続攻撃は一撃ごとに音を発し、一つの音楽を奏でていく。

 

「これで終わりだ!」

 

最期の一撃で怪物は吹き飛ばされて倒れこむ。すると怪物の身体が発光し縮んでいく。

 

「ワン!」

 

光の中からは先ほどの怪物じゃなく普通の犬が現れた。

 

「なんスかこのワンちゃんは、これは一体どういう事っスか?君は一体何者ッス?」

 

私はまとまらない疑問を少年に投げかける。まとまらないし止まらない。

 

「俺はヒビト、メジャーグラッパーを目指して旅をしてるんだ!」

 

結論から言えば、それが私と新しい世界の住人との出会いだった・・・めっちゃ地元だけど。

 





【キャラクター出典紹介】

ウインク [無限のフロンティア(ニンテンドーDS)]

ヒビト  [カスタムビートバトル ドラグレイド(ニンテンドーDS)]


【ゲーム紹介】

[カスタムビートバトル ドラグレイド(ニンテンドーDS)]

【挿絵表示】

2007年に発売されたアクションゲームで2008年には2も発売されています。いつまでたっても3が出ません。このままでは2のラストで登場した怪しい黒い人影が何者なのか分からずじまいです。
アクションゲームが苦手な方には毒属性が超便利。


【ちょっと語らせて】

初っ端から「誰だよコイツ?」と思われるでしょうが、ウインクというのは無限のフロンティア(無印)に登場するいわゆるフィールドモンスターで、ピンク髪の耳がとがった女の子です。色替えキャラとしてゲートキーパーや盗掘団というモンスターが存在します。
モノローグ担当キャラとして性格は勝手に作らせてもらってます。会話では変な言葉遣いなのにモノローグでは普通になってしまいました。

【挿絵表示】

Spellaiで作成した画像

【挿絵表示】
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