家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
ホテルの奥に地下に行く道があり。
地下に降りると……
怪しい物品が多数並んだ、まともじゃない場所に出た。
「ええと、葛葉キョウジ様でよろしいのですね?」
赤眼のメイドさん……本人の自己紹介曰くメアリさん……がキョウジに確認を取って来た。
キョウジは妹の身体で腕を組みながら
「ああ。悪いが電話を貸してくれないか?」
そう尊大な調子で要求を出し
「かしこまりました。どうぞこちらへ」
恭しく礼をしたメアリさんは
キョウジを奥に連れて行き。
俺たちはそこに残された。
ポツン、と。
周囲にあるものがわけわからなさ過ぎて。
最初はそれに目を奪われていたけど
やがて色々落ち着いて来て。
俺は
「志乃」
「……? 何?」
「……悪かった。巻き込んで」
俺はここまで、この事態をカノジョに詫びていないことに気づいて。
そう言ったんだ
すると志乃は
「……別に良いよ。あなたのせいじゃないんだから」
その声には俺を労わる響きがあった。
俺はこのとき
彼女が自分の恋人になってくれたことに、本気で神様に感謝した。
彼女は
「ねぇ、それよりも」
そう言って、訊いて来た。
「私、どうすればいいんだろう?」
秀司は剣道の経験者だし、男の人は学校で武道の授業受けてるけど。
私はそんな経験無いから。
何も出来ない。
……どうすれば良いと思う?
志乃がこう言う訊き方をしてくるときは。
大体、自分のプランがある場合が多いので
「志乃はどう考えているわけ?」
俺はそこを訊ねる。
すると
「……カレがやってた魔法を習得できないかな、って思ってるんだけど」
カレ……キョウジのことだな。
魔法か……
確かに、志乃が魔法を使えるようになれば、武道経験ゼロでも戦力になるかもしれないけど
「出来ればいいけど、無理なんじゃ無いのかって思う」
そんなホイホイ習得できるもんじゃ無いのでは?
俺は正直に思うところを口にした。
俺の言葉を聞き彼女は
「……だよねぇ。自分でも晶ちゃんの魂を取り返すための戦力になるには、魔法使いになるしか無いって思ったんだけどな」
少し悔しそうに、呟くように言った。
……彼女は俺の妹を本当に大切にしてくれる。
そこは本気で感謝しか無いから
「ありがとう……そこまで想ってくれて」
「何を言ってるのよ。……晶ちゃんは私の妹と一緒なんだから」
そう、明るい調子で、笑みを含んだ言い方で返してくれたんだ。
少しだけ空気が明るくなる。
そこに
「兄くん待たせた」
晶の声で
「……国の方に連絡を入れた。兄くんの妹と兄くんたち2人、これから1カ月消息不明でも問題は起きない」
そう言いながら
メアリさんを伴って。
キョウジが戻って来た。
こうして。
俺たちは心置きなくここから1カ月。
ダークサマナー・シドを打倒することに専念できるようになったんだ。
兄くんの妹って何だよ。
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