「ぎゃはは・・・あの女どもが言った通り、この世界には随分と面白いお宝があるようだぜ!」
ネクロンとオミコン、死者の書の群れを成敗したところで、やたらガラの悪い男たちが城内に踏み込んでくる。その腕には特徴的な黒い腕輪を装着している。
「見慣れない顔ね、何処の所属なのかしら?」
ネージュが謎の集団に尋ねる。
リーダーらしき金髪の男はそれを無視して紅と蒼の魔導書を拾い上げる。
「やれ!」
男達が黒い腕輪のベルトを回すと、そこから黒い剣や鎌が現れる。
「なんだこいつ等は!?」
「俺たちは泥棒グラッパーのドロッパー、しがない盗賊だ。ここは今から俺達の根城だぜ!!」
「グラッパーにドロッパー、聞き慣れない言葉だが、賞金の横取りはいただけないなブラックエンジェルス。」
「彼らの何処にエンジェル要素があるのかしら?」
簡単な英単語であだ名を作るの事を好むハーケンは、異世界の90年代に流行った池袋を舞台にしたテレビドラマに登場するカラーギャングの名前で相手を呼ぶと、ネージュがそこにツッコむ。
「賞金以前に、そもそもここは私のお城よ。もちろんその蔵書も返してもらうわ!」
「うるせえ!盗みが俺たちの仕事なんだよ!」
男の一人がそう名乗りながら襲い掛かってくる。
「泥棒は仕事ではなければ職業でもない!」
アレディが機神拳の基本動作でドロッパーの一人を撃退する。
「どうやら大したことのない相手のようですね?アレディ様、ここは私がやりましょう。」
相手が強くないと分かったとたん、部下である名もなき修羅が名前が無いのに名乗り出る。
「相手が弱そうだとやるんだな・・・修羅らしくないヤツだぜ。」
ハーケンが呆れながらつぶやく。
「なんだこいつ等、一般人じゃねえのか?」
「ギャモン、俺がやろう。」
リーダーらしき金髪の男、[ギャモン]の後ろから、目つきの悪い黒髪の少年が現れ腕輪を回転させる。するとその両腕に黒い稲妻が発生し、黒い手甲が生成された。
「・・・一つ質問だ、お前は他の奴らと同じ立場なのか?」
名もなき修羅は少年に尋ねる。
「俺の名は[ガイ]、[黒牙]のメンバーだ。野良ドロッパーとは一味違うぞ!」
少年は謎の組織名を口にする。その口ぶりからすると、どうやら彼は取り巻きより上位に位置する存在のようだ。
「クックック!やはりいい気分だ、このダークGコンの力は!」
取り巻きよりは冷静そうに見えたガイと言う少年はグレイドを生成したとたん、狂ったように表情が歪む。
「・・・貴様などに用はない、後ろの弱そうな奴を出せ!」
相手の構成を把握した名もなき修羅は目の前の少年、ガイに対し堂々とそう告げる。
「ド清々しいわね・・・ねえアレディ、この娘、シンディに預けて鍛え直してもらった方が良いのではなくて?」
「・・・確かに、お師匠様でなくばこの性格を正すことは難しいかもしれません。・・・それよりも気になるのはあのガイという男、覇気の流れが妙だ。」
アレディがガイを警戒する。
「さあ、勝負だ!ガイとやら!!」
修行が厳しい事で有名なアレディの師[影業のシンディ]、その下に送られてしまうと聞き、名もなき修羅は慌てて勝負に出る。
「はっはっはっはっは!!」
ガイは歪んだ笑みを浮かべながら、黒い雷を纏ったその拳や肘の突起で名もなき修羅を叩きのめす。
「くらえ、[スタンガン]!」
「ああああ!!?」
雷のバレット[スタンガン]の黒い電撃を浴び、名もなき修羅はその場に倒れこんだ。
「止めだ!」
「おっと、其処までだサンダーボーイ。」
ガイが修羅にとどめを刺そうとした瞬間、ハーケンがそれを遮る。
「アレディも、初めて持つ部下なのだから助けてあげればいいのに。」
「彼女も修羅の一人、争覇の末に果てるなら本望でしょう・・・。」
「・・・本望な訳あるか・・・!?」
名もなき修羅は最後の力を振り絞ってそう主張し、気を失った。
「ではここからは私が相手をしよう!」
アレディが改めてガイと対峙する。
「誰が来ても同じだ!この力は誰にも止められ・・・がはっ!!?」
ガイが勢いに任せてアレディに襲い掛かろうとすると、それよりも速くその顔に拳が飛んでくる。
「機神剛手甲!」
アレディは最初の一撃の後ガイの背面に回り込み、更に打撃をを加えていく。
「この・・・うおおお!!?」
ガイは負けじと連続で高速の拳を繰り出す。
「覇皇剛衝殻!」
しかしアレディは左手のみでそれを上回る速さの連続パンチでガイの拳を弾き、身体の向きを変え当身でその身体を浮かす。
