家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第11話 そりゃ無理だ

「兄くん。だいぶ動きが良くなってきたじゃないか」

 

 ……業魔殿の訓練施設。

 

 まぁ、板間の広い部屋なんだけど。

 そこで木刀を持たされて。

 

 ……妹の身体に入ったキョウジと打ち合いをさせられてる。

 

「……そいつはどーも」

 

 ……女の身体に入ってるのに。

 キョウジはアホみたいに強かった。

 

 ……それで歯を5回折られて。

 指も数回骨折させられて。

 

 その度に回復魔法を掛けられて元通り。

 そして体力が無くなって来たら、怪しいクソマズい中華料理を喰わされて無理矢理元気に。

 

 色々な意味で回復をさせられながら、マジで不眠不休で2日も稽古させられてたらそりゃあね。

 

「そろそろ実戦に移行しようか。兄くん」

 

 キョウジはそう言い、木刀を下げて

 着替えて外出の準備をしろと言って来た。

 

 もうかよ。

 本当に大丈夫か?

 

 そう思ったけど……

 

 シドを倒すまでの期限が、残り28日しかない。

 それを考えたら、このペースはしょうがないのかもしれない。

 

 

 

「秀司、ご苦労様です」

 

 俺の実戦訓練の準備を手伝いながら、志乃がそんなことを言って来た。

 ……少し申し訳なさそうに。

 

 彼女も付いてくる。

 道具持ちの役回りで。

 

 魔法を使う役割は断念したんだ。

 習得する方法はあったんだけどな。

 

 ……でも、それは仕方ないんだ。

 

 

 

 一応、訊いた。

 キョウジに。

 

 志乃が魔法使いになる方法は無いか? って。

 すると

 

「あるぞ。兄くん」

 

 わりとあっさりと。

 キョウジはそう答えて来た。

 

「だったら私は魔法使いになるわ!」

 

 必死な感じで志乃は言ったんだけど。

 キョウジは

 

「ああそうか。だったら死ぬ覚悟を決めるんだな」

 

 しれっと。

 志乃の宣言に対してそう言ったんだ。

 

 志乃が魔法使いになるには、死ぬ覚悟を決めないといけない。

 それは何故か?

 

 それは……

 

 ……志乃が魔法使いになるには。

 自殺をしないといけないんだそうだ。

 

 曰く、この業魔殿にはヒトに対して好意的な悪魔たちの意識が集まる部屋があり。

 そこで助力を願いながら自分の命を絶つと、その悪魔たちが蘇生させてくれた上に魔法の力を授けてくれるらしい。

 

 ただし……

 

 10人やれば、1人くらいはそのまま死ぬそうな。

 

「……そんな」

 

 その方法を聞き。

 志乃は青褪めたけど

 

 キョウジは

 

「いいか? 通常魔法使いになるには、幼少期から厳しい修行を積む必要がある。それをすっ飛ばして魔法使いになりたいとお前は言う」

 

 そんなもん、命を賭けるしかないだろう。

 甘えるな。

 世の中、旨い話は無いんだよ。

 

 キョウジの非情な言葉……

 

 でも……

 ぐうの音も出ない正論だと思った。

 確かにそんなに簡単に魔法使いになれるわけが無いんだよ。

 

 ……結果。

 志乃は魔法使いになる道を断念した。

 

 それに関して俺は彼女を非難する気は無かった。

 当たり前だ。

 

 

 自殺なんて、普通怖くて出来ねえよ。




10%の可能性を恐れるなとか、無茶言えんわ。
そりゃ。

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