家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
「あーらら。バレちゃったのね。まぁ、別にそれでも良いんだけど」
そう言い、紀子は立ち上がり。
スカートのポケットから、指輪を取り出した。
……あのエロガキがシドから貰ったという悪魔召喚の指輪。
それと同じものを
流れるようにそれを指に嵌め
「来なさい……破壊神アラストル……!」
その呼び掛けに従い、床に魔法陣が出現し。
あの部屋に居た漆黒有翼の悪魔は、紀子の傍に再召喚された。
「紀子……何で?」
志乃は動揺していた。
この真相は予想してなかったのかもしれないな。
……友達だと思っていたから。
紀子は嗤った。
悪意の籠った眼で。
「自覚無いんだ? 馬鹿みたい……よく木見北大
そう言ってせせら笑う。
俺は
蛇の剣を鞘から抜いた。
そして言う。
「岬さんさ……アンタがアラストルの召喚主だったんだな」
俺がそう言うと、紀子が歪んだ笑みを浮かべた。
「そうだけど……? 当たり前だよね。私の大切な礼一を寝取ったんだし」
何が寝取っただよ。
礼一って言うのか……?
アンタの元恋人。
俺は言った。
「悪いが日本語は正確に使え。アンタのその礼一だっけ……? 志乃は迷惑を掛けられただけだ。手を出して来たのはそっちで、関係も無論持ってない」
すると
「……ザケンナぁ!」
激昂し、叫んだ。
叫び、続けて
「そいつが誘惑したに決まってる! 礼一は私の彼氏なの! 好きだって言ってくれたの! なのになのに、何であんなことになるのよ!? そんなのそのヤリマン女が誘惑したに決まってんじゃん!」
「……あ?」
俺は紀子の言葉に、とんでもなく低く冷えた声が出た。
志乃に……ヤリマンだと?
ざけんなよ……オマエ……
俺はキレそうになったけど
「……紀子……あなた、私をそんな風に見てたの……?」
絶望的な声で志乃がそう言ったので、寸前で踏み留まった。
コイツは志乃の友達だった女だ。
志乃の邪魔をするのは……違うだろ。
志乃の言葉に、紀子が一気に声を荒げた。
「分かるはずないよね! あんたみたいな男を選び放題のクソ女にはさ!」
紀子は呪いに満ちた目で志乃を睨みつけて
「私は中学じゃ目立たなくてさ、高校は女子高で男なんて縁がなかった……」
己の過去を語る。
こいつが、悲惨だと思い込んでいる自分の過去を
「そんな私が、大学でやっとできた彼氏が礼一だったの……それをオマエは、軽い気持ちで誘惑し、ぶち壊した!」
……知るかボケ。
それはお前の男選びの基準がクソだっただけだ!
志乃のせいにするんじゃない!
「誘惑なんて……そんなつもりなかったよ。紀子、あなたがそんな風に思ってたなんて」
志乃の言葉に、紀子の顔がさらに歪んだ。
「うるさい! オマエはいつもそうやって無垢なフリして男をたぶらかしてきたんだろ! 私には何もないのに、あんたには全部揃ってる! 顔も、恋人も、友達まで!」
紀子の呪詛は止まらなかった。
「最低だよ、志乃! オマエみたいな女がいるから、私みたいなのが惨めになるんだ。少しでも悪いと思ってるなら死んでよ!」
彼女の声は金切り声に変わり、涙が溢れていた。
志乃はショックで言葉を失い、ただ立ち尽くしてた。
そして俺は……
限界を迎えた。
「いい加減にしろテメエ……」
俺は一歩踏み出して、静かに言った。
紀子が俺を睨み返してきたけど、俺は構わず続けた。
「おのれの不遇を他人のせいにするのは止めろ。そういうのを他責思考って言うんだよ。5才のガキ」
紀子の目が一瞬揺らいだ。でも、次の瞬間、彼女が狂ったように叫んだ。
「黙れ! こんなクソ女に誘惑されたクソ男が!」
呪いと憎悪に塗れた目で俺を見つめ、喚き散らす。
俺は……
「黙れ。お前の不遇は全てお前のせいだ。志乃は関係ない。志乃は一貫して、俺と、俺の家族をまとめて受け止めようとしてくれる……」
心の片隅で、コイツの憎悪を俺に向けるために。
敢えてそう言い切った。
……半ばくらい、志乃を罵ったことが許せない気持ちもあったけど。
そして
「……自分しか愛していないアンタと違ってな!」
俺の発したその言葉は。
どうも、深くコイツの心に突き刺さったらしい。
「ウギャアアアアアアアアア!!」
発狂した叫び声をあげて。
紀子は俺たちを指差した。
「嬲り殺せアラストルゥゥゥ!」
戦いが、始まった。
戦いの行方は?
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