家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
2人とも、冗談を言ってる顔では無かった。
真剣だった。
そこでアヤが静かに、だが大真面目に言った。
俺を正面から見つめて
「神の使いであるあなたの御子を授かることで、ムラが神の祝福を受け繁栄するのです。さあ、私と妹に」
ミナが隣で小さく頷き、期待に満ちた目で俺を見上げてくる。
それで一瞬、男のサガで彼女たちとセックスする自分を想像しそうになったが、寸前で打ち消す。
あぶねー!
俺は一瞬精神的に浮気しそうになった自分を否定するため、全力で両手を振って拒否した。
「悪いが、俺にはちゃんと相手がいるんだよ!」
目の端で志乃がこっちを見てるのが分かる。
誤解するなよ全然乗り気じゃないからな!?
そう心で叫びつつ、アヤに訴えた。
だが、アヤは首を傾げて困惑した顔だ。
ミナも眉を寄せて、理解できないって表情で俺を見つめてくる。
……多分縄文人には夫婦の概念がなく、子供は集落全体で育てる文化なんじゃないかな?
だから決まった相手と言われてもピンと来ないんだろう。
生物的には妊娠出産は女にしか負担が無いから、女が許可したなら拒否する理由が男には存在しない……
多分、そういう考え方なんだろう。
アヤがさらに一歩近づいてきた。
諦める気が無いらしい。
「神の使者よ、どうか私たちに種を授けてくれ。……相手がいることは関係ないのではないですか? 理解に苦しむのですが」
「いや、あるんだよ! 大ありなんだよ!」
俺は焦って声を荒げた。
絶対に押し切られるわけにはいかない!
志乃の愛を失うかもしれないし、妹にも縁を切られる!
だがそこで
志乃が立ち上がって乱入してきたんだ。
彼女がアヤとミナの間に割り込み、笑顔で言った。
「ちょっと待ってね……私たちの考え方では、性交は決まった相手としかしないのよ。いい? 分かった?」
その笑顔は柔らかいけど、目は全然笑っていない。
鋭い視線がアヤを貫き「これ以上食い下がったらタダじゃ置かないよ」って空気がビシビシ漂ってる。
アヤがたじろいた。
ミナが姉の腕を掴んで引き下がる。
……アヤが慌てて頭を下げた。
「大変申し訳ございませんでした。どうかご容赦を……使者様方を怒らせる気は無かったのです……」
彼女たちがしぶしぶ引き下がる。
それを目にし、危機が去ったことを知ると。
俺は志乃に目をやって小さく息を吐いた。
「助かった……マジで焦った。ありがとう」
「当然でしょ。縄文ルールでNTRなんて冗談じゃないから」
そう言って志乃が小さく笑い、俺の腕に抱き着いてきた。
彼女の体温が伝わり、柔らかい髪が俺の頬に触れる。
……気分的に俺が誰の男か主張したいのかな……?
彼女は怒るかもしれないから口には出せないけど、少しだけ嬉しい。
なので俺は少し照れつつ、彼女の頭を軽く撫でた。
「……誤解しないでくれよ? 全然乗り気じゃなかったからね?」
念を押すところが怪しいと言われるかもしれないけど、俺は一応主張した。
誤解されるのは嫌なんだ。
だけど
「心配しなくてもしないわよ」
志乃が顔を上げて、いたずらっぽく笑う。その笑顔に、彼女が少しも疑ってないってのが伝わってきて。
俺は少しホッとした。
焚き火の向こうでは、縄文人たちの宴がまだ続いてる。
……元々時間を無駄にするわけにいかないのもあるけどさ。
もう、明日の朝には問題の呪術師討伐の仕事に掛かってしまおう。
俺は真剣にそう考えた。
ここ、長居するには危険すぎる……!
主人公が絶え間なく貞操を狙われる危険な時代には居られない。
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