家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
次の日。
休みだったが、俺たちは朝食が済んだ後即家を出た。
……ホテル業魔殿っていう、新家区の大型ホテルを目指してくれと
キョウジに言われて。
いやあ、あのときは荒れた荒れた。
「これ以上迷惑を掛ける気!?」
志乃がまた目を吊り上げて、俺の代わりに抗議。
妹も
「そうだよ! 今すぐ出て行ってよ!」
それの後追いで抗議をした。
……したんだけど。
「俺はそれでも構わんが、GUMPの始末がつけられないな。それでも良いんだな?」
……露骨な脅しを入れられたんだよな。
曰く、今このGUMPのユーザーは俺になっており、これは正規の手順を踏まないと初期化できない。
つまり、所有権を手放すことが出来ない。
その手順はホテル業魔殿に行ってくれたら教える。
そしてGUMPは持ってるだけで自分たち政府のデビルサマナーの敵対者……ダークサマナーという連中の標的になる可能性がある。
捨てるにしても不燃ごみで出すわけにも行かないし、どこか人の見ていない場所に投棄しにいくとしても、そのときにダークサマナーの襲撃を受けない保証は無い……。
詰んでやがるよ。
畜生。
そうして俺たちは、3人雁首並べて仏頂面で、ホテル業魔殿を目指していた。
業魔殿に到着したら、俺たちは解放される……!
そう思いながら海岸沿いの道を歩いているとき。
「ねぇ」
志乃が口を開いた。
俺が、何? と視線を向けると
「……昨日は真っ先に逃げろって言ってくれてありがとう」
今頃そんなことを言ってくる。
俺は思わず笑ってしまった。
すると彼女は
「いや、笑うことじゃ無くない?」
口を尖らせて文句を
俺は
「ゴメン」
そう謝り、続けて
「でもそれはさ、言わざるを得ないだろ」
自分だけが生き残ってもしょうがないんだし。
それにあの局面で自分が真っ先に逃げたら、俺の世界が木っ端微塵だ。
だから別に、俺は自分のために言っただけで。
お礼を言われるようなことじゃない。
そう言って
少しだけ、空気が良くなった。
と、思った。
『おい、走れ』
突如だ。
姿を消しているキョウジが、テレパシーのような感じで俺たちにそう言ったんだ。
えっ
俺たちは戸惑い、足が止まる。
だけど
『走れ! まっすぐだ!』
説明なしで、もう1回叫んだんだ。
流石に従った。
感情は関係ない。
多分そうしないと不味いんだ。
それが分かったから。
理由を聞かず、懸命に走った。
志乃と晶、2人がついてこれるかが気になりはしたが。
けれども……
「逃げても無駄だな。……諦めるがいい」
俺が2人の様子を見て再び前を向いたとき。
目の前に居たんだ。
……ものすごい筋肉のプロレスラー体型。
僧帽筋が異常に盛り上がった、禿げ上がった男が。
年齢は40代くらいだろうか。
男はスクエア眼鏡を掛けていて、体格が凄いのに何故か神父の衣装を身に纏っている姿で。
手には聖書を持っている。
……そんな男が。
凶暴な笑みを浮かべてこちらを見つめていた……
ダークサマナー?
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