家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話   作:XX(旧山川海のすけ)

68 / 106
第68話 魔人アリス

「さぁ、存分に仕掛けて来たらいいよ。……無駄だと思うけどー」

 

 アリスは宙に浮いたまま、楽しそうに笑う。

 まるっきり、ゲームで優位に立っている子供の表情だ。

 

 俺たちはそんなアリスに、全力で挑んだ。

 手加減無しで。

 

「ザンダイン!」

 

 志乃がザンダインを放つ。

 彼女の魔法の使用を宣言する声に応じて発動する、志乃の衝撃魔法がアリスの友達を直撃し、何体か吹き飛ばすが。

 まるでそれを嘲笑うが如く、アリスの足元の闇から増援が生えて来る。

 

「覇ァ!」

 

 スカアハの槍が唸り、ゾンビの群れを串刺しにする。

 スカアハは同時に衝撃魔法も発動させ、串刺しにしたゾンビを吹っ飛ばすが……やっぱり増援がワラワラと湧いてくる。

 

「これはどうでしょうか……マハブフ!」

 

 キクリヒメの魔法が発動。

 彼女が手を大きく広げて使用宣言する初級大凍結魔法・マハブフ。

 発動した魔法が、吹雪を発生させゾンビたちを凍らせ、動きを止めようとするが……

 

 やはり焼け石に水。

 

「ナラバこれでどうだ!?」

 

「コレデキメル!」

 

 シウテクトリとヴィゾフニルが吠え、アギラオとジオンガをアリスを狙って打ち込んだ。

 ゾンビをいくら倒しても意味が無いとの判断か。

 だけど両者が撃ち込んだ火炎弾と稲妻は

 

 跳躍したゾンビたちがその身で受けて、自分たちの主人をガードする。

 

 ……厄介過ぎんぞ、この幼女悪魔……!

 

「そろそろ4分経つよー……時間無いよーお兄ちゃんお姉ちゃん」

 

 楽しそうに宙を舞いつつ、アリスは笑う。

 本当に無邪気に、楽しそうに。

 

 ……こっちは全然楽しく無いけどな!

 

「クソッ!」

 

 俺も少しでもゾンビを減らすために、蛇の剣を抜き放って切り込むけど……

 

 焼け石に水なのは変わらない。

 

「……こんなの」

 

 志乃の声に焦りが滲む。

 俺も歯を食いしばる。

 

 GUMP強化で俺の仲魔は強化できたと思ったのに。

 まるで歯が立たない。

 

 アリスの力が予想以上にヤバすぎる。

 

「ねえ、お兄ちゃんたち……」

 

 そのとき。

 アリスの笑顔が一瞬、真顔になり

 

「もう5分経っちゃったよ。じゃあ、死んでくれる?」

 

 再び笑顔でそう言った後。

 アリスの両手が大きく上がり。

 それに合わせてゾンビたちが一斉に武器を構え、俺たちに迫ってきた。

 

 ――総攻撃!

 

 恐怖が胸を締め付ける。やられる──!

 

 だけどその瞬間、楼里の声が割って入ったんだ。

 

「アリス、止めなさい!」

 

 その声に合わせ、ゾンビたちがピタリと動きを止めた。

 そしてアリスが不満そうに唇を尖らせ、楼里を振り返る。

 

「えー! ショウジパパ、なんでー?」

 

 楼里は深く息を吐き、俺たちに目を向けた。

 その目は、さっきまでの俺たちへの敵対の意志はなく……

 

「君たちなら……アリスを任せられる」

 

「……は?」

 

 なんか、わけのわからないことを言われた。

 えっと……




突然の申し出。
その理由は……?

本作を読んでいただき感謝です。
続きが気になる、面白かった。
その場合は評価、お気に入り、コメント等を頂けますと嬉しいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。