家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第63話 責任を取らなくていいことと、責任が無いことは違うのよ

「お忙しいところ申し訳ありませんが、仕事です」

 

 緊急性高そうなシチュと言葉なんだけど。

 メアリさんは特に取り乱していない。

 優雅な仕草で一礼し、そう俺たちに伝えて来た。

 

 俺は

 

「仕事? 今度は何の仕事ですか?」

 

 そう訊ねると、メアリさんが淡々と答える。

 

「この街で起こったバラバラ殺人事件……」

 

 そこまで言ったとき志乃が

 

「もしかして、ゴミ箱に死体が入れてあったとかいう……」

 

「そうですね。話が早くて助かります」

 

 志乃の先読みの言葉に、メアリさん。

 そっか、あの事件か。

 

 ……でも

 

「メアリさんが話を持ってくるということは、あの事件、悪魔関連なの?」

 

 まぁ、それ以外無いと思うんだけどさ。

 犯人が悪魔か、それに準じる相手で。

 

 警察が関わると無駄な犠牲が出る可能性が高いので、回って来る仕事。

 

 俺の言葉にメアリさんは頷く。

 

「報道には出ていませんが、遺体には血液が一滴も残ってなかったのです。こんなことはあり得ません」

 

 つまりミイラ化していたと……?

 確かに変だな。

 あり得ないかもしれない。

 

 さらに

 

「他にも、魔力を使用した痕跡が現場周辺で確認されましたので」

 

 なので悪魔か魔法使いの犯行であると判断しました。

 さいですか、とメアリさんのその言葉に俺たちは納得する。

 

 そして

 

「……犯人は誰か分かってるんですか?」

 

 それを訊ねた。

 とても重要なことだし。

 

 ……もしそこが分からんとなると、キョウジと相談しないとマズイ話になるしな。

 

 だけど

 

「そこは安心してください。被害者が行方不明になる前に、肥満体の大人しそうな男に絡んで金を巻き上げようとしてたところを目撃されていたのです」

 

 状況的に、犯人はその肥満体の男だろうってことだった。

 

 ……なるほど。

 被害者の方は、善良な一般市民では無かったんだな。

 

 男の身元について訊ねると

 

 楼里(ろうさと)将児(しょうじ)33才、独身、犯罪歴なし。

 住所は高花津(たかかづ)区のアパート……。

 

 

 

 そして。

 俺たちはメアリさんに教えられた住所に出向き。

 

 今、アパートの前に立っている。

 

 所謂ハイツで、俺の一人暮らししているアパートと同じ。

 プレハブの2階建てだ。

 

 その2階の部屋なんだが……

 

 俺は鞄の中のGUMPを触りながら、生唾を飲み込む。

 ……一応、このあたりでドンパチ魔法使ったり剣を振り回したり、悪魔を召喚しても、ケツモチは業魔殿経由で政府がしてくれるとは言われてるけどさぁ……

 

 責任取らなくていいから他人を巻き込んでいいって理屈はないわけで……

 

 どうしよう……?

 下手すると大惨事になりそうだよなぁ……?

 

 相談する意味合いで、志乃を見る。

 彼女は……

 

 少し考え、俺を見て

 

「ここは任せて」

 

 そう、強い瞳で言ったんだ。




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