家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第52話 ここから帰るには

 まあ、とりあえずだ。

 なんか彼らがあり得んくらい友好的なの。

 

 多分事前に神のお告げ的なものがあったんだろうな。

 

 ……想像だけどさ。

 この時代、稲作が多分まだ始まってないだろ。

 ムラの様子を見るに。

 

 水田も米蔵みたいなものも見えんから。

 

 そして稲作をしてないってことはさ。

 狩猟と採取で食べてるってことだろ?

 

 ……その場合ってさ。

 

 縄張りに知らない余所者がやってきたら、とりあえず殺すはずなんだよ。

 だって食糧を自分の努力で増やすことが出来ないんだから。

 

 人権?

 この時代にそんなものは無い。

 

 それをしないということは、しないだけの理由があるはず。

 そしてそれが「呪術師ディーグイを倒してくれる神の使者」なんだろう。

 

 ……ということは。

 ここから帰るためには……

 

「呪術師ディーグイを倒せばいいんだな」

 

 結論はそれだろ。

 俺がそう口に出すと、ミナが目を輝かせて手を叩いた。

 

「さすがは神の使者です! 我らを救ってくださるのですね!」

 

「えっ、ちょっと待って……」

 

 志乃が手を振って否定しようとしたけど、縄文人たちはもう歓迎ムードに突入している。

 

 男たちが「神の使者だ!」と叫び、女たちが土器に盛った木の実や干し肉を持ってウロウロし、多分料理の準備をしている。

 

 志乃が俺の袖を引っ張って、小声で囁く。

 

「秀司、どうしよう……神様扱いされちゃってるよ」

 

「どうしようもないだろ。とりあえず、流れに乗るしかないよ」

 

 俺は苦笑しつつそう答える。

 

 縄文人たちの歓迎。

 

 どうも今日は宴を急遽するようで。

 

 男たちが「ちょっくら鹿を取って来るべ!」と言い、槍と弓矢を持って出て行く。

 俺は脳裏に妖獣アツユの影がちらつき、護衛として同行した。

 

 志乃にはムラの防衛要員で居て欲しいと、居残りを依頼。

 こんな状況で置いていくのはちょっと抵抗があったけど「救う」と約束してしまったしな。

 

 その辺理解してる志乃は、俺の頼みを聞いてくれた。

 

 

 

「神様の使いが同行してくださるなら、こんな心強いことは無いべ!」

 

 俺の同行を喜ぶ男たち。

 

 狩場に出た。

 草原の向こうで鹿を見つけた彼らは、流れるように静かに近づき、弓矢を浴びせた後に石槍で仕留めた。

 俺も蛇の剣を手に持ってみたけど、彼らの手際の良さに圧倒されて、ただ見てるだけだった。

 

 槍の先端に付いた黒曜石が夕陽に光り、血に濡れた鹿の毛皮が地面に広がる。

 男の1人が笑顔で俺に言う。

 

「神の使者も狩りますか?」

 

「いや、俺はいいよ。あんたらの腕前がすごすぎて、敵わないし」

 

 俺が手を振ると、彼らは豪快に笑った。

 

 

 

 一方、志乃は女たちと一緒に料理作りに参加してた。

 竪穴住居のそばで、石包丁で干し肉を作るための獣の肉を切り分けたらしい。

 戻ってきてから彼女に聞いたことだけど。

 

 だいぶ苦戦したようで

 

「……使い慣れている包丁なら余裕で手来たのに!」

 

 悔しそうだった。

 まぁ、しょうがないよな。

 

 石包丁って、石器だしな。

 そんなん使い慣れている人間は、現代にはほぼ居ない。

 

 

 

 そして男たちの狩って来た鹿2頭を使って、宴の料理が作られる。

 

 宴の料理は、鹿肉と野草の煮物。

 土器を使うんだな。

 

 しかし、その素材の野草の種類が良く分からない。

 ニンニクみたいな味がするものがあったり、野菜っぽいものがあったり。

 

 ……で、意外に食えた。

 美味いわけじゃ無いんだけどな。

 当然。

 

 この時代、おそらく味付けは塩しか無いはずなんだけど……

 

 あと、木製の匙があった。

 土器で煮た煮物を取るための食器の意味合い。

 食べるときは手掴みだけどな。

 

 匙はあるのか。

 箸は無いのに。

 

 多分、煮物を作ってる関係で、必要に迫られて自然発生したのだろうけど。

 でないと熱くて中身が取れないし。

 

 ……どう考えても箸の方が簡単に作れるのにな。

 箸って、使うのに技術が要求されるけど、作るだけなら余裕でできるわけで。

 棒が2本あればいいんだから。

 

 ……うーん。

 

 オモロイ。




箸は自然発生しそうな食器だと思うんですよね。
スプーンやフォークより発生しそうじゃない?

でも、縄文時代の道具では、匙は出土しても箸は無いそうです。

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