家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
「皆本秀司だ! 妹の魂を返せ!」
俺の叫びにそのサラリーマン風の男は
「……ああ、あのときのクソガキか」
ようやく思い出したらしい。
そういやそんなこともあったな、という顔をする。
それくらい、こいつにとってはどうでもいいことだったということか。
ふざけやがって。
でも今……コイツは認めた。
自分がシドであると。
俺の胸に怒りが渦巻く。
男……シドは
「確かもう、2週間以上前の話だったな。それでもまだ魂を返して欲しいのか?」
シドが鼻で笑う。
嘲笑う笑みを浮かべつつ。
「……もう時間切れだろ?」
その笑みが俺の怒りを爆発寸前まで押し上げる。
俺は
「やかましい!」
その溢れ出る怒りを言葉にし、俺は蛇の剣を抜いた。
「アリス! やるぞ!」
そして俺の呼び掛けに
「分かった!」
アリスが応じる。
ゾンビ軍団を召喚するため手を掲げるが、その前にシドが素早く動いた。
「凍り付け! マハブフーラ!」
シドの手から吹雪……中級大氷結魔法マハブフーラが放射され、俺たちを包もうとする。
それに俺は横に跳躍して直撃を避けたが
「わあああああ!」
アリスはまともにそれを浴びた。
「アリス!」
俺の叫びに
「大丈夫だよお兄ちゃん! このくらいならアリス大丈夫!」
すぐさま、吹雪の嵐の中から元気な言葉が返って来る。
それに胸を撫でおろす。
だが
「ちっ……2週間前には一般人だったはずの男が魔人アリスを仲魔にしているだと!?」
シドが驚愕と悔しさを滲ませた声でそう叫んだ。
ここでようやくそこに気づいたのか。
「そんな馬鹿な話があるのか!?」
その言葉に俺は
「妹の魂を取り返すためだ!」
そう返した。
紛れもない本心だ。
「……ふざけるなッ! そんなことがあってたまるかッ!」
吐き捨てるように言うシドの顔には
焦りと……
あと、何故か嫉妬があるように感じた。
そして
「……くそがっ! この状況は分が悪いっ!」
今の俺には魔人アリスを相手にして、無傷で勝てる準備が無い!
そう苛立ち、悔しさを含んだ言葉を吐き。
シドは
「来い! 魔王スルト!」
懐から本を取り出し、その悪魔の名前を呼びかける。
その瞬間、地面に光の魔法陣が展開され。
そこに紫の体色の、燃え盛る炎の剣を持った巨人……魔王スルトが現れた。
灼熱の気配がこの場を包み、俺の肌がチリチリする。
そこでシドが苛立った顔でこう言って、背を向ける。
「スルト、こいつらを始末しろ!」
「御意だ」
シドが走り去って行こうとする。
……逃がすかッ!
デビルサマナーとなった今の俺には分かる。
シドのコンピューターを破壊してネビロスとの契約を破棄すれば、晶の魂は解放されるんだ。
つまり俺の目の前に、俺のゴールがある。
それなのに、それが逃亡しようとしている……!
当然俺は追いかけようとした。
だが、スルトに阻まれた。
スルトは燃え盛る火炎の剣を構えながら
「我が契約主を追うことは許さんぞ」
……邪魔をするなッ!
あと一歩なのに!
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