家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
薄暗い部屋に、冷たい光を放つ白い金属で作られた装置があった。
その中央には大きな丸い台座が鎮座し、周囲を囲むように三つの小さな台座が配置されている。
奇妙なほどに滑らかな金属の表面は、まるでこの世のものとは思えない不思議な輝きを帯びていた。
これが、悪魔合体を行うための装置らしい。
床には無数のルーン文字が刻まれ、魔術的な雰囲気でこの場が満ちている。
部屋の中には俺と志乃、そしてメアリさんがいる。
メアリさんは感情をあまり表に出さない静かな雰囲気のまま、パソコンのキーボードを静かに叩いていた。
彼女の手元で悪魔合体の準備が進められているんだ。
ちなみに俺のGUMPは現在、彼女に預けている。
USBケーブルでこの専用のパソコンと接続しないと悪魔合体は行えないので。
そして
「準備、完了しました。いつでも始められます。秀司様」
メアリさんの声が淡々と響いた。
志乃が俺の肩に軽く手を置いて微笑む。
「緊張してる?」
「まぁ、初めてだからな。緊張もするさね」
俺は苦笑しながら答えた。
まぁ、緊張というより……少し興奮してるんだけどな。
そんな俺を知ってか知らずか。
志乃は小さく笑って、俺の手を握り直した。
この初めての合体の対象は、2体の悪魔。
妖精ピクシーと妖魔アガシオン。
この2体の2身合体。
メアリがキーを叩くと、小さな台座の1つに青白い光が灯り、妖精ピクシーが姿を現した。
小柄で羽を生やしたその妖精は、腕を組んで俺を見上げると、少し拗ねたような口調で言った。
「最初はムカついてたけどさ、おにーさん。終わってみればそう悪くなかったよ。まぁ、頑張ってよね、新しいヤツと」
最初ムカついてたのは俺も一緒だが、終わってみればというのも同感だよ。
ピクシーの生意気な態度をもう見れないんだと思うと、ちと寂しい。
「まぁ、ピクシー。ありがとな」
俺がそう返すと、彼女は小さく笑って、光になって消えていく。
……情報に分解したらしい。
悪魔合体は、情報に分解した悪魔同士を融合させる行為なんだ。
続いて、もう1つの台座にアガシオンが召喚された。
小さな金色の壺に宿る小さい妖魔は言葉を発しない。
「アガシオンもありがとう。助かったよ」
俺の方は最後の挨拶を交わす。
仮にも契約主だからね。
そしてピクシーと同様。
アガシオンも光になった。
「合体、開始します」
そこにメアリの言葉。
メアリがキーを押すと、悪魔2体が光になって消えて行った2つの台座が同時に輝き始めた。
ピクシーとアガシオンの情報が、中央の台座へと流れ込む。
緊張で志乃が俺の手をぎゅっと握り、息を呑むのが分かった。
中央の台座で2体の悪魔の情報が融合し、そこに球形の光の塊として形を成していく。
ルーン文字が床で脈打ち、白い金属が共鳴するような低い音を立てた。そして──
高い金属音と共に光が弾け、部屋全体が一瞬だけ純白に染まった。
光が収まると、そこには新たな存在が立っていた。
それは小さめだけど、獅子のような勇ましい姿をしていた。
その獣は堂々とした佇まいで俺たちを見つめている。
そしてそいつの力強い声が響き渡る。
「我は聖獣シーサー……今後ともヨロシク」
……こちらこそ。
これはメガテン小説だから、合体シーンは書いておかないとねぇ。
本作を読んでいただき感謝です。
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