家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
「鈴木ィ! 大丈夫か!?」
「お前もデビルを呼び出せ!」
鎧騎士と鴉人間。
その2体の悪魔の影から、さらに2人の男が現れる。
最初の男と同じくあまり清潔感が無い男。
片方は頭髪が薄い感じだった。
「お前ら、チームで暴力団の金を奪ったのか!?」
俺のそんな言葉に。
鈴木と呼ばれた最初の男が、キクリヒメが足を退けざるをえなかったため、自由になり。
起き上がって指輪を嵌める。
そして
「……ああ、その通りだ!」
そう、暴力の意志を込めた目で俺たちを睨みながら
「来い! 堕天使シャックス!」
男の呼び掛けに応じ。
その場に貴族のように飾り立てた、コウノトリの鳥人間が召喚された。
堕天使シャックス……
確か……略奪公とも呼ばれている、泥棒の権能を持つ悪魔だった。
なるほど……コイツの力でATMから金を盗ったのか。
「例え暴力団相手でも、金を奪えば窃盗罪だ!」
俺の言葉に。
男たちが顔を見合わせ、歯を食いしばる。そして鈴木が唾を吐き、叫ぶ。
「窃盗が何だ!? あいつらは強盗の使い走りを雇ってる奴らだぞ!?」
強盗の使い走りを雇う……?
それって
「あなたたち、闇バイトなの!?」
志乃の言葉。
そういうことだったのか。
被害者の暴力団は闇バイトを雇って強盗をさせていて。
こいつらはその闇バイト。つまり実行犯。
「俺たちばっかりが危ない橋渡って、報酬は雀の涙だ!」
「ふざけやがって!」
「許せない!」
1500万円、獲得したのに報酬たった10万円!
分かるか!? 10万だぞ!?
稼いだ金の1%以下の報酬だ!
せめて半分は渡すべきだろう!?
そうだろう!?
……そう、興奮しつつ3人の男たちが自己正当化する。
「だから俺がエリゴールで、雇い主の正体を特定し」
赤い甲冑の騎士の契約主がそう言い
「俺がそいつらの口座からシャックスで金を根こそぎにし」
そして鈴木がそう得意げに言い
「俺がその奪った金をラウムに即座にアジトに転送させた」
鴉人間の契約主。
……なるほど。
この事件は、この3人のインスタントサマナーの合作だったんだ。
「それで3億だ! 1億ずつ分けて、これから東南アジアにでも逃げるんだよ!」
「俺たちの人生逆転劇の邪魔をすんな! 人の心があるならな!」
……3人の男たちは血走った眼で俺たちを睨む。
邪魔をするなら容赦しない。
殺すぞ……?
そう言う意識が視線にあった。
……俺は
「……確か数日前、テレビでこの街で老人宅の強盗で、被害者が死んだ事件があったな」
確かめずにはいられなかった。
そのことを。
数日前、テレビで見たんだよ。
『続いて、痛ましい事件のニュースです。S県木見北市で、昨日未明、高齢者の住宅に何者かが侵入し、強盗事件が発生しました。被害者は80代の男性で、抵抗した際に暴行を受け、搬送先の病院で死亡が確認されました――』
俺の言葉に
「老い先短いおいぼれが1500万円も溜め込んでるのがおかしいだろうが!」
「そんな奴がいるから、俺たちは不幸せだったんだ!」
「だから何だ偽善者が!」
……3人が狂ったように言い返して来る。
つまり……
こいつらが犯人なんだな。
「分かった。俺も容赦しない」
俺はそう言って、GUMPのトリガーを引こうとした。
だがその前に。
俺の容赦しないという言葉を「行け」と受け取ったのか
「じゃあ……死んでくれる?」
アリスがその両手を男たちとその契約悪魔たちに向けて。
影から、無数の武器を携えたゾンビ軍団を召喚する。
オオオオ……
呻き声と共に、影から湧きだして来るゾンビの兵隊。
「早く死んでよぉ……やっちゃって! アリスのお友達!」
ニコニコしつつ、アリスはそう指差して命じた。
まさか……!
「アリス! アイツらを殺すな!」
そう言おうとした。
だがその前に。
アリスの兵隊たちが襲い掛かって行った!
果たして3人の闇バイトの運命は?
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