家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
第62話 バラバラ殺人事件
先日GUMPの仲魔ストック数を16体に拡張した。
そして俺は早速悪魔合体を繰り返し、現在の仲魔を最適化したんだ。
女神スカアハ
妖鬼オニ
聖獣シーサー
龍王クエレプレ
鬼女マナナンガル
地母神キクリヒメ
霊鳥ヴィゾフニル
妖魔シウテクトリ
余裕があると合体に幅が出るねぇ……。
おかげさんで、だいぶ戦力として安定して来た。
残り日数20日を切ってしまったが、晶の魂を取り戻すために頑張らないと。
「あとはシドの足取りか」
俺がGUMPの画面を眺めながら呟くと、志乃が隣でコーヒーを啜りながら頷く。
場所はいつも通り業魔殿のロビー。
「うん。キョウジさんからの連絡が全然無いよね……」
俺たちは修行がてら、キョウジが本来請け負うはずの雑用めいた依頼を片付けている。
全てはシドの足取りを追うことをその道のプロであるはずのキョウジに任せるためだ。
……でも、結果が出て来ない。
正直「何やってんだよ」って気にはなる。
でも、クレーム入れたら向こうが「えっ、じゃあ兄くんがやってみるか?」と言われかねない。
……何も言えない。
あのキョウジって男は……
正直、大嫌いだよ。
おそらく相当有能な男なのは理解はできるけどさ。
だからまぁ、ひとつだけ言えると思うのは……
キョウジ自身は無駄なことはしてないはずだ。
本来なら自分がやらないといけないことを俺たちに任せて。
ずっと何かしてんだから。
……遊んでるなんて、あるわけない。
その確信だけはあったから。
「……あと何日だっけ?」
志乃がそう言ったので俺はスマホを取り出して
「……正確に言うと残り16日だ」
「16日か……」
志乃はそう呟き、表情を沈ませる。
彼女は
「私さ、最初に晶ちゃんに会ったとき、どう振る舞おうか迷ったの」
あなたのことは好きだけど、相手の家族に気に入られなければ、どうせ遠からず破局する。
気に入られなければ終わったも同じ……
そう思ったの。
そう、語った。
俺が彼女を家に連れて来たときのことか。
わりと付き合い始めてすぐのことだったけどさ。
大学入学前だ。
その前に連れて行ったんだ。
彼女が出来たから会って欲しい、って。
……今思えば、初カノだったから俺は。
このときいきなり重いことをしてしまったかもしれないと後で反省したけど。
結果として上手く行った。
両親は上機嫌だったし。
何より晶がメチャメチャニコニコしてたんだ。
彼女が家に帰った後、両親にも妹にも
「お前すごくいい女の子を彼女に出来たな」
「このままシュウちゃんのお嫁さんがあの子になるなら、とても嬉しいわ。お母さん何も文句無い」
「綺麗な上に優しいなんてすごく良い人だよ! お兄ちゃん、絶対にあの人と結婚して!」
……そんなことを言われたんだよな。
志乃は試験を受けに来た気分だったみたいだけどさ。
こっちはそんなこと無かったんだ。
俺の家では、舞い込んだ大きな幸運だったな。
そういう扱いだった。
……だからさ。
お前は純粋に義理の姉の気持ちで晶を救いたいのかもしれないけど。
俺は今の俺の幸せのために晶を救いたいんだよな。
……これは自己中なんだろうか?
口には出せない気持ちだ。
……そんなことを思い返していたら
何だか空気が湿っぽくなった。
なので俺は空気を変えるつもりで、ロビーのテレビをつける。
……今時、ブラウン管のテレビだ。
55型くらいのサイズ。
デジタル放送の世の中なのに、何故映るんだ?
チューナーつけてんの?
リモコンが無いので自分でスイッチを入れに行く。
すると、ニュースがやっていた。
『――木見北市花梅区で、ゴミ箱からバラバラにされた男性の遺体が発見されました』
この街のニュースじゃんよ。
どうも、この街で殺人事件が起きたらしい。
繁華街である花梅区の裏路地で、ゴミ箱からバラバラにされた男性の遺体が黒いゴミ袋に詰められて見つかったんだと。
異臭を通報した住民により発覚したそうで。
当たり前だけど、警察は殺人事件として捜査をしてるとか。
「……物騒だな」
「そうね……」
悪魔関連の事件だけでも大変なのに。
そう言ってふたり、そのニュースについて話していたら
そのとき
「皆本様、飛鳥馬様」
……このロビーに、メアリさんがやってきたんだ。
メアリさんから何の話が?
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