家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第6章 オーバーザタイムス
第48話 契約可能な枠が少ない問題


 一晩が過ぎた。

 実は、昨日から俺の頭には引っかかるものがあった。

 

 トレントとのバトルで、火炎魔法がシャイターンのアギしかなかったことが、どうしても気になって仕方なかった。

 火炎魔法がアギしかないのは不安過ぎる。せめてアギラオか、マハラギ、もしくはファイアブレスくらいは欲しいのに。

 現行の戦力の低さを思い知ってしまった。

 

 これじゃあ、シドと対峙したときに話にならないだろ……。

 

 だから俺は、業魔殿のロビーで休憩中

 

「志乃、ちょっといいか?」

 

 俺が声をかけると、彼女が驚いたように俺を見る。

 

「どうしたの、秀司?」

 

「昨日の戦い……火炎魔法がシャイターンのアギしかなかっただろ。どう考えても問題だ。放置しておいていい問題じゃない」

 

 俺の言葉に志乃が顔を顰め、唇に指先を当てて少し考え込むように首を傾げて

 

「確かに……あのトレントでも手こずったもんね。もっと強い火炎魔法が必要かも」

 

 将来的に、あれより強い相手に勝たないといけないわけだし。

 志乃はそう呟く。

 

 俺は彼女がそこを理解してくれていることに感謝して

 

「それだけじゃなくてさ。仲魔の契約数が8体ってのも問題だ」

 

 俺はGUMPを軽く叩きながら、苛立ちを隠さず呟いた。

 使い慣れてくるにつれて思う。

 

 8体は少ない。

 

 晶を救う時間があと20日ない以上、もっと契約数を増やさないと間に合わないだろ。

 悪魔合体をもっと繰り返さないといけないんだから。

 

 これは切実な問題だ。

 

 だから俺は決意を固め……

 

 

 

「メアリさん、相談があるんですけど」

 

 業魔殿で作業中のメアリさんに、作業の合間を見計らってそう話し掛けた。

 

 するとメアリさんは無表情のまま

 

「何でしょう? 皆本様」

 

 俺は

 

「もっと契約数を増やしたいんです。GUMPの仲魔枠、最大8体は少なすぎます。何か方法ないですか?」

 

 それに対してメアリさんは

 

「GUMPに使用するメモリは、特殊な処理を施したものでないと機能しません。お金が膨大に掛かりますし、たとえ金を積んでも手に入らない場合が多々あります」

 

 その言葉に、俺の肩が少し落ちた。

 

「ダメなのか……」

 

 ため息が出た。

 

 だが、完全に諦める前に、もう一度訊いたんだ。

 

「全く方法が無いんですか?」

 

 それにもメアリさんが首を振るかと思いきや

 

「いえ、方法が無いわけではありません。要は専用のメモリが手に入ればいいのです。あるダークサマナーが使用していたCOMPのメモリを移植すれば、契約数を増やせる可能性があります」

 

「ダークサマナー?」

 

 

 

 

 場所を移して。

 倉庫に連れて来られた。

 

 そこには色々、得体の知れないアイテムが保管されていて。

 聞くと「様々な経緯で流れ着いたいわく付きの物品類です」と言われる。

 

 そこでメアリさんが倉庫の隅で保管されていたものを持って来た。

 

 それは、パラソルに見えて

 

「このパラソルがCOMPなんですか?」

 

 そう訊ねるとメアリさんは頷いて

 

「マヨーネというダークサマナーが使用していたCOMPです。再利用もできないので保管していました」

 

 何故再利用できないのか……?

 それについては

 

「このCOMPは呪われているのか、災厄を呼ぶのです」

 

 ……だとさ。

 

 俺がそのパラソルCOMPを手に持つと、妙に冷たい感触が掌に広がった。

 気のせいかもしれないけど。

 

 志乃が少し不安そうに俺に視線を向けて来る。

 

「大丈夫? 秀司……呪いって、ちょっと怖いんだけど……」

 

「まぁ、やるしかないだろ。晶を救うためだ」

 

 メアリさんが続けて、地図を1枚差し出した。紙には細かい文字と線が描かれている。

 

「この地図に従い、悪魔召喚に関するコンピュータエンジニアに会いに行ってください。彼女ならメモリの移植ができるはずです」

 

 俺は地図を受け取り、目を細めて眺めた。

 呪いについては何とかしてくれるのだろうか……? そこが少し気になったが

 

「分かった。行ってくる」

 

 俺はそう答えた。

 これは避けようのないことだし。

 

 やってやんよ。




マヨーネ。
1回しか出て来ないけど、わりと好きなダークサマナー。

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