家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第22話 生贄

「……何これ……?」

 

 志乃が困惑と、恐怖の表情を浮かべてそう言葉を発した。

 これって……

 

「仮にこれが悪魔案件だと仮定した場合の話だけど」

 

 落ち着いて俺は、転がってる犬猫の死骸を見る。

 ……これ、刃物でやられてるだろ。

 

 首あたりに、刺身包丁かナイフか何かをひと突き。

 それで仕留めている。

 

 悪魔の仕業じゃ無い。

 ましてや、絶対に自然死じゃ無い。

 

 悪魔がやったなら、肉片になってるはずだしな。

 

「多分、生贄だ」

 

 俺が予想を口にすると

 

「生贄って」

 

 志乃の言葉。

 俺はその言葉に、こう返した。

 

「悪魔への生贄」

 

 悪魔は生きた動物の血液中に含まれる、生体マグネタイトというエネルギーを使用して実体化するらしい。

 で、素人が悪魔を呼び出してしまった際、呼び出した後。

 

 維持のために、動物を殺す必要があるんだ。

 

 最適なのは人間だけど……

 それを実行する度胸が無い人間は、よくこういうことをするらしい。

 

 人を殺すのは恐ろしいから、人間以外の動物で代用しよう、ってわけだ。

 勉強のために渡された資料に書いてたんだよ。

 

 素人が偶然マジモンの召喚方法に辿り着き、やってしまった場合に引き起こされる厄介事として。

 

 だから……

 

「……ちょっとここで夜まで待ってみるか」

 

 そんな俺の呟きに

 

「えっ」

 

 志乃が驚きの表情で俺を見た。

 

「それって犯人を待つってこと?」

 

「うん」

 

 志乃の言葉に、頷く俺。

 

 続けて俺は理由を並べた。

 

「見てみろ。犬猫の死骸、皆新しい」

 

 つまり、生贄にしたのは最近だってことだ。

 だったら今日も来る可能性は高い。

 

「でも、こんだけ殺してしまってるのに」

 

 志乃は手で、転がってる犬猫の死骸を手で示しつつ、疑問符を顔に浮かべる。

 

 犯人が今日もまた来るなんて。

 そんなの確証無いでしょ。

 志乃はそう言いたげだけど

 

「……動物から得られるマグネタイトの量って、人間から得られる量と比較すると話になんないんだよ」

 

 悪魔からすると「ハァ? 舐めてんの? もっとちょうだいよ」って感じで。

 多くの場合、生贄を動物で誤魔化そうとしていた奴は、悪魔にせっつかれたり、唆されてそのうちその対象が人間に移行する。

 なので、ここで待つべきなんだ。

 

 ここに来なくなったときは……

 

 そこまで言ったとき。

 志乃がその先を先に言ってくれた。

 

「生贄の対象が、動物じゃ無くて人間に切り替わったときってこと?」

 

 俺は頷いた。

 

「……そうだよ。理解してくれて助かる」

 

「流石に分かるわよ……でも、責任重大だね」

 

 動物虐待者から殺人者への鞍替え。

 見過ごすわけにはいかないだろ。

 

 動物虐待だけでも許されないのに。

 殺人は論外だ。

 

 そして俺たちは、その動物の放置された死骸が見張れる位置に身を隠し、2人でそれを見守った。

 ここに来るまでの間に、コンビニでお茶とおにぎりを買ったんだけど、こういう流れになるのなら、もう少し飲み物を買っておくべきだったかもしれないな。




果たして犯人は来るのか……?

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