家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話   作:XX(旧山川海のすけ)

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第76話 突然の遭遇

「アリス、待て! どこ行くんだ!?」

 

「黒おじさんがいるの!」

 

 アリスが走っていく。

 黒おじさんとか意味が分からない。

 

 追いかけなければ。

 

 でもその前に。

 俺はGUMPのトリガーを引き、召喚予定だった魔神プロメテウスを召喚した。

 

「皆本殿、今回は何用だ?」

 

 俺は魔法陣の上に召喚された彼に

 

「志乃の指示に従って、キクリヒメと一緒に後始末を!」

 

 手早く指示を出し

 

「志乃悪い! 頼む!」

 

「分かった!」

 

 俺がアリスを追う決断をしたことに、彼女は即対応してくれた。

 揉めてる時間が無いということを分かってくれた。

 

 ……ありがとう!

 

 俺はアリスを追いかける。

 飛行状態なら分からなかったけど、自分の足で走っていたから何とか追いつけた。

 並走しながら訊く。

 

「アリス! 何なんだ!?」

 

「黒おじさんがいる!」

 

 だから何だよ黒おじさんって!

 

 

 

 そしてアリスが向かったのは、晶の魂が抜かれたあの海岸沿いの道。

 耳を澄ますと波の音が静かに響く。

 潮風が頬を撫でる中、アリスの足が止まった。

 

 そこの道の端に、スーツ姿のサラリーマン風の男が立っていた。

 30代半ば。

 ばっちりセットされた髪に、鋭い目つきに薄い笑み。

 普通の会社員に見えるけど、なんだか……言語化しにくい違和感があった。

 

 そこでアリスが男を指差し、無邪気な声で叫ぶ。

 それは……

 

「おじさん、堕天使ネビロスと契約してるでしょ? 黒おじさんに会いたいから、呼び出して!」

 

 その言葉に、男がギョッとして

 

「え、お嬢ちゃん何を言ってるんだい? わけが分からないよ」

 

 と戸惑いを示した。

 

 俺は慌てて

 

「すみません。この子、ちょっと預かってる子でして、アニメで……」

 

 と言いかけ、ふと

 

(何でわけが分からないんだ? 相手、良い大人だぞ?)

 

 堕天使ネビロスって何だ? そういう返答なら分かる。

 一般人が知るわけが無いもんな。

 

 でも、アリスが言ったのは契約だ。

 

 人は、生きていく限り何かしら契約を結ぶだろ。

 

 例えば俺は、書店でバイトという雇用契約をしていたし。

 アパートに関しては賃貸の契約をしてる。

 そしてスマホについても契約してるわけだ。

 

 なのにこの男は、アリスの言葉を全否定した。

 おかしく無いか?

 

 間違いなくこの男、何か契約はしてるだろ……?

 

 そこに思い至ったとき。

 一瞬で表情が硬くなる。

 

 俺の脳裏に、晶の魂が抜かれたあの日の記憶が蘇る。

 晶はシドの仲魔に魂を抜き取られた。

 

 その名はネビロス──堕天使ネビロスだった。

 

 そしてキョウジは、シドの行方が分からないのは何かの悪魔の権能の力を使ってる可能性が高いとも言っていただろ……?

 

 ということは……

 

「まさか……お前、シドか!?」

 

 俺がGUMPを構えそう言うと、男は舌打ちをした。

 

「どこかで会ったかガキ……?」

 

 そんな言葉と共に。




仇敵との予期せぬ再会。

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