家に帰ったら部屋にGUMPがあったせいでデビルサマナーになってしまった大学生男子の話 作:XX(旧山川海のすけ)
魔王スルトが巨大な炎の剣を構える。
シドを追跡するには、この巨人を倒すしかない。
「スルト、お前をぶっ倒してシドを追わせてもらう!」
俺は蛇の剣を握り、GUMPで仲魔を召喚することを思案した。
今ここに居るのは魔人アリス。
別所で召喚中なのが魔神プロメテウス、地母神キクリヒメ。
……あと1体。
魔王スルトは見るからに火炎の悪魔だから、呼ぶべきなのは……
俺は素早く思案し、決定。
キーボードにコマンドを打ち込んで、GUMPのトリガーを引いた。
地面に描かれる魔法陣。
呼び出されたのは……
「オレサマニヨウダナ? マカセロサマナー」
大蛇の身体に蝙蝠の翼と鳥のような2本足をくっつけたドラゴン……
龍王クエレプレ。
「行くぞクエレプレ! 水の壁を頼む!」
「リョウカイダ!」
シャアアアア!
羽ばたき、舞い上がるクエレプレの吠え声に反応し、そのクエレプレの足元から水が吹き上がり、俺たちを護った。
「ヌウウウ!」
魔王スルトの怒りの呻き。
厄介なことをしやがって。
そんな意志が感じ取れた。
「シャアアア! ブフーラ!」
そして続けてクエレプレの中級氷結魔法のブフーラにより、氷の槍が空中に形成され、ミサイルのように飛来する。
それを炎の剣で払おうとする魔王スルト。
だが
「死んでよ紫のおじさん!」
アリスのゾンビ軍団が襲い掛かった。
魔王スルトはそれを焼き払って対処しようとするが、お構いなしに縋りついてくる死者の軍団に
動きが阻害され
そこに
「ブフーラ! ブフーラ!」
クエレプレのブフーラの槍の雨。
防御も許されず、何度もそれをまともに喰らい
「……お……おのれええええええ!」
怨嗟の声をあげつつ、魔王スルトは凍てつき
「終わりだ、スルト!」
俺が踏み込み、蛇の剣をその首筋に深々と突き刺した。
それが致命打になり。
魔王スルトはその身をマグネタイトに分解し、この世から消滅した。
……だけど
「黒おじさんの気配、遠すぎてわからなくなっちゃった」
その悔しそうなアリスの言葉に、俺は残念な思いが沸き上がる。
離れすぎると分からないのか。
くそっ、見失った!
妹を救うチャンスだったのに。
だけど……
アリスは、堕天使ネビロスの気配を感じ取ることが出来て。
そしてシドは堕天使ネビロスを手放すことは無いはずなんだ。
それをすれば、俺に追跡されることを恐れて逃げたという意思表示になる。
そんな真似をあいつはしないはずだ。
それをするくらいなら、自分から襲撃を掛け、自分で標的を抹殺すれば良い。
ああいうタイプの闇社会の人間は、面子を気にするはずだしな……
……切っ掛けは偶然だったけど。
俺は手元に魔人アリスが仲魔として存在していることに、ある種の運命を感じた。
突破口、見つかる。
これにて第8章は終了です。
次回から第9章です。
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