家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話   作:XX(旧山川海のすけ)

100 / 106
第100話 もう誰も分かんねえよ!

「いや、ちょっと待ってくれ!」

 

 俺は対話を望んだが、蛇の剣は構える。

 半ば以上、戦闘が避けられないことは分かってた。

 

 でも望みは捨てられない。

 

 戦わないで済むならそっちの方が良いんだし。

 

 だけど

 

「命乞いか? 諦めよ」

 

 ディーグイは俺たちを見下ろし

 その右手に火炎を呼び出す

 

「お前が死んでからもう数千年経っているんだぞ!」

 

 無駄だと理解しつつ、俺はそう呼びかける。

 数千年経っている。

 この意味を理解してくれれば……

 

 俺の言葉を聞き

 

「ほぅ、我のことが伝説にでもなっておるのか……? トリスアギオン!」

 

 その叫びと同時に、凄まじい火炎の奔流がディーグイの右手から放射される。

 俺たちは散った。

 そしてプロメテウスが火炎を受け止めようと踏み留まった。

 

 だけど

 

「グアアアアアッ!」

 

 俺は驚愕する。

 自身も火炎魔法を使用できる関係上、火炎に耐性があるプロメテウスが

 

 火炎魔法を浴びて絶叫していた。

 

 そんな……!

 

「我が火炎魔法、数千年の憎しみとこの肉体の力で究極の高みに達したのだ。諦めよ……!」

 

 耐性があっても無視して焼き尽くす火炎魔法……!

 俺はプロメテウスが倒されたことを理解して、今のディーグイの危険性を思い知る。

 

 龍王クエレプレの能力はどうだ……?

 いや、無効だった場合の被害を考えると……

 

 思案を巡らせる

 

 そして俺は代わりに選定した悪魔を呼び出すコマンドをGUMPに打ち込みながら

 

「殷を滅ぼしたのは周だ」

 

 俺は口を動かした。

 ディーグイの興味を引く言葉を口にするんだ。

 

 ディーグイの視線が俺を捉え

 

「何を突然」

 

 困惑と、興味。

 それを感じ取りながら

 

「そして周は秦に滅ぼされた……」

 

 その言葉にディーグイは片眉を上げた。

 

 そして

 

「すると今の我が殷のあった場所にはシンという国が建っておるのだな?」

 

 そう口にする。

 興味があるか。やっぱり

 

 俺は首を振った

 

 ……そのとき、ディーグイの目が動いたことを俺は見逃さなかった。

 そのまま、教える。

 

 中国の王朝交代について。

 

「秦の次は漢」

 

「漢の次は……」

 

 ……こっから先は言葉で説明するのは難しいな。

 正直三国時代の話は簡単には語れない。

 なので

 

「そういう王朝交代が10回以上続いて、今は中華人民共和国だ」

 

 そうまとめた。

 俺が言いたいのは……

 

「殷王朝の時代はもう遥か昔で、末裔の人がどこの誰なのかもう誰も分かんねえよ!」

 

 俺の言葉を聞いたディーグイの顔は

 

 平静だったが。

 少し、震えていた。

 

 そしてディーグイは

 

「……だから何だというのだ?」

 

 悲しみと怒りが籠った声で、そう返して来たんだ。




取り戻すの、ドラゴン〇ールでも使わないと無理問題。

本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。