家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
集落に戻ると、縄文人たちが俺たちを温かく迎えてくれた。
竪穴住居の周りで子供たちが走り回り、焚き火の煙が立ち上る。
アヤとミナが俺たちの前に出て、俺たちの無事を喜んでくれた。
「神の使者よ、ディーグイを倒してくれたのですね!」
ミナが目を輝かせ、アヤが穏やかに微笑む。
「ああ……倒しはした。けど、話はそれで終わりじゃない」
俺はディーグイの怨霊化の可能性と、イチモクレンたちの封印の話を伝えた。
「だから、この地の神──イチモクレンたちを祀ってくれ。そしたら、ディーグイが再び災厄になるのを防げる」
俺のお願いにアヤが静かに頷き、ミナが力強く言う。
「分かりました……。我らが神として祀り、子々孫々守り続けます……!」
その言葉を聞いた瞬間、視界が白く霞んだ。
身体がふわっと浮く感覚に襲われ、志乃の手を握る間もなく、意識が遠のいていく……。
……再び気が付いたとき。
俺と志乃はタワマンへ続く道の階段に立っていた。
遠くでタワマンの窓ガラスが陽光を反射し、街の喧騒が遠くから聞こえてくる。
見慣れた現代の風景だ。
時計を見ると、正午。
……時間が止まってたみたいだ。
「……帰ってきた」
俺が呟くと、志乃が周りを見回して首を振る。
「あれ、夢じゃないよね……?」
「ああ……夢じゃないと思うよ」
志乃が俺の腕を軽く叩き、笑顔で言う。
「同じ夢を見るなんてありえないしね」
その通りだ。
そして俺たちは階段を登り、タワマンに到着。
指定された部屋番号に呼び出しを掛け、部屋に向かった。
メアリさんからの話が通ってたのか、許可は簡単に出て、部屋に到着。
インターホンを押して呼び出す。
1分少々で中から現れたのは、白いチャイナドレスに身を包んだ若い女だった。
眠そうな目が印象的で、恐ろしく巨乳な美人だ。
彼女が無造作に髪を触りつつ、俺たちを一瞥する。
「メアリさんからの客だよね? 早速COMP見せて」
俺がパラソル型COMPを差し出すと、彼女はさっさと作業台に持ち込み、GUMPのメモリ増設を始めた。
色々な道具を手に素早く作業する姿は、まるで魔法使いのようで。
俺はふと気になって訊いた。
「なあ、このパラソルが呪われてるってのは本当なのか?」
すると女が手を止めて、眠そうな目で俺を見上げる。
「そんなの知らないよ。ただ、持ち歩いてるときに不運が起きたことがあるだけでしょ。それが出自が出自だからそう思われただけなんじゃない?」
「……出自?」
俺の言葉に女は
「ダークサマナーの遺品ってだけでイメージ悪いし。仮に呪いの実在が証明できてたら、保管されずに処分されてるでしょ」
……正論に聞こえるなぁ。
そんなぐうの音も出ない俺を気にせず、彼女が肩をすくめて作業に戻った。
俺は内心で毒づいた。
……じゃあ、あの経験は一体なんだったんだよ!
……こうして。
一気に仲魔のストック数を8体から16体に増やして貰い。
GUMPの強化は成った。
成ったけど……
何だか、色々とモヤモヤしたものが俺たちの頭には残っていた。
これにて第6章は終了。
次回から第7章です。
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