家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
ザンマが反射され、志乃とマナナンガルが壁に叩きつけられた状況に、俺は頭をフル回転させた。
紀子がマカラカーンを使えるなら、ザンマで仕留める作戦は崩れる。
アラストルの羽根がリビングの天井近くで軽く動き、紀子の狂った笑い声が響いてる。
……どうすればいい?
いや、取り敢えず……
「ドリアード、メディアだ!」
俺が叫ぶと、妖精ドリアードが声を上げて緑の光を放った。
全体回復の初級魔法メディアが志乃とマナナンガルを包み、二人ともゆっくり立ち上がる。
志乃が咳き込みながら俺を見た。
「秀司……ありがとう」
志乃のそんな言葉に俺は応えず。
続けて
「シーサー、吠えろ!」
俺は聖獣シーサーに指示を出した。
シーサーが大声で咆哮を上げ、リビングに低く響く音が広がる。
アラストルの目が一瞬揺らぎ、紀子の指輪の光が弱まった。
魔法の集中を乱せば、威力が落ちるはずだ。でも、これはただのその場しのぎ。
「志乃、何かアイデアは?」
俺が聞くと、志乃が目を細めて考え込んだ。
そして何かに気づいたのか。
彼女が急に顔を上げ、俺に近づいてくる。
近づいて、言った。
「……マカラカーンで反射できるのは、4大属性の魔法だけなのよ」
……そうなのか。
4大属性っていうと……
火炎、氷結、衝撃、電撃。
これのことだよな。
それはつまり……
それ以外の魔法は素通りってことか……?
俺のそんな眼での言葉に。
志乃は大きく頷いた。
……分かった!
「タールカジャ!」
志乃が両手を大きく上げ。
俺に筋力強化魔法タルカジャを掛けた。
俺の一撃の威力を上昇させるために。
そして俺はさらに閃く
「カマプアア、ラクンダだ!」
神獣カマプアアに命じ、敵の防御力を下げる魔法ラクンダをアラストルに掛けさせる。
マカラカーンは4大属性攻撃魔法を反射するが、弱体魔法は防げない。
「ぬぅっ!」
アラストルが声を洩らす。
俺の言葉に、志乃が頷いた。
俺は蛇の剣を両手で握り、アラストルに突進する。
そんな俺の横で
志乃が破魔魔法ハマを準備する。
ハマは死人、霊体系の悪魔を浄化して消し去る魔法……
これもマカラカーンの対象外だ。
「くらえ!」
俺は気合と共にアラストルの胸を狙い、タルカジャで強化された一撃で袈裟斬りを決めた。
蛇の剣が漆黒の体を切り裂き、黒い血が床に飛び散る。
アラストルが「グオオッ!」と咆哮を上げた瞬間。
志乃が紀子に飛びかかった。
「ハマッ!」
志乃の気合の叫びと共に、志乃の掌が紀子の肩に触れる。
そしてそこから破魔魔法ハマが紀子に叩き込まれた。
「ぎええええええええっ!?」
爆発するような白い光が紀子の体を包み、紀子は感電した人間のように身体を震わせ、その場に倒れ伏す。
俺はそれを目にしながら、さらに剣をアラストルの胸に突き立てた。
蛇の剣はアラストルを串刺しにする。
「うおおおっ! 無念だ……ッ!」
そんな言葉を残しアラストルは、闇に溶けるように消え去って行く。
そこで俺は思った。
……勝負ありだ、と。
戦いは終わったが……
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