家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
ここまで言ったからか。
志乃は言って来た。
「メール、見たいなら見せるけど。……別に良いならこのまま消去」
……少し悩んだが……
俺さ、志乃のことは知りたいとは思っているわけだ。
仮にも志乃の彼氏だから。
読んだらイライラするかもだけど、ここで「別にいーわ」は……
無いんじゃないか?
だから
「……見る」
「ん」
志乃は自分のスマホの画面を俺に向ける。
それはこう言う文面だった。
~~~~~~~~~~~~
件名: ねえ、ちょっと話したいことがあるんだけど
本文:
やっと会えた日から頭から離れないんだよね、君のこと。ほんとびっくりするくらい美人でさ、正直、今まで見てきた誰ともレベルが違うって思ってる。
そりゃ彼氏いるってのは知ってるよ。でもさ、あの暗い感じの奴…正直、君に釣り合ってると思う?背高いだけじゃ埋まらない何かがあるよね。君みたいな子はもっとキラキラした毎日送るべきだよ。
俺だったらさ、君が笑顔でいられる時間、絶対増やせる自信あるよ。ちょっとだけでいいから、返事もらえたら嬉しいな。
~~~~~~~~~~~~
「……何だこいつ?」
俺の声が低くなり、顔が自然としかめ面になった。
嫉妬でどす黒いものが湧いてくる。
俺は束縛系の彼氏ではない。自分でそう思っているんだけど……
他人の女に手を出してんじゃねえぞ……
無論、やらないけどさ。
もし決闘罪が無いのであれば、一度殴り合いをしてみるか?
そう思うくらいはムカついた。
こいつの方が俺より強い可能性はあるわけだけど……
……昔からだ。
例え勝てなくても、俺は衝突した相手に。
こいつを怒らせたせいで高い代償を支払った。
そう思わせるだけの振る舞いは取って来たから。
例えば、小学校のとき。
俺は性格の歪んだ上級生に、学校の校舎の上から水を掛けられたことがあった。
俺はそれに対して……
そいつのクラスに乗り込んで、水を掛けてきた上級生に殴り掛かり、鼻血を出させた。
無論、その報復でその後ボコボコに殴り返されたが。
そういうことがあったからか
注目に値する奴じゃ無いが、だからといってこいつをわざわざ怒らせるのは愚の骨頂。
そう思われてきていたんだと思う。
なので、中学時代はカーストは低かったが。
いじめのターゲットになったりはしなかった。
こいつをいじめたら、代償に何を払わされるか分からない。
そう思われてたんだろうな。
そんなふうに、俺は自分のことを振り返っていたら
「……だから見せたくなかったのよ」
志乃が溜息をついてスマホを仕舞う。
「機嫌悪くなるならメールを見たいなんて言わないで欲しい」
……そこに呆れを感じて俺は
納得がいかなかったから
「お前には怒ってないだろ」
そう返す。
志乃は
「怒ってるのは事実でしょ」
「怒るだろ」
自分の彼女に手を出されるってことは、こいつが怒りだして自分の命を狙って来ても、別に問題なく撃退できる。
そういう意思の表れだ。
逆にそういう覚悟も無しに手を出すなら、アホ極まりないわ。
それで命を落としたとしても
死んで当然だ馬鹿が。
俺は躊躇なくそう言える。
……そのくらいのことをされたんだから、怒るのはしょうがないだろ。
だから俺は納得できなかった。
「……付き合うときも言ったけど、私が秀司を選んだのは、私を自慢の種にする男じゃ無いって思ったからよ。OK?」
ウンザリしたように志乃。
……告白したとき、OK貰えたのが信じられなくて理由を聞いたとき。
彼女はそう言った。
飛鳥馬志乃の彼氏であることで周囲にマウントを取る。
そういう男とばかり交際して来たから、ウンザリだったらしい。
そんなことを言ってたんだ。
志乃は。
男の人が自分にハクをつけるためのトロフィー扱いはもうたくさん。
あなたは絶対そんなことをしないって、そういう確信があったの。
彼女はそう言ったし。
それを俺は一切疑っていない。
けど
「でもさ」
俺は食い下がる。
俺の怒りは正当だろ!
正しき怒りってやつじゃないのか!?
けれども
「でも、でも、でもって……活動家じゃ無いんだから……ああもう」
志乃はイライラしていた。
そして急に
俺に抱き着いて
俺の首に手を回し、そっと唇を重ねてきた。
柔らかくて温かい感触に俺の時間が停まる。
彼女はしかめ顔で唇を離し、そして
「……もうこれでおしまい。いいよね?」
そう言う。
ここまでされたら……
俺としては
「……分かった。分かりました。申し訳ありませんでした」
これ以外、言えんわな。
流石に。
まあ、生物として舐められるのは大体の男は我慢ならんのだよ。
本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。