家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第61話 GUMP強化は成ったけど

 集落に戻ると、縄文人たちが俺たちを温かく迎えてくれた。

 竪穴住居の周りで子供たちが走り回り、焚き火の煙が立ち上る。

 

 アヤとミナが俺たちの前に出て、俺たちの無事を喜んでくれた。

 

「神の使者よ、ディーグイを倒してくれたのですね!」

 

 ミナが目を輝かせ、アヤが穏やかに微笑む。

 

「ああ……倒しはした。けど、話はそれで終わりじゃない」

 

 俺はディーグイの怨霊化の可能性と、イチモクレンたちの封印の話を伝えた。

 

「だから、この地の神──イチモクレンたちを祀ってくれ。そしたら、ディーグイが再び災厄になるのを防げる」

 

 俺のお願いにアヤが静かに頷き、ミナが力強く言う。

 

「分かりました……。我らが神として祀り、子々孫々守り続けます……!」

 

 その言葉を聞いた瞬間、視界が白く霞んだ。

 身体がふわっと浮く感覚に襲われ、志乃の手を握る間もなく、意識が遠のいていく……。

 

 

 

 ……再び気が付いたとき。

 

 俺と志乃はタワマンへ続く道の階段に立っていた。

 遠くでタワマンの窓ガラスが陽光を反射し、街の喧騒が遠くから聞こえてくる。

 

 見慣れた現代の風景だ。

 時計を見ると、正午。

 

 ……時間が止まってたみたいだ。

 

「……帰ってきた」

 

 俺が呟くと、志乃が周りを見回して首を振る。

 

「あれ、夢じゃないよね……?」

 

「ああ……夢じゃないと思うよ」

 

 志乃が俺の腕を軽く叩き、笑顔で言う。

 

「同じ夢を見るなんてありえないしね」

 

 その通りだ。

 

 

 

 そして俺たちは階段を登り、タワマンに到着。

 指定された部屋番号に呼び出しを掛け、部屋に向かった。

 

 メアリさんからの話が通ってたのか、許可は簡単に出て、部屋に到着。

 インターホンを押して呼び出す。

 

 1分少々で中から現れたのは、白いチャイナドレスに身を包んだ若い女だった。

 眠そうな目が印象的で、恐ろしく巨乳な美人だ。

 彼女が無造作に髪を触りつつ、俺たちを一瞥する。

 

「メアリさんからの客だよね? 早速COMP見せて」

 

 俺がパラソル型COMPを差し出すと、彼女はさっさと作業台に持ち込み、GUMPのメモリ増設を始めた。

 色々な道具を手に素早く作業する姿は、まるで魔法使いのようで。

 俺はふと気になって訊いた。

 

「なあ、このパラソルが呪われてるってのは本当なのか?」

 

 すると女が手を止めて、眠そうな目で俺を見上げる。

 

「そんなの知らないよ。ただ、持ち歩いてるときに不運が起きたことがあるだけでしょ。それが出自が出自だからそう思われただけなんじゃない?」

 

「……出自?」

 

 俺の言葉に女は

 

「ダークサマナーの遺品ってだけでイメージ悪いし。仮に呪いの実在が証明できてたら、保管されずに処分されてるでしょ」

 

 ……正論に聞こえるなぁ。

 

 そんなぐうの音も出ない俺を気にせず、彼女が肩をすくめて作業に戻った。

 

 俺は内心で毒づいた。

 ……じゃあ、あの経験は一体なんだったんだよ! 

 

 ……こうして。

 一気に仲魔のストック数を8体から16体に増やして貰い。

 

 GUMPの強化は成った。

 成ったけど……

 

 何だか、色々とモヤモヤしたものが俺たちの頭には残っていた。




これにて第6章は終了。
次回から第7章です。

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