家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第3章 インスタントサマナー
第20話 代わりにやれ


 志乃も魔法使いとして戦力に加わってくれて。

 内心俺は少し嬉しかった。

 

 ……不安でもあったけど。

 

 志乃には傷ついて欲しくは無いが。

 やっぱり、一緒に居たいんだ。

 同じ立場を共有して貰いたいんだよ。

 本音はね。

 

 

 

 まだ昼間なので。

 

 俺と志乃は基礎的な訓練と、勉強をしていた。

 

 俺はキョウジに渡された資料を読み。

 志乃は魔法を使うために必要な魔力に関する訓練を積んでる。

 

 志乃のやってることはよく分からないんだよね。

 俺は魔法を使えないからな。

 

 座禅めいたことをしていたかと思えば、一心不乱に何かを唱え続けたり。

 よーわからん。

 

 魔法使いなら分かるんだろうけども。

 

 

 俺が与えられたのは、デビルサマナーの関わった事件の資料。

 専門用語が多いので、分からないのは一緒に与えられた辞書で調べて。

 それでも分からんことは後でまとめて訊くつもりでメモしてる。

 

 書かれている内容は、ダークサマナーのやり口だとか。

 悪魔が引き起こした厄介な出来事だとか。

 普通に生きてる人間は知りようもない事件の数々。

 

 街の1区画の住人の家庭で、それぞれの家の長男だけピンポイントで命を落とした事件だとか。

 地方都市の神社をダークサマナーが次々と破壊し、神武天皇の時代に怨霊になった古代の姫の霊魂が現代に復活した事件とか。

 人間の魂を効率よく奪うため、ダークサマナーがSNS上に魂を奪うトラップを電子的に仕掛けることに成功し、それで多数の被害者を出した事件とか。

 

 最初、こう言う資料を渡されたとき「シド打倒と関係ないのでは?」と少し思ったんだけど。

 資料を読み進めていくにしたがって、敵を知る意味で要るだろと思うようになった。

 

 

 

 そして俺が、与えられた資料を半分くらい読んだときだ。

 

「……ちょっとよろしいでしょうか?」

 

 この業魔殿で働いているメイドさんのメアリさんがやって来たんだ。

 

 

 

 

「キョウジ様は現在、デビルサマナーの仕事が出来ない状態です」

 

「そっすね」

 

 俺たちは訓練と勉強を中断して。

 応接セットに移動してそこで話を聞く。

 

 今キョウジは俺たちの代わりに、俺たちでは絶対に上手く行かないであろうシドの行方を調べる仕事を引き受けてくれてるんだけど。

 不眠不休で全面的に。

 

 

 そこはまあ、感謝は一応している。

 お陰で俺たちは、その間自分のチカラを高めるための行動に全振りできるんだ。

 

 だけど

 

「……そのせいで、一般のデビルサマナーの仕事を処理されずに放置されておりまして」

 

 ……あー

 

 つまり

 

「それを代わりにやれと?」

 

 俺がそう言うと

 

「理解が早くて助かります」

 

 メアリさんは無表情で、俺のそんな言葉に頷いた。

 

 

 

 ……俺らの立場としてはやらざるを得ない。

 拒否した場合

 

 キョウジに

 

 じゃあ俺も調査やめるわ!

 

 ……こんなことを言われた場合に、困るのはこっちだから。

 何で俺らが! とは言えんのよ。

 

 なので俺は

 

「そのために必要なモノって用意していただけるんでしょうか?」

 

 それだけを確認して特に迷わずに受け入れた。

 ……いや、受け入れざるを得なかった。




拒否できない仕事。

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