家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
「さぁ、存分に仕掛けて来たらいいよ。……無駄だと思うけどー」
アリスは宙に浮いたまま、楽しそうに笑う。
まるっきり、ゲームで優位に立っている子供の表情だ。
俺たちはそんなアリスに、全力で挑んだ。
手加減無しで。
「ザンダイン!」
志乃がザンダインを放つ。
彼女の魔法の使用を宣言する声に応じて発動する、志乃の衝撃魔法がアリスの友達を直撃し、何体か吹き飛ばすが。
まるでそれを嘲笑うが如く、アリスの足元の闇から増援が生えて来る。
「覇ァ!」
スカアハの槍が唸り、ゾンビの群れを串刺しにする。
スカアハは同時に衝撃魔法も発動させ、串刺しにしたゾンビを吹っ飛ばすが……やっぱり増援がワラワラと湧いてくる。
「これはどうでしょうか……マハブフ!」
キクリヒメの魔法が発動。
彼女が手を大きく広げて使用宣言する初級大凍結魔法・マハブフ。
発動した魔法が、吹雪を発生させゾンビたちを凍らせ、動きを止めようとするが……
やはり焼け石に水。
「ナラバこれでどうだ!?」
「コレデキメル!」
シウテクトリとヴィゾフニルが吠え、アギラオとジオンガをアリスを狙って打ち込んだ。
ゾンビをいくら倒しても意味が無いとの判断か。
だけど両者が撃ち込んだ火炎弾と稲妻は
跳躍したゾンビたちがその身で受けて、自分たちの主人をガードする。
……厄介過ぎんぞ、この幼女悪魔……!
「そろそろ4分経つよー……時間無いよーお兄ちゃんお姉ちゃん」
楽しそうに宙を舞いつつ、アリスは笑う。
本当に無邪気に、楽しそうに。
……こっちは全然楽しく無いけどな!
「クソッ!」
俺も少しでもゾンビを減らすために、蛇の剣を抜き放って切り込むけど……
焼け石に水なのは変わらない。
「……こんなの」
志乃の声に焦りが滲む。
俺も歯を食いしばる。
GUMP強化で俺の仲魔は強化できたと思ったのに。
まるで歯が立たない。
アリスの力が予想以上にヤバすぎる。
「ねえ、お兄ちゃんたち……」
そのとき。
アリスの笑顔が一瞬、真顔になり
「もう5分経っちゃったよ。じゃあ、死んでくれる?」
再び笑顔でそう言った後。
アリスの両手が大きく上がり。
それに合わせてゾンビたちが一斉に武器を構え、俺たちに迫ってきた。
――総攻撃!
恐怖が胸を締め付ける。やられる──!
だけどその瞬間、楼里の声が割って入ったんだ。
「アリス、止めなさい!」
その声に合わせ、ゾンビたちがピタリと動きを止めた。
そしてアリスが不満そうに唇を尖らせ、楼里を振り返る。
「えー! ショウジパパ、なんでー?」
楼里は深く息を吐き、俺たちに目を向けた。
その目は、さっきまでの俺たちへの敵対の意志はなく……
「君たちなら……アリスを任せられる」
「……は?」
なんか、わけのわからないことを言われた。
えっと……
突然の申し出。
その理由は……?
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