「覇皇轟雷脚!」
アレディはガイの身体を覇気で包み込み、雷の龍を纏った蹴りを繰り出す。
「うおおおお!!?」
ガイは咄嗟に両腕の手甲でガードするも、吹き飛ばされ壁に叩きつけられた。そして壁から崩れ落ち、倒れた拍子に手甲は消失し、黒い腕輪は砕けた。
「ちっ!ガイの奴、油断しやがって!!」
様子を見ていた金髪の男[ギャモン]がそう文句を垂れる。
「油断かどうか、アンタが試してみたらどうだい?ブラックリーダー。」
ハーケンが挑発するようにギャモンに話しかける。
「調子に乗ってんじゃねえぞ!」
ギャモンが腕輪を回転させると、その腕に黒紫のゲル状の液体がまとわりつく。巨大な爪の腕部へと変貌した。
「へえ、逃げ出すかと思ったけど、意外と武闘派なのね?」
ネージュがそう言いながらギャモンに斬りかかる。
「仕込みは終わってんだよ、バーカ!」
ギャモンがそう言うと部屋中に紫色のキノコが生え渡る。
「人のお城にキノコを生やすなんて、なんて酷い事を!?いったいなんのつもり・・・・!!?」
突然発生したキノコから毒ガスが発生され、部屋中を包み込んだ。
▽
「マジかよお前ら・・・こんな方法で毒ガスを防いだだと!?」
ギャモンは驚いていた。毒ガスで相手を一網打尽にするはずが、アレディ・ナアシュとハーケン・ブロウニングは一瞬で城の外壁を破壊しガスを分散させたのである。
「ちょっと・・・何ド派手に壊してくれてるの!?」
「緊急事態だったんだ、仕方ないだろ?キングダムガール。念のため踊ってくれるかい?」
「後でちゃんと直してちょうだいね!?」
城の主であるネージュ・ハウゼンはアレディとハーケンに文句を言いながら[舞踊]によって味方全体の状態異常を回復する。
「にしても、手下にも一緒に毒を浴びせるなんて!?」
他のドロッパー達はキノコの毒で全滅している。
「弱え奴は倒れるだけだ、面倒だがお前等も直接潰してやるぜ!ビートコンボ、ソウグーン!!」
ギャモンは音を奏でながら巨大な爪で攻撃を仕掛けてくる。
「あら?意外とおしゃれな攻撃を仕掛けてくるのね?それならこちらも・・・!」
ネージュがフェイスレイヤーのシリンダーを弾くように回転させると突然音楽が鳴り響く。
音楽に合わせた槍による連撃でギャモンの爪を切り払うと、その後空中に大量の鏡を展開し、フェイスレイヤーから発射されたレーザーを乱反射させ多方面からギャモンを撃ち抜く。
「ぐぅ・・・テメエ!!?」
「これで終わりよ、キュートクラウン・ブレイカー!!」
そしてフェイスレイヤーの柄のバーニアを噴射させ、突撃と同時にギャモンを貫く。
ネージュは破壊された城壁からギャモンをそのまま城外へと押し出した。
「しゃああああー!!」
「えっ!!?」
城外に出るとそこには城ほどの大きさの巨大な蛇が待ち構えていた。
ネージュは咄嗟にその巨体な頭部を足場にして向きを変え地面に降りる。
「許さねえ・・・許さねえぞテメエ!!」
ギャモンは蛇の頭の上に立ちネージュを睨みながら恨み言を放つと、蛇はその巨大な口を開き炎のバレットと同質の炎を発射する。
「おーっと・・・なんだコイツは!?」
ハーケンやアレディも駆けつけながら、巨大な蛇に驚いて見せる。
「ハッハッハ!どうだ驚いたか、これが俺の切り札、突然変異種のバリアントだ!!」
ギャモンが勝ち誇る。
「コール、ゲシュペンスト!」
「おいで、ウェイクライド!」
「出ろぉー!アルクオーン!!」
ハーケン、ネージュ、アレディはそれぞれ自らの相棒とも呼べる起動兵器を呼び出す。
ウェイクライドが身体中に仕込んだ刃を変形させながら伸ばし、巨大な蛇を串刺しにすると、アルクオンが覇気を纏った連撃でダメージを与えていく。最期にファントムがグランスラッシュリッパ―で蛇の頭部を切り落とした。
「そ・・・そんな馬鹿な・・・!?一瞬で巨大バリアントを・・・!?」
一瞬で切り札を失ったギャモンは驚愕する。
「さあ、これでド完全に残るはあなただけよ、観念なさい!」
「チっ・・・てめえらの戦力を見誤った、出直すとするぜ!クラーム発動!」
ギャモンはそう言って透明となりその場を立ち去った。
「何でもありだな・・・何だったんだアイツらは?」
「それは残った者たちに問いただしましょう。」
【キャラクター紹介】
[カスタムビートバトル ドラグレイド]
ガイ
ギャモン
ガイはドラグレイドの主人公の一人なのですが、ここは[昔は悪かった]バージョンで盗賊として登場させてみました。