家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
実戦訓練の現場として連れて来られたのは、町外れにある廃病院だった。
……確か、肝試しでヤカラが女連れで入り込み、そのまま行方不明になったという噂が立っているいわく付きの場所……
「ここはな、頻繁に悪魔が発生するんだよ。……異界化というんだが」
先行するキョウジ。
俺の妹の姿なのに、妙に迫力がある。
さっきまでの訓練では、俺と同様にジャージを着てたんだけど。
外だからか、紺色の女性用のパンツスーツを着用してる。
俺はジャージのまんま。
まぁ、出る前に下着は変えたけど。
廃病院は寂しくて。
通路にはゴミが落ちている。
……悪魔が頻繁に発生すると言われたが、頷けるな。
しかし……
「なぁ、キョウジさんよ」
「なんだい兄くん」
警戒しながら、前々から疑問に思っていたことを訊いたんだ。
いい機会だから
「……何で全部悪魔って呼んでんだ? 神様も混じってんだろ?」
そう。
別に不都合が無いから突っ込まなかったんだけど。
なんで神話の神様も悪魔も、一緒くたに「悪魔」って呼んでんだよ?
このタイミングなら訊いても問題ないと思ったから、俺は訊ねた。
するとキョウジは
「……物事を一面的に見るんじゃない。誰かの味方をする奴は、その誰かを疎んじる者には敵なんだよ」
なんとも無い感じで、そう返し。
説明してくれた。
……ようは「立場によって良いことと悪いことは切り替わるから」らしい。
誰かの守護神は、その誰かと敵対する者には悪魔となる。
例えばインドで神様と崇められているアイラーヴァタは、インドを脅威に感じているスリランカではギリメカラという悪魔だと思われている。
インドの味方をする神はスリランカにとっては悪魔だってことだ。
……なるほど。
スッと腑に落ちた。
そして
「……面白いな」
感想としてそれが出た。
人間事情が楽しいわ。
「ふん。……じゃあ兄くんもこの道を目指してみるか?」
俺の言葉にキョウジは、特に嬉しそうな様子もなく、勧誘めいたことを口にする。
「まあ、全てが終わってからもう1回考えるよ」
俺がキョウジにそう返したとき。
「……何か来たわッ!」
俺の後ろでリュックを背負ってる志乃が、警告を発した。
……すると廊下の闇の向こうから
確かに、異形の人影がこちらにやって来る。
俺たちは足を止める。
そしてそいつらは俺たちの視界に入って来た。
それは……
緑色のブヨブヨしたヘドロのような塊と。
腹の異様に膨れた小柄な紫色の怪人。
そして蝶のような形の透明な羽根を背中に生やした、青いレオタードのような衣装を身に着けた空飛ぶ小人の少女。
オオオオ……
ニグ……
ウフフッ
「兄くん。外道スライムと幽鬼ガキ、そして妖精ピクシーだ。羽根がある奴がピクシー。ピクシー以外は殺してしまえ」
淡々としたキョウジの指示。
俺は頷き
武器として与えられた刀を鞘から抜いて
斬りかかって行った。
悪魔関連の説明は外せんよねー。
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